タイヤの空気圧は高い方がよいという話がありますが、実際どれくらいを目安に調整すべきか知っている方は少ないのではないでしょうか?
空気圧は高ければよいというものではなく、適正な範囲で調整しなければさまざまな弊害をもたらします。
本記事ではタイヤの空気圧の目安や空気圧を高くし過ぎた際に起こる弊害、実際に空気圧を調整する方法について解説します。
タイヤの空気圧の目安
タイヤの空気圧が高すぎると起こる弊害
タイヤの空気圧を調整する方法と気をつけるべきポイント
タイヤを所持しており、空気圧の調整を検討されている方は、本記事を読んで空気圧の目安や方法について事前に理解しておきましょう。
- タイヤの空気圧を高めに調整すべき理由
- タイヤの空気圧の高さの目安
- タイヤの空気圧が高すぎることで起こる3つの弊害
- ┗乗り心地が悪くなる
- ┗ブレーキの効きが悪くなる
- ┗偏摩擦が増えて最悪の場合バーストする
- タイヤの空気圧を調整する方法
- ┗タンク型の空気入れで調整する場合
- ┗据え置き型の空気入れで調整する場合
- タイヤの空気圧を調整する際に気をつけるべき2つのポイント
- ┗タイヤが冷えているかを確認
- ┗スペアタイヤも一緒に確認
- まとめ
タイヤの空気圧を高めに調整すべき理由
タイヤは常に車の重量(車重)がかかっており、安全に運転ができるように適正空気圧が指定されています。
適正空気圧を下回ることで、タイヤが車重に耐えられなくなれば、さまざまな弊害を引き起こし、事故の元になりかねません。
以下では、タイヤの空気圧を指定空気圧に調整するべき具体的な3つの理由を説明します。
タイヤの寿命が長くなる
タイヤはゴム製の消耗品であるため、長く使うことですり減っていきますが、空気圧を適正値に調整することで長持ちさせることができます。
上述したとおり、タイヤには常に車重の負担がかかっている状態のため、適正空気圧を下回ると本来の形を保てません。
結果として、転がり抵抗と摩擦が増えてしまい、タイヤを痛めることに繋がります。
また、空気圧が低い状態ではタイヤの摩擦が均等に起こらずに偏って擦り減っていってしまうため、寿命を短くする原因となるでしょう。
タイヤの寿命を長くするためにも、指定空気圧に調整することが重要です。
燃費が良くなる
タイヤは適正空気圧の状態なら車体姿勢を保てるため、燃費よくスムーズに走行できるのも理由のひとつ。
しかし、適正空気圧を下回ってしまうと、ゴムがたわんでしまい、車軸が平衡に保てなくなります。
同時に転がり抵抗が高くなることで、道路との摩擦が増えて燃費が悪くなってしまいます。
一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)の2021年のテストデータによると、タイヤの空気圧が適正値から30%下回ると燃費が4.6%悪化、60%下回ると12.3%悪化する結果となりました。
燃費よく走るためにも、空気圧は定期的に調整するようにしましょう。
操作性の低下を防げる
タイヤは空気圧を適正値に調整することで本来の形を保ち、適切に操作できます。
しかし、適正空気圧を下回るとタイヤの形はいびつになっていくため、走行中にハンドルを取られてしまい、安定性の低下や事故に繋がりかねません。
また、タイヤは道路の凸凹を吸収する役割も担っていますが、空気圧が低い状態で走行していると、細かい振動がシート越しに乗員に伝わってしまいます。
とくに段差を乗り越える際には、大きな振動が伝わり、ホイールも傷つける可能性があるので注意するようにしましょう。
タイヤの空気圧の高さの目安
タイヤは本来の機能を発揮して安全に走行ができるように、サイズによって指定空気圧が定められています。
ただし、指定空気圧の数字は上限数値ではなくあくまで目安であって、規定値よりプラス10ほどは高く調整しても問題ありません。
とくに高速道路を走行する機会が多いトラックなどについては、走行距離やスピードに伴ってタイヤの負担も大きくなります。その分空気が抜けやすいため、タイヤの空気圧を高めに調整することをオススメします。
同じタイヤサイズでも車によって指定空気圧は異なる
タイヤは指定空気圧が定められていると前述しましたが、ご自身の車の指定空気圧を知っている方は少ないのではないでしょうか。
タイヤサイズが同じであればどの車も空気圧は同じ、というわけではありません。
「荷重支持機能」はタイヤの重要な役割ですが、空気圧によって支えられる車重は異なります。
別の言い方ですと、タイヤサイズが同じでも、支える車が変わると必要な空気圧は変化します。
車ごとに指定空気圧は決められることに注意しましょう。
メーカー指定の空気圧をチェック
タイヤのサイズは同じでも、車によって指定空気圧は変わるため、メーカー指定の適正値をチェックするようにしましょう。
運転席のドア開口部にある「車両指定空気圧」というステッカーからチェックができます。
取扱説明書をお持ちの方は、説明書にも記載されているので保管しておくことがオススメです。
車種によってはかなり細かく設定されているものあり、積載重量や乗車人数によって適正値が明記されています。
空気圧を調整する前に、一度確認するようにしましょう。
タイヤの空気圧が高すぎることで起こる3つの弊害
空気圧が低いことで何かしらのトラブルが生じることは想像できますが、高くし過ぎることで弊害が起こることもあります。
以下では、タイヤの空気圧が高すぎることで起こる可能性が高い3つの弊害をご紹介します。
乗り心地が悪くなる
タイヤの空気圧が低い場合は振動が乗員に伝わってしまいますが、高すぎる場合でも乗り心地が悪くなることもあります。
タイヤの空気圧が高いと内部から外側にかけて空気が大きく押し出され、タイヤがパンパンに張った状態となってしまいます。
タイヤは道路の凸凹を拾う役割も担っているため、タイヤが張った状態で走行すると、反発して車体自体が跳ねるように感じてしまうかもしれません。
とくにボディや足回りの剛性が低いタイプの車は、乗り心地が悪くなりやすいため空気の入れ過ぎには注意しましょう。
ブレーキの効きが悪くなる
空気圧が高い状態ですと、タイヤが道路に接着する部分がセンター部分に集中し、転がりやすくなるため、ブレーキの効きが悪くなる可能性があります。
空気圧が適正値の状態ですと、タイヤは全体的に道路に接着しますが、パンパンに張った状態だとセンター部分が少し盛り上がるような状態になります。
そのため、道路と接着する部分が少なくなり、転がり抵抗が低くなるのです。
事故を未然に防ぐためにも、タイヤの空気圧の入れすぎには注意が必要です。
偏摩擦が増えて最悪の場合バーストする
タイヤの空気圧が高すぎる場合、センター部分が押し出されて偏摩擦が増えることで、パンクや最悪の場合バーストなどにもつながるため注意が必要です。
タイヤの溝の深さが一定以上あれば法律上使用は可能ですが、センター部分のみ偏摩擦が起こると、とくに足場が悪い道では事故を起こす可能性も高まります。
パンクやバーストの危険性もあるので、空気圧は適正値に調整するようにしましょう。
タイヤの空気圧を調整する方法
タイヤは走行せずに車に装着しているだけでも、車重によって空気は少なからず常に抜けていきます。
とくに寒い冬の時期は、空気が収縮する働きによってタイヤの空気圧が下がる傾向にあるので、1ヶ月に1度程度チェックすることが重要です。
以下では空気圧を調整する手順を説明します。
まずは空気圧をチェックする
まず、タイヤのエアバルブのキャップを外してください。
工具を使って外す方法もありますが、ホイールの中に落としてしまうこともあるため、素手で外すことがオススメです。
キャップを外した後は、エアゲージという専用の機械を使って空気圧を測定します。
エアゲージはショップなどで販売されていますが、ガソリンスタンドでも貸してもらえます。
空気圧が測定できれば、実際に空気をタイヤに入れていきますが、以下では2つの方法を説明するので参考にしてください。
タンク型の空気入れで調整する場合
タンク型の空気入れで調整する手順は、以下の通りです。
- 空気入れのホースをエアバルブに接続する
- ホースがしっかり接続できているのを確認した後、規定の空気圧まで空気を入れる
- 調整する際、空気を入れ過ぎないように適宜レバーを外して、空気圧をチェックする
- 空気圧を入れ過ぎた場合はエアゲージに搭載されている空気抜きボタンを押して、適正値に調整する
- 空気圧を適正値に調整できれば、ホースを外してエアバルブにキャップをはめる
タンク内の空気が無くなることもあるので、その際はスタッフの方などに空気の補充を依頼しましょう。
据え置き型の空気入れで調整する場合
据え置き型の空気入れで調整する手順は、以下の通りです。
- メーター横にあるダイヤルを指定空気圧の数値になるように調整する
- ダイヤルを調整できたら、ホースのノズルをエアバルブに接続する
- ホースがしっかり接続されると、音が鳴って自動的に空気がタイヤに入る
- 音が鳴りやむと空気を入れ終わったサインなので、ホースを外してエアバルブにキャップをはめる
- 空気を調整し終えたらダイヤルの針は元の「0」の状態に戻す
- 空気が入り過ぎていたらバルブのムシを押して手動で調整する
はじめて据え置き型の空気入れを使用する場合、わからないこともあるので、不明点などがあればスタッフの方に確認するようにしましょう。
タイヤの空気圧を調整する際に気をつけるべき2つのポイント
タイヤの空気圧を入れる際には、空気圧を高めに調整し過ぎないようにする点以外にも気をつけるべきポイントがあります。
とくにはじめて空気圧を調整する方はわからないことが多く、不安になることもあるでしょう。
以下では、タイヤの空気圧を調整する際に気をつけるべき2つのポイントを説明します。
タイヤが冷えているかを確認
空気圧を調整する際には、タイヤが冷えているかを確認するようにしましょう。
タイヤは熱を持っていると中の空気圧が膨張してしまうため、本来の空気圧が測定できません。
とくに高速道路を走行した後は、通常の道路よりスピードを出して走行しているため、タイヤと道路の摩擦が強くなって熱を生じやすくなります。
たとえば、高速道路を時速120kmで走行したとすると、タイヤの温度は40℃〜50℃上がるとされており、空気圧も伴って10%から15%ほど上がるとされています。
空気圧を測定する場合は、タイヤを冷ましてから確認するようにしましょう。
スペアタイヤも一緒に確認
タイヤの空気圧を調整する際に、スペアタイヤをお持ちの方は一緒に確認するようにしましょう。
もし、出先でメインタイヤがパンクなどで使用不可になってしまった場合に、空気圧が低くて使用できなければ、スペアタイヤを持っている意味がありません。
タイヤは、使用しなくても少しずつ空気が抜けていってしまうため、メインのタイヤより少し高めに空気圧を調整しましょう。
適正空気圧はタイヤ側面に表示されている数字、もしくはホイールに貼られているラベルにて確認できます。
半年から少なくとも1年に1度は確認することをオススメします。
まとめ
今回の記事では、タイヤの空気圧の目安や空気圧を高くし過ぎた際に起こる弊害、実際に空気圧を調整する方法についてまとめてきました。
空気圧をあまり確認してこなかった方は、指定空気圧を下回っている可能性もあり、安全性や燃費の低下につながる可能性もあるので、定期的に確認することをオススメします。
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