最終更新日 2024年8月2日
ホイールキャップ(ホイールカバー)は、クルマのホイールを保護するアイテムです。自分で塗装すれば、センスを示すファッションアイテムにもなり、まわりのクルマと差をつけられます。
しかし、いざ自分でホイールキャップを塗り直そうと思っても、どのような手順で何に気をつけて作業すればいいか悩んでしまうでしょう。
当記事では、ホイールキャップの外し方から塗装方法、塗装に必要なスプレー缶は何本かまで解説します。
具体的な費用感までお伝えするので、ホイールキャップをDIYでデザインチェンジしてみたいと考えている方はぜひご覧ください。
ホイールキャップ(ホイールカバー)は1日あれば自分で塗装できる
ホイールキャップの塗装は、素人でも約1日でできます。厳密にいうと乾かす工程等で時間がかかるため、日をまたいで作業する場合もありますが、24時間以内に完了する作業です。
塗装方法は以下で詳しくお伝えするので、まずは塗装前に知っておくべきことを以下のとおりお伝えします。
- 塗装に必要なものを揃える
- 塗装前に洗って干す工程が大事
- 樹脂製は下地処理をしないと剥がれやすい
それぞれ見ていきましょう。
塗装に必要なものを揃える
まずは塗装に必要なものを揃えましょう。塗装用のスプレー缶以外にも、以下のとおり用意しておくと便利なものはたくさんあります。
● シリコンオフ(脱脂材)
● 塗装用スプレー
● クリアスプレー
● 紙ヤスリ(300〜600番・1000番)
● 軍手もしくはゴム手袋
● マスキングテープ
● マスク
● 新聞紙
紙ヤスリは案外すぐに削れて使えなくなってしまうため、粗さの違うものを多めに用意しておくといいでしょう。
全部揃えると5,000円〜6,000円くらいの出費になります。スプレーについては後ほど詳しく解説します。
塗装前に洗って干す工程が大事
塗装前の準備として、外したホイールキャップを水洗いして乾かします。この工程を省くと、ホイールキャップの汚れやゴミを一緒に塗装してしまい、ボコボコした不恰好な仕上がりになってしまいます。
DIYで少しでもきれいな仕上がりにしたいなら、面倒に思えるひと手間を独断で省かないようにしましょう。
樹脂製は下地処理をしないと剥がれやすい
樹脂製のホイールキャップは、塗装前の下地処理を怠ると剥がれやすくなります。シリコンオフで脱脂したりプライマーで密着力を高めたりする作業が重要です。
特に紙ヤスリでホイールキャップを削る工程がしんどくて面倒ですが、仕上がりの質を左右する工程なので、丁寧に下地処理を行いましょう。
ホイールキャップの外し方【塗装前の準備】
塗装するために、まずホイールキャップを外す必要があります。ホイールキャップの外し方は次の3パターンあります。
- 器具を使って取り外す場合
- 手で取り外す場合
- ボルトで固定されている場合
どの方法で外すべきか見ていきましょう。
器具を使って取り外す場合
ホイールキャップはドライバーやクリップリムーバー等の器具で簡単に外せます。金属製で棒状になっている器具が適切です。
ホイールキャップのリム(外側の金属の出っ張り)にドライバー等をひっかけ、前に引き出すようにひっぱると外れます。
ただし、金属の棒を差し込みすぎると、ホイールの金属部分を傷つける恐れがあるため注意しましょう。
手で取り外す場合
ホイールキャップは手で外すことも可能です。器具を使ったほうが怪我につながりにくくなるためおすすめですが、近くに金属の棒がない場合は手でも外せます。
軍手もしくはゴム手袋を装着し、タイヤと接着しているリム部分に手を差し入れてひっぱります。
素手で外すとリムとタイヤの間に手が挟まって怪我をする可能性があるため、必ず手袋をして作業しましょう。
ボルトで固定されている場合
リムに爪ではめ込まれているタイプなら上記の方法で外せますが、なかにはボルトで固定されているタイプのホイールキャップもあります。
ボルトで固定されているホイールキャップの具体的な外し方は次のとおりです。
- ジャッキでクルマを浮かせる
- レンチやスパナでボルトを外す
- ホイールキャップを外す
ボルトで固定されているタイプのホイールキャップは、共締め構造になっていることが多いため、ジャッキでクルマを浮かせると作業しやすくなります。
ホイールキャップの塗装方法を7ステップで解説
いよいよ、ホイールキャップの塗装方法を7ステップで解説します。具体的な手順は以下のとおりです。
- 塗装を削る
- 脱脂剤で拭きあげる
- プライマーを吹き付ける
- スプレー缶で塗装する
- マスキングして色を塗り分ける
- クリア塗装する
- ホイールキャップを装着する
順番に見ていきましょう。
ステップ1.塗装を削る
ホイールキャップを外して洗ったら、もともと施してある塗装を紙ヤスリで削ります。塗装を施したときに定着しやすくなるように、あえて紙ヤスリの傷を残します。
まずは300〜600番の紙ヤスリで荒削りして塗装を落とし、1000番の紙ヤスリでなめらかにしましょう。
細かいところは紙ヤスリを棒に巻きつけて削ると作業しやすいです。紙ヤスリはすぐに削れなくなるので、多めに用意しておくのがおすすめです。
ステップ2.脱脂剤で拭きあげる
塗装部分に油分が残っていると、せっかく塗った塗料が剥がれやすくなるため、シリコンオフを使って油分を除去します。
シリコンオフが用意できない場合はエタノールでも代用できます。
万が一塗装部分に油分が付着していると、塗装スプレーが浮いてただれた火傷痕のように残念な見た目になってしまうため、ムラなく脱脂しましょう。
ステップ3.プライマーを吹き付ける
シリコンオフが乾いたらプラスチック用のプライマーを吹き付けます。プライマーを使うことで塗料の密着力がアップします。
より密着力を強化するために、プライマーを満遍なく吹き付ける→乾燥を3回繰り返しました。ミッチャクロンというプライマーがおすすめですが、プラスチック用のプライマーならどれでも問題なく使えます。
ステップ4.スプレー缶で塗装する
ようやく塗装の段階に入ります。塗装したい色のスプレーを用意して塗装→乾燥を3〜4回繰り返します。きれいに仕上げるポイントは以下のとおりです。
● 風がない場所で作業する
● ホイールキャップから離して噴射する
● 薄い塗装を繰り返す
● 5〜10分乾燥させる
ただし、どんなに気をつけて塗装しても、空気溜まりやホコリで表面がでこぼこしたり、色ムラが生じるのは避けられません。
遠目で見ると気にならない程度ですが、許容できない方は安易にDIYしないほうがいいでしょう。
ステップ5.マスキングして色を塗り分ける
カラーを変えたい部分があれば、塗装したい部分を除いてマスキングテープでガードします。塗装しない部分をマスキングテープでカバーすれば、きれいに色を塗り分けられます。
ここでも3〜4回にわけて重ね塗りしましょう。細かい部分は筆を使って塗装するのもありです。
ステップ6.クリア塗装する
塗装が完了したら、剥がれないようにクリア塗装します。この工程を省くと、走っているうちにせっかくの塗装がボロボロになってしまう可能性が高くなります。
塗装スプレーと同じように吹き付ける→乾燥を3〜4回繰り返しましょう。
ステップ7.ホイールキャップを装着する
クリアスプレーが乾いたら、いよいよ完成したホイールキャップ装着します。ボルトを固定するタイプのホイールキャップ以外は、押し込んではめれば取り付けられます。
ボルトが必要なホイールキャップは、再度ジャッキでクルマを持ち上げてボルトを止めましょう。
ホイールキャップの塗装に必要なスプレーは4種類【価格あり】
ホイールキャップの塗装に必要なスプレーは次の4種類です。
- 脱脂工程で必須のシリコンオフ
- 密着力を高めるミッチャクロン
- ホイール塗装用のスプレー
- 仕上げのクリアスプレー
ホイール塗装用のスプレーは2〜3本あればクルマ1台分塗装できます。1つずつ説明します。
1.脱脂工程で必須のシリコンオフ
脱脂工程で使うスプレーが、シリコンオフです。ソフト99の商品で、150mlのチビ缶なら560円で購入できます。
速乾性なので5分ほど乾燥すれば次の工程に取りかかれます。
2.密着力を高めるミッチャクロン
塗装材の密着力を高める下地にはミッチャクロンがおすすめです。420mlの缶が1,500円で販売されています。
1度塗りでは不安なので2〜3度吹き付けて密着力を高めます。
3.ホイール塗装用のスプレー
全面的に塗装するなら、300mlスプレーを2〜3本用意しましょう。アスペンの300mlのラッカースプレーなら、1本490円で買えます。
きれいに仕上げるには薄く重ね塗りしていく必要がありますが、5分くらいで乾くので効率よく作業を進められます。
ホイールサイズによっては2本のスプレーで4度塗りできる場合もありますが、余裕を持って3本用意しておくのがおすすめです。理由は、ラッカースプレーは残量が少なくなると、ガスの圧力が弱まってダマが出ることがあるからです。
4.仕上げにクリアスプレーをかけると長持ちする
仕上げに透明なラッカースプレーをかけると塗装が剥がれにくくなります。インターネット上では、アスペンのラッカースプレー(300ml)が490円で販売されています。
塗装と同じく3〜4度塗りしたいので、2〜3本買っておくのがいいでしょう。途中で足りなくなってヒヤヒヤしたくないなら、多めに用意するのが無難です。
ホイールキャップではなくホイールのDIY塗装をおすすめしない2つの理由
さて、ホイールキャップの塗装について説明してきましたが、ホイール本体を自分で塗装するのは自信がない方にはあまりおすすめできません。理由は以下のとおりです。
2. ホイールが売れなくなるから
詳しく解説します。
理由1.自分で塗装すると剥がれやすいから
自分でホイール塗装すると、剥がれやすい塗装になってしまう恐れがあります。塗料の密着度を高めるには、表面に傷をつけて脱脂材やプライマーを満遍なく吹き付ける必要があります。
しかし、ホイールキャップより複雑な形状のホイールは、隅々まできれいに削ってスプレーを吹き付けるのが難しすぎるのです。
シンプルな5本スポークやディッシュホイールならDIYでも塗装できるかもしれませんが、デザインが複雑なホイールを塗装するのは、やめておいたほうがいいでしょう。
理由2.ホイールが売れなくなるから
ホイールを自分で塗装すると、不要になって売りたくなったときにリセールバリュー(販売価格)が落ちてしまいます。最悪の場合、ホイールに売値がつかなくなることも。
1枚2,000円代から買い替えられるホイールキャップならまだしも、ホイール塗装で失敗して売れなくなったら困ってしまうでしょう。
ホイールはホイールキャップより高値で中古ショップに売れる可能性があるため、ホイールの印象を変えたいならホイールキャップの塗装をおすすめします。
ホイールキャップを被せることでホイールを守れるので一石二鳥です。
ホイールキャップ塗装以外の手軽なイメージチェンジ方法
ホイールキャップの塗装は、クルマの印象を変えたいときにぴったりなイメージチェンジ方法です。一方で「手軽にできると思ったら意外と手間と時間がかかって大変…」と思ってしまいがちな作業でもあります。
ホイールをおしゃれにしてクルマのイメージチェンジを図りたいなら、タイヤワールド館ベストでホイールを思い切って新調してしまうのも手です。
車種を選んでから購入に進むのでクルマに装着できないホイールをうっかり購入してしまう心配がありません。また、取り付けまでセットで依頼できるので、手間を省きつつ簡単にホイールを変えられます。
ホイールシュミレーションもあるので、愛車に似合うホイールをぜひ探してみてください。
手軽に愛車のイメージを変えたい方は、ぜひ検討してみてくださいね。
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