最終更新日 2024年7月18日
タイヤはお車にとって非常に重要な部品です。しかし、大事な部品だと分かっていても、注意深く点検する機会はあまりないと思います。
みなさんに安心・安全なカーライフを送って頂くために、今回は車検に通らないタイヤについて詳しくご紹介いたします。
- 車検に通らないのはこんなタイヤ
- 車検に通らない①スリップサインが出ている
- ┗溝のないタイヤの危険性
- 車検に通らない②ひび割れがあるタイヤ
- ┗ひび割れタイヤの危険性
- 車検に通らない③はみ出しているタイヤ
- ┗はみ出しはタイヤのみ10mm未満なら車検に通る
- ┗はみ出しタイヤは不正改造の扱いに
- 車検に通らない④荷重指数の足りないタイヤ
- ┗荷重指数(ロードインデックス)について
- まとめ
車検に通らないのはこんなタイヤ
大切な命を乗せて走る車。その車を支えるタイヤは、とても重要なパーツです。車検に通らないのはもちろん、すぐにタイヤ交換をおすすめする、危険な状態とは以下のようなタイヤです。
・ひび割れがあるタイヤ
・はみ出しているタイヤ
・荷重指数のたりないタイヤ
順に詳しくご説明します。
車検に通らないタイヤ①スリップサインが出ている
車のタイヤは装着できて走る事が出来れば大丈夫‥と思っていませんか?
実は、タイヤにはスリップサインという残溝が1.6mm以下になると出てくる目印があり、このスリップサインが出ているタイヤで走行していると整備不良となり、スピード違反などと同じく道路交通法違反になります。
具体的には「道路運送車両の保安基準」で、安全に走行するためのタイヤの規定として、「すべての凹部(溝)において1.6mm以上の深さを有すること」と明記されており、これを満たしていないタイヤでの走行は減点2点、反則金9,000円の違反となります。
溝のないタイヤの危険性
タイヤの溝は、普段は中々見ない箇所だと思います。気が付いたら溝が無くてビックリしたり、車検に出したら通らなかったりした経験がある方もいるのではないでしょうか?上の写真は溝が無くなり、スリップサインが露出したタイヤです。
どんな車も、路面と接地しているのはタイヤのみ、しかもタイヤ1本あたりハガキ一枚分程度の接地面なので、溝の無いタイヤでの走行は非常に危険です。
タイヤの溝は、雨などの路面の水を排出する排水溝の役割があります。溝が無くなったタイヤは路面の排水能力が極めて低くなっているので、雨の日に滑りやすく大変危険です。
また、摩耗した分だけ接地面が薄くなっているので、路面からの衝撃を吸収しきれず、乗り心地が悪化したり、ロードノイズが大きくなるなど、快適性も損なわれます。
「車検に通らないから変えよう」ではなく、命を乗せる車の大事なパーツなので、溝がなくなったら速やかに新しいタイヤに交換することをおすすめします。
車検に通らないタイヤ②ひび割れがあるタイヤ
上の写真は溝はまだありますが、経年劣化によりひび割れているタイヤです。
溝があるからまだ大丈夫‥と思われますが、実はこれも早急に交換しなければならない状態です。
ひび割れタイヤの危険性
タイヤはご存じの通りゴムで出来ています。ゴム製品全般に言える事ですが、ゴムは様々な外部的要因から経年劣化で脆くなってしまいます。
古くなった輪ゴムがすぐに切れてしまうのを思い浮かべてもらうと分かりやすいですね。タイヤも輪ゴムと同じように古くなると固く脆くなり、それが目に見える状態になったのがひび割れです。
タイヤはゴムだけではなく、骨組みに金属が使われています。ヒビ割れが進行してこの金属部分にまで達すると、水分などで錆が発生し構造を保てず最悪の場合はバーストに繋がってしまいます。
また、タイヤはゴムのしなやかさで路面へ密着してグリップ力を発生させたり、
路面からの衝撃を和らげる働きをしています。経年劣化で固くなったゴムは、路面へ密着出来ずグリップ力が低下して滑りやすくなったり、乗り心地の悪化・ロードノイズの増大を招きます。
車検に通らないタイヤ③はみ出しているタイヤ
溝以外に、タイヤの状態で罰則があるものとしては、俗に言うはみ出しタイヤがあります。はみ出しタイヤとは、その名の通り「車のフェンダーからタイヤがはみ出している」状態のことです。
はみ出しはタイヤのみ10mm未満なら車検に通る
はみ出しタイヤに関しては、道路運送車両の保安基準 第178条 2項、及び~1号で規定されています。
簡単に言いうと、歩行者などの安全のために、ホイールの中心から上側が前30度・後50度の範囲内がフェンダー内に収まっている必要があるという事です。
平成29年6月より、上記の部分でも10mm未満であれば、タイヤのはみ出しを認めるように法改正されましたが、これはあくまでタイヤ部分のみです。ホイール部分ははみ出してはいけません。
はみ出しが認めらているのは、タイヤ側面にある、タイヤサイズなどを指すラベリングと、ホイールリムを保護するためのリムガードです。
ホイールはもちろん「ナット」などもはみ出しNGなので、ツライチを目指す際はぜひ気をつけてください。
はみ出しタイヤは不正改造の扱いに
こちらは整備不良というよりは、不正改造の扱いになり、より厳しい取り締まりの対象になります。
とは言え、悪質性が低い場合などは整備不良として、その状態により減点1点+反則金7,000円、もしくは違反点数累積2点+反則金9,000円で済む場合もあるようです。しかしながら、不正改造は6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の懲罰、15日以内の整備命令が下されますので、はみ出しには十分注意しましょう。
車検に通らないタイヤ④荷重指数の足りないタイヤ
タイヤには走る・曲がる・止まる以外に、車を「支える」役割があります。
実は、この「支える」能力にも決まりがあり、その能力を表すのがタイヤサイズ毎に規格で決められている、「荷重指数」や「ロードインデックス」と呼ばれるものです。
荷重指数(ロードインデックス)について
車の重量に対して荷重能力が不足したタイヤを装着してしまうと、操舵性の悪化、偏摩耗を起こし、タイヤ寿命が短くなるなどのほか、最悪の場合はバーストの原因にもなり得ます。
車は車種ごとに標準のタイヤサイズが決められていますが、車メーカーは車両設計時にこの荷重能力も考慮に入れて、タイヤサイズを決めています。
標準サイズを装着する限りでは、基本的に意識する必要は無いのですが、以下のようなケースの場合には注意が必要です。
・標準のタイヤサイズが珍しいサイズ
・高価などの理由で、近い数字のタイヤサイズを装着する
・車を代替して前の車のタイヤホイールが余っており、サイズが少し違うが履けるので装着する
物理的には装着できても、車を支えきれず本来の性能を発揮出来ないばかりか、安全性を損なう可能性があるので、当店のような専門店・プロショップへのご相談をおすすめします。
まとめ
車は便利な乗り物ですが、安心・安全・快適に乗る事が出来てこそです。様々なリスクが高まった状態での使用は避けたいですよね。
車の安全性・快適性を担う重要な部品であるタイヤ。正しく使い、安心・安全で快適なカーライフを送りましょう!
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タイヤワールド館ベスト西多賀店 店長
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