タイヤのエア漏れと聞くとクギが刺さったりしたパンクを思い浮かべますが、実はエア漏れには様々な原因があります。
今回はエアが漏れる原因と対処法を解説していきたいと思います。そして原則エアが漏れている時は走行禁止です。
パンク修理で対処できるものも走ってしまったことにより新品交換となってしまうからです。
いざ!という時冷静に対処するためにぜひこちらの記事をご一読下さい。
- タイヤのエア漏れとは?パンクとの違い
- タイヤのエア漏れは自宅で確認できる
- 石鹸水を使ったエア漏れチェックの手順
- ┗1.石鹸水を用意する
- ┗2.全体に石鹸水を塗布する
- ┗3.泡の発生を観察する
- 主なエア漏れ3つの原因とその対処法
- ┗1.クギが刺さったことによるエア漏れ
- ┗2.バルブの劣化によるエア漏れ
- ┗3.ホイールからのエア漏れ
- エア漏れあり・エア漏れなし|状況別の対処法
- ┗エアが漏れている場合
- ┗エアが漏れていない場合
- 修理ができないタイヤの特徴
- ┗側面(サイドウォール)やリム端での損傷は修理不可
- タイヤの空気漏れを見逃さないための3つのポイント
- ┗TPMS(空気圧警告灯)を見逃さない
- ┗月に1回、目視&聴診による点検をする
- ┗空気圧は正確に・冷間で確認する
- タイヤと空気圧のチェックをして安心なドライブを!
タイヤのエア漏れとは?パンクとの違い

タイヤの空気漏れ(エア漏れ・スローリーク)は、パンクとは異なり、タイヤの空気圧が徐々に低下する現象です。原因としては、バルブの劣化、タイヤとホイールの密着不良、異物の刺さりなどが考えられます。
エア漏れの兆候を見逃したり、対処せずに放置してしまうと、燃費低下やハンドリング不良、タイヤ寿命の低下などが起こる可能性があります。
| 影響 | 詳細 |
|---|---|
| 燃費低下 | 空気圧不足でタイヤの転がり抵抗が増加し、燃費が悪化 |
| ハンドリング不良 | 低圧状態では、コーナリングや操舵性が低下し、安全性が損なわれる恐れがある |
| タイヤ寿命の短縮 | 空気圧不足により、タイヤ内部のプライや構造ゴムに負担がかかり、ひび割れや耐久性低下が早まる可能性がある |
タイヤのエア漏れは自宅で確認できる

タイヤのエア漏れの確認は石鹸水や食器用洗剤をタイヤにかけることで、ご自宅で簡単に確認することができます。
異物が刺さったり異物が抜けてどこからパンクしているか分からない!というときは石鹸水を使用することでエア漏れしているか確認が出来ます。
空気が漏れていたら石鹸水がブクブクと泡立つので疑わしい箇所があったらお家の食器用洗剤を水で薄めてタイヤにかけてみてください。
石鹸水を使ったエア漏れチェックの手順

- 石鹸水を用意する
- 全体に石鹸水を塗布
- 泡の発生を観察
1.石鹸水を用意する
「水:食器用洗剤 = 約20:1」程度で薄めた石鹸水を用意し、スプレーボトルなどに入れておきます。
2.全体に石鹸水を塗布
タイヤの表面だけでなく、ホイールとの接合部(ビード部)、バルブ周辺、リムの内側も丁寧にスプレーします。とくにエアバルブには集中的にスプレーしてみてください。
>3.泡の発生を観察
空気が漏れている場合、気泡が出てきます。泡が大きく早いほど、エア漏れが顕著ということで、小さな泡が連続する場合も、微小ながら確実に漏れています。
漏れが見えにくいときは、その場で5~10秒ほど待つと泡が膨らむことがあります。
主なエア漏れ4つの原因とその対処法

空気漏れが起きる原因は様々ですが、主に以下の4つが挙げられます。それぞれの原因とその対処法についてご説明します。
- クギが刺さったことによるエア漏れ
- バルブの劣化によるエア漏れ
- ホイールからのエア漏れ
- TPMS(空気圧警告灯)を見逃さない
- 月に1回、目視&聴診による点検をする
- 空気圧は正確に・冷間で確認する
1.クギが刺さったことによるエア漏れ

1番多いエア漏れの原因が、クギによるパンクです。
様々なパンク原因のお客様が来店されますがその中でも走行中に異物を踏んでしまいパンクをすることが一番多いです。
その他にも縁石などに乗り上げる・ぶつける等でタイヤが裂けてしまうバーストも多数ありますが、やはり釘などの異物踏みが多いです。
クギが刺さっているときの対処法
クギなど異物の刺さりが原因でエア漏れが起きている場合、基本的には走行しないでください。なぜなら、タイヤが潰れた状態で走ると内部が削れ使用不可になりバーストする可能性もあります。
● パンク修理キットで修理を行う
● 近くのお店で点検をしてもらう
2.バルブの劣化によるエア漏れ

空気を注入するエアバルブの根元やバルブコアの劣化・不良も、主なエア漏れ原因の一つです。
エアバルブはゴム製の物と金属製の物があります。
ゴムバルブはその名の通りゴムで出来ており、3年~5年を経過すると様々なゴム製品と同じ様に、経年劣化によるヒビ割れが起こる可能性があります。ヒビ割れが発生すると空気が漏れる原因となります。
金属バルブであれば大丈夫?
一般的には金属製のバルブの方が耐久性が高く、ゴムバルブよりも交換頻度は少なく済みますが、根元のパッキンが劣化すると同様に空気が漏れるので、こちらもタイヤ交換の際の点検が重要になります。
3.ホイールからのエア漏れ

一般的には金属製のバルブの方が耐久性が高く、ゴムバルブよりも交換頻度は少なく済みますが、根元のパッキンが劣化すると同様に空気が漏れますので、こちらもタイヤ交換の際の点検等が重要になります。
● リムの変形によるエア漏れ
● ホイールクラック(ひび割れ)によるエア漏れ
リム腐食によるエア漏れ

アルミや鉄ホイールの塗装下で湿気や塩分により錆・酸化が進むと、ビード面に凹凸(ピット)が生じ密閉性が損なわれます。その結果、石鹸水検査で泡が発生し、エア漏れを引き起こします。腐食箇所はスチールブラシや耐水ペーパーで研磨し、エポキシシーラーを塗ることで修復可能と報告されています
現在の乗用車用タイヤはほぼ全てチューブレスタイヤです。そしてタイヤホイールはタイヤのビード部(内側の淵)とホイールの淵が密着して密閉される構造になっています。そして乗用車用ホイールは鉄やアルミ製の物が多いですが、いずれも金属で空気に触れると腐食(サビ)が発生します。
それを防ぐために塗装しているホイールが多いですが、どんなに気を付けても長期間使用していくうちに目に見えない細かい傷が付いてしまいます。その細かい傷から徐々に水分が入り込み金属部に届くと錆びて塗装を剝がしてしまったり凹凸を作り、空気漏れが発生する場合があります。
この場合、再塗装か新品ホイールへの交換が必要になりますが、
再塗装はそれなりの費用と時間がかかる為、新品ホイールの購入を検討頂くケースが多いです。
また、縁石などに乗り上げてしまい、その衝撃でホイールリムが変形してしまった場合も同様に空気漏れの原因となり、補修にはそれなりの費用が掛かる為、場合によってはホイール交換をご検討頂きます。
リムの変形によるエア漏れ
縁石への接触や大きな段差を乗り越えた際、ホイールリムがわずかに歪むと、タイヤのビードとリム面の密着性が低下し、スローパンクにつながります。
運転中にハンドルの振動や異音を感じる、頻繁に空気圧が低下する場合は、リムの歪みが原因の可能性があります。専門店では冷間矯正で修復する例もあります 。
ホイールクラック(ひび割れ)によるエア漏れ
こちらはかなりまれな原因ですが、強度不足で走行中にヒビが入ってしまったり、製品不良で非常に小さいクラック(ヒビ)やピンホールがあるホイールの場合、そのヒビや穴から空気が漏れてしまう事があります。
溶接による修復が可能なケースもありますが安全性を考慮し、ホイール交換することをおすすめします。
エア漏れあり・エア漏れなし|状況別の対処法

空気漏れがある場合は走行せずに応急処置、・空気漏れはないが異物刺さりがある場合は抜かずに専門店に持ち込むようにしましょう。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| エア漏れあり | スペアタイヤや修理キットで応急対応し、ただちに交換または専門店で修理する |
| エア漏れなし(でも異物あり) | 異物は抜かずに、専門店に持ち込み点検・必要なら修理をする |
エアが漏れている場合

タイヤにエア漏れが確認されたら、まずはスペアタイヤへ交換するかパンク修理キットで仮補修しましょう。修理キットにはプラグやリーマーが含まれ、穴をふさぎながら空気を補充できます。
ただしこれは一時的な応急処置であり、安全な走行状態を確保した後は、なるべく早く専門店で完全な修理またはタイヤ交換を行いましょう。
エアが漏れていない場合

走行中に異物(釘やビスなど)が刺さっていても、エア漏れがなければすぐに抜かないよう注意が必要です。異物除去の瞬間に密閉性が失われ、急に空気が抜ける可能性があります。
発見したらそのままにして、安全な場所まで走行し、近くの整備工場やガソリンスタンドなどで点検・修理を依頼しましょう。
修理ができないタイヤの特徴

一般的に、パンク補修ができる条件は以下の3点です。
● 箇所はトレッド面中央限定かつ最大2箇所まで
● 2箇所以上の場合は穴同士の間隔が40cm以上
※当店では安全担保の面から1ヵ所までの補修とさせて頂いております。
以上、3点の基準を満たした上で、タイヤにダメージがなければ可能と言われておりますが、以下の条件に当てはまる場合は修理不可となります。
側面(サイドウォール)やリム端での損傷は修理不可
サイドウォールは走行中に大きく変形する箇所のため、内部構造が脆くなっており、補修しても耐久性を保てないので、即交換が必須です。
また、トレッド中央以外の部分(リム側やショルダー部)に傷がある場合も修理不可とされ、新品交換が推奨されます。
● トレッド面の端の方への異物刺さりやサイドウォールの穴・亀裂・損傷がある
● 空気が抜けた状態で走行した場合のサイドウォールの引きずり痕や縁石等への乗り上げによる損傷(※サイドウォール内部の損傷がある場合)
● トレッド中央以外の破損
タイヤの空気漏れを見逃さないための3つのポイント

タイヤの空気漏れを見逃さないために、以下のポイントを抑えておきましょう。
1.TPMS(空気圧警告灯)を見逃さない
ダッシュボードに表示されるTPMS警告灯が点灯したら、即時チェックが必要です。通常、約5psi以上の減圧で警告が出るため、日常的な空気圧低下の兆候を逃さず、早期発見につながります。
日本では、2017年頃からTPMSの新車搭載が一般化されています。2025年2月に433MHz帯によるTPMSの技術基準が法規で義務化されており、ほとんどの新車に搭載されています。
2.月に1回、目視&聴診による点検をする
月に1回程度、タイヤの溝・側面・バルブ周辺にひび割れや異物がないかチェックしましょう。エア漏れがあれば、近づいて耳を澄ませたり手で触れて「シュー」っという音や空気感を感じ取れることもあります。
3.空気圧は正確に・冷間で確認
エア漏れをしている場合、徐々に空気が抜けていくため、空気圧が低下しています。定期的に空気圧をチェックし、適切な空気圧を維持することが大切です。
空気圧は冷間状態(走行前)のタイヤで空気圧を測るのが基本です。気温変化にも影響を受けるので、季節の変わり目や出発前に必ず確認することが安全管理のカギです。
タイヤと空気圧のチェックをして安心なドライブを!

今回は主なパンクの原因や確認方法などをご紹介致しました。本記事をまとめはこちらです。
● エア漏れがあった場合、走行せずに応急処置をする
● くぎなどの異物があった場合は抜かずに近くの専門店へ
みなさんも安心・安全なドライブを楽しめる様にタイヤ・ホイールの点検をしてみてくださいね。

タイヤワールド館ベスト西多賀店 店長
趣味:サッカー・ゴルフ・スポーツ観戦
モットー:親切・丁寧・心のこもったサービスメニューを提供致します。
特技:お客様の車をドレスアップ・カスタムすること!
ご来店お待ちしております!

































































































































































































































































