最終更新日 2025年10月31日
スタッドレスの硬度を実測!硬度計で分かる性能劣化とおすすめ測定方法
【検証】スタッドレスタイヤは本当に硬くなるのか!硬度計を使って実験してみた
「タイヤのゴムが硬くなっていないか気になる」「スタッドレスタイヤの交換時期を数値で判断したい」「安全に冬道を走るために、硬度計で状態を確認したい」
そんなドライバーにとって欠かせないのが、タイヤのゴムの硬度チェックです。
タイヤの「硬度」は氷上グリップや制動力を大きく左右する重要な指標です。ゴムが硬化すると路面への密着性が失われ、ブレーキ性能が急激に低下してしまいます。そこで役立つのが硬度計です。
本記事ではタイヤの硬度の基礎知識から、硬度計の使い方・選び方・測定手順まで冬の安全運転を守るために知っておきたいポイントを徹底解説します。ぜひ最後までご一読ください。
そもそも「硬度」とは?なぜスタッドレスでゴムの硬さが重要なのか

タイヤの「硬度」とはゴムの固さを数値で表したものです。一般的に硬度が高いほどゴムは固くなり摩耗に強くなる一方で、氷上や雪上でのグリップ力は低下します。
スタッドレスタイヤでは低温でも柔らかさを保てることが重要で、これが路面への密着性と制動力を左右します。つまり、硬度管理は「冬道で止まれるかどうか」を決める大切な指標になるでしょう。
新品でも保管環境や経年によって徐々に硬化が進むため、硬度計を使って定期的に測定することで、交換時期を見極めることが安全運転の第一歩になります。
実際に硬度を測ってみた
ここでは、実際に新品と5年使用したスタッドレスタイヤの硬さを硬度計を使って比較してみました。
一般的にスタッドレスタイヤのゴムについては、以下のように言われています。
- ● 新品のスタッドレスタイヤの硬さはは35~45程度
- ● 年数が経ったスタッドレスタイヤの硬さは50後半から70程度
それでは実際に測ってみましょう。
まず【2023年製 ダンロップ社スタッドレスタイヤ】を計測すると、針の位置は40のあたりでした。しっかりと柔らかさが保たれており、氷上でも路面に密着しやすい理想的な状態です。

一方、【2018年製 ダンロップ社スタッドレスタイヤ】を測定すると、針は赤いライン付近、65のあたりで停止しました。これはゴムが硬化しており、氷上・雪上ではグリップ力が大きく低下する危険な状態です。

輪ゴムが時間とともに劣化して切れやすくなるように、タイヤのゴムも年数とともに弾力を失います。
一般的にスタッドレスタイヤの寿命は3〜4年程度とされており、硬度計で硬化が確認できる場合は、性能が著しく落ちているサインとなります。雪道での安全を守るためにも、早めの交換がおすすめです。
硬度計で分かる「タイヤ寿命」の目安

硬度計を使えば、スタッドレスタイヤの「見た目では分からない劣化」を数値で確認することが可能です。新品のころは柔らかいゴムでも、年数が経つにつれて徐々に硬化して、氷上性能が低下していきます。
一般的には、ショアA硬度(デュロメーター表示)で数値が上がるほどゴムが硬くなり、性能も落ちていくでしょう。以下は、硬度計で測ったときの数値と寿命の目安です。
| 測定硬度(ショアA) | 状態の目安 | 氷雪路の体感 | 推奨対応 |
|---|---|---|---|
| 45〜55 | 新品〜ほぼ新品 | 密着性が高く安心感◎ | 継続使用(理想的) |
| 56〜60 | 良好(軽い硬化) | 止まりは問題ないが余裕は減る | 継続使用+定期測定 |
| 61〜65 | 硬化進行 | アイスで効きが落ち始める | 交換検討(複合的に判断) |
| 66以上 | 硬化が顕著 | 低温で滑りやすい | 早めに交換(使用非推奨) |
硬度計を使うと走行距離よりも正確にタイヤの「今の状態」を判断可能です。とくに60を超えたあたりから氷上性能は急激に落ちるため、数字をチェックして交換時期を見極めましょう。
おすすめ硬度計3選
ここからは、おすすめな3つの硬度計を解説していきます。
- BRIDGESTONE ゴム硬度計
- OBEST デジタル硬度計 A型
- Yosoo デジタルゴム硬度計
1.BRIDGESTONE ゴム硬度計

ブリヂストンのゴム硬度計は、タイヤメーカーが出しているゴム硬度計なので、「タイヤ用途を想定している」という安心感があります。価格は13,000円〜と、コストとしてはやや高めかなという印象ですが、信頼性は抜群です。
2.OBEST デジタル硬度計 A型

コストパフォーマンスに優れたOBEST デジタル硬度計 A型は、誰でも簡単に使えるエントリーモデルです。デジタル表示で数値が即時に確認でき、測定値のホールド機能や平均値計算モードも搭載しています。
A型ゴムの硬度を正確に測れるため、スタッドレスタイヤの硬化チェックにも最適です。軽量で携帯性も高く、自宅でのタイヤメンテナンスにぴったりでしょう。はじめて硬度計を使うドライバーでも安心して扱える、コスパ抜群の人気モデルです。
3.Yosoo デジタルゴム硬度計

Yosoo デジタルゴム硬度計はコンパクトながらも高精度な測定が可能な人気モデルです。デジタル表示により数値の読み取りミスを防ぎ、操作もシンプルで初心者でも扱いやすい設計となっています。
交換用プローブやキャリブレーション機能も備えており、長く使えるのも魅力です。スタッドレスタイヤの硬度チェックや、DIYでのゴム部品測定にも活用できます。手頃な価格で基本性能をしっかり押さえた、コスパ重視派におすすめの一台です。
硬度の測定手順を詳しく解説

硬度計を用いて正しく測定するための手順をひとつずつ説明していきます。
- タイヤ表面を清掃する
- 平坦な場所にタイヤを置く
- ゴム硬度計を垂直に当て、2~3秒押し当てて値を読む
- 数か所測定して平均値を出す
1.タイヤ表面を清掃する
正確な硬度を測るためにはタイヤ表面の測定前の清掃が欠かせません。砂やホコリ、油分、泥汚れなどが残っていると、硬度計の針がしっかり当たらず誤測定の原因になります。乾いた布や中性洗剤を使って丁寧に汚れを落とし、水分を完全に乾かしてから測定をおこないましょう。
とくに冬季は、融雪剤や塩分がゴムを硬化させることがあるため、細部まできれいに拭き取ることが大切です。清潔な表面が正確な数値を得るための第一歩になります。
2.平坦な場所にタイヤを置く
次に、タイヤを安定した平坦な場所に置いて測定の準備をします。傾いたり柔らかい地面に置いたまま測ると硬度計の圧力が均等に伝わらず、誤差の大きい数値が出てしまいます。
コンクリートや木の板などの硬く水平な面の上で測定するのが理想的です。転がり防止のためにストッパーやブロックを当てると安全です。わずかな傾きや揺れでも結果に影響するため、安定性をしっかり確保してから計測を始めましょう。
3.ゴム硬度計を垂直に当て、2~3秒押し当てて値を読む
硬度計をタイヤのトレッド面に垂直に押し当て、一定の力で約2〜3秒キープします。力が弱すぎたり角度がずれると正しい数値が測定できません。デジタル式なら表示を、アナログ式なら針の位置を確認します。
測定は室温付近(約20℃)でおこなうのが理想で、冷えたままだと硬度が高く出やすいです。焦らずゆっくり押し当て、針や数値が安定したタイミングで読み取ることが重要でしょう。
4.数か所測定して平均値を出す
タイヤのゴムは場所によって硬さが異なるため、1か所だけでは正確な判断ができません。トレッドの中央・外側・内側など、少なくとも3〜5か所を均等に測定して平均値を出しましょう。
もし、特定の箇所だけ極端に高い数値が出た場合は部分的な硬化や劣化のサインです。複数回の測定を通して全体の傾向をつかむことで、タイヤの実際の状態をより正確に把握して、交換判断にも役立てられます。
硬度測定時の注意点

正しい硬度を測定するための注意点を3つ解説していきます。
- 気温10〜20℃で測定すると安定する
- トレッド中央を複数回測る
- 日差し直下や室温が高い場所は避ける
- 同じ条件で比較するのがポイント
1.気温10〜20℃で測定すると安定する
タイヤの硬度は温度に大きく影響を受けます。寒すぎるとゴムが硬化して、逆に高温では柔らかくなってしまうため、測定結果に誤差が出やすくなるでしょう。
最も安定した数値を得るには、気温10〜20℃程度の環境で測定するのが理想的です。特に冬場の屋外や直射日光下では硬度が変化しやすいため、室内でタイヤを常温に戻してから計測すると、より正確なデータが得られます。
2.トレッド中央を複数回測る
タイヤのトレッド面は場所によって摩耗や硬化の度合いが異なるため、1点だけの測定では正確な判断ができません。もっとも荷重がかかる中央部分を中心に、複数の位置で測定して平均値を出すようにしましょう。
内側や外側は温度や路面摩耗の影響を受けやすく、部分的に数値が高く出ることもあります。複数回測定することでタイヤ全体の状態を客観的に把握できるので、より信頼性の高い硬度データを得ることができるでしょう。
3.日差し直下や室温が高い場所は避ける
直射日光が当たる場所や高温のガレージなどでは、タイヤ表面温度が上がりすぎてしまい、正しい硬度を測定できません。特に黒いゴムは熱を吸収しやすく、表面温度が急上昇することで測定値が低く出る傾向にあります。
測定前はできるだけ日陰や風通しの良い室内に置き、温度が安定してから計測するのが理想的です。環境を整えることで実際の路面条件に近い正確なデータが得られます。
4.同じ条件で比較するのがポイント
複数のタイヤを比較する場合や、使用年数による劣化を確認する場合は、必ず同じ条件下で測定することが重要です。気温・照明・測定面の硬さなどが異なると、わずかな差でも結果に影響します。
例えば、新品と5年使用タイヤを比較する際も、室温・測定位置・押し当てる力を揃えることで、データの信頼性が大きく向上します。条件を統一することが正しい判断のための最も基本的なポイントです。
硬度が上がったタイヤはどうなる?

スタッドレスタイヤのゴムは柔らかさを保つことで氷上や雪上にしっかり密着して、滑りを防ぐことが可能です。しかし、経年劣化や紫外線、熱、そして長期保管中の乾燥などによって硬度が上がると、ゴムが硬化して路面への追従性が著しく低下します。
その結果、制動距離が延びて、発進時やカーブでスリップしやすくなるなど、安全性が大きく損なわれるでしょう。さらに、振動やロードノイズも増えて乗り心地も悪化します。見た目に溝が十分あっても硬度が高いタイヤは性能が大きく落ちているため、早めの交換が不可欠です。
スタッドレスタイヤの硬度を保つ保管方法

スタッドレスタイヤのゴムの硬さは、保管状況に大きく左右されます。硬度を長く適正に保つための保管方法のポイントを詳しく説明していきます。
- ● 温度管理
- ● 湿度管理
- ● 直射日光の回避
温度管理
タイヤのゴムは温度変化に敏感で、高温や極端な寒さにさらされると硬度が上がりやすくなります。理想的な保管温度は10〜25℃程度で、夏場の倉庫や車内に放置すると急速に劣化が進むことが多いでしょう。
特に直射日光の当たる場所や暖房機器の近くは避け、風通しの良い室内や日陰のガレージなどで一定の温度を保つことが大切です。安定した温度環境を維持することで、ゴムの柔軟性と密着性能を長く保てます。
湿度管理
湿度が高すぎるとカビや腐食の原因となり、逆に乾燥しすぎるとゴムの弾力が失われて硬化が進みます。スタッドレスタイヤの保管には、湿度40〜60%程度の環境が理想的です。
コンクリートの床などに直接置かず、木製パレットやスタンドを使って床との接触を避けましょう。ビニール袋などで密閉する場合は、完全に密封せず少し空気を逃がして湿気をためないことがポイントです。
直射日光の回避
紫外線はタイヤの大敵で、長時間紫外線に当たるとゴム内部の化学結合が分解され、硬度上昇やひび割れの原因になります。屋外で保管する場合は必ず遮光カバーやブルーシートなどをかけて日光を遮断しましょう。
屋内でも窓際など日差しが差し込む場所は避け、暗くて風通しの良いスペースに置くのが理想です。紫外線対策を徹底することで、スタッドレスタイヤの柔らかさと安全性能を長期間維持できます。
まとめ

本記事ではタイヤの「硬度」と「硬度計」についての基礎知識から測定手順、交換判断の目安を解説しました。
スタッドレスタイヤは柔らかさが命で、硬度が上がると氷上性能や制動力が大きく低下します。硬度計を使用すれば、誰でも簡単にタイヤの状態を数値で把握可能です。
もし、ご自身のタイヤの劣化が気になる方は、ぜひタイヤワールド館ベストにご来店ください。スタッフ一同心よりお待ちしております。

タイヤワールド館ベスト仙台本店 店長
趣味:温泉・サウナ(週2でいきます!)
モットー:笑顔・お客様に満足頂ける商品提案・接客を行う
特技:お客様のお顔を覚える記憶力
若手店長ながらも誠実な接客と絶やさない笑顔でリピーターが多い。










