最終更新日 2024年10月21日
あまり雪が降らない地域に住んでいる人は、数回の降雪のためにスタッドレスタイヤに履き替えるのは面倒だと思っていませんか?スタッドレスタイヤの購入・交換にも費用がかかるので、雪の日は外出しないと決めている人も多いでしょう。
降雪が少ない地域に住んでいる人には、オールシーズンタイヤがおすすめです。オールシーズンタイヤは一年を通して履き続けられるため、スタッドレスタイヤの購入・交換費用がかかりません。そこで当記事では、オールシーズンタイヤのメリット・デメリットやどのような人に向いているのかを解説します。
冬の間でもオールシーズンタイヤで冬を越せれば、交換の手間や費用が発生しなくなります。浮いたお金で、旅行や美味しい食事にいけるかもしれませんよ!
- オールシーズンタイヤとは?
- オールシーズンタイヤのメリット
- オールシーズンタイヤのデメリット
- オールシーズンタイヤがおすすめな人・不向きな人
- おすすめのオールシーズン対応タイヤ
- ┗ダンロップ:シンクロウェザー
- ┗ダンロップ:オールシーズンマックス AS1
- ┗トーヨータイヤ:セルシアス
- オールシーズンタイヤは降雪が少ない地域におすすめ
オールシーズンタイヤとは?
オールシーズンタイヤは、一年を通して履き続けられるタイヤのことです。雪が降らない地域ではサマータイヤでも一年中対応できますが、降雪がある地域はスタッドレスタイヤに履き替えるのが一般的です。ただ、あまり雪が降らない地域に住んでいる人は、スタッドレスタイヤに交換するのはもったいないと思っている人も多いでしょう。
そこで降雪が少ない地域で活躍するのが、オールシーズンタイヤです。この見出しでは以下について解説します。
● オールシーズンタイヤの寿命は3〜5年
● オールシーズンタイヤの交換時期はスリップサインとプラットホームで見極める
オールシーズンタイヤの特徴を知り「雪でも走れる夏タイヤ」の概要を掴んでおきましょう。
オールシーズンタイヤは特殊なコンパウンドやトレッドパターンが使用される
オールシーズンタイヤは、晴天・降雨時にはサマータイヤに近いグリップ力、雪道ではサマータイヤより優れています。
オールシーズンタイヤには、特殊なコンパウンドやサマータイヤと異なるトレッドパターンが使用されています。そのため、降雨時の排水性や冬でもタイヤの柔軟性を維持できるので、雪道での走行が可能です。
また「スノーフレークマーク」がついていれば、冬用タイヤ規制が出ている道路でも走行が可能です。ただ、路面が悪化したときに発令されるチェーン規制は、タイヤの種類にかかわらず、チェーンを装着しなければいけません。
オールシーズンタイヤは雪道も走れますが、スタッドレスタイヤの性能には及びません。そのため、雪が深い地域では季節専用タイヤを使用しましょう。
オールシーズンタイヤの寿命は3〜5年
オールシーズンタイヤの寿命は、サマータイヤと同じく3〜5年です。オールシーズンタイヤはサマータイヤに近いゴムを使用した専用設計になっているため、寿命はサマータイヤと変わりません。
一方で、スタッドレスタイヤの寿命は3〜4年です。そのため、オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤより寿命が長い傾向にあります。ただ、交換時期の目安が2つあり、冬タイヤとして利用できる寿命は短いので注意しましょう。
オールシーズンタイヤの交換時期はスリップサインとプラットホームで見極める
オールシーズンタイヤの交換時期の目安は2種類あり、以下の通りです。
● 冬の交換目安
夏と冬ではタイヤに求める性能が異なるため、夏用のスリップサインと、冬用のプラットホームが設けられています。以下の見出しで、オールシーズンタイヤの交換時期を季節ごとに解説します。
春から秋の交換目安
オールシーズンタイヤを春から秋に交換する場合は、スリップサインを目安にしましょう。オールシーズンタイヤは基本構造がサマータイヤなので、春〜秋に交換する場合は交換目安も同じになります。
スリップサインは、タイヤの残り溝が1.6mmを過ぎたときに現れます。スリップサインが一箇所でも見えていたら車検にも通らず、走行にも危険が伴うので早急に交換しましょう。
冬の交換目安
オールシーズンタイヤが雪道を走行できる限界の目安は、プラットホームを参考にしましょう。プラットホームはスタッドレスタイヤの残り溝が50%を切ったときに現れ、冬用タイヤとしての使用限界を示すサインです。
冬前にプラットホームが見えていた場合、雪道の走行に危険が伴うので、タイヤ交換が必要です。ただ、スリップサインはプラットホームより奥にあるので、サマータイヤとしてはまだ使用できます。
オールシーズンタイヤのプラットホームは、雪道を走れる限界のサインです。オールシーズンタイヤを冬に使用する場合は、プラットホームが見えていないか事前に確認しましょう。
オールシーズンタイヤのメリット
オールシーズンタイヤのメリットは以下の通りです。
● タイヤの保管場所が不要
● 夏用と冬用を揃えるより安価
降雪が少ない地域に住んでいる人は、オールシーズンタイヤにすればメリットを多く享受できるでしょう。
一年中使用できる
オールシーズンタイヤはその名の通り、一年中使用できます。雪道を走行できるように、サマータイヤとは異なるトレッドパターンや素材を採用しているからです。
昨今、都心部でも急な降雪が多く、雪の予報が出たときはカー用品店やタイヤ専門店に人が押し寄せます。そのため、予約が取れずスタッドレスタイヤに交換できない方も多いでしょう。
オールシーズンタイヤなら、急な降雪でもスタッドレスタイヤに交換する必要はありません。冬キャンプに行きたい、急な降雪に備えたい方にはオールシーズンタイヤはぴったりでしょう。
タイヤの保管場所が不要
オールシーズンタイヤを装着していれば、タイヤの保管場所がいらなくなります。冬用のスタッドレスタイヤが必要なくなるため、一年を通して同じタイヤを装着できるからです。
そのため、タイヤ預かりサービスを契約したり、邪魔な場所に保管したりせずに済みます。オールシーズンタイヤに変えれば、スペースの有効活用ができ、預かりサービスを契約している人は節約につながります。
オールシーズンタイヤは一年中装着できるため、未使用のタイヤの保管場所が不要になり、経済的負担も軽減できるでしょう。
夏用と冬用を揃えるより安価
オールシーズンタイヤなら、夏用と冬用のタイヤが不要になるため、タイヤにかけるコストが抑えられます。オールシーズンタイヤのみの費用と、夏と冬両方のタイヤを購入した場合の本体代を比較してみましょう。
トヨタプリウス・17インチ・タイヤ(すべてダンロップ・205/55/R16)
タイヤの種類 | タイヤ4本の本体価格(税込) |
---|---|
オールシーズンタイヤ | 100,400円 |
夏用と冬用のタイヤ | サマータイヤ:70,400円 スタッドレスタイヤ:90,800円 合計:161,200円 |
オールシーズンタイヤと、季節専用タイヤを用意するのでは約60,000円の差があります。スタッドレスタイヤはホイールとセットで保管する人が多いので、ここからホイール代も発生するでしょう。
オールシーズンタイヤは、夏と冬それぞれの専用タイヤを用意するよりコストが抑えられ、経済的だといえます。
オールシーズンタイヤのデメリット
一年中使用できるオールシーズンタイヤですが、デメリットもあります。
● 凍結路には向かない
オールシーズンタイヤのデメリットを把握し、自身のライフスタイルに合っているか検討してみてください。
夏・冬の走行性能が専用タイヤより劣る
オールシーズンタイヤはサマータイヤとスタッドレスタイヤの間に位置するタイヤなので、季節専用のものより性能が劣ります。
季節専用タイヤと比べた具体的なデメリットは以下の通りです。
● ドライ性能やウェット性能
● 燃費
あくまでもサマータイヤの延長なので、豪雪地域や凍結が多い地域では性能を発揮できません。そのため、東北や北海道など、雪が深い地域にはオールシーズンタイヤは不向きだといえます。
凍結路には向かない
オールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの走行性能の差がもっとも現れるのは、凍結路です。完全に凍結してしまった道路での走行性能はスタッドレスタイヤに及ばず、危険が伴います。
また、JAFが行ったテストでは各タイヤを装着し「凍結路を時速40kmで走行」の条件下で制動距離を測定しています。テスト結果は以下の通りです。
タイヤタイプ | 長さ(m) |
---|---|
スタッドレスタイヤ | 78.5m |
オールシーズンタイヤ | 101.1m |
サマータイヤ | 105.4m |
オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤほどのグリップ性能はなく、サマータイヤに近い性能なのがわかります。そのため、普段使う道に凍結しやすい橋がある、降雪が多い地域では冬の道に特化したスタッドレスタイヤを使用しましょう。
オールシーズンタイヤがおすすめな人・不向きな人
オールシーズンタイヤのメリット・デメリットをふまえ、おすすめな人・不向きな人を紹介します。
オールシーズンタイヤがおすすめな人 | 降雪が少ない地域に住んでいる |
たまに冬のアウトドアを楽しむ | |
急な降雪に備えたい | |
タイヤにかかる費用を抑えたい | |
タイヤの保管場所に困っている | |
オールシーズンタイヤが不向きな人 | 降雪が多い地域に住んでいる |
雪が降る地域に行く回数が多い | |
ウィンタースポーツや冬のアウトドアを頻繁に行う |
オールシーズンタイヤが向いているかもっともわかりやすい基準は、降雪量です。年間の降雪量は気象庁による気象データを参考にしてみてください。
「オールシーズンタイヤにしたいけど降雪量もよくわからない…」という人はスタッドレスタイヤとサマータイヤを併用しましょう。少しでも不安が残る場合は、性能が高い専用タイヤを使用するのがおすすめです。
おすすめのオールシーズン対応タイヤ
タイヤワールド館ベストで取り扱っている、おすすめのオールシーズンタイヤを紹介します。
- ダンロップ:シンクロウェザー
- ダンロップ:オールシーズンマックス AS1
- トーヨータイヤ:セルシアス
オールシーズンタイヤは日本の路面状況を把握している国産メーカーがおすすめです。どれがいいかわからない人はダンロップやトーヨータイヤなど、国産タイヤを選びましょう。
1. ダンロップ:シンクロウェザー
シンクロウェザーは2024年10月にダンロップより発売された画期的なオールシーズンタイヤです。
従来のオールシーズンタイヤが、夏タイヤと冬タイヤの中間的な性能を持つのに対し、シンクロウェザーは路面状況に合わせてタイヤ自身が最適な性能に変化するという点が最大の特徴です。
また、シンクロウェザーはダンロップの講習を受けていないと販売することができません。(当店では宮城県内の直営店舗・オンラインショップスタッフ含め講習を受講済なので、取り扱いがございます。)
最新テクノロジーを搭載したオールシーズンタイヤを試してみたい高感度なドライバーにおすすめのタイヤです。
2. ダンロップ:オールシーズンマックス AS1
ALL SEASON MAXX(オールシーズンマックス) AS1はダンロップ唯一の乗用車向けオールシーズンタイヤです。オールシーズンタイヤ独特のトレッドパターンと、深い溝により高いウェット性能を誇ります。さらに、ダンロップの夏タイヤよりもロングライフ性能に優れ、コストパフォーマンスに優れたオールシーズンタイヤといえます。
ダンロップは品質が高いタイヤメーカーですが、オールシーズンタイヤでの雪道は、性能を過信せず急がつく運転は避けましょう。
3. トーヨータイヤ:セルシアス
CELSIUS(セルシアス)は非対称パターンを採用し、ドライ・ウェット・スノーすべての性能を最大限発揮できるようになっています。IN側にはスノー重視のパターン、OUT側にはドライ・ウェットを重視したパターンがあり、それぞれの季節に適した性能を発揮できます。
また、CELSIUSの効率的なトレッドパターンは、2020年度のグッドデザイン賞も受賞しています。そのため、タイヤのパターンにも拘りたい方にはCELSIUSがおすすめです。
オールシーズンタイヤは降雪が少ない地域におすすめ
オールシーズンタイヤは降雪が少ない都心部に住んでいる人や、たまに冬のアウトドアを楽しみたい人におすすめです。一方で、降雪や凍結が多い地域では、スタッドレスタイヤのほうが安心して雪道を走行できます。
寿命や交換時期はサマータイヤとほぼ同じですが、冬前にプラットホームの露出がないか確認しておくと安心です。オールシーズンタイヤを購入する際は、住んでいる地域の降雪量や外出する頻度を考慮し、ライフスタイルに適しているかで判断しましょう。
関連記事:スタッドレス交換すべき?プラットフォームとは?サインの見方や判断基準について徹底解説
また、タイヤワールド館ベストでは全国に約4,000の提携店舗があり、購入していただいたタイヤを直送できます。そのため、タイヤを受け取る手間や一時的に保管しておく必要がありません。オンラインで購入から取付予約まで完結するため、取付店に来店するだけでタイヤが交換できます。
近くのカー用品店では予約が取れない、近くにタイヤ交換できる店がないという人は自宅近くに提携取付店がないか検索してみてください。
趣味:お客様の車をドレスアップすること
モットー:全てのお客様から喜びの声を沢山頂けるよう接客を行うこと
特技:タイヤ・ホイールのインチアップ・マッチング・インセット計算
20年以上のキャリアを持ち多くの顧客から絶大な信頼を得ている。