最終更新日 2024年11月12日
「ロードインデックスってなんですか?」「ロードインデックスは自分で確認できますか?」
ロードインデックスは聞き慣れない用語ですが、車体やタイヤにとって重要な役割を持ちます。ロードインデックスを理解すれば、走行中の危険を未然に防ぎ最適なタイヤを選ぶことが可能です。
本記事では、ロードインデックスの見方から注意点までわかりやすく解説します。
- タイヤのロードインデックス(LI)とは
- ┗ロードインデックスと荷重指数は違うの?
- ┗ロードインデックスには2つの規格が存在する
- ロードインデックスの見方
- ┗ロードインデックス早見表
- タイヤのロードインデックスは空気圧も重要
- ロードインデックスが不足するデメリット3つ
- ┗タイヤが偏摩耗する
- ┗タイヤがバーストする
- ┗タイヤの劣化が早くなる
- 【状況別】ロードインデックスの注意点
- ┗タイヤをインチアップするとき
- ┗XL規格に変更するとき
- ┗車検のとき
タイヤのロードインデックス(LI)とは
ロードインデックスとは、1本のタイヤで支えられる最大負荷能力のことです。最大負荷能力はメーカーが決めており、タイヤの種類や大きさによってロードインデックスの数値は異なります。
たとえば、車体の重量が重い場合、負荷能力が不足したタイヤを使用すればタイヤの損傷やタイヤの劣化を促してしまいます。
タイヤの損傷を未然に防いで安全に走行するためにも、ロードインデックスは必ず確認することをおすすめします。
ロードインデックスと荷重指数は違うの?
同じような用語として荷重指数があります。基本的に荷重指数とロードインデックスは同じものです。どちらもタイヤが支えることができる最大の荷重(重量)を示す指標で、主にタイヤに関する情報として使われます。
ロードインデックスは通常、「LI」や「ロードインデックス(Load Index)」と表記され、数値で示されます。この数値が高いほど、より重い荷重に耐えられるタイヤであることを意味します。
ロードインデックスには2つの規格が存在する
ロードインデックスには、日本で定めたJATMA規格とヨーロッパで定めたETRTO規格(XL規格)があります。
JATMA規格とXL規格の違いは、タイヤ1本に入る最大空気圧と支えられる最大負荷です。
タイヤに入る最大空気圧と支えられる最大負荷を比較すると、以下の通りです。
規格 | LI | 180 | 190 | 200 | 210 | 220 | 230 | kPa |
JATMA規格 | 84 | 425 | 435 | 455 | 460 | 475 | 490 | kg |
XL規格 | 84 | 370 | 385 | 400 | 415 | kg |
規格 | LI | 240 | 250 | 260 | 270 | 280 | 290 | kPa |
JATMA規格 | 84 | 500 | kg | |||||
XL規格 | 84 | 430 | 445 | 460 | 470 | 485 | 500 | kg |
上記のように空気圧に対して支えられる最大負荷は、規格によって異なります。
タイヤの交換を検討する場合は、JATMA規格かXL規格でタイヤに充填する空気圧が異なるため、必ず確認してから購入しましょう。
ロードインデックス別・負荷能力表
LI別の詳細な負荷能力表も用意しましたので、こちらで確認してみてくださいね。
ロードインデックスの見方
タイヤの側面(サイドウォール)には、タイヤの情報が印字されています。印字された数字や英字にはそれぞれ意味があり、タイヤの情報すべてを把握することが可能です。
ロードインデックスは、タイヤの側面を見れば簡単に確認できます。たとえば以下の通りです。
上記写真の白丸で囲った数字が、タイヤのロードインデックスです。
また、タイヤの側面にはロードインデックスの他に、以下のような意味を持つ数字やアルファベットが印字されています。
印字内容 | 数字の意味 | 詳細 |
205 | タイヤの幅 | タイヤの幅 |
55 | 扁平率 | タイヤ幅に対する高さ |
R | ラジアル | ラジアル構造タイヤ |
17 | リム径 | インチ数 |
91 | ロードインデックス | 1本のタイヤが支えられる最大負荷 |
V | スピードレンジ | タイヤが走行できる最高速度 |
ロードインデックス早見表
ロードインデックスによって耐えられる負荷は異なります。以下表はJATMA規格の負荷能力です。
LI | 負荷能力 | LI | 負荷能力 | LI | 負荷能力 | LI | 負荷能力 |
60 | 250kg | 75 | 387kg | 90 | 600kg | 105 | 925kg |
61 | 257kg | 76 | 400kg | 91 | 615kg | 106 | 950kg |
62 | 265kg | 77 | 412kg | 92 | 630kg | 107 | 975kg |
63 | 272kg | 78 | 425kg | 93 | 650kg | 108 | 1000kg |
64 | 280kg | 79 | 437kg | 94 | 670kg | 109 | 1030kg |
65 | 290kg | 80 | 450kg | 95 | 690kg | 110 | 1060kg |
66 | 300kg | 81 | 462kg | 96 | 710kg | 111 | 1090kg |
67 | 307kg | 82 | 475kg | 97 | 730kg | 112 | 1120kg |
68 | 315kg | 83 | 487kg | 98 | 750kg | 113 | 1150kg |
69 | 325kg | 84 | 500kg | 99 | 775kg | 114 | 1180kg |
70 | 335kg | 85 | 515kg | 100 | 800kg | 115 | 1215kg |
71 | 345kg | 86 | 530kg | 101 | 825kg | ||
72 | 355kg | 87 | 545kg | 102 | 850kg | ||
73 | 365kg | 88 | 560kg | 103 | 875kg | ||
74 | 375kg | 89 | 580kg | 104 | 900kg |
タイヤのロードインデックスは空気圧も重要
タイヤのロードインデックスは、タイヤの空気圧が重要です。タイヤの空気圧の増減で、タイヤ1本の支えられる最大負荷は低下します。
ロードインデックスとタイヤの空気圧の違いは以下の通りです。
項目 | 役割 |
---|---|
ロードインデックス(LI) | タイヤ1本が支えられる最大負荷と空気圧を定める基準 |
タイヤの空気圧(kPa) | 車種や年式によって定められた指定空気圧 |
以下の写真を参考に解説します。
ロードインデックス | 耐えられる最大負荷 | タイヤ空気圧 |
---|---|---|
91 | 615kg | 240kPa |
上記の写真の場合、タイヤの空気圧が240kPaあれば、1本のタイヤが615kgまで耐えられることがわかります。
言い換えると、タイヤの空気圧が240kPaないと615kgまでの負荷まで耐えられないのです。
たとえば、ロードインデックスが91のタイヤの空気圧が220kPaになった場合は以下の通りです。
ロードインデックス | 耐えられる最大負荷 | タイヤ空気圧 |
---|---|---|
91 | 585kg | 220kPa |
上記のようにタイヤの空気圧が低下すれば、ロードインデックスが91でも耐えられる負荷は615kgではなく585kgになります。
また、 タイヤ1本が支えられる最大負荷が低い状態で走行するとタイヤの負担が大きくなるだけでなく、タイヤが損傷する可能性があるため危険です。
ロードインデックスとタイヤの空気圧は役割が異なりますが、関係性が高いため車を安全に乗るためには必ず確認が必要です。
タイヤのロードインデックスを確認すると同時に、タイヤの空気圧も一緒に確認して安全に走行できる状態にしましょう。
ロードインデックスが不足するデメリット3つ
タイヤのロードインデックスは、不足しないように注意する必要があります。
ロードインデックスの低下により走行性能が発揮できなかったり、空気圧の減少でタイヤに負担がかかったりと、タイヤへの悪影響が多いためです。
本章では、ロードインデックスが不足するデメリットを3つ紹介します。
- タイヤが偏摩耗する
- タイヤがバーストする
- タイヤの劣化が早くなる
1.タイヤが偏摩耗する
タイヤのロードインデックスが不足するデメリット1つ目は「タイヤが偏摩耗する」です。タイヤの負荷能力が低下すれば、タイヤへの負担が大きくなります。
たとえば、タイヤの指定空気圧が240kPaでタイヤの空気圧が低下した場合は、以下の通りです。
タイヤの空気圧240kPa | ||
---|---|---|
ロードインデックス | 1本の最大負荷 | 4本合計 |
91 | 615kg | 2460kg |
タイヤの空気圧220kPa | ||
---|---|---|
ロードインデックス | 1本の最大負荷 | 4本合計 |
91 | 585kg | 2340kg |
上記のようにタイヤの空気圧が低下すると、タイヤの最大負荷が4本合計で100kg以上も差が出ることがわかります。
タイヤの空気圧が低下した状態で走行すれば、通常以上にタイヤに負荷がかかるため偏摩耗につながる可能性があります。
また、タイヤに負荷がかかり続ければタイヤのひび割れの原因にもなるため注意が必要です。
安全に走行できるタイヤの状態を保てるように、タイヤの空気圧は定期的に確認しましょう!
2.タイヤがバーストする
タイヤのロードインデックスが不足するデメリット2つ目は「タイヤがバーストする」です。タイヤの空気圧が低下すれば、タイヤにかかる負担が増加します。
たとえば以下の通りです。
適正空気圧240kPaの場合 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
タイヤサイズ | LI | 180 | 190 | 200 | 210 | 220 | 230 | 240 | kPa |
205/55/17R | 91 | 520 | 535 | 555 | 570 | 585 | 600 | 615 | kg |
上記のように、適正空気圧が240kPaの場合、1本のタイヤが支えられる最大負荷は最大615kgです。タイヤの空気圧が低下するほど、支えられる最大負荷が低くなることがみてわかります。
タイヤの負荷能力が低下した状態で走行すれば、バーストする危険性が高くなるため注意が必要です。
「タイヤの空気圧点検は月1回もしていない」
「ロードインデックスが高いタイヤなら大丈夫」
このような考えのあなたのタイヤは、気付かないうちに空気圧が減少しロードインデックスが低下して、タイヤに大きな負担がかかっているかもしれません。
最悪の事態にならないよう空気圧は定期的に確認し、ロードインデックスに合った空気圧を保ちましょう。
3.タイヤの劣化が早くなる
タイヤのロードインデックスが不足するデメリット3つ目は「タイヤの劣化が早くなる」です。
タイヤが劣化した状態で走行すると以下の危険が考えられます。
● タイヤが損傷する
● タイヤに偏摩耗が発生する
● タイヤがパンクする
● 最悪の場合タイヤがバースト
タイヤのロードインデックスが不足した状態で走行を続ければ、上記のような危険な症状が早く発生する可能性があるため大変危険です。
また、タイヤの劣化に伴いホイールバランスの乱れも考えられます。タイヤ以外の車体にも悪影響が出る可能性が高いため、注意が必要です。
タイヤの劣化を未然に防ぐためにも、ロードインデックスは既定値を維持できるように心がけましょう。
【状況別】ロードインデックスの注意点
「タイヤのロードインデックスは数字が高ければ大丈夫」
「自分の好きなタイヤなら何でも大丈夫」
「XL規格にして、タイヤの空気圧高めにすれば安心」
このような考えのあなたは、注意が必要です。
理由は、ロードインデックスはタイヤのサイズや種類によって異なり、各メーカーで基準値が決まっているからです。
ロードインデックスが適正でない場合、車自体に乗れない可能性もあります。本章では、ロードインデックスの注意点を3つ紹介します。
- タイヤをインチアップするとき
- XL規格に変更するとき
- 車検のとき
1.タイヤをインチアップするとき
タイヤをインチアップするときは、純正タイヤのロードインデックスを下回るのは避けましょう。
理由は、タイヤ4本が支えられる最大負荷が不足するからです。たとえば、ロードインデックスが低くなるインチアップは以下の通りです。
タイヤサイズ | LI | 支えられる最大負荷 | 取付可否 |
---|---|---|---|
205/50R16 | 87 | 545kg | × |
205/45R17 | 84 | 500kg |
上記タイヤのインチアップは、ロードインデックスが純正タイヤより低いため、インチアップできません。
次に、ロードインデックスが同じインチアップは以下の通りです。
タイヤサイズ | LI | 支えられる最大負荷 | 取付可否 |
---|---|---|---|
205/50R16 | 87 | 545kg | 〇 |
215/45R17 | 87 | 545kg |
上記タイヤのインチアップは、ロードインデックスが同じであるため、インチアップ可能です。
最後に、ロードインデックスが上回るインチアップは以下の通りです。
タイヤサイズ | LI | 支えられる最大負荷 | 取付可否 |
---|---|---|---|
205/50R16 | 87 | 545kg | 〇 |
225/40R18 | 88 | 560kg |
上記タイヤのインチアップは、ロードインデックスが上回っているため、インチアップ可能です。
ロードインデックスが下回ると、支えられる最大負荷の低下につながります。
タイヤのインチアップを検討中の方は、ロードインデックスが下回らないタイヤを選びましょう。
タイヤ選びにお悩みの場合は、最寄りの店舗に相談することをおすすめします。
インチアップ時の荷重指数・空気圧についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
2.XL規格に変更するとき
XL規格は、JATMA規格と比較すると支えられる最大負荷が高めになるため、タイヤに必要な空気圧は高めに設定する必要があります。
たとえば、ロードインデックスが91で指定空気圧が240kPaの場合、以下の規格空気圧が異なります。
タイヤサイズ205/55R/16の場合 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
規格 | LI | 180 | 190 | 200 | 210 | 220 | 230 | kPa |
JATMA規格 | 91 | 520 | 535 | 555 | 570 | 585 | 600 | kg |
XL規格 | 91 | 455 | 475 | 495 | 510 | kg |
規格 | LI | 240 | 250 | 260 | 270 | 280 | 290 | kPa |
JATMA規格 | 91 | 615 | kg | |||||
XL規格 | 91 | 530 | 545 | 565 | 580 | 600 | 615 | kg |
ロードインデックスが91で指定空気圧が240kPaの場合、上記のようにXL規格に交換しても、JATMA規格と同じ空気圧のままでは、*1本のタイヤが耐えられる荷重が530kgと大幅に低くなるため注意が必要です。
JATMA規格に合ったタイヤの空気圧はXL規格では290kPaです。
先述の通り、タイヤが空気圧不足のまま走行を続けるのはおすすめできません。
タイヤをXL規格に変更する場合は、事前にロードインデックスや空気圧を確認し、適切な空気圧で走行しましょう。
3.車検のとき
結論として、ロードインデックスが不足した状態では車検には通りません。
理由は、保安基準を満たしていないからです。
国土交通省の「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(第167条4)」では、以下の記載があります。
自動車の積車状態における軸重を当該軸重に係る輪数で除した値である空気入ゴムタイヤに加わる荷重は、当該空気入ゴムタイヤの負荷能力以下であること。
ロードインデックスが不足すると先述のようにデメリットだけでなく、車検に通らないため車自体使用できません。
タイヤが支えられる最大荷重が保てるように空気圧も定期的に確認して、ロードインデックスの低下を未然に防ぎましょう。
タイヤの交換やインチアップはタイヤワールド館ベストにお任せください
あらためて本記事では、以下の内容を解説しました。
● ロードインデックスの見方
● タイヤのロードインデックスは空気圧が重要
● ロードインデックスが不足するデメリット3つ
● 【状況別】ロードインデックスの注意点
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