「タイヤの溝の深さって重要なの?」「タイヤの溝をなるべく長持ちさせたい」
タイヤを購入したら、同じタイヤを長い期間使用したいですよね。
タイヤの溝は、車が安全に走行するためには欠かせない部分です。本記事ではタイヤの溝の深さの役割や危険性、タイヤ交換のタイミングをわかりやすく解説します。
- タイヤの溝の役割とは?
- 【種類別】新品タイヤの溝の深さ
- ┗ 夏用タイヤの溝の深さは新品で8mm
- ┗ スタッドレスタイヤの溝の深さは10mm
- タイヤの溝が浅くなるとどうなる?
- 【タイヤの残溝別】タイヤを交換するタイミング
- ┗【タイヤの残溝が4mm以下】タイヤ交換がおすすめ
- ┗【タイヤの残溝が5mm~6mm】継続利用可能
- ┗【タイヤの残溝が6mm以上】例外を除いて継続利用可能
- タイヤの溝の深さは罰則や車検に関係する
- タイヤの溝の深さを確認する方法
- ┗ 5円玉で確認する方法
- ┗ 専用の工具で確認する方法
- タイヤを長持ちさせるポイント
タイヤの溝の役割とは?
タイヤの溝は路面とタイヤの間の水を効率良く排出し、雨の日に発生しやすいハイドロプレーニング現象を予防する役割を担っている重要なタイヤの一部です。
タイヤの溝の深さや溝の模様はメーカーによって多種多様であり、安全に走行できることを前提に設計されています。またタイヤの溝は排水溝の役割の他に、以下のような役割を果たしています。
● 走行中の耐偏摩耗性の向上
● 走行のふらつきを抑え安定性を発揮する
上記でわかるようにタイヤの溝は、安全に走行する上で重要な部分です。次章から、タイヤの溝の深さの重要性をより詳しく解説します。
【種類別】新品タイヤの溝の深さ
タイヤの種類によって、新品タイヤの溝の深さは異なります。本章では、夏用タイヤとスタッドレスタイヤの溝の深さについて解説します。
● スタッドレスタイヤの溝の深さは10mm
夏用タイヤの溝の深さは新品で8mm
夏用タイヤの溝の深さは、新品タイヤで8mmです。
タイヤの溝の深さが8mmあることで、以下のような走行性能を発揮できます。
● エンジンやブレーキの力を地面に伝える
● 路面の衝撃を緩和する
● まっすぐ走行できる安定性を保つ
上記の走行を可能にするためにタイヤの溝は欠かせませんが、タイヤの摩耗に伴いタイヤの溝は徐々に減少するため、タイヤの劣化に伴い走行性能は必ず低下します。
タイヤの溝の深さの見極めが安全に走行できる重要なポイントになるため、以下内容を覚えておくことをおすすめします。
● タイヤの溝の深さが4mm以下になると制動距離が長くなる
後述しますが、安全に走行できるタイヤの溝の深さは五分山(4mm)までです。
タイヤの溝の深さが4mm以下になると、走行性能の低下につながります。
またタイヤの溝の深さが1.6mmになるとスリップサインが出現し、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなるため注意が必要です。
タイヤ交換を検討中の方は、タイヤの溝の深さが4mmを下回る前にタイヤ交換することをおすすめします。
スタッドレスタイヤの溝の深さは新品で10mm
スタッドレスタイヤの溝の深さは、新品の状態で10mmです。スタッドレスタイヤは雪道を安定して走行できるよう作られているため、夏用タイヤと比較してタイヤの溝が深く、地面の接地面積も大きい特徴があります。
またスタッドレスタイヤは、プラットホームで走行性能の判断が可能です。プラットホームとはスタッドレスタイヤとして使用できる基準であり、50%タイヤの溝が減ると以下のように出現します。
プラットホームが出現した場合雪道でスタッドレスタイヤとして使用できませんが、スリップサイン(1.6mm)が出現するまで夏用タイヤとして使用することは可能です。ただし雪道に特化したタイヤであるため、夏用タイヤとして使用するのはおすすめできません。
次章では、タイヤの溝が浅くなった状態で走行を続ける危険について解説します!
タイヤの溝が浅くなるとどうなる?
新品のタイヤで走行すればタイヤの走行性能を十分に発揮できるため、安心してカーライフを満喫できるのではないでしょうか。一方でタイヤの溝が浅くなった場合、タイヤの走行性能が低下するため安全に走行できなくなります。
タイヤの溝は走行距離や経年劣化で必ず減少していきます。本章では、タイヤの溝が浅くなるとおこる危険性を解説します。
● 走行性能が低下する
ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなる
タイヤの溝が浅くなると制動距離が長くなり、スリップサインが出現する1.6mmまで溝が浅くなった場合、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。
とくに注意が必要なタイヤの溝の深さは、4mmを下回ったときです。
以下の図でわかるように、タイヤの溝が4mmを下回った場合、タイヤの排水性能の低下が顕著にあらわれ、制動距離の増加に伴い安全に走行できません。
さらに、タイヤの残溝が1.6mmになるとスリップサインが出現します。スリップサインが出た場合、晴れの日でもスリップしやすくなりますが、雨の日の走行ではブレーキが利きにくくハンドル操作性も低下するため、最悪大きな事故につながるかもしれません。
タイヤの溝の深さが4mmを下回る前に、タイヤ交換することをおすすめします。
走行性能が低下する
タイヤの溝が残っているほど走行性能を発揮しますが、タイヤが摩耗し溝が浅くなれば走行性能は低下します。
タイヤの走行性能が低下して起こる具体的な状況は、以下の通りです。
● カーブを曲がるときの安定性が低下する
● ハンドルが効かない
上記のようなタイヤの状態になるまで使用した場合、最悪スリップして事故につながる危険性も考えられます。
またタイヤに大きな負担がかかれば、走行中にバーストする危険性も高くなります。タイヤの溝は定期的に確認し、溝の深さに応じた対策を取りましょう!
タイヤの溝の深さを目視で確認が苦手な方は、最寄りの店舗に相談するのがおすすめです。
【タイヤの残溝別】タイヤを交換するタイミング
「タイヤの溝の深さが何ミリで交換するの?」「タイヤを交換するタイミングがわからない」このようにお悩みの方もいるのではないでしょうか。
本章では、タイヤ交換するタイミングの目安をタイヤの残溝別で解説します。
- 【タイヤの残溝が4mm以下】タイヤ交換がおすすめ
- 【タイヤの残溝が5mm~6mm】継続利用可能
- 【タイヤの残溝が6mm以上】例外を除いて継続利用可能
1.【タイヤの残溝が4mm以下】タイヤ交換がおすすめ
タイヤの残溝が4mm以下になった場合、タイヤ交換をおすすめします。理由はタイヤの残溝が50%を下回ると、制動距離が長くなり走行性能が低下するからです。
先述の通りタイヤの溝が4mm以下を下回ると、ハイドロプレーニング現象や走行性能の低下、最悪事故につながる可能性があります。
車検に通る基準は1.6mmですが、安全に走行できるタイヤの溝の深さは4mm以上必要です。
タイヤの残溝が4mm以下になったら、事故を未然に防ぎ安全に走行するためにタイヤ交換を実施しましょう!
2.【タイヤの残溝が5mm~6mm】継続利用可能
タイヤの残溝が5mm〜6mmは、継続利用可能です。タイヤの溝の深さが半分以上残っている状態であるため、走行性能は十分に発揮できるタイヤの状態といえます。
ただしタイヤの管理状態や走行方法によって、タイヤにひび割れが発生したり偏摩耗したりと、タイヤが劣化している可能性もあるため注意が必要です。
タイヤを長く使用するためには定期的にタイヤの摩耗を確認し、タイヤをローテーションしたり空気圧を適正値にしたりと、タイヤの摩耗が均一になるような対策をしておきましょう!
3.【タイヤの残溝が6mm以上】例外を除いて継続利用可能
タイヤの残溝が6mm以上残っている場合、一般的に問題なく走行可能です。ただし以下のようなタイヤの状態は、タイヤ交換が必要になるかもしれません。
● タイヤに偏摩耗が発生している
上記のようなタイヤは、タイヤの劣化が早まるだけでなく走行に支障がでるため、タイヤ交換が必要です。
「まだタイヤの溝が浅いから大丈夫」「次のタイヤ点検で確認してもらおう」
このようにお考えの方は、念のためタイヤ点検することをおすすめします。
タイヤのひび割れや偏摩耗を無視して走行すれば、最悪の場合バーストする危険性も高くなります。
タイヤの溝が6mm以上残っていてもタイヤの状態は定期的に確認し、摩耗の状態に応じた対策をとりましょう!
タイヤの溝の深さは罰則や車検に関係する
タイヤの溝の深さが、罰則や車検にも関係することを忘れてはいけません。安全に走行しているつもりでも、法令違反や車検に通らない状態のタイヤで走行している可能性があるからです。
本章では、タイヤの溝の深さと罰則や車検に関係する、以下の内容を解説します。
● 車検に通らない
整備不良で法令違反になる
「タイヤの溝の深さは確認していない」「自分ではタイヤの点検を実施していません」このようなあなたは、整備不良により法令違反になるかもしれません。
国土交通省では、タイヤの溝の深さが1.6mm以上必要という保安基準が設けられています。タイヤの溝の深さが1.6mmになり、スリップサインが出ている状態で走行を続けた場合、以下の罰則を受ける可能性があります。
【道路交通法(設備不良)による減点と反則金詳細】
減点数 | 反則金 |
---|---|
2点 | 9,000円 |
またスリップサインが出るまで使用したタイヤは、ハイドロプレーニング現象が発生しやすかったりハンドルが効かなかったりと、安全に走行できるタイヤの状態とはいえません。
タイヤの溝の深さは定期的に確認し、保安基準を満たした状態のタイヤで安全に走行しましょう!
車検に通らない
先述の通りタイヤには保安基準が設けられており、タイヤにスリップサインが1カ所でもあると車検には通りません。
タイヤの溝の深さが1.6mmを下回るタイヤの使用は危険であり、継続して使用できないタイヤであることを理解する必要があります。また車検に通らない他にも、以下のような危険やデメリットが生じます。
● ハイドロプレーニング現象が起きやすい
● スリップしやすく事故につながる可能性がある
● バーストする危険がある
車検に通らないタイヤは、あなたの危険だけでなく周囲にも悪影響を与える可能性があることを忘れてはいけません。
車検に通らないタイヤの状態になる前に、タイヤ交換を実施して起こりうる悪影響を未然に防ぎましょう!
タイヤの溝の深さを確認する方法
「整備不良になって罰則を受けたくない」「タイヤの溝の深さを確認する方法がわからない」
このようなお悩みの方もいるのではないでしょうか。本章では、タイヤの溝の深さが簡単に確認できる方法を解説します。
● 専用の工具で確認する方法
5円玉で確認する方法
タイヤの溝の深さは、5円玉を使えば簡単に確認できます。5円玉を使ってタイヤの溝の深さを確認する方法は、以下の通りです。
五の3画目の下側でわかる溝の深さ | 五の4画目の下側でわかる溝の深さ |
---|---|
4mm | 1.6mm |
1.6mmはスリップサインですが、安全に走行できる基準の4mmも計測することが可能です。タイヤの溝の深さが4mmを下回った状態で走行した場合、走行性能が低下しているため運転に支障が出るかもしれません。
簡単に確認できるため、安全に走行するためにぜひ試しに計測してみてください!
タイヤ摩耗計で確認する方法
タイヤの溝の深さを正確に確認したい方は、タイヤ摩耗計がおすすめです。タイヤに以下写真のような摩耗計を垂直に当てるだけなので、簡単にタイヤの溝の深さを測定できます。
上記の商品はタイヤの溝の深さに対し「安全」から「危険」までの基準が書いてあり、価格も約350円であるため、はじめてタイヤ摩耗計の購入を検討中の方におすすめです。
タイヤを長持ちさせるポイント
タイヤを購入したら、できる限り長い期間使用したいですよね。
タイヤの溝の深さは、1度減少したら修復できません。またタイヤの劣化状態により、タイヤ交換を余儀なくされることも考えられます。
そのためタイヤを長持ちさせるためには、タイヤの溝の深さを均一に摩耗させられるかがポイントです。本章では、タイヤを長持ちさせるポイントを4つご紹介します。
- タイヤの空気圧を確認
- 急発進・急停車を避ける
- タイヤをローテーションする
- タイヤを保管する場合は紫外線を避ける
1.タイヤの適正空気圧を保つ
タイヤの空気圧は、誰でも簡単に確認できる方法のひとつです。メーカーで定められたタイヤの空気圧に保てれば、以下の効果が期待できます。
● 燃費効率が良くなる
● 走行性能が発揮できる
一方で、タイヤの空気圧が適正値より高すぎたり低すぎたりした場合、タイヤに以下のデメリットが生じる可能性があります。
タイヤの空気圧が高い場合 | タイヤの空気圧が低い場合 |
---|---|
トレッドの中心部が摩耗する | タイヤ側面(ショルダー部)が摩耗する |
走行時の衝撃が伝わりやすくなる | タイヤが円周方向にのこぎりの歯のように摩耗する |
タイヤに大きく負担がかかり劣化を早める | 燃費効率が低下する |
上記でわかるようにタイヤの空気圧が適正値以外の場合、タイヤの摩耗バランスが悪くなったり走行性能の低下につながったりと、デメリットしかありません。
タイヤの空気圧の確認方法は、運転席側の扉を開けた側面にある以下の写真のようなラベルで確認可能です。
上記の写真のように目視で簡単に確認できるため、1ヶ月に1回はガソリンスタンドや最寄りの店舗で空気圧の確認と補充をし、タイヤの空気圧は適正値に保ちましょう!
2.急発進・急停車を避ける
「急に停車することが多い」「アクセルを急に強く踏んでいる」
このような急発進や急停止を避けるだけで、タイヤの寿命を長くすることが可能です。急発進や急停止が原因で、タイヤが以下のような悪影響を受けるリスクがあります。
上記のような、局所摩耗が発生すれば安全に走行を継続できなくなるかもしれません。またタイヤの溝が残っても偏摩耗が発生した場合、タイヤ交換は必須になるため多くのコストがかかります。
急発進や急停止を避けて局所摩耗を未然に防ぎ、タイヤを長く使用しましょう!
3.タイヤをローテーションする
「タイヤをローテーションしませんか?」このような提案を、店舗スタッフにされたことはありませんか?
タイヤを長持ちさせる方法のひとつが、タイヤのローテーションです。タイヤのローテーションとは、4本のタイヤの摩耗を均一に近づける作業です。
車種やタイヤの状態によってタイヤの摩耗する部位が異なります。摩耗したタイヤを無視して走行した場合、タイヤに以下のリスクが考えられます。
● ホイールバランスが崩れる
● アライメントが崩れる
上記のリスクが発生した場合、タイヤ交換費用の他に、タイヤや車両の調整作業が発生するためコストがかかるかもしれません。タイヤに摩耗が発生したらタイヤの寿命を長くするために、タイヤローテーションを実施しましょう!
4.タイヤを保管する場合は紫外線を避ける
タイヤを保管する場合は紫外線を避けましょう。使用するタイヤのケアも重要ですが、交換後のタイヤも適切な環境での保管も重要です。
紫外線を受ける環境でタイヤを保管すると、タイヤに以下の悪影響をあたえるため注意が必要です。
● タイヤの劣化が早くなる
上記のような保管状況ではタイヤの溝が浅い状態でも、タイヤのひび割れや亀裂が原因でタイヤ交換が必要になるかもしれません。
タイヤのひび割れや亀裂、劣化促進からタイヤを守るためにも、交換後のタイヤは適切な環境で保管しましょう!
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あらためて、本記事では以下の内容を解説しました。
● 【種類別】新品タイヤの溝の深さ
● タイヤの溝が浅くなるとどうなる?
● タイヤの溝の深さは罰則や車検に関係する
● タイヤの溝の深さを確認する方法
● タイヤを長持ちさせるポイント
● 【タイヤの残溝別】タイヤを交換するタイミング
タイヤの溝の重要性はわかっていても、なかなか自分で確認することも難しいのではないでしょうか?
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