最終更新日 2024年7月3日
日々、運転をしている中で、誰もが起こり得るパンクによるトラブル。
長く使ったタイヤだし…
1本変える?
それとも2本変えた方がいい?
この際4本変える?
このようなご相談をたくさん頂きます。タイヤは決して安価なものではないので、一緒に慎重に判断しましょう!
今回はパンク修理できない状況や、タイヤの状態に応じて何本変えるべきか等について解説していきます。
- パンク修理はあくまで応急処置
- ┗タイヤ各部と内部構造の名称
- パンク修理ができないタイヤの6つの例
- ┗①外傷またはヒビ割れがショルダー部分まで達している
- ┗②ワイヤーが露出するほどの損傷をしている
- ┗③ピンチカットがある
- ┗④油・薬品等によるゴム層に変質のあるタイヤ
- ┗⑤内面に貼り付けられているゴム層の部分に損傷がある
- ┗⑥スリップサインやベルトが露出したタイヤ
- タイヤを1本だけ交換で大丈夫な場合
- タイヤを2本交換した方がいい場合
- タイヤを4本交換した方がいい場合
- ┗4WDは4本交換が必要
- まとめ
パンク修理はあくまで応急処置
パンクしてしまった際にまず考えるのが、パンク修理ではないでしょうか。
できるだけコストを抑えたいところですが、パンク修理ができない状態のタイヤもあります。また、パンク修理はあくまで応急処置ですので、基本的には早めの交換をおすすめします。
タイヤ各部と内部構造の名称
ダンロップHPより
ご説明する前に、タイヤ各部と内部構造の名称を確認しておきましょう。こちらをご参考に、読み進めていってください。
パンク修理ができないタイヤの6つの例
タイヤのパンクは全て修理できる訳ではありません。主にパンク修理不可なタイヤは以下の6つの状態のタイヤです。
②ワイヤーが露出するほどの損傷をしている
③ピンチカットがある
④油・薬品等によるゴム層に変質がある
⑤内面に貼り付けられているゴム層の部分に損傷がある
⑥スリップサインやベルトが露出したタイヤ
①外傷またはヒビ割れがショルダー部分まで達している
写真引用元・ Hepporon Library Lifelog
ショルダーとは、上図のようにタイヤの肩の部分のことです。タイヤのショルダーや側面部分まで傷やひび割れが達しているタイヤは修理することができません。つまり、修理可能な部分は以下に示したトレッド面(接地面)の端っこの手前まです。
上記エリア内かつ、
・損傷の個数…2個以内
・損傷の周上間隔…40㎝以上
の場合、修理することができます。
なお、当店では安全性担保のため、1本につき1ヵ所までの補修とさせて頂いております。
この条件から外れた場合や、潰れた状態で走ってしまい側面がボロボロになったタイヤは、そのまま使用するとバーストの可能性が高く大変危険なので、すぐに新品に交換しましょう。
②ワイヤーが露出するほどの損傷をしている
溝もなく、ワイヤーが出ていて、更にバーストしてしまった状態です。バーストとは、タイヤの内部が損傷し、タイヤが破裂してしまうことです。
バーストしてしまう前に溝がない状態の際は早急に新しいタイヤに交換しましょう。
③ピンチカットがある
ダンロップHPより
ピンチカットとは、タイヤ内部のカーカスコードが切れて、タイヤ横側の一部が盛り上がったような変形のことをいいます。 縁石に強く乗り上げたりした際に発生し、そのままにしておくとバーストにつながる可能性があります。
お取り付けは不可能なので交換が必要です。
④油・薬品等によるゴム層に変質のあるタイヤ
タイヤに使用されているゴムの成分の中には、油と馴染みやすいものがあります。場合によっては、合成ゴムに染み込んだ油分が、タイヤを保護するための成分を溶かし出してしまう可能性も。
また、タイヤに塗る油性ワックスが原因となる場合もありますので、ワックスを使用する際には、十分ご注意ください。
⑤内面に貼り付けられているゴム層の部分に損傷がある
パンク修理は、外から生ゴムを差し込む外面修理と、内側から修理パッチを貼って直す内面修理の2通りがあります。外側の修理だけだと、気づきにくかもしれませんが、タイヤにとって大変危険な状態で、修理不可となります。
⑥スリップサインやベルトが露出したタイヤ
スリップサインとはタイヤの摩耗が進んでいることを示すサインで、タイヤの設置面(トレッド面)4〜9カ所に設置されています。タイヤの溝の深さが1.6mmになると、そこがトレッド面と同じ高さになりスリップサインが出てきます。
一箇所でもスリップサインが出たらタイヤの交換が必要です。タイヤの溝が1.6mm以下で走行していると道路交通違反になってしまいますのでくれぐれもご注意ください。
ダンロップHPより
タイヤを1本だけ交換で大丈夫な場合
パンク修理ができない状態だった場合、早急にタイヤの交換が必要になります。そうなると悩むのが残り3本との性能の差です。
理想はやはり4本同時交換ですが、コスト的にもできるだけ抑えたいですよね。
基本的に、他の3本がまだ使えると判断できる状態であれば1本だけを交換しても支障はあまりありません。
その際は、残りの3本と同じタイヤパターンを装着するのことが理想です。
また、1本だけ交換した場合は、タイヤを長持ちさせるために、摩耗の進行を平均化させる、タイヤローテーションを行うことをおすすめします。
タイヤローテーションとは、前輪と後輪のタイヤの位置を変えることです。タイヤの位置を入れ替えることで、表面の摩耗を均一にすることができ、タイヤを長持ちさせることができます。
横浜ゴムHPより
タイヤを2本交換した方がいい場合
前輪後輪のバランスを考え、1本だけを交換するのではなく2本交換をすすめてるケースもあります。
自動車のタイヤは4本ついていますが、基本的には左右のタイヤがペアとなり動いています。
タイヤの年数が2年以上経っているものや、タイヤの溝が減っている場合は、左右とも新品のタイヤにしましょう。
この際、新しいタイヤを前輪にはかせることでバランスがとれるので、基本的には前輪に新品タイヤ2本を装着することをおすすめします。
タイヤを4本交換した方がいい場合
タイヤの溝が残り少なかったり、年数が経ちタイヤ表面のゴムが硬化していたりヒビ割れしている状態であれば、早急に4本交換することをおすすめします。
残りの3本が使えるかどうかの判断は、ご自身ではなかなか難しいと思うので、当店を含めたタイヤ専門店にご相談していただければと思います。
4WDは4本交換が必要
4WDの車は、他のタイヤの状態に関わらず、4本全てのタイや交換が必要になります。
4WD車は、前後左右の4輪が繋がっています。もし、違うタイヤが1本または2本入ってしまうと、4輪のタイヤの抵抗が変わってしまいます。例えば、1本だけ違うタイヤをはいている場合、ブレーキを踏んだ際に3本は止まっても交換したはずの1本だけまだ止まらない‥という状況が起きてしまう可能性があります。
そうなってしまうと、タイヤだけではなく、車体の負担も大きくなってしまうので、車自体の劣化が早まってしまいます。これらを踏まえ、4WDの場合はよっぽど新しいタイヤでない限り、4本の交換が望ましいです。
※FF車(前輪駆動)ベースの4WDは2本交換可能の場合がありますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
ここまでパンクした際のタイヤ交換について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?パンクした際は、パニックにならず落ち着いて適切な処置を行うことが重要です。
自分の車の特徴や状態をしっかり把握し、難しい場合はタイヤショップなどに相談してみて下さい。
また、パンクを防止するために、空気圧点検などを日常的に行い、安全で楽しいカーライフを送ってくださいね。
タイヤワールド館ベスト栗生店 店長
趣味:車を整備する事。
特技:手指の関節をポキポキ鳴らせる事。
モットー:お客様から感謝される接客を心がける事。