最終更新日 2024年10月25日
ホイールのインセットの変更を検討しているけれど、「インセット40と45の違いがわからない…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
ドレスアップの定番である「ツライチ」には、インセットの変更は外せません。
本記事では、インセット40と45の違いをわかりやすく解説します。インセット数値を下げることで得られるメリットやデメリットもお伝えするので、変更後のイメージがつかみやすくなります。
足回りのカスタマイズを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
- ホイールのインセットとは?オフセットもあわせて解説
- どう変わる?インセット40と45の違い
- インセット数値を下げるメリット・デメリット
- インセットの計算方法
- インセットの許容範囲は?
- インセットを変更するときの注意点
- 微調整ならホイールスペーサーを使う方法も
ホイールのインセットとは?オフセットもあわせて解説
ホイールのインセットとは、ホイールを横から見たときに、リムの幅(タイヤがはまる部分)の中心からホイールを車体に取り付ける面までの距離を表す数値のことを指します。
ホイールの取り付け面がリム幅の中心にあれば「ゼロセット(0)」、中心より外側にあれば「インセット(+)」、内側にあれば「アウトセット(-)」と表記されます。
リムの中心より内側 | リムの中心 | リムの中心より外側 |
アウトセット(-) | ゼロセット(0) | インセット(+) |
ホイールのサイズ表記では、一番後ろにある数値がインセットの数値です。
たとえば、ホイールサイズが「16 61/2 J 5 114.3 48」なら、インセットの数値は「48」となります。ホイールの取り付け面が、リム幅の中心から48mm外側にある、という意味です。
インセットの数値は、大きくなるほどホイールは車体の内側に入り、小さくなる(0に近づく)ほど外側に出るので、ツライチを目指すのなら数値を下げていくことになります。
現在は「インセット」ですが、2008年7月11日以前は「オフセット」といわれていました。これは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)から国際基準に合わせようと呼びかけがあり、名称が変更になったためです。
インセットとオフセットの意味は同じです。
正しくは「インセット」ですが、オフセットと呼ぶ人も多く、どちらの呼び方でも伝わるでしょう。
どう変わる?インセット40と45の違い
インセット40と45の違いについて解説します。
● インセット45
5mmの違いなら、乗り心地に大きな差は出にくいでしょう。ホイールや車種によって異なりますが、主に変化するのは見た目です。
それぞれ解説します。
インセット40
インセット40とは、ホイールの中心から取り付け面が40mm外側にある状態のことです。インセット45と比べると、ホイールは外側に出ていることになります。
理論上では、ホイールが5mm外側に出るので、インセット45よりもツライチに近づきます。
インセット45のホイールを装着したときと比較すると、車種によってはかなり外側に出ている印象です。人によって見え方は異なるものの、イメージはガラッと変わります。
インセット40は45よりも、スポーティーな足回りを演出できるでしょう。
インセット45
インセット45とは、ホイールの中心から取り付け面が45mm外側にある状態のことです。インセット40と比べると、ホイールは内側(車体側)に入っていることになります。
理論上では、ホイールが5mm内側に入るので、インセット40よりフェンダーとのすき間が広くなります。
車種にもよりますが、インセット40のホイールを装着したときよりも、フェンダーとの距離にだいぶ余裕がみられる印象です。
ギリギリを攻めるツライチよりも、フェンダーとのすき間にある程度空間がほしい人は、インセット45を選ぶといいかもしれません。
ただし、実車では5mm以上の差が出る可能性もあります。車種やホイールによって変化するので、必ず5mmの差が出るとは考えにくいでしょう。
インセット数値を下げるメリット・デメリット
インセット数値を下げることで得られるメリットと、考えられるデメリットを解説します。
足回りをツライチに近づけるためには、インセット数値を下げる(0に近づける)必要があります。数値を下げることでどのような変化があるのか、良い面だけでなく悪い面も理解しておきましょう。
メリットはドレスアップ効果や走行性能の向上
主なメリットは以下の2つです。
・走行性能の向上
インセットの数値を下げ、ツライチに近づける最大のメリットは、ドレスアップ効果を得られることです。
ホイールとフェンダーの面がそろうことで、レーシングカーのような迫力ある足回りを演出できます。ドレスアップの王道といっても過言ではありません。
ホイールの存在感を引き出し、おしゃれな足元を楽しめます。
また、走行性能の向上が期待できます。ホイールを外側に出すことで、トレッドの距離が広がり、コーナリングでグッと踏ん張る力が増すこともメリットです。
※トレッドとは、左右のタイヤの接地面の中心から中心までの距離のことです。
デメリット
反対に、ツライチにはデメリットもあります。主なデメリットは以下の3つです。
・ボディに傷がつきやすくなる
・乗り心地や燃費が悪化する
ホイールをあまりにもフェンダーギリギリの位置に設定すると、ボディに干渉してしまう可能性があります。
走行中にフェンダーを巻き込んでしまうと、ホイールに傷がついたり、フェンダーが変形して走行できなくなったりと非常に危険です。
フェンダーとのすき間が少なくなることで小石や泥などをかきあげ、ボディに汚れや傷がつきやすくなる恐れもあります。
また、インセットを下げると同時にタイヤの幅を広げた場合は、乗り心地や燃費の悪化も考えられます。
スタイリッシュな見た目と引き換えに、さまざまな短所があることも理解してカスタマイズを行うようにしましょう。
インセットの計算方法
インセットの計算方法を解説します。慣れていない人には少し難しく感じるかもしれませんが、手順はシンプルです。
糸、おもり、ものさし(端に余白がないもの)を準備し、以下の流れで行います。
- ホイールのサイズを確認する
- フェンダーとホイールの距離を測る
- 測った数値からインセットを計算する
ホイールのサイズや車種が同じでも、車は1台1台違います。必ず実車で確認し、自己責任で行うようにしてください。
インセットの許容範囲は?
インセットの変更には許容範囲があります。安全に走行するためにも、必ず把握して行うようにしましょう。
主に気をつける点は、以下の2つです。
● 足回りの部品に干渉させない
1つずつ解説します。
フェンダーより外にはみ出さない
インセット数値を下げてツライチに近づけるとき、ホイールがフェンダーからはみ出さないようにしましょう。
ホイールがフェンダーからはみ出してしまうと、車検に通らない可能性があるからです。
厳密には、タイヤ側面のラベリングとホイールリムを保護するためのリムガードは、10mm未満の場合に限り、はみ出しは許容されています。(道路運送車両の保安基準 第178条(車枠及び車体))
しかし、その他の部分では、はみ出しは認められていません。ホイールやホイールナットがはみ出すと、車検に通らないだけでなく走行中も危険だからです。
はみ出した部分が接触してハンドルをとられたり、事故を起こしたりする可能性もあります。
わかりやすくいうと、扇風機のカバーを外してスイッチを入れている状態です。羽の部分がむき出しで回転しているのは、非常に危険です。それと同じことがいえます。
自分だけでなく周りにも危険が及びます。注意してカスタマイズを行いましょう。
足回りの部品に干渉させない
気をつけなければいけないのは、見える部分だけではありません。車体側、つまりホイールの内側にあるサスペンションやブレーキの部品に干渉しないように注意が必要です。
たとえば、サイズは同じホイールで、インセットの数値だけを40から45に変更したとします。ホイールを取り付ける位置が5mm内側に入るので、その分ホイールと足回りの部品の距離がせまくなります。
内側のすき間を確認せずに、サスペンションやブレーキなど足回りの主要部品とホイールが干渉してしまうと、走行に支障が出るからです。
ブレーキやサスペンションはもちろんですが、インセット数値の変更時には干渉しやすいナックル(車体とつなぎ車輪を支え方向を変える部品)とのすき間を測っておくようにしましょう。
取り付け時に問題なく、走行してハンドルを切ったり段差を超えたりしても干渉がないか、足回りの部品に注意してください。
インセットを変更するときの注意点
車には個体差があります。たとえ車種が同じで、ホイールのサイズとデザインが同じものでも、必ず数値が一致するとは限りません。
前後と左右でも、測った数値が異なる場合もあります。車は左右対称ではなく、エンジンやミッションなどの重い部品も均等に配置されているわけではないからです。
足回りの部品をカスタマイズして車高が変わっていたり、タイヤの種類によって変わったりすることも考えられます。
たとえ同じ車種の情報があったとしても、自分の車と同じ数値になる保証はありません。必ず実車で数値を測り、自己責任で行うようにしましょう。
また、インセットの変更に自信がない人は専門家を頼るのも1つの方法です。
お近くの方は、当店にぜひご相談くださいね!
足回りのカスタマイズは、少しのミスでも大きな事故につながる恐れがあります。走る、曲がる、止まるを繰り返し行い、負荷がかかる部分だからです。
インセットを変更したいけれど知識に不安がある人は、無理に1人で行わずプロに相談することをオススメします。
微調整ならホイールスペーサーを使う方法も
ホイールのインセットを調整したものの、「あと少しのすき間が気になる」といった場合もあると思います。そんなときは、「ホイールスペーサー」を利用して調整する方法もあります。
ホイールスペーサーとは、車体(ホイールを取り付ける部分)とホイールの間にはさむ円形の金属です。間にはさむことで、厚みの分だけホイールを外側に出せます。
サイズ設定も豊富で、1mmから選択できます。外に出せるギリギリまでホイールのインセットを調整し、微調整をホイールスペーサーで行うことも可能です。
10mm以上厚みのあるものは「ワイドトレッドスペーサー」といい、円形の金属にハブボルトが一体になっています。
車体についているハブボルトに固定して使用するタイプで、ホイールスペーサーと見た目は異なりますが、同じ目的の部品です。
間にはさむだけでインセットを調整できる手軽さは魅力ですが、ホイールスペーサーにはデメリットもあります。
本来、車体とホイールの間には部品がはさまっていない状態です。そこにホイールスペーサーをはさみ込むと、ホイールナットを取り付けるハブボルトへのかみこみがどうしても浅くなってしまいます。
その結果、走行を繰り返すとホイールナットに負荷がかかり、緩みやすくなる可能性もあります。装着時にあまりにもかみこみが浅い場合は、ハブボルトの交換が必須です。
インセットを調整するときは、できるだけホイールサイズの変更で対応することをオススメします。
ぴったり合うサイズのホイールがなかった場合や、どうしてもすき間をうめたい場合、補助的な使用を検討してみましょう。
ホイールの交換はタイヤワールド館ベストがオススメ!
インセット40と45では、主に見た目が変化します。5mmの差なら、乗り心地に大きな違いはないでしょう。
インセット数値が小さくなる(0に近づく)ほどホイールが外側に出て、大きくなるほどホイールが内側に入り込みます。
足回りのドレスアップでツライチを目指すのなら、インセットの数値を下げていくことになります。
車種にもよりますが、フェンダーとホイールのすき間に余裕がほしい人はインセット45、攻めたカスタマイズをしたい人はインセット40を選択するといいかもしれません。
インセットを変更するメリットとデメリットも理解して、許容範囲で足回りのドレスアップを楽しんでください。
インセットの変更でホイールを交換するのなら、タイヤワールド館ベストがオススメです。さまざまなサイズのホイールを取り揃えており、デザインの種類も豊富です。あなたの好みに合ったホイールが見つかりますよ。
オンラインからの注文も可能です。ぜひチェックしてみてくださいね。
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