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    タイヤ知識 スタッドレスタイヤ ライターチーム

    スタッドレスタイヤの空気圧は高めがいい?プロが疑問に答えます

    最終更新日 2024年10月8日

    「スタッドレスタイヤの空気圧はどれくらいがいいの?」
    「高めがいいっていうけど、本当?」
    「スタッドレスではインチダウンしたんだけど、空気圧はどうすればいいの?」

    今回は、このようなスタッドレスタイヤに関する空気圧についての疑問について、ご説明していきたいと思います。

    スタッドレスタイヤの空気圧は普通タイヤと同じで問題はない

    スタッドレスタイヤの空気圧は普通タイヤと同じで問題はない

    空気圧とはタイヤに充填された空気の圧力のことを指し、空気圧が適正かどうかは、タイヤの性能に重大な影響をもたらします。

    普通タイヤ(ノーマルタイヤ)は指定された適正空気圧にしているけれど、性能やゴムが全然違うスタッドレスタイヤの場合は同じでいいのか‥?という疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思います。

    結論をいうと、スタッドレスだからといって特に空気圧を高め・低めに設定する必要はないです。高め・低めのメリットもあるのですが、通常の地域(時々降雪・道路凍結があり、ドライ・ウェット路面の走行もある)場合は、手間と効果を考えると、必要かな?というのが正直な所です。

    ただし、豪雪地帯で常に雪上・氷上を走行するという場合は、これから説明するポイントを見て、ご自身のカーライフに合った空気圧に設定してみてください。

    適正空気圧以外だとデメリットも多い

    適正空気圧以外だとデメリットも多い

    そもそも、適正空気圧でない場合、低すぎても高すぎても様々な問題が発生する可能性があります。

    空気圧が低すぎると起こること

    空気圧が低すぎると、以下のようなアクシデントが発生する可能性があります。

    ・トレッド面のはく離やコード切れ
    ・トレッド面の両肩部の異常磨耗
    ・バーストやハイドロプレーニングの危険性

    空気圧が高すぎると起こること

    反対に、空気圧が高すぎると、起こる可能性があることがこちらです。

    ・衝撃キズや切りキズを受けやすくなる
    ・タイヤの中央部の異常磨耗
    ・バーストやハイドロプレーニングの危険性

    タイヤの空気圧は、低すぎても高すぎても重大事故を引き起こす恐れがある為、基本的には常に適正値の空気圧にすることが望ましいです。

    雪道・凍結道路での空気圧について

    タイヤのトレッド

    スタッドレスタイヤは、雪上ではトレッドパターンが大きな役割を果たし、アイスバーンではゴム(コンパウンド)が性能を大きく左右します。

    タイヤのトレッドとは、タイヤの構造のうち、地面と接触する部分のことです。一方のゴム(コンパウンド)は混合物、複合物の意味で、タイヤで使用される複合ゴムのことを指します。

    雪道を走る場合

    雪道を走る場合

    圧雪された路面では、トレッドブロックが雪を踏む力がポイントとなります。

    この観点から言うと、タイヤ幅が細い(=空気圧は高め)の方が、接地面圧が高くなるので有利になるということです。

    しかし、柔らかい雪の中で埋もれてしまった場合はタイヤの設置面を増やした(=空気圧は低め)の方が脱出しやすいです。新雪の上をどうしても走行しなければならない場合は、空気圧を下げることを検討してもいいでしょう。

    アイスバーンを走る場合

    アイスバーン

    凍った路面では、スタッドレスタイヤのゴムの性能がポイントとなります。つまり、接地面積が広く取ることができる、タイヤ幅が太い(=空気圧は低め)の方が有利となります。

    一説では、(接地)面圧を増やす(=空気圧は高め)にすると滑りにくくなるとも言われていますが、タイヤメーカーで推奨しているというエビデンスを見つけられなかったので、気になくてよいのでは、と個人的には思います。

    結論・やはり適正空気圧がおすすめ

    スタッドレスタイヤは、雪道と氷の路面の背反する2つの性能を発揮させています。空気圧が適正値外になってしまうと、この複雑なバランスを崩してしまい、スタッドレスタイヤとしての性能を十分発揮できなくなってしまう可能性があります。

    よほどの豪雪地帯でない限り常に新雪、凍結、というケースは少なく、街中などは除雪されていることもあるのでドライ面を走行する場合もあります。また、高速道路にいたってはドライ面である可能性が高いです。

    高めでも低めでもメリット・デメリットがあるので、スタッドレスタイヤの空気圧も、車両ごとに決まっている適正空気圧で設定するのがおすすめです。

    インチダウン時の空気圧はどうすればよい?

    インチダウン図

    スタッドレスタイヤは、サマータイヤよりも装着期間が短いこともあり、インチダウンという選択をしやすいタイヤです。

    インチダウンとは、タイヤの外径(外側の大きさ)を変えず、ホイールサイズを一回り小さくすることを指します。(インチとはタイヤのリム径のことです。)普通タイヤ(ノーマルタイヤ)でドレスアップのために行われる「インチアップ」と反対のことですね。

    インチダウン時の空気圧の調べ方

    タイヤのサイズを変更した際の空気圧の調べ方は次の通りです。

    ①純正タイヤの荷重指数と適正空気圧を確認する。
    ②こちらの対応表から、その負荷能力を調べる。
    ③インチダウン後のタイヤの負荷能力が基準を満たしていることを確認する。
    ④インチダウン後の新しいタイヤの適正空気圧を確認する。

    ①の荷重指数表はこちら

    ②の負荷能力はこちら

    ‥ややこしいですね。しかしご安心を。

    ブリヂストンのページに、タイヤサイズ変更時の推奨空気圧検索システムがありました。こちらで簡単に調べることもできますので、ご覧になってみてください。

    インチダウンのメリット

    インチダウンのメリット

    車には決まったタイヤサイズがあるのに、なぜそんなことをするのか?と思われるかもしれませんが、インチダウンにもメリットがあります。

    ・タイヤの価格が安くなる
    ・乗り心地がマイルドになる
    ・ハンドリングが軽くなる
    ・ハンドルが取られにくくなる

    インチダウンはやみくもに小さくすればいいわけではなく、タイヤの外径が変わらないことやホイールサイズが取り付けできるかどうか、そして、ロードインデックス(荷重指数)が下がらないなどの注意点を守る必要があります。

    高位のグレードで車を購入した場合は、スタンダードタイプのタイヤのサイズを使用すれば、まず失敗はないとは思いますが、念のためカー用品店やタイヤショップのプロに聞いて正しくインチダウンをすることをおすすめします。

    適正空気圧の調べ方

    適正空気圧の調べ方

    愛車の適正空気圧は、下の写真のように運転席側ドア部分に記載されていることが多いので確認してみてください。

    空気圧の表示位置

    写真の場合は、前輪は240kpa(キロパスカル)=2.4キロ、後輪は220kpa=2.2キロ、ということです。

    安全面から見て、空気圧調整の調整幅は±0.2キロ程度、多くても上限は10%程度に留めましょう。

    空気圧はいつチェックする?

    空気圧の点検は1ヶ月に1度以上が望ましいとされています。
    ですが、なかなかできないと思いますので、ガソリン入れるときやカー用品に行く際に、習慣付けると良いでしょう。

    もしくは、窒素ガスを充填することも1つの対策となります。窒素ガスは空気よりも抜けにくいため1度か2度、空気圧チェックを忘れてしまっても多少の安心感があります。

    窒素ガスのメリット

    ちなみにタイヤワールド館ベストでは、新しく窒素ガスを入れる場合は¥2,200円、補充の場合は¥550円で行っています。

    とはいえ、1ヶ月に1度以上確認したほうが良いのは間違いないので、しっかり確認をするようにしましょう。

    タイヤの保管時は半分程度まで空気を抜いておこう

    タイヤ保管時は半分程度まで減圧を

    最後に外した普通タイヤの保管時の空気圧についてご説明します。タイヤを保管する際の空気圧は、規定の半分程度まで空気を抜いておきましょう。

    走行時に適正とされている空気圧のまま保管すると、内圧でゴムに負担がかかる可能性があるからです。また、保管する前にタイヤをしっかり水洗いし、しっかり乾燥させるということも、タイヤを長持ちさせる秘訣です。

    タイヤの劣化を早める主な原因は、汚れ・紫外線・雨風・湿度・温度の5つ
    です。これらを考慮すると、保管場所は直射日光の当たらない風通しのよい冷暗所
    がベストで、タイヤ専用のラックを購入して保管するとなお良しです。

    そのようなスペースが確保できない‥という方は、各社が行っているタイヤ預かりサービスを利用することも一つの手です。

    ベストの場合、バランス調整・空気圧調整・残溝チェック&ホイール安全点検も料金に含まれていますのでお得です。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。

    今回はスタッドレスタイヤにまつわる空気圧についてご説明してみました。

    空気圧はおろそかにされがちですが、タイヤの性能を引き出し、安全なカーライフにとってとても重要です。思わぬ事故につながることもありますので、ぜひご自身に合った空気圧で冬のドライブも楽しんでくださいね。

    作成者: ベストライターチーム

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