最終更新日 2025年4月26日
「タイヤパンク修理キットの適切な使い方が分からない」「タイヤパンク修理キットの注意点を知りたい」このような悩みがある方は、多いのではないでしょうか。
この記事ではタイヤパンク修理キットの使い方をはじめ、タイヤパンク修理キットのメリットまで網羅的に解説します。
タイヤパンク修理キットについて詳しく知りたいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
- タイヤパンク修理キットとは
- ┗パンク修理キットは標準装備に必要?
- ┗パンク修理キットはどこにある?
- 【注意!】タイヤパンク修理キットが使えない5つの条件
- ┗1.パンク修理材の有効期限が過ぎている場合
- ┗2.タイヤが2本以上パンクしている場合
- ┗3.タイヤの側面がパンクしている場合
- ┗4.タイヤの空気が抜けた状態で走行していた場合
- ┗5.ホイールに損傷がある場合
- パンク修理キットの使い方
- ┗別注入方式のパンク修理キットの使い方
- ┗同時注入方式のパンク修理キットの使い方
- パンク修理キットのメリット
- ┗手間がかからない
- ┗タイヤを外すことなくパンク修理ができる
- ┗スペアタイヤを積む必要がない
- パンク修理キットで修理後は必ず近くのお店で点検しよう
タイヤパンク修理キットとは
タイヤパンク修理キットとは車のタイヤがパンクした際に、簡単に応急処置ができる便利なアイテムです。主に「シーラント剤(修理液)」と「エアコンプレッサー(空気入れ)」がセットとなっており、パンクの穴をふさぎながら空気を補充できます。
ジャッキや工具を使わずに修理ができるので、力のない方や緊急時にも役立つでしょう。ただし、あくまで応急処置のため、処置後は速やかに専門店で点検・修理を受けることが重要です。
パンク修理キットは標準装備に必要?
近年、多くの車種でスペアタイヤの代わりにパンク修理キットが標準装備されています。これはパンク修理キットを装備することによって、車両を軽量化させることや、燃費を向上させることが目的です。
パンク修理キットは簡単に応急処置ができる便利なアイテムですが、大きな穴やタイヤのサイド部分の損傷には対応できません。
そのため、長距離運転が多い方や悪路を走る機会が多い方は、スペアタイヤの設置も検討するとよいでしょう。
最近の新車ではスペアタイヤではなく、パンク修理キットを標準装備とする車も多いです。
マルニ工業株式会社の2022年の資料では、応急パンク修理の搭載車種一覧表がありますので、愛車をぜひ調べてみてくださいね。
パンク修理キットはどこにある?
パンク修理キットはトランクの床下や助手席の足元、またはリアシートの下に収納されていることが多いです。特にスペアタイヤを搭載していない車両では、標準装備としてパンク修理キットを設置する割合が高くなっています。
車種によって収納場所が異なるため、事前に取扱説明書を確認しておくことが重要です。また、いざという時にすぐ使えるように定期的にキットの状態をチェックして、シーラント剤の使用期限が切れていないかも確認しておきましょう。
【注意!】タイヤパンク修理キットが使えない5つの条件
いざタイヤがパンクしてタイヤパンク修理キットを使用したいと思っても、修理できないケースがあります。
ここからは、修理キットが使えないケースについて解説します。修理キットが使えないケースを把握しておくことで、適切なタイミングで使えるようになりましょう。
それでは、各ケースを以下に記載していきます。
- パンク修理材の有効期限が過ぎている場合
- タイヤが2本以上パンクしている場合
- タイヤの側面がパンクしている場合
- タイヤの空気が抜けた状態で走行していた場合
- ホイールに損傷がある場合
1.パンク修理材の有効期限が過ぎている場合
タイヤパンク修理キットに含まれるシーラント剤(修理材)には、有効期限があります。期限が過ぎると成分が劣化して、適切に穴を塞げなくなる可能性があるため、使用する前に必ず確認しましょう。
有効期限はパッケージや取扱説明書に記載されていることが多く、一般的に3〜5年程度が目安となります。定期的にチェックして、期限が近い場合は早めに交換するのがおすすめです。
期限切れの修理材を使用すると修理が失敗したり、さらなるトラブルが起こる原因となるかもしれません。
2.タイヤが2本以上パンクしている場合
タイヤパンク修理キットは基本的に1本のタイヤの軽いパンクを応急処置するためのものです。そのため、タイヤが2本以上パンクしている場合は、修理キットだけでは対応できないので、走行するのが難しくなる可能性が高いでしょう。
このような状況ではスペアタイヤがあれば交換して、無ければロードサービスを呼ぶのがおすすめです。
また、2本以上のパンクは釘などの異物の踏みつけや、路面の異常が原因の可能性もあるため、走行前に周囲の安全確認もおこないましょう。
3.タイヤの側面がパンクしている場合
タイヤパンク修理キットは主にトレッド面(地面と接する部分)の小さな穴を塞ぐためのものです。そのため、タイヤの側面(サイドウォール)がパンクしている場合は、修理キットでは対応できません。
側面はゴムが薄く、修理剤を使用しても強度を確保することが困難です。仮に、修理剤を使用した状態で走行するとタイヤが破損して、重大な事故につながる恐れがあります。
もし、タイヤの側面がパンクした場合は安全な場所に停車して、スペアタイヤに交換するか、ロードサービスを利用しましょう。
4.タイヤの空気が抜けた状態で走行していた場合
タイヤの空気が抜けた状態で走行を続けると、タイヤの内部構造まで損傷することもあり、修理キットでは対応できないことがあります。
特に、ホイールが直接路面と接触するほど空気圧が低下した場合は、タイヤの側面が潰れたり、内部のワイヤーが切れたりすることもあるでしょう。このような損傷を受けたタイヤは、シーラント剤で穴を塞いでも安全に走行できません。
空気が抜けたらすぐに停車してタイヤ修理キットを使用するか、スペアタイヤに交換するようにしましょう。
5.ホイールに損傷がある場合
タイヤパンク修理キットはタイヤのトレッド面のパンクに対応するものであって、ホイール自体に損傷がある場合には使用できません。
ホイールが変形したり、ひび割れたりしていると、修理キットでタイヤを膨らませても空気が漏れてしまい、正常に走行できない可能性があります。
特に縁石や障害物に強くぶつかった場合は、ホイールの歪みが発生しやすいため注意が必要です。
パンク修理キットの使い方
ここからは、パンク修理キットの使い方について説明します。パンク修理キットは主にシーラント剤を先に注入して、その後に空気を入れる『別注入方式』と、シーラント剤と空気を同時に注入する『同時注入方式』があります。
別注入方式はシーラントがしっかり穴を塞ぐため、修理の確実性が高くなる特徴があり、同時注入方式には手順が少なく、短時間で修理が完了するのが特徴です。
それぞれのパンク修理キットの使い方を以下に解説します。
別注入方式のパンク修理キットの使い方
別注入方式のパンク修理キットの使用方法をお伝えします。
- パンクの確認
- タイヤ穴の拡張
- 修理プラグを挿入
- 余分なプラグをカット
- 空気を入れて漏れチェック
- 実際に走行して確認
以上です。それぞれの手順を詳しくお伝えします。
1.パンクの確認
まず、どこに穴が開いているのかを特定します。
異物(釘やガラス片など)が刺さっている場合は、慎重に取り除きましょう。
また、パンクした箇所が見つからない場合は、石けん水をタイヤにスプレーして、気泡が出る部分を探すのがおすすめです。
2.タイヤの穴を拡張
修理プラグを確実に挿入するために、キットに付属しているリーマー(ヤスリ状の工具)を使用して、パンク穴を適切な大きさに広げます。
この作業によって、修理プラグがしっかりと密着するようになり、空気漏れを防げるでしょう。
ただし、無理に広げすぎると穴が大きくなりすぎて修理をするのが難しくなるので、説明書に従って慎重に作業しましょう。リーマーを何度か出し入れして穴を滑らかにして、異物が残っていないことを確認することが重要です。
3.修理プラグを挿入
修理プラグ(ゴム製の補修材)を専用のインサートツールにセットして、拡張したパンク穴に奥まで押し込みます。修理プラグはしっかりと密着することで空気漏れを防ぐため、しっかりとした力で挿入することが重要です。
挿入後にプラグの中央部分が穴を塞ぐように位置を調整します。この作業を丁寧におこなわないと修理が不完全となり、再び空気が漏れる可能性があるので、しっかりと奥まで差し込むことを意識しましょう。
4.余分なプラグをカット
修理プラグを適切に挿入したら、タイヤ表面に飛び出た余分な部分をカッターやハサミでカットします。タイヤ表面と同じ高さにすることで走行時の違和感を防ぐだけでなく、修理箇所がしっかり密着するのをサポートしてくれるでしょう。
余分なプラグが残っていると摩擦で剥がれる可能性があるため、できるだけ平らに整えることがポイントです。切断後は修理箇所を軽く押して密着していることを確認して、修理の仕上がりをチェックしましょう。
5.空気を入れて漏れチェック
修理が完了したら、エアコンプレッサーやエアポンプを使用して適正な空気圧までタイヤに空気を入れます。
空気を入れた後、修理箇所から漏れがないかを確認しましょう。
確認方法として、修理箇所に石けん水をスプレーして気泡が出ないかをチェックするのが効果的です。もし空気が漏れている場合は、プラグの挿入が不十分な可能性があるため、再度プラグを差し込み直すか、専門店での修理を検討しましょう。
6.実際に走行して確認
最後に、修理が完了したら低速で走行して、違和感や異常がないかを確認します。走行中に異音が出たり、空気圧が急激に下がったりするようであれば、修理が不完全な可能性があるため、すぐに停車して状態を確認しましょう。
また、あくまで応急処置なので、そのまま長期間使用せず、できるだけ早めに専門店で点検・交換を行うことが安全運転のために重要です。
同時注入方式のパンク修理キットの使い方
次に同時注入方式のパンク修理キットの使用方法をお伝えします。
- パンクの確認
- タイヤの空気を抜く
- シーラントを注入
- タイヤを回してシーラントを均等に分布
- 空気を入れて漏れチェック
- 実際に走行して確認
それぞれの手順を詳しくお伝えします。
1.パンクの確認
まず、別注入方式と同様にどこに穴が開いているのかを特定します。異物(釘やガラス片など)が刺さっている場合は、慎重に取り除きましょう。また、パンクした箇所が見つからない場合は、石けん水をタイヤにスプレーして、気泡が出る部分を探すのがおすすめです。
2.タイヤの空気を抜く
シーラント剤(修理剤)をしっかり注入するために、まずタイヤ内部の空気を完全に抜きます。これによりシーラントが均等に広がるので、パンク穴を効果的に塞ぐことが可能です。
空気を抜く際はバルブキャップを外し、エアバルブの芯を軽く押すことで空気を逃がします。空気を完全に抜ききることで、シーラントと新しい空気がスムーズに充填されるので、修理の効果が最大化されるでしょう。
3.シーラントを注入
修理キットに付属しているホースをエアバルブに接続して、シーラント剤をタイヤ内部に注入します。同時注入方式ではシーラントと空気が同時に送り込まれるため、特別な手順は不要です。
シーラントが流れ込みながら空気が入ることで、パンク穴を塞ぎつつ適正な空気圧を確保できます。ボトルの指示に従って規定量を注入したら、すぐにホースを外してエアバルブキャップをしっかり閉めましょう。
4.タイヤを回してシーラントを均等に分布
シーラントがタイヤ全体に行き渡るように車をゆっくり前後に動かすか、タイヤを数回手で回します。これにより、シーラントが遠心力によってタイヤの内側に均等に広がり、パンク穴を確実に塞ぎます。
この工程をしっかりおこなわないと、一部のエリアにシーラントが偏ってしまうので、丁寧に動かすことがポイントです。
5.空気を入れて漏れチェック
修理が完了したら、エアコンプレッサーやエアポンプを使用して適正な空気圧までタイヤに空気を入れます。空気を入れた後、修理箇所から漏れがないかを確認しましょう。
確認方法として、修理箇所に石けん水をスプレーして気泡が出ないかをチェックするのが効果的です。もし空気が漏れている場合は、プラグの挿入が不十分な可能性があるため、再度プラグを差し込み直すか、専門店での修理を検討しましょう。
6.実際に走行して確認
最後に、修理が完了したら低速で走行して、違和感や異常がないかを確認します。走行中に異音が出たり、空気圧が急激に下がったりするようであれば、修理が不完全な可能性があるため、すぐに停車して状態を確認しましょう。
また、あくまで応急処置なので、そのまま長期間使用せず、できるだけ早めに専門店で点検・交換を行うことが安全運転のために重要です。
パンク修理キットのメリット
パンク修理キットにはさまざまなメリットが存在します。それらを把握しておくことで、パンク修理キットを適切なタイミングで使用できるようになるとより安全な自動車運転をおこなえるようになるでしょう。以下に、メリットを解説していきます。
● タイヤを外すことなくパンク修理ができる
● スペアタイヤを積む必要がない
手間がかからない
パンク修理キットはジャッキアップやタイヤの取り外しが不要なため、短時間で簡単に応急処置ができます。特に、スペアタイヤ交換に比べて力を必要とせず、工具を使う手間も少ないのが大きなメリットです。
操作手順もシンプルで初心者でも説明書を見ながら対応しやすくなっており、夜間や悪天候時にも迅速に対応できます。
タイヤを外すことなくパンク修理ができる
パンク修理キットの最大のメリットはタイヤを取り外さずに修理できることです。通常、スペアタイヤへの交換にはジャッキアップやナットの取り外しが必要で重いタイヤを持ち上げる作業が伴います。
しかし、パンク修理キットならタイヤのバルブからシーラント剤を注入して、空気を補充するだけで修理が可能です。特に力のない方や緊急時には重宝されることが多く、安全かつ素早く応急処置ができる便利なアイテムとなっています。
スペアタイヤを積む必要がない
パンク修理キットを使用すればスペアタイヤを車に積む必要がなくなり、車内のスペースを有効に活用することが可能です。特に、コンパクトカーや軽自動車では、スペアタイヤを省いた分、トランクの収納スペースが広がることによって荷物を積みやすくなります。
また、スペアタイヤを積まないことで車両重量が軽減され、燃費が向上するでしょう。
パンク修理キットで修理後は必ず近くのお店で点検しよう
本記事では、パンク修理キットについて、使い方やメリットなどを幅広く紹介しました。
車によってはパンク修理材は積んでいなく、スペアタイヤを積んでいるお客様もいるかと思います。
パンク修理材を積んであるお客様は、いざというときに便利なのでぜひ使い方を覚えておいてくださいね。
また、急なバーストやパンクはどうすればいいかパニックになってしまう場合もあるかと思いますが、そんな時は頼りになるJAFに連絡しましょう。
JAF加入者であれば、連絡をするとすぐに現場にJAF隊員の方が駆け付けてくれて、その場で対応してくれます。
繰り返しになりますが、パンク修理材での修理は応急処置なので、ご使用した後に近くのタイヤショップで点検することをおすすめします。
もし、パンク修理キットを使用した後に、新しいタイヤを購入されたい方はぜひタイヤワールド館ベストにご来店ください。スタッフ一同心よりお待ちしております!

タイヤワールド館ベスト栗生店 店長
趣味:車を整備する事。
特技:手指の関節をポキポキ鳴らせる事。
モットー:お客様から感謝される接客を心がける事。