冬の時期に使用するスタッドレスタイヤも、普通のタイヤと同じく寿命があります。
寿命が来ているのにもかかわらず使用すると、十分な効果を発揮できずに雪道でスリップする危険性が高まります。
しかし、スタッドレスタイヤの寿命の見極め方を知っている方は少ないのではないでしょうか?
本記事ではスタッドレスタイヤの交換時期や寿命の見分け方、長持ちさせる方法などについて解説します。
- スタッドレスタイヤへの交換に最適な時期
- スタッドレスタイヤへの交換時期に確認するポイント
- スタッドレスタイヤの寿命
- スタッドレスタイヤを長持ちさせる方法
スタッドレスタイヤの購入を検討されている方や現在使用中の方は、本記事を読んで交換時期や長持ちさせる方法を理解し、対策を講じられるようにしておきましょう。
スタッドレスタイヤへの交換に最適な時期は?
スタッドレスタイヤは冬の寒い時期で凍結する道路や雪道での運転に適したタイヤですが、夏用タイヤから交換するには最適なタイミングがあります。
ポイントは以下の3つです。
●スタッドレスタイヤの機能を100%出すには慣らし走行が必要
●初雪の1ヶ月前に交換するのがオススメ
●雪にかかわらず気温が7℃以下なら冬用タイヤがオススメ
新品のタイヤには油や微細なゴミが付着しており、汚れが落ちきるまでは道路に均一に接地できません。
そのため、新品のタイヤでいきなり凍結した道路を運転すると、100%の機能を発揮できません。
気温が低くならないうちに慣らし走行をして、雪道でも十分に機能を発揮できる状態にしておきましょう。
スタッドレスタイヤの機能を100%出すには慣らし走行が必要
スタッドレスタイヤの機能を十分に引き出すには、道路が凍結する前に慣らし走行が必要です。
夏用・冬用タイヤに限らず、ホイールにタイヤが慣れるまで慣らし走行をして、タイヤの表面の皮をむくことで100%機能を発揮できるようになります。
雪道では摩擦が少ないので、乾燥路に比べタイヤの表面の皮をむくことが難しく、スリップの危険性が高くなります。
スタッドレスタイヤの場合、時速60kmで乾燥路を約200km慣らし走行するのが目安です。
交換後のタイヤの操縦感覚を覚える意味でも、凍結していない乾燥路で慣らし走行しましょう。
初雪の1ヶ月前に交換するのがオススメ
初雪の1ヶ月前を目処に夏用タイヤからスタッドレスタイヤへの交換をするのがオススメです。
理由は、初雪前は混雑が想定されるので、ギリギリのタイミングで購入しようとすると在庫切れのリスクがあるからです。
また、直近数年内の初雪を参考に直前に購入を検討しても、思わぬ初雪に見舞われ、購入のタイミングが遅れることもあります。
初雪のタイミングは地域によっても変わるので、具体的なタイミングの目安は、気象庁が発表している「霜・雪・結氷の初終日(参考例:富山県の初雪の平均値)」を参考にしましょう。
1991年〜2020年までの30年間の観測地別データから平均値を出しているので、具体的な月日がわかります。
雪にかかわらず気温が7℃以下なら冬用タイヤがオススメ
雪にかかわらず、気温が7℃以下の場合は冬用タイヤに交換するのがオススメです。
道路は通常0℃から凍結が始まります。
しかし、アスファルトは熱を逃がしやすい性質があります。そのため、大気中の温度よりも低くなることがあり、0℃以下でなくとも凍結する可能性も。
とくに夜間帯は気温と道路表面の温度に大きく乖離が生まれ、気温が5〜7℃の場合でも路面温度は0℃以下になることもあります。
気温が7℃以上の場合でも、風通しのよい場所や日の当たらない部分は凍結しやすくなるので注意しましょう。
スタッドタイヤへの交換時期に確認する4つのポイント
前シーズンも使用していたスタッドレスタイヤに交換する場合は、事前に点検を実施しなければ不具合を見逃してしまいます。
しかし、はじめて点検する方はどこをチェックするべきかわかっている方は少ないでしょう。
以下では、夏用タイヤからスタッドレスタイヤへ交換する際に確認する4つのポイントを解説します。
- プラットホームの露出がないか
- ひび割れや傷がないか
- 変形していないか
- ゴムが硬くなっていないか
1. プラットホームの露出がないか
冬用タイヤの寿命を確認するポイントのひとつにプラットホームがあります。
スタッドレスタイヤは表面にギザギザな切り込みが入っており、スリップしやすい雪道においても走行しやすいのが特徴です。
プラットホームはタイヤの摩擦限度を示すサインで、50%摩擦するとタイヤ表面に現れます。
プラットホームが現れると、冬用タイヤとして雪道では性能が発揮できないことを意味します。
前シーズン使用していたタイヤに履き替える前に一度状態を確認するようにしましょう。
2. ひび割れや傷がないか
ひび割れや傷もタイヤ交換時の確認すべき項目のひとつです。
冬の路面ではタイヤに不備があると制動距離が伸びてしまい、カーブが曲がりにくくなります。
そのため、ひび割れや傷のチェックは夏用タイヤ以上に入念に行いましょう。
タイヤはゴム製のため、数年使用すると硬直してひび割れや傷が生じやすくなります。
強度が低下すると、最悪の場合タイヤが破裂する「バースト」を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
とくに冬の期間はタイヤに雪がかかってしまって見えにくくなることもあり、障害物に当たって傷付くこともよくあります。
タイヤ交換前にひび割れや傷がないかを確認し、損傷が激しい場合は新品のものに交換するようにしましょう。
3. 変形していないか
タイヤが変形しているかどうかを確認することも、安全な運転のために重要です。
タイヤは劣化や摩擦、保管状況によってゆがみやこぶのようなものが現れることがあります。
摩擦による変形は均一には起こらず、タイヤごとにで異なります。
タイヤが変形したまま走行すると、道路にしっかり接着せず滑りやすくなり、スリップなどの事故の原因になりかねません。
冬用タイヤに限らず、タイヤの変形は定期的にチェックするようにしましょう。
4. ゴムが硬くなっていないか
ゴムが硬くなるとグリップ力が弱まり、雪道で大変すべりやすくなるため、タイヤ交換時にチェックしましょう。
スタッドレスタイヤのゴムの硬度はメーカーにもよりますが、一般的には新品状態でおおよそ「45」以下。「60」を超えると、冬用タイヤとしての機能が失われるとされています。
未使用の場合でも、年数が経つにつれてゴムの硬度は失われていくので、交換時には硬度計などを用いてチェックしましょう。
スタッドレスタイヤの寿命は3~4年
スタッドレスタイヤの寿命はおおよそ3〜4年で、走行距離にすると10,000km〜15,000kmが寿命とされています。
また、タイヤメーカーの保証期間も3年に定めていることがほとんどです。
理由としては、一般的に冬用タイヤの装着期間は11〜4月であり、1ヶ月で1,000km走行すると仮定すると、約3年で15,000kmに達するためです。
製造年月日から4年以上経過すると機能性が低くなってしまい、とくに雪道で走行する際やカーブの際にはスリップ事故の可能性が高くなります。
タイヤの製造年月日を確認するには、タイヤの側面に刻印されている4ケタの数字を確認しましょう。
最初の2ケタが製造週数を、後ろ2ケタが製造年を示しており、たとえば「2720」の場合2020年の27週(6〜7月頃)を意味します。
使用前だけでなく、購入時にもしっかり確認するようにしましょう。
夏用タイヤと冬用タイヤの交換時期は異なる
夏用タイヤも冬用タイヤも保安基準が決められており、残り溝が1.6mm以下の場合は車検に通らないので交換が必要ですが、冬用タイヤとしての寿命は先に訪れます。
すべてのタイヤには残り溝が1.6mmに達した段階でスリップサインが現れますが、スタッドレスタイヤの場合は使用限度を示すプラットホームにも注目です。
プラットホームは残り溝が50%以下になった際に現れ、雪道では機能を十分に発揮できないことを意味します。ひとつでも出ている場合は、交換が望ましいでしょう。
スタッドレスとタイヤの寿命のサインまとめ
サイン |
スリップサイン |
プラットフォーム |
画像 |
|
|
意味 |
タイヤ使用の限界を示す |
冬タイヤとしての限界を示す |
夏タイヤ |
表示あり |
表示なし |
冬タイヤ |
表示あり |
表示あり |
出現時期 |
残り溝1.6mm |
残り溝50% |
サイン出現後の走行可否 |
不可 |
乾燥路の走行は可 |
ポイントは、プラットホームは冬用タイヤとしての寿命を示すものなので、乾燥路で使用する分には問題がないが、スリップサインはタイヤの限界を示すので走行不可ということです。
乗車の際にはこれらのサインを確認して、タイヤの寿命も気にかけてあげてください。
スタッドレスタイヤを長持ちさせる6つの方法
タイヤはゴム製品のため、使用する中で消耗していくのでいずれ交換が必要な時期が訪れます。
しかし、降雪時期などでしか使わないスタッドレスタイヤを何度も交換するのはもったいないため、できるかぎり長持ちさせたいと思う方は多いのではないでしょうか。
以下ではスタッドレスタイヤを長持ちさせる6つの方法を解説するので、日々のメンテナンスの参考にしてみてください。
- ローテーションで摩擦を軽減する
- 適度に空気圧を調整する
- 急発進や急停止を控える
- タイヤを適切な場所・方法で保管する
- ホイールアライメントを調整する
- 夏は使わないようにする
1.ローテーションで摩擦を軽減する
タイヤローテーションとは、前後左右のタイヤの位置を取り換えて摩擦を抑える方法です。
タイヤの摩擦速度は装着する位置によって異なり、エンジンの動力が伝わりやすい駆動輪から摩擦していきます。
そのため、同じ位置に取り付けたままの場合、特定のタイヤだけ摩擦が進んでしまい、事故の原因にもなります。
目安としては、約5,000km走行した時点でタイヤの位置をローテーションするようにしましょう。
2.適度に空気圧を調整する
タイヤの空気圧を適切に調整することで長持ちさせられます。
タイヤは使用に伴って空気が抜けていくため、調整せずに運転を続けると本来の性能を維持できなくなり、偏摩擦や最悪の場合はタイヤが破裂する恐れもあります。
ガソリンスタンドなどでタイヤに空気を入れることができるので、定期的に確認するようにしましょう。
3.急発進や急停止を控える
急発進や急停止を控えることも、スタッドレスタイヤを長持ちさせる方法のひとつです。
急発進や急停止はタイヤに大きく負荷をかけるので、寿命を短くする原因となります。
道路はアスファルトでできているため凸凹しており、通常走行するだけでもタイヤはダメージを受けますが、急発進や急停止が与えるダメージはさらに大きいです。
とくにエンジンに近い駆動輪は、道路にエンジン動力を伝える役割を持っているため、摩擦によるダメージが大きく早くすり減ります。
安全面も考慮して、急発進や急停止は控えるようにしましょう。
4.タイヤを適切な場所・方法で保管する
タイヤの寿命は保管場所に大きく左右され、適切な場所・方法で保管することで長持ちさせられます。
不適切な環境ではタイヤが変形する恐れがあり、たとえば日光が当たる環境では紫外線がタイヤの劣化を進めます。
他にも、雨風に当たる場所ではタイヤに水分が付着して劣化を進めることになるでしょう。
保管する際は風通しのよい屋内で、タイヤカバーで覆って立てかけて保管しましょう。
5.ホイールアライメントを調整する
タイヤを長持ちさせるためには、取り付け部分を適切な角度に調整することも重要です。
タイヤは運転につれて取り付け部分にズレが生じることがありますが、放置したまま走行すると偏摩擦によって寿命を短くしてしまいます。
ホイールアライメントとは、タイヤ取り付け部分を適度な角度に調整するという意味です。
走行性能を高めるため、キャンバー角・キャスター角・トー角の3種類を調整します。
注意点として、極端な調整はタイヤ寿命を短くする可能性もあるので、調整を行う場合にはカー用品店やディーラーなど専門知識がある方に依頼するようにしましょう。
6.夏は使わないようにする
冬用タイヤを夏に使わないことも、長持ちさせる方法のひとつです。
夏の暑い時期は、道路の表面温度が60℃以上になることがあります。道路の表面温度が高いと、ゴム製のタイヤは溶けてしまうことがあります。
また、時期に限らず使用に伴って摩擦していくので、通年使用することは望ましくありません。
そのため、スタッドレスタイヤは必要な時期のみ使用するようにしましょう。
スタッドレスタイヤの寿命がきたら早めに交換を
今回の記事では、スタッドレスタイヤの交換時期や寿命の見分け方、長持ちさせる方法をまとめました。
雪道は乾燥路に比べてスリップする危険性も高く、損傷や劣化が進んでいる場合は迷わず交換するようにしましょう。
また、スタッドレスタイヤの需要のピークは11月頃ですが、早めにご準備することをおすすめします。
早期予約のメリット
1.じっくり吟味して購入出来る
トップシーズンに入るとどうしても店内が混雑してしまい、スタッフが捕まらなかったり(申し訳ありません‥)、急に雪予報が出てバタバタとタイヤ購入等を済ませないといけなくなり、自分にあったタイヤをじっくりと選べなかったり、という可能性があります。
余裕をもって準備することで、愛車にあったスタッドレスタイヤをじっくり吟味して検討することが出来ます!
2.目当ての商品が在庫切れになる前に購入出来る
トップシーズンに入ると沢山のお客様がご来店され、せっかくご来店頂いてもすぐにタイヤの在庫がないということも発生してしまいます。人気メーカーの人気サイズは、入荷待ちになることもありますので、特に余裕を持った購入計画をしてくださいね。
3.タイヤ交換作業の待ち時間が少ない
タイヤ屋さんのあるあるですが…寒い時期になってからタイヤ交換をしようという方が集中してしまうと、タイヤ交換作業に入るまでにかなりの待ち時間が発生してしまうということも珍しくもありません。
余裕を持ってスタッドレスタイヤに交換して頂くと、急な雪にも安心です。
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タイヤの交換が必要な場合はインターネットでのご予約も可能ですので、ぜひタイヤワールド館ベストをチェックしてみてください。
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