最終更新日 2023年6月13日
「スタッドレスとノーマルタイヤの違いは?」
「タイヤの寿命が分からず交換時期が分からない」
「スタッドレスを夏履いても問題ない?」
といったお悩みをお持ちではありませんか?
スタッドレスとノーマルタイヤの見分け方、寿命や交換の見極め方を把握しておくのは、安全に車を使用する上で重要な項目です。
さらに、シーズンオフでもスタッドレスを履いてしまう方は多く、知らないうちに安全性を失っている可能性もあります。
本記事ではタイヤの見分け方や寿命の見極め方、シーズン以外にスタッドレスを履くデメリットについて解説します。
ぜひ本記事を読んでタイヤの履き替え・交換時期を理解して、安全で快適なカーライフを楽しめるようにしましょう。
- スタッドレスとノーマルタイヤの見分け方は誰でも出来る
- スタッドレスとノーマルタイヤにおける寿命の見分け方
- スタッドレスタイヤは春夏も履きっぱなしにできる?
- スタッドレスとノーマルタイヤが混合したオールシーズンもおすすめ
- タイヤ選びに困ったらプロに相談しておけば間違いなし!
スタッドレスとノーマルタイヤの見分け方は誰でも出来る
スタッドレスとノーマルタイヤの見分け方は、それぞれの特徴さえ抑えておけば、車に詳しくない方でも判別できるようになります。
雪が少しでも降る地域にお住まいの方は、ノーマルタイヤからスタッドレスへ履き替えを行うと思いますので、タイヤの見分け方・特徴の違いを覚えておきましょう。
ポイントは以下の4つです。
- 側面の見た目で見分ける
- ゴムの材質で見分ける
- 溝の深さ見分ける
- 運転時に見分ける
詳しく説明します。
スタッドレスタイヤは側面の見た目ですぐに分かる
最も簡単に見分ける方法としては、タイヤの側面にある表示を見る方法です。
タイヤの側面には製造メーカーやシリーズ名、サイズなどタイヤに関わる情報が表記されています。
実はスタッドレスの側面に「STUDLESS」もしくは「SNOW」の表示があり、この表示を見るだけでタイヤの種類を判別できるようになっています。
ゴムや溝で判別するよりもわかりやすいため、まずは側面を見てタイヤを見分けましょう。
ただ、劣化によって文字表記が見えなくなってしまうケースもあります。
その場合は以下で説明していくゴムの材質や溝の深さで判別するようにしてください。
ゴムの材質が大きく違う
スタッドレスとノーマルタイヤではゴムの材質が大きく変わります。
ゴムの性質上、温度が下がると硬くなりますが、スタッドレスは複合ゴムの素材配合を調整して低温でも硬くならず柔軟性を維持する作りになっています。
柔軟性があり柔らかいほど路面に密着するため、雪や氷の上でも滑らずグリップ力が発揮されます。
ゴムの材質を確かめるためにも、指でタイヤの表面を押してみると柔らかさの違いが分かるかもしれません。
また、雪道が滑ってしまうのは氷の上にできる水の層が原因とされています。
したがって、スタッドレスのゴムは水を吸収するような加工が施され、雪や氷の引っ掻き効果によって安定した走行が可能です。
溝の深さが異なる
スタッドレスとノーマルタイヤは溝の深さも大きく異なります。
ノーマルタイヤの溝は約8mm前後の深さに対して、スタッドレスの溝は約10mm前後の深さがあり、より深い形状です。
さらに、スタッドレスにはサイプと呼ばれる小さな切れ込みが多数入っていて、雪や氷の上でグリップするように作られています。
溝の深さに加えて、スタッドレスの接地面は角張ったブロック状になっているため、見比べると違いがハッキリ分かるはずです。
スタッドレスタイヤとノーマルは運転した時にも違いがある
スタッドレスはゴムの材質や溝の形状が変わるので、ドライ路面を運転した時に感じる感覚はノーマルタイヤと異なります。
スタッドレスはゴムが柔らかい形状をしているため、ノーマル装着時よりもグニャっとした感触で違和感を感じる人も多いでしょう。
また、本来雪道や凍結路面を走るために設計されているので、ドライ路面・ウェット路面では制動距離が長くなってしまい「なんだかコントロールしにくい」と感じるはず。
さらに、ロードノイズと呼ばれる走った時の音も違います。
スタッドレスでドライ路面を走ると特有の音が発生するため、走っている時に「うるさい」と感じて乗り心地も低下します。
特に高速道路を走った時に大きな音が発生するので、違いがハッキリ分かるはずです。
スタッドレスは年々進化しているため、ドライ路面を走った時に乗り心地が低下しないモデルも数多く出ています。
都会にお住まいの方であれば、スタッドレスでドライ路面を走ることも多いので、乗り心地の性能が高いスタッドレス、もしくはオールシーズンタイヤを選ぶのがおすすめです。
オールシーズンタイヤについては、後ほど解説いたします。
スタッドレスとノーマルタイヤにおける寿命の見分け方
車を使用すれば自然とタイヤは消耗していきます。
日頃から車をチェックしていない方は、気づかない内にタイヤの寿命を迎えている可能性があるでしょう。
タイヤが劣化しているとスリップしやすいだけでなく、走行中にバースト(破裂)するなど命に関わる危険性が潜んでいます。
スタッドレスとノーマルタイヤはそれぞれチェックすべきポイントが違うため、ここで理解を深めておき、乗っている車のタイヤが消耗していれば速やかに交換してください。
ノーマルタイヤはスリップサインで見分ける
ノーマルタイヤには「スリップサイン」と呼ばれるマークがあり、溝が基準以下の深さになるとお知らせしてくれます。
スリップサインが出ている状態は、寿命を完全に超えた危険状態になるため、早急に交換が必要です。
スリップサイン自体は溝が1.6mm以下になると出現しますので覚えておきましょう。
さらに、道路交通法で残り溝に対する明確な基準があり、溝の深さが1.6mm以下のタイヤで走行すれば「整備不良車両」となり、法律違反の2点と反則金を受けることにもなります。
定期的にスリップサインが露出していないかチェックしてください。
ただポイントとしては、安全に車を使用するならスリップサインが露出してからのタイヤ交換では遅いという点。
理想としては残り溝が4mm以下になったらタイヤの交換をおすすめします。
これは溝が4mm以下になってしまうと制動距離が急激に大きくなるとされ、性能も格段に低下する形です。
具体的には以下の機能が低下します。
・タイヤの駆動力とグリップ力
・車の操縦安定性
タイヤの接地面と路面の間に水が残ってしまうと、タイヤが滑りハンドル操作が不安定になるハイドロプレーニング現象も起きやすくなります。
溝が4mm以下になったら、ノーマルタイヤの寿命と捉えましょう。
スタッドレスはプラットホームで見分ける
スタッドレスは雪道や凍結した道など滑りやすい路面を走るため、交換すべきタイミングはノーマルタイヤに比べて早く訪れます。
そのタイミングを見分ける方法として「プラットホーム」と呼ばれる突起物がスタッドレスには設置されています。
溝が50%摩耗すると急激に性能が落ちるとされるため、新品時と比べてどれだけ摩耗しているかを見極められる機能です。
プラットホームはタイヤの接地面にあるブロックの間に存在し、見方としては突起物の先端がブロックの高さに近づいてきたら交換の合図になっています。
スタッドレスを必要とする場面において、グリップ力など性能を最大限発揮できなければ大きな事故につながる可能性もあるので、プラットホームはこまめにチェックしてください。
ちなみに、ノーマルタイヤ同様に1.6mm以下を知らせるスリップサインはスタッドレスにも存在します。
氷雪路は非常に危険が多いため、スリップサインが露出しているスタッドレスは絶対に使用しないでください。
また、使用している地域の環境、車の使用頻度、運転の仕方で変わりますが、スタッドレスは3年前後使用したらゴムの劣化も進んでいるので、買い替えを検討するということも覚えておきましょう。
スタッドレスタイヤは春夏も履きっぱなしにできる?
冬にスタッドレスへ履き替えたものの、「ノーマルタイヤに戻すのが正直面倒」「交換費用がもったいない」と感じて、そのままスタッドレスを履き続けてしまう、いわゆる「履きつぶし」をする方も見かけます。
確かに法律でNGになっているわけでもないので、スタッドレスでも春夏の路面を走行することは可能です。
ただし、スタッドレスはあくまで雪氷路面の走行を想定しているので、ドライ路面では制動距離が長くなり、安全性を損なう可能性があります。
さらに燃費にも悪影響・交換の手間がない
・交換にかかる費用が必要ない
安全性を失い、命に関わる危険性を考えれば、多少のコストがかかっても履き替えは必須です。
具体的にどんなデメリットがあるのか詳しく解説していきます。
デメリット1.ウェット路面によって制動力も劣る
スタッドレスはノーマルタイヤと違い、横向きにたくさんの溝が入っています。
この溝が路面の引っかき効果を生み出し、雪氷路面を滑らないように設計されています。
ただし横溝は排水機能が悪く、雨の日などの濡れた路面を走った場合は制動距離が伸びてしまい、安全性が損なわれます。
くわえて、「ハイドロプレーニング現象」と呼ばれるタイヤと路面の間に水の膜が発生し、タイヤが浮いたことでブレーキが効かなくなる現象も起きやすいです。
制動力が劣れば思わぬ事故を誘発する可能性もあるので、冬シーズン以外はノーマルタイヤに履き替える必要性は高いといえます。
さらに注意すべきは、乗っている車に「自動ブレーキシステム」が付いているユーザーです。
自動ブレーキシステムはノーマルタイヤを履いている前衛で作動するため、制動距離に若干の誤差が発生します。
誤差があるからといって必ず事故につながるとは考えにくいですが、時には命取りになる可能性も0ではないので、履き替えをしておくべきでしょう。
デメリット2.熱に弱くバーストする可能性も
スタッドレスのゴムは柔らかい素材で作られているので、夏の炎天下で高速走行をしているとゴムが耐えられなくなり、バースト(破裂)してしまう可能性があります。
特に劣化が進んでいるスタッドレスは要注意です。
何年も使用したスタッドレスであれば、ヒビ割れや傷が発生しているケースも多く、劣化が進んだ箇所を起点に破裂してしまいます。
ちなみに、タイヤが破裂する予兆の一つとしてスタンディングウェーブ現象(速度が上がるに連れて車体が小刻みに振動する)と呼ばれるものがあります。
走行していて違和感を感じたスタッドレスは非常に危険なので、履き替え・買い替えをしてください。
デメリット3.スタッドレスは燃費性能が劣る
スタッドレスのゴムは柔らかいので、ドライ路面を走った時に密着しやすく摩擦抵抗が増えてしまいます。
当然抵抗が増えればその分エネルギーを多く必要とするので、力を無駄に消費し燃費悪化につながる形です。
スタッドレスを履き続けた場合、一般的には約10%程度燃費の悪化が起こるとされています。
年々車の燃費は良くなっているものの、燃料自体の金額は高く、年間で燃料費を計算すれば大きな金額です。
無駄な支出を増やさないためにも、シーズン毎の履き替えをおすすめします。
デメリット4.スタッドレスタイヤとノーマルタイヤには価格差もある
ノーマルタイヤと比較すればスタッドレスのほうが価格相場は上がります。
買い換えとなれば、ノーマルタイヤよりも大きな支出が発生するので、なるべく長く使い続けたいと誰しも考えているはず。
ただし、冬シーズン以外でもスタッドレスを履き続けてしまえば消耗スピードは早く、買い替えのタイミングは早く訪れてしまいます。
少しでも使用期間を減らし、消耗を抑えられるようにできれば長く使用できるので、冬シーズンが終わったらすぐに履き替えるようにしましょう。
履きつぶしについてはスタッドレスタイヤの履きつぶしについての記事も参考にしてみてください。
スタッドレスとノーマルタイヤが混合したオールシーズンもおすすめ
項目 | ノーマル | スタッドレス | オールシーズン |
ドライ路面 | ◎ | △ | ◯ |
ウェット路面 | ◎ | × | ◯ |
シャーベット路面 | × | ◎ | ◯ |
雪道 | × | ◎ | ◯ |
凍結路 | × | ◎ | △ |
スタッドレスとノーマルタイヤのいいとこ取りをしたのが「オールシーズンタイヤ」です。
舗装路ではノーマルタイヤと同様の乗り心地を体験しつつ、雪道も同じタイヤで走行できてしまう優れもの。
「めったに雪は降らない」「履き替え作業が手間だ」「タイヤの保管場所がない」という方であれば、ぜひ検討してほしいタイヤの種類になります。
タイヤの製造技術は年々進化しているので、オールシーズンタイヤに不安を感じていた方も安心してお使いいただけます。
メーカーやモデルにもよりますが、万能タイヤというポテンシャルがありながら、スタッドレスの価格とそこまで大きな差はないので、十分候補に入るのではないでしょうか。
ただし、以下の条件下ではオールシーズンタイヤのおすすめはできません。
・気温が非常に低くアイスバーンがある地域
雪道は問題ないとしつつも、積雪量が多い路面や凍結した路面では不安が残ります。
危険性が高い地域ではスタッドレスを選ぶようにしてくださいね。
タイヤ選びに困ったらプロに相談しておけば間違いなし!
スタッドレスとノーマルタイヤの見分け方は以下の4つです。
- タイヤの側面に「STUDLESS」もしくは「SNOW」の表示があるか
- ゴムを押した時の柔らかさ
- 溝の深さ(ノーマルタイヤの溝は8mm前後・スタッドレスの溝は10mm前後)
- 走行しているときに感じる感触の違い
種類の見分け方にくわえて、タイヤの寿命を見分ける方法もまとめます。
- ノーマルタイヤはスリップサイン・スタッドレスはプラットホームをチェック
- ノーマルタイヤは残り溝が4mm以下、スタッドレスは溝が50%摩耗したら交換
- タイヤは使用開始から3年〜4年経過したら寿命を迎える
寿命を迎えたタイヤは、早急に交換・買い替えをしてください。
また、交換が面倒だからといって、シーズンオフになってもスタッドレスを履き続けてしまう方もいます。
スタッドレスは、ドライ路面やウェット路面において路面制動力の低下や走行中のバーストといった危険性が潜んでいるので、冬が終わったタイミングで履き替えも実施してくださいね。
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