最終更新日 2024年8月2日
「そもそもスタッドレスタイヤで車検は受けられるの?」
「特別に注意することはある?」
今回はスタッドレスシーズンの車検についてのあれこれに答えていきたいと思います。
- 車検について
- ┗車検のタイミング(新車の場合)
- ┗車検のタイミング(中古車の場合)
- ┗新車登録から10年経った車の車検
- 車検でチェックするタイヤのこと
- ┗スリップサインとは?
- ┗スタッドレスではプラットフォームの確認も
- ┗結論・気にすべきはスリップサイン
- 車検に通らない代表的なタイヤ
- ┗スリップサインが出ているタイヤ
- ┗明らかなひび割れがあるタイヤ
- ┗サイズが合っていないタイヤ
- スタッドレスタイヤを長持ちさせる3つの方法
- ┗タイヤローテーション
- ┗適正空気圧の維持
- ┗正しいタイヤ保管
- まとめ
車検について
車に乗っていたら数年に必ずくる車検。正式名称は、自動車検査登録制度と言います。
法律で義務付けされている制度で、「定められた期間に受けないと公道を走行できなくなる」ので注意が必要です。
車検は安全性の確保や公害防止から点検・整備・検査3つの工程を踏み、国が指定する保安基準を満たしているかどうかをチェックするよう、道路運送車両法で定められています。
新車の場合
車両・登録区分によって車検のタイミングは異なりますが、自家用登録の乗用車や軽自動車は、初回は登録日から3年後、以降は2年ごとに車検が必要となります。
車種 | 初回 | 2回目以降 |
自家用自動車 軽自動車 小型二輪自動車(250cc超) |
3年 | 2年 |
中古車の場合
中古車は、製造1年未満の場合を除き、すべて2年ごとに車検を行わなければなりません。中古車を購入する際は、車検までの期日が残っていると、出費がかさむことがなくお得です。
新車登録から10年経った車の場合
10年経った自家用車は、毎年車検を受けなければならない、と聞いたことがある方もいるかもしれませんが、その法律は1995年に改正されています。現在では自家用車であれば、10年以上でも車検は2年おきで大丈夫です。
車検でチェックするタイヤのこと
車検の検査項目の中に、タイヤの点検・整備・検査があります。車検では、純正タイヤ・サマータイヤ・スタッドレスタイヤ全てにおいてタイヤの種類は関係ありません。
大事なのは、タイヤの溝です。
車検に受かるタイヤの溝の深さは1.6mm以上です。したがって、スリップサインをしっかり確認することが大切です。
スリップサインとは?
スリップサインは、全てのタイヤについている限界摩耗の目印で、限界値から約1.6mm程度のところにあり、1つのタイヤに4つ程度(タイヤによっては少ない場合もあります)ついています。
サイドに目印がついていることが多いので、見つけやすいです。
スタッドレスではプラットフォームの確認も
スタッドレスタイヤにはスリップサインのほかに、プラットフォームという目印もあります。
これは、タイヤとしての限界ではなく、スタッドレスタイヤとしての限界のサインとされています。つまり、スタッドレスタイヤにはスリップサインとプラットフォームの2つの目印があるということですね。
プラットフォームが出てくるのは、溝が50%になった時です。
ですので、順番としては、プラットフォーム→スリップサインの順で現れます。
スタッドレスタイヤとして使える溝の深さは、夏タイヤより少ない=(溝はスタッドレスの方が深く彫ってあるが)寿命はスタッドレスタイヤの方が短いといわれる所以でもあります。
スタッドレスのお手軽な残溝チェック方法として、100円玉を用いた方法があります。溝に「100円玉」の数字の1が下になるように差し込み、「1」が見えたら交換のタイミングです。
結論・気にすべきはスリップサイン
結論から言うと、スタッドレスタイヤはプラットフォームが出ていても、スリップサインが残っていたらそのまま車検には通ります。
問題はスリップサインなので。
しかし、プラットフォームが見えている場合は、スタッドレスタイヤとしての性能はありません。安全のために、冬本番を迎える前に交換しておきましょう
車検に通らない代表的なタイヤ
車検に通らないタイヤとして、大きく3つ挙げられます。
・明らかなひび割れがあるタイヤ
・サイズが合っていないタイヤ
詳しくみていきましょう。
スリップサインが出ているタイヤ
先程も触れましたが、スリップサインが出ているタイヤは車検に通りません。
タイヤの溝が少ないと車検に通らないだけではなく、制動距離が長くなり、車の安全性が低下します。事故を引き起こす可能性もありますので、軽視してはいけません。
タイヤの溝は、雨などの路面の水を排出する排水溝の役割があります。溝が無くなったタイヤは路面の排水能力が極めて低くなっているので、雨の日に滑りやすく大変危険です。
また、摩耗した分だけ接地面が薄くなっているので、路面からの衝撃を吸収しきれず、乗り心地が悪化したり、ロードノイズが大きくなるなど、快適性も損なわれます。
「車検に通らないから変えよう」ではなく、命を乗せる車の大事なパーツなので、溝がなくなったら速やかに新しいタイヤに交換することをおすすめします。
明らかなひび割れがあるタイヤ
ひび割れや摩耗などでタイヤが劣化していると車検に通らないことがあります。
全てのタイヤが均一に摩耗するわけではないので一概には言えませんが、運転の仕方や空気圧、車種によっても劣化具合は変わります。車体のバランスが崩れており、1本のみタイヤが摩耗する場合もあります。
ひび割れは、何cm以上あったら不合格、などという基準はありません。したがって、担当の整備士などによっても判断が分かれるところです。
ただし、あくまでそれは判断が微妙なひび割れ・摩耗の場合です。明らかなひび割れは通りませんので、安全性の面からみても交換することをおすすめします。
ひび割れは、タイヤ内部の金属部分にまで達すると、水分などで錆が発生し構造を保てず最悪の場合はバースト(破裂)に繋がってしまいます。
また、経年劣化で固くなったゴムは、路面へ密着出来ずグリップ力が低下して滑りやすくなったり、乗り心地の悪化・ロードノイズの増大を招きますので、やはり交換を検討しましょう。
サイズが合っていないタイヤ
サイズ不適合で代表的なものが、インチアップとはみ出しタイヤです。順に見ていきましょう。
過度なインチアップタイヤ
ドレスアップとして純正サイズよりも大きくて扁平の薄いタイヤを使用している方もいると思います。
わかりやすくNGなのは、純正サイズよりも明らかに外径が大きなタイヤです。こちらは、スピードメーターの誤差が許容範囲内に収まらない場合があります。
はみ出しタイヤ
タイヤがフェンダーからはみ出している場合もNGとなります(いわゆるはみ出しタイヤ)。
法律では、歩行者などの安全のために、ホイールの中心から上側が前30度・後50度の範囲内がフェンダー内に収まっている必要があると規定されています。
平成29年6月より、上記の部分でも10mm未満であれば、タイヤのはみ出しを認めるように法改正されましたが、これはあくまでタイヤ部分のみ。
ホイール部分ははみ出してはいけません(ナットもNG)。
もちろん、純正サイズであれば問題はありません。
スタッドレスタイヤを長持ちさせる3つの方法
一般的に、スタッドレスタイヤはノーマルタイヤより寿命が短いとされています。これはスタッドレスタイヤで使用されるゴムが柔らかく、乾燥路面でのすり減りが進みやすいことなどが原因です。
少しでもスタッドレスの寿命を延ばすためのポイントが、以下の3つです。
・適正空気圧の維持
・正しいタイヤ保管
タイヤローテーション
車の駆動形式によって、タイヤの摩耗率は変わります。
FF車(前輪駆動)の場合
FF車(前輪駆動)の場合は、後ろのタイヤよりも前のタイヤのほうが早く減る傾向があります。
したがって、前輪についていたタイヤを後輪に変えることで等しくタイヤの摩耗が進むようになります。
左前を右後ろへ・右前を左後ろへ
R車及び、4WD車(後輪駆動・全輪駆動)の場合
FR車及び、4WD車(後輪駆動・全輪駆動)の場合は、前のタイヤよりも後ろのタイヤの方が早く減る傾向があります。
したがって、後輪についていたタイヤを前輪へ変えることで等しくタイヤの摩耗が進むようになります。
左後ろを右前へ・右後ろを左前へ
お店でタイヤの取付をする場合は、ほとんどのお店でタイヤローテーションをして取付をしてくれます。しかし、ご自分で行う場合は、ぜひ意識してみてください。
タイヤをローテーションすることで長く使用でき、4本一緒にまとめて交換することが容易になりますので、ぜひ行ってみてください。
適正空気圧の維持
経年使用のタイヤを交換したあとは必ず、空気圧チェックを行いましょう。
約半年から8ヶ月程度置いておいたタイヤは、空気が抜けてしまっている可能性がありますので、改めて確認をしましょう。
ディーラーやガソリンスタンド、自動車用品販売店などで入れ替える場合は、プロがしっかり確認してくれるので問題ないですが、ご自身でタイヤ交換をする場合は、その後すぐにガソリンスタンドなどで空気圧のチェックをし、適正の空気圧に調整してください。
適正空気圧にすることでタイヤに過度な負担がかからず、長持ちする秘訣になります。
正しいタイヤ保管
タイヤの劣化を早める主な原因は、汚れ・紫外線・雨風・湿度・温度の5つです。これらを考慮すると、タイヤの保管は、直射日光の当たらない風通しのよい冷暗所を選びましょう。
タイヤ専用のラックや、タイヤカバーなど、便利な道具も売っているので、それらを利用するのもおすすめです。
そうは言っても、タイヤの保管にはかなりのスペースが必要です。
場所の確保が難しい場合は、各社が行っているタイヤ預かりサービスを利用することも一つの手です。
ベストの場合、バランス調整・空気圧調整・残溝チェック&ホイール安全点検も料金に含まれていますのでお得です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
タイヤはその種類ではなく、溝で車検に通るかが決まります。
スタッドレスでも問題なく車検へ行ってきてくださいね。
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