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    ホイールスペーサーのメリット・デメリットとは?装着時の注意点と価格も解説

    最終更新日 2025年4月26日

    手軽に足回りのドレスアップを行いたくても、「方法がわからない……」と思っている人は多いのではないでしょうか。そのような時にはホイールスペーサーがオススメです。

    ホイールスペーサーを使えば、ホイールやタイヤを交換することなく足回りの印象を変えることができます。

    本記事では、ホイールスペーサーのメリット・デメリットを解説します。装着時の注意点もお伝えするので、気をつけるべきポイントを抑えながらカスタマイズを楽しめますよ。

    できるだけ手間をかけずに足回りのドレスアップをしたいと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

    ホイールスペーサーとは?

    ホイールスペーサーとは?

    ホイールスペーサーとは、車体とホイールの間にはさむ円状の金属です。正しくはホイールを取り付ける「ハブ」とよばれる部分と、ホイールの間にはさみこんで使用します。

    ハブリング付きスペーサー

    参考:ハブリング付きスペーサー/DIGICAM

    ドレスアップでタイヤを外側に出す目的で使われることがほとんどですが、ホイールがブレーキに干渉してしまったときにスペースを確保するために使うこともできます。

    ホイールスペーサーには、1mmから10mmまでさまざまな厚さのものがあります。

    10mm以上厚みのあるものはワイドトレッドスペーサーとよばれますが、ホイールスペーサーと目的は同じで、形状や取り付け方が異なります。

    ワイドトレッドスペーサーは円状の金属にハブボルトが一体になっており、ホイールを取り付けるハブボルトにナットで固定して使用するものです。

    ワイドトレッドスペーサー

    参考:ワイドトレッドスペーサー/TANIDA MOTER SPORTS

    タイヤを外側ギリギリに出す、いわゆるツライチは、本来レーシングカーがコーナリングなどの操作性、安定性を高めるために行う手法でした。

    そうした背景から、現在はスポーティーな外観を求めて、かっこよさを追及し、タイヤを外側に出すカスタマイズとして広がったと考えられます。

    ホイールスペーサーのメリット

    ホイールスペーサーのメリット

    手軽なカスタムや走行性能の向上のために取り付けられるホイールスペーサーですが、カスタマイズには良い面もあれば悪い面もあります。

    両方をしっかりと把握し、納得した上でカスタマイズを行うようにしましょう。

    まずはメリットについて、詳しく解説します。

    ホイールスペーサーを装着するメリットは以下の3つが挙げられます。

    ・見栄えが良くなる
    ・カーブでの安定性が上がる
    ・費用が安い

    見栄えが良くなる

    ホイールスペーサーを装着すると、タイヤが外側に出るのでホイールの存在感をアピールできます。ボディとのすき間が少なくなり、よりツライチに近づくことで足回りのおしゃれ度がアップします。

    カーブでの安定性が上がる

    車体とホイールの間が広くなるということは、左右のタイヤの中心から中心までの長さ(トレッド)が長くなり、カーブを曲がるときの左右の傾きが少なくなります。その結果、走行性能向上として安定性が上がることもあります。

    わかりやすくいうと、コンパスを思い浮かべてください。短い半径で円を描くと、グラグラして上手く描けなかったことはありませんか?

    長い半径のほうがグッと力を入れやすいので、安定して描けます。車も同じで、左右の傾きが少ないほうが安定してカーブを曲がることができます。

    費用が安い


    ドレスアップにかかる費用が安くすむ
    こともメリットです。ホイールスペーサーは、厚みによっては2,000円くらいから手に入るので、手軽にカスタマイズを始めることができます。

    ホイールスペーサーのデメリット

    ホイールスペーサーのデメリット

    反対に、デメリットは以下の3つが考えられます。

    ・ホイールナットがゆるむ可能性がある
    ・取り付けを断られる場合がある
    ・ボディが汚れやすくなる

    ホイールスペーサーの装着にはデメリットもあることを視野に入れておきましょう。

    ホイールナットがゆるむ可能性がある

    ホイールスペーサーを装着すると、車体側のホイールの取り付け面からホイールまでの距離が遠くなります。その結果、ハブボルト(ホイールナットを取り付けるボルト)へ取り付けるホイールナットのかみこみが浅くなり、ナットがゆるみやすくなります。

    極端な例ですが、ノーマルがペットボトルのふたをしっかり閉めた状態で、ホイールスペーサーを装着した場合がふたを半分だけ閉めた状態だとします。

    落としたときに中身が漏れやすいのは、当然ふたが半分しか閉まっていないペットボトルです。

    つまり、ホイールナットのかみこみが浅くなると、少しの衝撃でゆるんでしまう可能性があります。

    タイヤは常に振動しています。あまり無理な走行を繰り返すと、ハブボルトに負荷がかかり、折れ曲がるなどのトラブルにもなりかねません。

    取り付けを断られる場合がある

    厚みのあるワイドトレッドスペーサーを装着する場合、依頼する店舗によっては「強度証明書」がない部品の取り付けは断られる場合もあります。

    取り付け可能かどうか、事前に確認しておくと安心です。

    ボディが汚れやすくなる

    ノーマル状態に比べてボディが汚れやすくなるのもデメリットです。

    タイヤが車体より内側にあればタイヤハウスの中で収まる汚れも、タイヤが外側に出ることで泥や小石をはねあげやすくなる可能性があります。

    こまめに洗車をする、汚れがつきにくくなるボディコーティングをしてあげる、など汚れ対策も必要に応じて行いましょう。

    ホイールスペーサーを装着するときの注意点

    ホイールスペーサーを装着するときの注意点

    ホイールスペーサーを装着するときの注意点は以下の3つです。

    1. 車体からタイヤをはみ出さないようにする
    2. 厚みによってはハブボルトの交換が必要になる
    3. 割れやゆるみはないか定期的に確認する

    足回りは車の走行に直結する重要なパーツです。必ず気をつけておくべきポイントを確認し、安全にカスタマイズを行いましょう。

    順番に解説します。

    車体からタイヤをはみ出さないようにする

    ホイールスペーサーを装着したときに、車体からタイヤがはみ出さないようにしましょう。車体からタイヤがはみ出してしまうと、車検には通らない場合があります。

    正確には、タイヤ側面のラベリングと、ホイールリムを保護するためのリムガードは10mm未満であればはみ出しても良いとされています。(道路運送車両の保安基準 第178条(車枠及び車体)

    しかし、ホイールやホイールナットなど、そのほかの部分は認められていません。

    車検に通らないだけでなく、接触事故などの危険性も高くなります。保安基準を守るのはもちろん、危険を回避するためにも車体からはみ出さないようにしましょう。

    厚みによってはハブボルトの交換が必要になる

    厚みのあるホイールスペーサーを取り付ける場合は、純正のハブボルトを交換する必要があります。

    ホイールスペーサーを装着したときに、手前に見えているハブボルトがあまりにも短いと、タイヤを取り付けることができません。

    そうした場合は、もともとあるハブボルトを取り外し、ロングハブボルトに交換する作業が必要になります。

    一般的には、5mmまでは純正のハブボルトで対応できるといわれていますが、厚みが5mmでもロングハブボルトへ交換をすすめられるケースもあります。

    車によって異なるので、必ずプロに相談しましょう。

    割れやゆるみはないか定期的に確認する

    ホイールスペーサーやワイドトレッドスペーサーを装着した場合、部品の割れやゆるみがないか定期的に確認しましょう。

    ハブボルトの穴数は車種によって異なるので、どの穴数にも対応できるようにホイールスペーサーにはさまざまな形状の穴があいています。

    その結果、どうしても厚みがある部分と薄い部分の差が生じてしまい、肉厚が薄い部分は負荷がかかりやすく、割れる恐れがあります。

    厚みのあるワイドトレッドスペーサーを使用する場合は、ハブにとめているナットの締め付けが、タイヤ周辺の振動によりゆるむ可能性もあります。

    車体とホイールの間にはさんでいるので、どうしてもガタは出てしまいます。最悪の場合、ナットが緩んでタイヤが脱輪するケースも考えられます。

    事故を防ぐためにも、割れや傷みがないか、定期的に規定トルクで締め付けられているかを確認しながら走行しましょう。

    ホイールスペーサーをつけても車検に通る?

    ホイールスペーサーをつけても車検に通る?

    ホイールスペーサーを使用していても車検は通ります。装着しているだけで車検に通らなくなった、なんてことはありません。

    ただし、装着することで保安基準に違反してしまうと通らない可能性はあります。

    車体からタイヤがはみ出る、ホイールナットの締め付けが浅くホイールにガタがあるなど、検査員が危険と判断した場合は車検には通りません。

    道路運送車両の保安基準とは、車が安全に走行するため、または環境を守るための基準です。

    ドレスアップは規定の範囲内で楽しむようにしましょう。

    ホイールスペーサー装着にかかる値段はいくら?

    ホイールスペーサー装着にかかる値段はいくら?

    ホイールスペーサーの装着にかかる金額を紹介します。

    前提として、車によって料金や使用できる部品は変わります。車種が同じでも、同じ部品や金額で作業ができるわけではありません。

    1台1台違うことを理解したうえで、かかる費用の参考にしてみてください。

    ・ホイールスペーサーだけを装着する場合
    ・ハブボルトを交換する場合

    順に解説します。

    ホイールスペーサーだけを装着する場合

    ホイールスペーサーをはさむだけなら、1,000円〜2,000円くらいの工賃で取り付けできる場合がほとんどです。

    部品代は2枚組みで1,000円〜5,000円ほどで、厚みやメーカーによって金額はさまざまです。

    ワイドトレッドスペーサーを取り付ける場合の総額の目安は以下の通りです。

    車種 個数 部品代 作業工賃 合計金額
    セレナハイブリット 1セット 約14,000円 約1,600円 約15,600円
    エルグランド 2セット 約28,000円 約3,500円 約31,500円
    レクサスLS 2セット 約19,500円 約7,000円 約26,500円

    車種や作業内容によって異なります。1つの目安として参考にしてみてください。

    ハブボルトを交換する場合

    ハブボルトを交換する場合の総額の目安は以下の通りです。

    車種 個数 部品代 作業工賃 合計金額
    ヴォクシー ハブボルト10本 約4,500円 約8,000円 約26,500円
    ワイドトレッドスペーサー1セット 約14,000円
    86 ハブボルト20本 約9,000円 約22,000円 約38,000円
    ホイールスペーサー2セット 約7,000円

    車種によって作業工賃は前後する可能性があります。あくまで目安として参考にしてください。

    ホイールスペーサーを装着できるお店はどこ?

    ホイールスペーサーを装着できるお店はどこ?

    ホイールスペーサーの装着を依頼できるお店は以下の3つが考えられます。

    ・タイヤ専門店
    ・カー用品店
    ・カスタマイズ専門店

    タイヤ専門店

    タイヤ専門店では、ホイールスペーサーを取り扱っており、そのまま装着を依頼できる店舗が多いです。

    もち込み部品にも対応している店舗もあり、安全性や保安基準に配慮して取り付けてくれます。

    まずは少しだけドレスアップを楽しみたい人にオススメです。

    タイヤワールド館ベストの直営店舗でも簡単に付けられるスペーサーからワイドトレッドスペーサーまでお取り扱いがあります。商品によってはお取り寄せとなる場合がございますのでご了承ください。

    タイヤワールド館ベスト店舗一覧

    カー用品店

    カー用品店も、タイヤ専門店同様、ホイールスペーサーを取り扱っており、そのまま取り付けをしてくれる場合が多いです。

    もち込み部品も対応可能な店舗もありますが、お店ごとの判断の場合も多く、事前に確認した方が安心です。

    カスタマイズ専門店

    カスタマイズ専門店では、ホイールスペーサーの取り付けはもちろん、目的に合わせたカスタマイズを総合的に提案してくれます。

    ギリギリまで攻めたドレスアップの相談なども可能な店舗が多く、自分好みの車にカスタマイズをしていきたい人にぴったりです。

    しかし、ディーラーでは取り扱えないと断られるケースがあります。もしホイールスペーサーを取り付けて車検を通した後、トラブルが起こった場合のリスクを避けたいからです。

    ホイールスペーサーの装着は、少なからず危険を伴うことを忘れないようにしましょう。

    安全性を重視するならホイールを交換してインセットで調整

    安全性を重視するならホイールを交換してインセットで調整

    やはり安全性が気になる…という場合、ホイールスペーサーを使わずにホイールのインセットを調節してカスタマイズすることもオススメです。

    インセットとは、ホイールの中心から取り付け面までの距離のことをいい、この数値を下げるとツライチの状態に近づきます。

    ホイールスペーサーは、ホイールの交換に比べると価格も安く、手軽にできるドレスアップです。

    しかし、車体とホイールの間に本来なかったものをはさむことで、多少なりともガタは発生します。タイヤ周辺は常に振動しており、走り出す、曲がる、停止するといった動きを繰り返し行うことでかなり負荷もかかります。

    周辺部品にも負担がかかり、思わぬ箇所が故障する可能性もゼロではありません。いくら簡単にできるカスタマイズだとしても、正しく使用しないと事故の原因になる可能性もあります。

    足回りは車の走行に直接かかわる、とても重要な部分です。ドレスアップ目的でツライチを目指すのなら、ホイールを交換する、という選択肢を検討されてみてもよいのかもしれません。

    ホイールの購入はタイヤワールド館ベストがオススメ!

    ホイールの購入はタイヤワールド館ベストがオススメ!

    ホイールスペーサーは、取り付けるだけでスタイリッシュな足回りを演出でき、安い費用でドレスアップが可能です。走行性能の面でも、カーブでの安定性の向上が期待でき、手軽に取り組みやすいカスタマイズの一つです。

    しかし、ホイールナットがゆるんだり、周辺部品に負荷がかかり故障の原因になったりすることも考えられますので、注意点をよく理解しいただき、定期的に点検することが大切です。

    また、タイヤを外側に出すのなら、ホイールの交換を検討してみましょう。ホイールの交換なら、車体とホイールの間に部品をはさまずにカスタマイズが可能です。ホイールスペーサーよりも安全性は高いといえるでしょう。

    ホイールの交換ならタイヤワールド館ベストがオススメです。宮城県に7店舗の他、オンラインショップで購入しても全国に約3,200の提携店舗があり、どのエリアの方でも利用しやすくなっています。豊富な種類を取り揃えているので、あなたの好みに合ったホイールがきっと見つかりますよ。

    同時にタイヤの購入も可能です。ぜひチェックしてみてくださいね。

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    雨の日に滑りにくいタイヤ6選!スリップの原因や選択するポイントを解説

    最終更新日 2025年2月15日

    雨の日にスリップした経験がある人も多いのではないのでしょうか?
    首都高速道路株式会社の調査によると、雨天時の時間当たりの事故件数は晴天時と比較し、約5倍も高くなっているといわれています。

    この記事では雨の日に強いタイヤや、スリップする原因について詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

    雨の日は晴天時の約5倍事故が起きている

    雨の日は晴天時の約5倍事故が起きている

    雨の日の運転は視界が悪いだけではなく、路面が滑りやすくなっているため、晴天時よりも慎重に運転する必要があります。

    雨の日の運転は、視界が悪いだけではなく、路面が滑りやすくなっているため、晴天時よりも慎重に運転する必要があります。首都高速道路株式会社の調査によると、雨天時の時間当たりの事故件数は、晴天時と比較し、約5倍も高くなっているといわれています。さらに、雨天時の夜間は視界がますます悪くなるため、深夜になると晴天時の約7倍も事故が発生してしまうのです。


    一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)

    雨天時の事故件数は晴天時の約5倍も発生とは恐ろしい数字ですよね。
    雨天で多い事故原因はトップはスリップによる事故。主なシチュエーションは以下のとおりです。

    ● 速度が高いままカーブに進入してスリップ
    ● 追い越し時の急加速による直線でのスリップ
    ● 轍の水たまりに進入した際にスリップ

    引用:一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)

    スリップ事故も多いですが、雨天時は視界が悪く、歩行者や自転車の発見が遅れることもあるので、普段より慎重な運転を心がけましょう。

    雨の日にタイヤが滑る原因

    雨の日にタイヤが滑る原因

    雨の日にタイヤが滑る主な原因は以下のとおりです。

    1. ハイドロプレーニング現象
    2. タイヤの摩耗
    3. タイヤの劣化
    4. 空気圧の不足
    5. 速度超過

    詳しく説明します。

    ハイドロプレーニング現象

    ハイドロプレーニング現象とは、雨天時にタイヤと路面の間に水膜が形成され、タイヤが路面から浮き上がることで、ハンドル操作やブレーキが効かなくなる現象です。

    主な原因として、タイヤの摩耗、速度超過、空気圧の不足などが挙げられます。とくに高速走行時や水たまりの多い路面で発生しやすいため、注意が必要です。

    タイヤの摩耗

    タイヤの溝は、路面の水を排出し、グリップ力を確保する役割を持っています。
    しかし、走行を重ねることで溝が摩耗し、浅くなると排水性能が低下します。その結果、濡れた路面でのグリップ力が減少し、スリップのリスクが高まります。特に溝の深さが1.6mm未満になると、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。

    タイヤの劣化

    タイヤのゴムは経年劣化により硬化し、弾力性や柔軟性が失われます。
    これにより、路面との密着性が低下し、グリップ力が減少します。たとえ溝が十分に残っていても、製造から6年以上経過したタイヤは劣化が進んでいる可能性が高く、雨天時の走行で滑りやすくなるため、早めの交換が推奨されます。

    空気圧の不足

    適切な空気圧は、タイヤの性能を最大限に発揮するために重要です。
    空気圧が不足すると、タイヤの接地面積が不均一になり、排水性能やグリップ力が低下します。これにより、雨天時のスリップリスクが増加します。

    また、空気圧不足は燃費の悪化や偏摩耗の原因ともなるため、月に一度は空気圧をチェックし、適切な値に調整することが重要です。

    速度超過

    雨天時に速度を出しすぎると、タイヤが路面の水を排出しきれず、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。
    特にカーブや水たまりの多い場所では、速度超過によりタイヤが横滑りし、車両のコントロールが困難になることがあります。

    雨の日は、通常よりも速度を控えめにし、車間距離を十分に取ることで、スリップ事故のリスクを低減できます。

    これらの要因を踏まえ、定期的なタイヤの点検・メンテナンスや適切な運転操作を心掛けることで、雨の日のスリップリスクを効果的に低減できます。

    滑らない!雨に強いタイヤを選ぶポイント

    滑らない!雨に強いタイヤを選ぶポイント

    雨の日に強いタイヤを選ぶ際には、以下のポイントに注目すると効果的です。

    ● ウェットグリップ性能の等級確認
    ● トレッドパターンの排水性
    ● コンパウンドに含まれるシリカの配合
    ● タイヤの残溝と劣化状態

    ウェットグリップ性能の等級確認

    日本自動車タイヤ協会(JATMA)のラベリング制度では、タイヤのウェットグリップ性能をaからdの4段階で評価しています。

    とくに「a」等級は最高のウェット性能を示し、雨天時の安全性が高いことを意味します。この等級は、タイヤの制動距離やグリップ力に直結するため、雨の日の走行が多い方は「a」等級のタイヤを選ぶと安心です。

    雨の日に感じるストレスや不安、疲労を軽減することができるので、タイヤを選ぶ際のポイントにしてみてください。

    トレッドパターンの排水性

    タイヤのトレッドパターン(溝のデザイン)は、排水性能に大きく影響します。
    深くて幅広い溝や、適切に配置されたサイプ(細かな切れ込み)は、効果的に水を排出し、ハイドロプレーニング現象のリスクを低減します。

    とくに、縦方向の溝がしっかりと設計されているタイヤは、直進時の排水性が高く、雨天時の安定性が向上します。

    タイヤの排水性

    排水性とは

    排水性とはタイヤの進行方向に水を弾き飛ばす性能と、接地部分の水を後方に流し出す性能です。

    1. タイヤの駆動力、制動力、およびけん引力の増加
    2. 操縦性、および安定性の向上
    3. タイヤの放熱性の向上
    4. 排水効果

    コンパウンドに含まれるシリカの配合

    タイヤのゴム素材(コンパウンド)にシリカを配合することで、路面との密着性が向上し、ウェット路面でのグリップ力が高まります。シリカはゴムの柔軟性を保ちつつ、低温時や湿潤路面での性能を向上させる効果があります。

    ただし、シリカの配合量が多すぎると発熱性が高まり、転がり抵抗が増加するため、各メーカーは最適なバランスを追求しています。

    タイヤの残溝と劣化状態

    タイヤの溝が浅くなると、排水性能が低下し、滑りやすくなります。とくに、溝の深さが1.6mm未満になると、法的にも使用が禁止されており、安全性が著しく損なわれます。
    また、経年劣化によりゴムが硬化すると、ウェットグリップ性能が低下します。
    製造から5年以上経過したタイヤは、たとえ溝が残っていても交換を検討するのがおすすめです。

    ブリヂストンではタイヤの溝の深さ別で、以下のような実験データが記載されています。

    【雨の日に高速走行したタイヤの接地面積の比較】

    【雨の日に高速走行したタイヤの接地面積の比較】

    参考:ブリヂストン

    上記の実験データでわかるように、タイヤの溝の深さが4mm以下になるとタイヤと地面の設置面積が減少し、ハイドロプレーニング現象が発生する危険性が高まります。

    タイヤのスリップサインが1.6mmより浅い場合でも、制動距離が伸び始める4mm以下になったらタイヤ交換を検討しましょう。

    雨に強い!排水性・グリップが優れているタイヤ6選

    雨に強い!排水性・グリップが優れているタイヤ6選

    雨の日の安全なドライブをサポートするため、プロが選ぶ雨天時に強いタイヤ6選とその特徴をご紹介します。

    【ヨコハマタイヤ】ブルーアース-GT AE51

    ブルーアースGT

    ヨコハマ公式サイトへ

    ヨコハマタイヤのブルーアース-GT AE51は、高い操縦安定性と低燃費性能を融合したグランドツーリングタイヤです。レーンチェンジ時のふらつきを低減し、快適な乗り心地を実現しています。

    新開発の高剛性・非対称パターンにより、力強い走りを提供し、全サイズで最高グレードのウェット性能「a」を獲得しています。

    ブルーアースシリーズは他にもミニバン専用の「BluEarth-RV RV03」
    (全サイズでウェット性能「a」)」、
    「BluEarth-A(全サイズでウェット性能「a」11サイズ、「b」6サイズ)」
    も「雨の日にもさらにしっかり走れる低燃費タイヤ」としておすすめです。

    メーカー ヨコハマタイヤ
    商品名 ブルーアース-GT AE51
    推奨車種 セダン・コンパクト・軽自動車
    ウェット性能 ウェット性能「a」全サイズ
    価格 7,700円〜/1本(単品)〜
    54,900円〜/4本(ホイール付き)

    【ダンロップ】ビューロ VE304

    ビューロ VE304

    ダンロップ公式サイトへ

    ダンロップのビューロ VE304は、静粛性はもちろんのこと、快適性、最高のウェット性能を求める方におすすめのタイヤです。

    『VEURO VE304』に刻まれた「3D波型グルーブ」は特殊な溝の掘りかたをすることで摩耗後でも排水性が悪化しません。

    タイヤの中にスポンジが入っているので走行中の『ゴー』という音を吸収してくれ、乗り心地もいい優れたタイヤになっています。

    メーカー ダンロップ
    商品名 ビューロ VE304
    推奨車種 セダン・ハッチバック・ミニバン・コンパクト・SUV
    ウェット性能 ウェット性能「a」69サイズ、「b」1サイズ
    価格 18,800円〜/1本(単品)
    98,800円〜/4本(ホイール付き)

    【ダンロップ】ルマン5+

    ルマン5+

    ダンロップ公式サイトへ

    ダンロップの「ル・マン V+(LE MANS V+)」は、従来モデル「ル・マン V」からウェット性能が向上しています。天然由来の「サステナブルシリカ分散剤」を採用することでシリカの配合量が増加。ウェットブレーキ性能が従来品より2%向上し、雨天時の安全性が高まっています。

    ゴムもしなやかで、路面の凹凸に柔軟にフィットすることで、乗り心地も改善されています。

    メーカー ダンロップ
    商品名 ルマン5+
    推奨車種 セダン・コンパクト・軽自動車
    ウェット性能 ウェット性能「b」全67サイズ
    価格 7,700円〜/1本(単品)〜
    52,700円〜/4本(ホイール付き)

    【ブリヂストン】プレイズ PX-RV II

    プレイズ

    ブリヂストン公式サイトへ

    ブリヂストンのプレイズ PX-RV IIは、接地形状の適正化とシリカ配合のウェット重視ゴムで高いウェット性能を発揮します。

    濡れた路面でもしっかり曲がり、しっかり止まる性能を追求しています。専用設計とシリカ配合ゴムによりライフ性能を向上させ、全サイズでウェット性能「a」を獲得しています。

    メーカー ブリヂストン
    商品名 プレイズ PX-RV II
    推奨車種 ミニバン・コンパクトSUV
    ウェット性能 ウェット性能「a」30サイズ、「b」6サイズ
    価格 7,700円〜/1本(単品)〜
    52,700円〜/4本(ホイール付き)

    【ブリヂストン】エコピアNH200

    エコピアNH200

    ブリヂストン公式サイトへ

    ブリヂストンのエコピアNH200は、低燃費性と安全性を兼ね備えたタイヤで、摩耗してもウェット性能が低下しにくい設計が特徴です。

    エコピアは新車装着タイヤで装着されることも多いのですが、NH200はタイヤが摩耗してもウェット性能が低下しにくく作られています。

    エコテクノロジー構造により、転がり抵抗を低減し、ウェット性能とライフ性能を両立しています。

    メーカー ブリヂストン
    商品名 エコピアNH200
    推奨車種 セダン・スポーツ・ミニバン
    ウェット性能 ウェット性能「b」全サイズ
    価格 11,550円〜/1本(単品)〜

    【トーヨータイヤ】ナノエナジー3PLUS

    ナノエナジー3PLUS

    トーヨータイヤ公式サイトへ

    トーヨータイヤのナノエナジー 3PLUSは、ウェット性能にさらなる磨きをかけたスタンダード低燃費タイヤです。

    エコタイヤとして一番重要な転がり性能で「NANOENERGY 3」従来モデルの「A」を維持したまま、ウェット性能もcランクからbランクまで上がっており、燃費とウェット性能を両立したエコタイヤです。

    メーカー トーヨータイヤ
    商品名 ナノエナジー3PLUS
    推奨車種 セダン・コンパクト・スポーツカー
    ウェット性能 ウェット性能「b」全サイズ
    価格 4,870円〜/1本(単品)〜
    46,400円〜/4本(ホイール付き)

    滑らないためにできるタイヤ点検方法

    滑らないためにできるタイヤ点検方法

    ● 空気圧をチェックする
    ● タイヤの残溝をチェックする
    ● 偏摩耗していないかチェックする

    空気圧をチェックする

    空気圧不足のまま走行した場合、燃費の悪化や走行性能の低下偏摩耗(タイヤの両肩部が摩耗しやすい)
    が発生する可能性があります。

    空気圧を見るときは、運転席側のドア表示を見ればどのくらい入れるのか分かります。

    空気圧は運転席側のドア表示を見ればよい

    タイヤの残溝をチェックする

    走行の前にはタイヤの残り溝をチェックしましょう。
    とくに雨の日の高速道路等では、タイヤと路面の間の水をかき出す力(排水性能)が低くなり、タイヤが浮く状態になることで、ハンドルやブレーキが効かなくなるハイドロプレーニング現象が発生しやすくなるので、注意してくださいね。

    偏摩耗していないかチェックする

    タイヤの接地面が極端すり減っている箇所がないかを点検しましょう。

    タイヤの偏った摩耗(偏摩耗・片べり)は、空気圧が適正でなかったり、タイヤローテーションをせずに使用していた場合に起こりやすくなります。

    タイヤの異常を見つけ寿命を長くするためにもローテ―ションをおすすめします。

    雨の日に強いタイヤはタイヤワールド館ベストにおまかせ

    雨の日に強いタイヤはタイヤワールド館ベストにおまかせ

    今回は雨に強いタイヤを詳しくご紹介させていただきました。

    夏タイヤも種類がたくさんありどれを選べばいいのか悩みますよね。ベストでは安全にお車に乗って頂く為にもお客様の用途に合ったタイヤを選ばせていただきます。

    みなさまのご来店スタッフ一同心よりお待ちしております!