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タイヤ知識 ライターチーム

車検に合格するタイヤの溝の深さは?測り方と対策を徹底解説!

最終更新日 2024年4月10日

車を利用しているなら、車検を避けては通れません。

車検ではさまざまな点から車の状態をチェックされますが、タイヤの溝の深さも点検項目のひとつです。

しかし、どれくらいの溝の深さであれば車検に合格するのか知っている方は少ないのではないでしょうか?

本記事では車検に合格するタイヤ溝の深さや、初心者でもできる車検前のタイヤ溝の測り方、タイヤを長持ちさせる方法などについて解説します。

  1. 車検にてタイヤの溝が測られる理由
  2. タイヤ溝の深さの合格基準
  3. 初心者でもできる車検前のタイヤ溝の測り方
  4. 溝の深さ以外に車検に落ちやすいタイヤの特徴
  5. タイヤを長持ちさせる方法

車検でのタイヤ溝の合格基準や測り方を事前に知り、対策を講じられるようにしておきましょう。

車検でタイヤの溝の深さが測られる2つの理由

車検でタイヤの溝の深さが測られる2つの理由

タイヤは車が走行する上で重要な役割を担っており、タイヤの状態は車検において厳しく確認される項目のひとつです。

タイヤ溝には保安基準が設けられており、基準に満たない場合は不合格となってしまいます。

車検では運転の安全性を考慮してタイヤ溝が測られるので、事前に溝の深さを確認するようにしましょう。

運転する際の安全性の考慮

運転の安全性を考慮するのが、車検の際にタイヤ溝の状態を確認される理由の1つです。タイヤは消耗品なので、運転に伴って摩擦して徐々にすり減ったり、劣化していったりします。

タイヤに傷が蓄積されていくと、ブレーキ機能やハンドリング機能が低下し、安全に運転できなくなってしまいます。

とくに、路面が濡れている場面ではタイヤ溝が浅くなっていると、路面とタイヤの間に水の膜ができる「ハイドロプレーニング現象」が起こり、ハンドルが取られて車体がスリップしてしまうため注意が必要です。

運転する際の安全性を考慮して、タイヤは定期的に交換することが望ましいでしょう。

道路運送車両法で罰則が規定されている

タイヤの溝の深さは運転の安全性に大きく関係していることから、国土交通省で保安基準がもうけられており、基準に満たない場合は公道を運転できません。

基準値未満にもかかわらず、行動を運転していた場合は道路交通法違反となり、「違反点数2点の加算」 、普通自動車の場合は「9,000円の罰金」(2021年4月時点)が科されます。

気付かずに運転していることもありますが、安全面や法律面における罰則もあるので、定期的にチェックするようにし、溝が浅い場合は交換するようにしましょう。

車検におけるタイヤ溝の深さは1.6mm以上が合格基準

車検におけるタイヤ溝の深さは1.6mm以上が合格基準

車検ではタイヤ溝の深さの合格基準は、乗用車・軽トラック以上であれば1.6mm以上と明確に決まっており、高速道路においては車種によってサイズは異なります。

以下は車種・道路による合格基準の早見表になります。

一般道路 高速道路
乗用車・軽トラック 1.6mm 1.6mm
小型トラック 1.6mm 2.4mm
大型トラック・バス 1.6mm 3.2m

高速道路では一般道路に比べ、スピードが速いので大きな事故が起こりやすいことから、溝の深さが一般道路に比べ深くなっています。

初心者でもできる車検前のタイヤ溝の測り方

初心者でもできる車検前のタイヤ溝の測り方

上述したようにタイヤの溝は、運転の安全性や法律面も考慮して車検前に一度チェックすることが望ましいです。

しかし、はじめて車検を受ける方はタイヤ溝の測り方を知る人は少ないでしょう。

以下ではタイヤ溝の深さを一目でチェックする方法と、正確に測る方法を説明します。

溝の深さを一目でチェックする方法

タイヤ溝の深さを一目でチェックするには「スリップサイン」を目安にします。

タイヤ溝が1.6mm以下になるとスリップサインが出現するので、ひとつでもあらわれた場合は車検には通りません。

また、降雪地帯では冬用タイヤであるスタッドレスタイヤの着用が必要ですが、スリップサインの代わりにプラットホームでタイヤ溝の深さを確認できます。

スリップサインで一目でわかる!

スリップサインとは、タイヤの残り溝が1.6mm以下になると出現するサインです。

タイヤの側面には4〜9個の「△」マークがついており、△マークの延長線上にある溝の底にスリップサインがつけられています。

新品のタイヤは溝の深さが約8mmなので、スリップサインが出た段階で摩擦によってすり減っている状態です。

とつでもスリップサインがあらわれると車検には通らないひので、事前に確認するようにしましょう。

スタッドレスタイヤはプラットホームを確認

降雪地域や積雪・凍結道路では夏用タイヤではスリップの危険性があることから、冬用タイヤであるスタッドレスタイヤの着用が必須です。

スタッドレスタイヤはトレッド面に細かな切込みが入っており、ハンドルがとられやすい悪路においても走行しやすいのが特徴です。

スタッドレスタイヤでは夏用タイヤのスリップサイン以外にも、タイヤ側面に記載されているプラットホームにて残り溝の深さを確認できます。

プラットホームは残り溝が50%以下になったときにあらわれ、冬用タイヤとして雪道では性能が発揮できないことを示します。

スタッドレスタイヤの使用期限の目安はおおよそ新品購入時から3〜4年で、夏用タイヤと同様に定期的にタイヤの状態を確認するようにしましょう。

正確に測る方法

前述した方法では簡単にタイヤの溝をチェックできましたが、正確に測る方法も2つあります。
以下では工具道具を使う方法と専用の器具を使う方法について、詳しく説明します。

工具道具の「ノギス」を使って測る

ノギスとは物の長さを測るのに使用される工具道具で、工具店で簡単に購入できるものです。

主尺目盛りと副尺目盛りを「0」に合わせて、デブスバーという尖った先端部分をタイヤの溝に垂直に置いてスライダーを動かしながら測ります。

副尺目盛りが「0」になっているところで、主尺目盛りで出る数値がタイヤの溝の深さとなります。

タイヤの摩擦を測る専用器具の「タイヤゲージ」を使って測る

タイヤゲージとは、タイヤ取扱店でタイヤの溝の深さを計測するのに使用される専用器具です。

ノギスと同じく主尺目盛りと副尺目盛りの2つがあり、スリップサインの位置を避けて先端部分を溝に垂直に当てることでタイヤ溝の深さを計測できます。

副尺目盛りが0になっているところで、主尺目盛りを読み取るようにしましょう。

溝以外も確認!車検に落ちやすいタイヤの特徴

溝以外も確認!車検に落ちやすいタイヤの特徴

タイヤ溝の深さについて解説しましたが、タイヤの溝が1.6mm以上でも車検に落ちてしまうことがあります。

そこで以下では、車検に合格するための溝以外の項目を解説します。

ひび割れや傷
タイヤの変形
空気圧の低下

また、通常の走行の安全性にも役立つ内容になっているので、以下の内容をチェックしてください。

ひび割れや傷

車検では、タイヤの劣化状況を確認されます。
タイヤはゴムでできているので、使用開始から数年経過するとゴムが硬直して傷やひび割れが生じてきます。

あまり走行していない場合でも、車重によりタイヤに対して均一に力がかかってしまい、ひび割れが起こる場合もあります。

ひび割れや傷が付いてしまったタイヤでは、ハンドリングがうまくきかないことがあり、車検には通りにくいないです。

また、傷やひび割れが深くなると最悪の場合はタイヤが破裂する「バースト」状態に陥ってしまいます

タイヤの変形

タイヤの変形具合も、車検で確認される項目の1つです。

タイヤは劣化や摩擦によるダメージでゆがみやこぶのようなものができ、形状が変形することがあります。しかし、タイヤが変形した状態で走行すると、運転に支障をきたしてしまうからです。

摩擦による変形は均一には起こらず、前後左右で異なります。タイヤが変形したままの場合、道路にしっかり接着せず滑りやすくなります。

この状態では、障害物に接触するなどの事故の原因になりかねません。また、ハンドルやエンジン音に異常が出ることもあるので注意しましょう。

空気圧の低下

車検では、空気圧の状態もチェックされます。

ひび割れ同様、タイヤの空気圧によってもハンドリングがうまくきかなくなり、安全に走行できないので車検に通らない場合も。

適正な空気圧は、タイヤの大きさや車の車種によって異なります。

車の適正な空気圧は運転席側のドアを開けた脇に記載されているので、一度確認してください。

タイヤを長持ちさせるための5つの対策方法

タイヤを長持ちさせるための5つの対策方法

タイヤは消耗品であるため、状態によっては交換が必要になってきます。

しかし、何度も買えているとお金もかかってしまうため、長持ちさせたいと思っている方も多いことでしょう。

車種によってタイヤにかかる負担も異なり、摩擦するスピードが速いものもあります。
以下ではタイヤを長持ちさせるための5つの方法を解説するので、日々のメンテナンスの参考にしてみてください。

  1. ローテーションで摩擦を軽減する
  2. 適度に空気圧を調整する
  3. 急発進や急停止を控える
  4. タイヤを適切な場所に保管する
  5. ホイールアライメントを調整する

1.ローテーションで摩擦を軽減する

タイヤローテーションは前後左右のタイヤの位置を取り換えて摩擦を抑える方法です。

タイヤの摩擦の速度は車重や装着している位置によっても異なり、エンジンの動力が伝わるタイヤほど摩擦していきます。

例えば、エンジンと駆動輪がフロント部分に位置するフロント車では前輪が、エンジンが駆動輪の後ろにあるリアドライブ車では後輪が先にすり減る事が多いです。

ローテーションの目安としては、約5,000km走行した時点でタイヤのローテーションを行うようにしましょう。

2.適度に空気圧を調整する

タイヤを長持ちさせるためには、適度に空気圧を調整することが大切です。

タイヤは使用に伴って空気が抜けていくため、調整せずに走行していると本来の性能を維持できなくなってしまいます。
空気圧が不足している場合、タイヤ全体が道路に接地せずに偏摩擦や、最悪の場合はタイヤが破裂するバースト状態を起こしてしまいます。

ガソリンスタンドなどでも空気を入れられるので、給油の際に確認して空気が不足する場合は入れるようにしましょう。

3.急発進や急停止を控える

急発進や急停止を控えることも、タイヤを長持ちさせる方法の1つです。

急発進や急停止はタイヤに大きな負担を与えてしまうため、タイヤの寿命を短くしてしまう原因になります。

道路には凸凹があるので、通常走行しているだけでも摩擦による影響は受けてしまいますが、急発進や急停止はより深くダメージを与えます。

とくに駆動輪はエンジンの動力を道路に伝える役割を担うため、急発進による摩擦のダメージは他のタイヤより大きくなります。

急発進や急停止はタイヤの寿命のみならず、車自体にも大きな負荷がかかるため控えるようにしましょう。

4.タイヤを適切な場所に保管する

タイヤの保管場所と寿命は大きく関係しており、適切な場所に保管することで長持ちさせられます。

不適切な環境でタイヤを長い間、保管していると変形してしまうことがあります。

例えば、タイヤは日光が当たる環境で保管していると紫外線により劣化が進んでしまいます。

保管する際は、日光が直接当たらず雨風を避けられる屋内の風通しがよい環境で、変形しないように空気を半分ほど抜いて立てて保管しましょう。

重ねて置く場合は、ホイールをつけて保管すると変形を防げます。

また、遮光性や防水性を兼ね備えたタイヤカバーを使用することで、結露や埃を防げるのでオススメです。

5.ホイールアライメントを調整する

タイヤを長持ちさせるには、取り付け部分を適正な角度に調整することも大切です。

タイヤは運転の経過に伴って、取り付け部分にズレが生じてしまうことがありますが、調整せずに走行すると偏摩擦によって寿命を短くしてしまう原因になります。

アライメントとは整列という意味で、ホイールアライメントは車軸を適正な角度に調整することを指します。

安全運転を心がけ、タイヤの空気圧が十分にもかかわらず、偏摩擦が起こっている場合はアライメント(車軸)がズレている可能性が高いです。

アライメントがズレていると偏摩擦によって車がまっすぐに走行しにくくなったり、ハンドルを取られたりする原因にも繋がります。

アライメント調整では、キャンバー角・キャスター角・トー角の3種類を調整し、走行性能を高めます。

しかし、過度な調整を行うとかえってタイヤの寿命を短くする恐れもあるので注意が必要です。

そのため、自力で調整することは控え、時間と費用はかかりますがカー用品店やディーラーに依頼するようにしましょう。

タイヤの点検ならタイヤワールド館ベストがおすすめ

タイヤの点検ならタイヤワールド館ベストがおすすめ

今回の記事では、車検で合格するためのタイヤ溝の深さについてまとめてきました。

車検の有無にかかわらず、運転の安全性も考慮してタイヤの溝は定期的にチェックするようにしましょう。

もし、自身で測るのが難しいという方は専門家に相談することをオススメします。

とくにはじめて車検を迎える方はわからないことが多いと思うので、タイヤ専門店を訪れるといいでしょう。

タイヤワールド館ベストは宮城県に7店舗の他、オンラインショップで購入しても全国約3,200の提携店舗があり、どのエリアの方でも利用しやすくなっています。

タイヤの交換が必要な場合はインターネットでのご予約も可能ですので、ぜひタイヤワールド館ベストをチェックしてみてください。

作成者: ベストライターチーム

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