最終更新日 2024年9月2日
今回はアルミホイールの鍛造(たんぞう)と鋳造(ちゅうぞう)の違いをご紹介させて頂きたいと思います。
アフターホイールは材質の違い、製造方法の違い、ピースの違いなど、見た目以外にも気にする点が多く、奥が深いです。
今回は材質の違いにも触れながら、鍛造・鋳造の特徴やメリット・デメリット、第3の製造法であるフローフォーミング製法まで解説していきます。
これはこういう作りだから値段が高いのか!などわかると面白いですよ!ぜひ最後までご覧ください。
- 材質によるホイールの違い
- ┗スチールホイールの特徴
- ┗アルミホイールの特徴
- ┗マグネシウムホイールの特徴
- 鍛造(たんぞう)ホイールとは
- ┗鍛造のメリット・デメリット
- 鋳造(ちゅうぞう)ホイールとは
- ┗鋳造のメリット・デメリット
- 鍛造・鋳造ホイールを選ぶ時のポイント
- 鍛造と鋳造のいいとこ取り?!フローフォーミング製法とは?
- ┗メーカーによって名称が違う
- 鍛造ホイールと鋳造ホイールの見分け方
- ┗刻印が凹は鍛造、凸は鋳造
- ┗「FORGED」は鍛造「CAST」は鋳造
- おすすめのメーカーとホイール
- ┗1.weds(株式会社ウェッズ)
- ┗2.WORK(株式会社ワーク)
- ┗3.レイズ(株式会社RAYS)
- ┗4.BBS(BBSジャパン株式会社)
- 鍛造・鋳造ホイールもタイヤワールド館ベストにおまかせ
材質によるホイールの違い
車のホイールは、まずは材質の違いからスチール(鉄)ホイール、アルミホイール、マグネシウムホイールに分けることができます。
また、スチールホイールはパーツをそれぞれ作って組み立てますが、アルミホイールとマグネシウムホイールでは、製造方法の違いから「鍛造ホイール」と「鋳造ホイール」に分類することができます。
スチール | スチール | アルミ | マグネシウム |
コスト | ◎ | ○ | ▲ |
デザインの自由度 | ▲ | ◎ | ○ |
強度 | ○ | ○ | ▲ |
軽量さ | ✗ | ○ | ◎ |
ポイント | 安さ重視 | 性能・価格のバランス | 軽量・サーキット |
スチールホイールの特徴
スチールホイールは「鉄チンホイール」とも呼ばれ、安くて丈夫なのでスタンダードグレードや商用車等で採用されています。
足回りに特にこだわりがないという方は、スチールホイールで問題はありません。
デザインの自由度が低いというのデメリットがありますが、ホイールカバーの装着で見た目に変化をつけることができます。
また、重量が重く、サビ発生のリスクも高いので注意が必要です。
アルミホイールの特徴
アルミホイールは加工がしやすく、軽くて強度も優れていることから、アフターホイールの主流となっているホイールです。
デザインの自由度や強度、コスト面のバランスがよく、社外ホイールを購入する際には最初に選択肢になるのがアルミホイールです。
なお、アルミホイールには基本的にはスチールホイールのようなホイールカバーは付けず、ディスクのデザインを楽しみます。
マグネシウムホイールの特徴
マグネシウムホイールは軽量さが一番の特徴ですが、アルミニウムより衝撃や負荷に弱く、また加工が難しいため、大量生産に向かないホイールです。そのため価格も高く、高級スポーツカーやサーキット走行などを走行性能重視以外では選択肢に入らないホイールかと思います。
腐食に弱いため、塗装や防錆処理が剥がれてしまうと、すぐに修復が必要で、メンテナンスに気を使うホイールでもあります。
鍛造(たんぞう)ホイールとは
鍛造のメリット・デメリット
鍛造ホイールは、ホイールの金型にドロドロに溶かした素材を流し込み、時間をかけて大きな圧力を加えて高密度圧縮することで生産されます。金属を鍛える(打ち付ける)または圧縮後削り出して成形するため、デザインに制限があります。
鍛造ホイールのメリット・デメリット
鍛造されたホイールは、鋳造ホイールよりも軽くて強く、精度が高いホイールが出来上がります。
鋳造ホイールよりも製造にはるかに手間と時間がかかるため、製造コストが高くなってしまいますが、最近ではスポーツカーや高級車など大径ホイールを履く車種に純正で装着されるようになってきています。
メリット | デメリット |
・厚さを薄くでき軽くて強度が強い ・製造精度を高くすることができる ・大径のホイールに向いた製法である |
・製造コストが高い ・デザインの自由度が低い |
鋳造(ちゅうぞう)ホイールとは
鋳造ホイールは鋳型に溶かした素材を流し込み、そのまま冷やして固めて製造する方法で、一般の乗用車などで多く見られます。LP(低圧鋳造用金型)とグラビティ(重力金型鋳造法)の2種類の製法があります。
鋳造のメリット・デメリット
鋳造ホイールは製造に手間や時間がかからないため、コストを下げることができます。
しかし、強度を出すためには厚さを出す必要があり、軽量化が難しいのがデメリットです。
メリット | デメリット |
・製造コストが安い ・大量生産ができる ・デザイン性の高く自由にデザインできる |
・製造工程の中で「巣」と呼ばれる空洞や穴ができてしまうことがある ・鍛造ホイールと比べると強度が低くなる ・強度のため肉厚を厚くするため、重量が重くなる ・サイズの精度が低い |
鍛造・鋳造ホイールを選ぶ時のポイント
結論から言うと、コスト重視は鋳造ホイール、性能重視は鍛造ホイールがおすすめです。
鍛造 | 鋳造 | |
コスト | ▲ | ○ |
デザインの自由度 | ▲ | ○ |
強度 | ○ | ▲ |
軽量さ | ○ | ▲ |
ポイント | コスト重視 | 性能重視 |
ポイントとしては、鋳造ホイールを選択の際は、価格とデザインだけでなく精度や重量などを十分に検討してください。
アルミホイールはドレスアップのための一部ですが、足回りの重量が変わるため、走行及び燃費にも影響してきます。
ドレスアップの際は、デザイン重視のためなのか?走行性能のための軽量化なのか?自分の目的に合わせた選択をするということが大切です。
鍛造と鋳造のいいとこ取り?!フローフォーミング製法とは?
鍛造ホイールと鋳造ホイールを詳しくみていきましたが、どっちか選べない…!そんな方には、フローフォーミング製法のホイールがおすすめです。
フローフォーミングのホイールは、鋳造で成型したホイールのリムの部分をスピニングマシンで、強い圧力を加えながら成型することで、鍛造のようにリムの部分の金属組織が密になり強度が上がり、さらに厚みを薄く出来ることで軽量化にもなるという、鍛造と鋳造のメリットを合わせたホイールです。
鋳造ホイールのリム部分のみを鍛造の製法で作る、とイメージしてもらうと良いかと思います。
こうすることで、1本10数万円にもなる鍛造ホイールよりも安価に購入することが出来、軽すぎることで起こるデメリットも小さくなります。
フローフォーミング製法はメーカーによって名称が違う
主な代表的なメーカーの名称を以下にまとめてみました。これらの表記のあるホイールはフローフォーミング製法でつくられています。
メーカー | 略称 | 名称 | URL |
ウェッズ | AMF | アドバンスドメタルフォーミング | 公式ページ |
ワーク | WFT | ワークフローフォーミングテクノロジー | 公式ページ |
レイズ | RCF | レイズキャストフォーミング | 公式ページ |
エンケイ | MAT | MAT-DURA FLOW FORMING | 公式ページ |
フローフォーミング製法のホイールは、大口径化による重量増を抑えることが出来るので、インチアップのドレスアップに特におススメできるホイールです。
鍛造ホイールと鋳造ホイールの見分け方
同じアルミホイールである鍛造と鋳造。見分けるには以下の点を確認してみてください。
・「FORGED」とあれば鍛造、「CAST」とあれば鋳造
刻印が凹は鍛造、凸は鋳造
よく言われる見分け方としては、ホイールの裏面に刻印されている文字が彫られている(凹んでいる)のが鍛造、盛り上がっている(凸)のが鋳造という見分け方です。
しかし、全てに当てはまるわけではないので注意が必要です。
「FORGED」は鍛造「CAST」は鋳造
鍛造ホイールは「FORGED」、鋳造ホイール「CAST」と呼ばれます。ホイールのどこかに、どちらかの表記があれば見分けることができますので、探してみてください。
おすすめのメーカーとホイール
鍛造ホイールと鋳造ホイールの特徴を見てきましたが、ここからは以下の4つの人気ホイールメーカーとおすすめのホイールを紹介したいと思います。
- weds(ウェッズ)
- WORK(ワーク)
- レイズ(株式会社RAYS)
- BBS(ビービーエス)
おすすめメーカー1.weds(株式会社ウェッズ)
ウェッズは1965年創業の、日本初のアルミ鍛造3ピースホイールを製造したメーカーです。レオニス、クレンツェ、ウェッズスポーツなどのブランドが人気です。
主な鍛造・鋳造のブランドシリーズは以下の通りです。
鍛造ホイール | 鋳造ホイール |
F ZERO | クレンツェ レオニス(AMFもあり) ランベック |
レオニスFS
フローフォーミング製法であるAMF製法により、鍛造ホイールにも匹敵する優れた強度と軽量化が実現されたホイールです。精度の高いフェイスのミラーカットは上品なデザインで、16インチ以上では、TPMS空気圧センサーの装着安定性を考慮した、バルブ穴ザグリ加工(凹んだ段差)があります。
ホイール名 | レオニスFS |
サイズ | 14~20インチ |
構造 | フローフォーミング製法 |
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ウェッズスポーツSA-25R
こちらもフローフォーミング製法であるAMF製法のホイールです。デザインはツイン5本スポークでスポーティーな印象です。5種類のカラー展開があり、青や赤のワンポイントは、ボディカラーとの組み合わせでワンランク上のコーディネートが仕上がります。
ホイール名 | ウェッズスポーツSA-25R |
サイズ | 15~20インチ |
構造 | フローフォーミング製法 |
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おすすめメーカー2.WORK(株式会社ワーク)
1977年に創業されたメーカーで、複雑な2ピース構造や3ピース構造を用いたアルミホイールは、国内のみならず海外でも人気を集めています。ワークのホイールは30種類以上あり、セミオーダープランが豊富で、カラーや素材、PCDなどをオーダー可能です。主な鍛造・鋳造のブランドシリーズは以下の通りです。
鍛造ホイール | 鋳造ホイール |
グノーシス | エクイップ ランベック |
ワーク・ランベックLS10
「永遠のスタンダードデザインをモダンスタイルに」をコンセプトとした、2021年に登場したモデルです。独特なホイールデザインが多いランベックシリーズでしたが、車種を選ばないオールマイティなホイールとなっています。
ホイール名 | ランベックLS10 |
サイズ | 18~21インチ |
構造 | 鋳造2ピース |
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ワーク・ジーストST2
シンプルな5スポークデザインは派手すぎず、しかし存在感はバッチリです。ノアやアルファードなどミニバンによく似合います。
ホイール名 | ジーストST2 |
サイズ | 20・21インチ |
構造 | 鋳造2ピース |
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おすすめメーカー3.レイズ(株式会社RAYS)
1973年にレーシングホイール部門のレイズエンジニアリングと共に創業された、日本の大手3大ホイールメーカーの1つです。独自のノウハウや技術力で、高い品質と信頼性の獲得しています。
主な鍛造・鋳造のブランドシリーズは以下の通りです。
鍛造ホイール | 鋳造ホイール |
ボルクレーシング ヴァルツフォージド |
グラムライツ |
グラムライツ57DR-X2
ジムニーやハイエース、クロカンSUVといったラージP.C.D.車両に向けたモデル「57DR-X」をSUVへ向けとして最適化したのがグラムライツ「57DR-X2」です。RAYS 伝統の6スポークデザインはスポーティかつ力強くオフロード感を演出してくれます。
ホイール名 | グラムライツ57DR-X2 |
サイズ | 16インチ |
構造 | 鋳造1ピース |
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おすすめメーカー4.BBS(BBSジャパン株式会社)
鍛造ホイールの良さを世界中に広めたという功績を残すホイールメーカーです。
世界で2拠点で、日本(BBSジャパン株式会社)では鍛造ホイール、ドイツ(BBS GmbH)では鋳造ホイールを製造しています。
魅力的なデザインに、強度を保ちつつ軽量化を実現したBBSの鍛造ホイールは、日本有名自動車メーカーのスペシャルモデルに純正ホイールとしても採用されています。また、超超ジュラルミン鍛造ホイールやマグネシウム鍛造ホイールなど、アルミ以外の鍛造ホイールも多く作り出しています。主な鍛造・鋳造は以下の通りです。
鍛造ホイール | 鋳造ホイール |
メイドインジャパンの製品 | 「GERMANY」の刻印があるドイツ製品 |
BBS LM
BBSといえばメッシュホイール。スポーティーさとエレガントさを両立したデザインで、メッシュホイールの王者の地位を確立しています。その中でもLMは1994年の登場以来、今も世界で愛されているロングセラーモデルの一つで、憧れのホイールです。
ホイール名 | BBS LM |
サイズ | 17~21インチ |
構造 | 鍛造2ピース |
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BBS RP
RPは飽きのこない王道8本クロススポークで、軽自動車・コンパクト−におすすめのホイールです。純正サイズのままで車高調やダウンサスをいれて装着するのが人気で、シックなスタイルに仕上がります。
ホイール名 | BBS RP |
サイズ | 15・16インチ |
構造 | 鍛造1ピース |
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参考:軽自動車もBBSでドレスアップ!ワンランク上の仕上がり!
鍛造・鋳造ホイールもタイヤワールド館ベストにおまかせ
いかがでしたでしょうか。鍛造と鋳造の違いが分かると、ホイールを選ぶ時に見方が変わってくると思います。タイヤワールド館ベストでは様々なホイールを取り揃えておりますので、ぜひご覧ください。
ドレスアップの際は、自分が目指すべきゴールをしっかり決めて、それに基づいてホイールの選択をしていきましょう。
みなさんがデザイン・性能ともに素敵なホイールに出会えますように!
タイヤワールド館ベストアウトレットユーズド館 店長
趣味:洋画鑑賞(テレビドラマも好きです)
モットー:少しずつの積み重ねを大事にする
特技:野球
丁寧な説明・誠実な接客に定評がありまた来たいというリピーターが多い。