「フォグランプの適切な使い方が分からない。」「フォグランプの交換方法を知りたい」このような悩みがある方は、多いのではないでしょうか。
この記事ではフォグランプの役割や使い方をはじめ、車検で通るフォグランプの取り付け方やフォグランプの交換方法まで網羅的に説明します。
フォグラントについて詳しく知りたいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
フォグランプとは

フォグランプとは車両の前方や後方に装備されている補助灯です。
主に霧が濃かったり、豪雨や降雪だったり、視界が悪くなる条件下で使用されます。
通常のヘッドライトよりも低い位置に設置しており、拡散性の高い光を広範囲に照射することで地面や道路周辺をより明確になるように照らします。
これによって、ドライバーが障害物や路面状況を認識しやすくなるので、より安全に運転をするのが可能です。前方用のフォグランプは白や黄色の光を発して、後方用は赤色の光を発するのが一般的です。
適切に使用できれば安全性は向上しますが、視界が十分な状況では使用を控えるなど正しい使い方を心掛けましょう。
LED・HID・ハロゲンの違い

フォグランプには主にLED、HID、ハロゲンの3種類のライトがあります。それぞれの特徴は次の通りです。
種類 |
項目 |
LED |
省エネで長寿命でありながら、即時に点灯できる |
HID |
明るさが高く夜間の視認性に優れているが、点灯までに時間がかかる |
ハロゲン |
価格が安く照射範囲が広い。熱を多く発生するために消耗が早い |
LEDは省エネで長寿命でありながら、即時に点灯できるのが特徴です。HIDは明るさが高く夜間の視認性に優れていますが、点灯までに時間がかかります。
ハロゲンは価格が安く照射範囲が広いですが、熱を多く発生するために消耗が早いというデメリットもあります。それぞれの特性を理解して使用目的に合ったライトを選ぶことが重要です。
フォグランプと他のライト・ランプの違い

自動車にはさまざまなライトが装着されており、ライトごとに役割が異なります。
ここではフォグランプ以外の2つのライトである、ヘッドライトとスモールライトについて説明します。
● ヘッドライト
● スモールライト
ヘッドライト
ヘッドライトは車の前方を照らすために設置されていて、夜に運転する際などに主に使用される照明装置です。夜間やトンネル内、暗い場所などで視界を確保することを目的に使用されます。
ヘッドライトには「ロービーム」と「ハイビーム」の2種類があります。ロービームは対向車が眩しくなることを防ぐように手前を照らすようになっていて、ハイビームは遠くまで明るくするように前方を照らしてくれるのが役割です。
一方で、フォグランプは主に濃霧や悪天候時に使用されるので、光の拡散性を重視した設計です。
このため、ヘッドライトが遠くを明るく照らすのに対し、フォグランプは近距離を幅広く照らす点で役割が異なります。それぞれの用途を理解して、状況に応じて使い分けることが安全運転の鍵です。
スモールライト
スモールライトは自車の存在を周囲に知らせるために使用される補助的なライトで、正式には「車幅灯」とも呼ばれます。主に夕暮れ時やトンネル内などの完全な暗闇ではないが、自社の存在を周囲に知らせる必要がある場面で使用されるものです。
スモールライトはヘッドライトやフォグランプに比べて光量が少ないです。光量は路面や周囲を照らすほどでは無くて、車両の幅や位置を周囲の車に知らせる程度となっています。
スモールライトは「見せるための光」、フォグランプは「照らすための光」というふうに役割が異なります。それぞれの特性を理解して、適切に使い分けるようにしましょう。
フォグランプの正しい使い方

実際に自動車を運転していて、どのタイミングでフォグランプを使用していいのか迷ったことはありませんか。ここからは、フォグランプを正しく使う方法を紹介します。
フォグランプをつけるタイミング
フォグランプを使用するべきタイミングは霧が濃い時や、豪雨、降雪などの悪天候で視界が大きく制限される時です。
特にヘッドライトだけでは道路や障害物が十分に確認できない場合に迷わず使用するようにしましょう。
フォグランプは光を広範囲に拡散して地面を照らす設計となっているため、悪天候時でも道路の形状や路面状況を把握しやすくなっています。
一方で晴天や視界が良好な状況で使用すると、対向車や前方車両が眩しくなって迷惑をかける可能性があるため避けるようにしましょう。
また、夜間の運転時でも視界が悪い環境でのみ使用することを心掛けて、適切なタイミングでオン・オフを切り替えることが重要です。
フォグランプのつけ方
フォグランプのつけ方は車種によって異なりますが、一般的にはダッシュボードやステアリング周辺にある専用スイッチや、ヘッドライトスイッチに付随する操作機能を使用して点灯させます。
また、ライトを点ける順番として、ヘッドライトを点灯させた状態で、フォグランプのスイッチを操作して点灯させることが多いでしょう。
一部の車両ではインジケーターランプが点灯することで、フォグランプが作動していることを確認できるようになっています。
使用前には取扱説明書で操作方法を確認しておきましょう。また、周囲の状況や法律を守り、必要な場面でのみフォグランプを適切に使用することが重要です。
車検が通るフォグランプとは

実際にフォグランプを取り付けてみたいけれど、車検に通るか不安な方もいるでしょう。そのような方に向けて、車検を受ける際に注意すべき5つの点について解説していきます。
- フォグランプの色
- フォグランプの点灯数
- フォグランプの取り付け位置
- フォグランプの明るさ
- フォグランプの光軸(向き)
簡単にまとめると以下の通りです。
項目 |
前方 |
後方 |
色 |
白か黄色(淡黄色)で同一であること |
赤色 |
点灯数 |
2 |
2個以下 |
取り付け位置 |
地面から250mm以上、800mm以下 |
地面から250mm以上、1,200mm以下 |
明るさ |
明確な光度の上限はなし (ただし、他の交通を妨げないものであることとの規定あり) |
300カンデラ以下 |
向き |
光軸は下向きに調整されている |
車両の後方に向けられる必要があり |
詳しく説明していきますが、各項目で細かい条件もあり、専門家にまかせることが望ましいでしょう。
フォグランプの色
フォグランプの色は車検を通過する上で重要なポイントです。一般的には白色または黄色(淡黄色)の光が使用されることが多く、これらの色の光は法律で許容される範囲となっています。
白色は視認性が高くて夜間や霧のない環境下であっても有効ですが、濃霧や悪天候の場合は黄色のほうが効果的とされています。
黄色の光は白色よりも波長が長いため、霧や雨粒による散乱が少なく、視界を確保しやすいのが特徴です。
ただし、青色やピンクなどの規定外の色を発するフォグランプは車検に通らない場合があるため注意が必要です。
フォグランプを交換する際は法律に準じた光の色を選び、安全性と法令遵守を両立させましょう。
参照:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2020.9.25】第199条(前部霧灯)
参照:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2022.6.22】第207条(後部霧灯)
フォグランプの点灯数
車検を通すためにはフォグランプの点灯数にも気を付けましょう。一般的に前方のフォグランプは左右に2つ設置され、それぞれが独立した状態で正常に点灯する必要があります。
片側のライトが切れている、または明るさに大きな差がある場合は車検に通らない可能性があります。
一方、後方のフォグランプは車両の中央、または左右いずれかに1つ設置されていれば問題ありません。ただし、後方にフォグランプが2つ以上設置されている場合は、左右で均等に点灯することが求められます。
フォグランプの点灯状態を事前に確認して不具合がある場合は早めに修理や交換を行うことが重要です。
フォグランプの位置 |
設置位置 |
個数 |
点灯条件 |
前方 |
左右 |
2 |
それぞれが独立した状態で正常に点灯する |
後方 |
車両の中央、または左右いずれか |
2個以下 (左右均等) |
1つの場合はそのまま点灯 2つ以上設置されている場合は、左右で均等に点灯する |
参照:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2020.9.25】第199条(前部霧灯)
参照:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2022.6.22】第207条(後部霧灯)
フォグランプの取り付け位置
車検に通るフォグランプの取り付け位置には法律で定められた基準があります。
前方のフォグランプは地面から一定の高さ(通常は250mm以上、800mm以下)に取り付けるだけではなく、車両の左右対称に配置されていることが重要です。
また、前方のフォグランプはヘッドライトの光を補助する役割があるため、周囲のドライバーを眩しくさせない角度で設置する必要があります。
後方のフォグランプは車両の中心線に近い位置、または左右どちらかに設置され、地面からの高さや光の方向が規定を満たしていることが条件です。
取り付け位置が不適切な場合、車検に通らない可能性があるため事前に確認するようにしましょう。
フォグランプの位置 |
高さ |
位置 |
前方 |
地面から250mm以上、800mm以下 |
車両の最外側から400mm以内 |
後方 |
地面から250mm以上、1,200mm以下 |
車両の中心線から左右に250mm以上離れた位置 |
後方のフォグランプは車両の中心線に近い位置、または左右どちらかに設置され、地面からの高さや光の方向が規定を満たしていることが条件です。
参照:道路運送車両の保安基準第2章及び第3章の規定の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示【2023.1.4】第30条(前部霧灯)
参照:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2022.6.22】第129条(後部霧灯)
フォグランプの明るさ
フォグランプの明るさにも気を付けるようにしましょう。フォグランプは濃霧や悪天候時に使用されるため、適切な明るさであることが重要です。過剰に明るいフォグランプは対向車や周囲の車両に対して眩惑を引き起こす可能性があり、車検で問題視されることがあります。
フォグランプの位置 |
光度 |
前方 |
明確な光度の上限はなし (ただし、他の交通を妨げないものであることとの規定あり) |
後方 |
300カンデラ以下 |
一方で、暗すぎるフォグランプは本来の照明効果を発揮することが難しいので、これも基準を満たさない可能性があるでしょう。車検では明るさや照射範囲が法律の規定に適合しているかが確認されます。
フォグランプを交換する際には車検対応品であることを明記した製品を選び、適切な取り付けと調整を行うことが大切です。
参照:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2020.9.25】第199条(前部霧灯)
フォグランプの光軸(向き)
フォグランプの光軸は車検を通過するための重要な要素の一つです。光軸とはフォグランプの照射する光の方向や角度を指していて、適切に調整されている必要があります。具体的には光軸が地面に対して一定の角度で下向きに設定されていなければなりません。
このように調整されることで、対向車や周囲の車両に眩しい思いをさせることなく、路面や道路の周辺を効果的に照らすことが可能となります。
フォグランプの位置 |
角度 |
前方 |
光軸は下向きに調整されている |
後方 |
車両の後方に向けられる必要があり |
光軸が高すぎたり、左右にずれたりしている場合は、車検に通らない可能性があるため注意が必要です。フォグランプを交換したり、調整したりした後は専門店で光軸の確認と調整をおこなうことで安全に運転できるでしょう。
参照:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2020.9.25】第199条(前部霧灯)
フォグランプを後付けする方法

車を購入した後でフォグランプを取り付けたくなった方もいるでしょう。ここでは、フォグランプを後付けする方法についてステップごとに解説します。
- 必要な部品を確認する
- 車検に対応した明るいバルブを選ぶ
- フォグランプの取り付け位置を決める
- フォグランプの取り付け方法を決める
必要な部品を確認する
フォグランプを後付けする際は必要な部品を事前に確認しましょう。
基本的にはフォグランプ本体、取り付け用のブラケット、専用スイッチ、配線キット、リレー、ヒューズが必要です。
車種によっては取り付け位置に適した専用の取り付けキットや、車両の既存配線と互換性のあるコネクターが必要になる場合があります。
また、後付けするフォグランプが車検対応品であるかを確認することも忘れないようにしましょう。さらに、必要に応じて工具やテスターを準備して、配線作業や取り付け位置の調整が正確におこなえるように備えておくことが重要です。
部品の不足がないように事前に取扱説明書や販売店に相談して確実に準備を進めましょう。
車検に対応した明るいバルブを選ぶ
フォグランプを後付けする際には、H8バルブなどの車検に対応した明るいバルブを選ぶことが重要です。バルブの明るさは視界確保に大きな影響を与えますが、過剰に明るすぎるバルブは対向車や周囲の車両に眩惑を与えるため、車検で不適合とされる場合があります。
そのため、法律で定められた光量基準を満たしつつ、適切な照射性能を持つ製品を選ぶことが必要です。また、色温度にも注意が必要で、車検では一般的に白色(4000~6000K)や黄色(3000K程度)の光がよいでしょう。
バルブの製品を選ぶ際には「車検対応」と記載されているものを選ぶことで、安心して使用できるフォグランプを取り付けることが可能となります。
フォグランプの取り付け位置を決める
フォグランプを後付けする際は取り付け位置を適切に決めることが重要です。
一般的に、フォグランプは車両前部のバンパー下部に取り付けられることが多く、地面からの高さが250mm以上、800mm以下であることが推奨されています。
この範囲内で取り付けることで、濃霧や雨、雪といった悪天候時でも路面を広く照らしつつ、対向車への眩惑を防ぐことが可能です。
また、左右対称に設置することで視認性が向上して車検に適合することも確認できます。取り付け位置を決める際には、車両のデザインやスペースを考慮しつつ専門店などのアドバイスを参考にすることをお勧めします。
フォグランプの取り付け方法を決める
フォグランプを後付けする際には、車種や設置環境に応じた取り付け方法を決めることが重要です。
取り付け方法としては、車両の純正フォグランプ用スペースを利用する方法や、専用のブラケットを使用してバンパー下部に取り付ける方法があります。
純正スペースがない場合は、汎用の取り付けキットを活用すると効率的です。また、配線作業が伴うため、スイッチやリレー、ヒューズを正しく接続する計画を立てることも必要です。
さらに、取り付け角度や光軸調整を適切におこなうことで、安全性と車検適合を確保します。専門店に依頼するか、自分で作業する場合でもガイドラインを確認しながら慎重に進めましょう。
フォグランプの交換もタイヤワールド館ベストにおまかせ

本記事では、車のフォグランプについて、使い方や交換方法などを幅広く紹介しました。
フォグランプは、車や車のグレードによって装着がされているか・されていないかが決まります。最新の車にはフォグランプが採用されていない車が増えてきています。
これは、ヘッドライト技術が進歩し、照射範囲を状況に合わせ、自動で変化させる頭の良いヘッドライトが最近の車には多く採用されているためです。
現在、フォグランプは、悪天候時に必要な装備ではありますが、現在では車のファッションパーツとなりつつあります。ファッションパーツとして装着する場合は、フォグランプが対向車の目くらましにならないようにする、ということを頭に入れておくことが重要です。
車検に通るフォグランプの装着には色々と注意点があります。また、装着にはさまざまな工具も必要となったり、配線の知識も重要となってくるのでいざ取り付けようと思っても大変なことが多いでしょう。
もし、フォグランプの装着を検討されている方はぜひタイヤワールド館ベストにご来店ください。スタッフ一同心よりお待ちしております。
仙台本店
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タイヤワールド館ベスト仙台本店 店長
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