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    タイヤの基礎知識 栗生店

    雨の日に滑りにくいタイヤ6選!スリップの原因や選択するポイントを解説

    最終更新日 2025年2月15日

    雨の日にスリップした経験がある人も多いのではないのでしょうか?
    首都高速道路株式会社の調査によると、雨天時の時間当たりの事故件数は晴天時と比較し、約5倍も高くなっているといわれています。

    この記事では雨の日に強いタイヤや、スリップする原因について詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

    雨の日は晴天時の約5倍事故が起きている

    雨の日は晴天時の約5倍事故が起きている

    雨の日の運転は視界が悪いだけではなく、路面が滑りやすくなっているため、晴天時よりも慎重に運転する必要があります。

    雨の日の運転は、視界が悪いだけではなく、路面が滑りやすくなっているため、晴天時よりも慎重に運転する必要があります。首都高速道路株式会社の調査によると、雨天時の時間当たりの事故件数は、晴天時と比較し、約5倍も高くなっているといわれています。さらに、雨天時の夜間は視界がますます悪くなるため、深夜になると晴天時の約7倍も事故が発生してしまうのです。


    一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)

    雨天時の事故件数は晴天時の約5倍も発生とは恐ろしい数字ですよね。
    雨天で多い事故原因はトップはスリップによる事故。主なシチュエーションは以下のとおりです。

    ● 速度が高いままカーブに進入してスリップ
    ● 追い越し時の急加速による直線でのスリップ
    ● 轍の水たまりに進入した際にスリップ

    引用:一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)

    スリップ事故も多いですが、雨天時は視界が悪く、歩行者や自転車の発見が遅れることもあるので、普段より慎重な運転を心がけましょう。

    雨の日にタイヤが滑る原因

    雨の日にタイヤが滑る原因

    雨の日にタイヤが滑る主な原因は以下のとおりです。

    1. ハイドロプレーニング現象
    2. タイヤの摩耗
    3. タイヤの劣化
    4. 空気圧の不足
    5. 速度超過

    詳しく説明します。

    ハイドロプレーニング現象

    ハイドロプレーニング現象とは、雨天時にタイヤと路面の間に水膜が形成され、タイヤが路面から浮き上がることで、ハンドル操作やブレーキが効かなくなる現象です。

    主な原因として、タイヤの摩耗、速度超過、空気圧の不足などが挙げられます。とくに高速走行時や水たまりの多い路面で発生しやすいため、注意が必要です。

    タイヤの摩耗

    タイヤの溝は、路面の水を排出し、グリップ力を確保する役割を持っています。
    しかし、走行を重ねることで溝が摩耗し、浅くなると排水性能が低下します。その結果、濡れた路面でのグリップ力が減少し、スリップのリスクが高まります。特に溝の深さが1.6mm未満になると、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。

    タイヤの劣化

    タイヤのゴムは経年劣化により硬化し、弾力性や柔軟性が失われます。
    これにより、路面との密着性が低下し、グリップ力が減少します。たとえ溝が十分に残っていても、製造から6年以上経過したタイヤは劣化が進んでいる可能性が高く、雨天時の走行で滑りやすくなるため、早めの交換が推奨されます。

    空気圧の不足

    適切な空気圧は、タイヤの性能を最大限に発揮するために重要です。
    空気圧が不足すると、タイヤの接地面積が不均一になり、排水性能やグリップ力が低下します。これにより、雨天時のスリップリスクが増加します。

    また、空気圧不足は燃費の悪化や偏摩耗の原因ともなるため、月に一度は空気圧をチェックし、適切な値に調整することが重要です。

    速度超過

    雨天時に速度を出しすぎると、タイヤが路面の水を排出しきれず、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。
    特にカーブや水たまりの多い場所では、速度超過によりタイヤが横滑りし、車両のコントロールが困難になることがあります。

    雨の日は、通常よりも速度を控えめにし、車間距離を十分に取ることで、スリップ事故のリスクを低減できます。

    これらの要因を踏まえ、定期的なタイヤの点検・メンテナンスや適切な運転操作を心掛けることで、雨の日のスリップリスクを効果的に低減できます。

    滑らない!雨に強いタイヤを選ぶポイント

    滑らない!雨に強いタイヤを選ぶポイント

    雨の日に強いタイヤを選ぶ際には、以下のポイントに注目すると効果的です。

    ● ウェットグリップ性能の等級確認
    ● トレッドパターンの排水性
    ● コンパウンドに含まれるシリカの配合
    ● タイヤの残溝と劣化状態

    ウェットグリップ性能の等級確認

    日本自動車タイヤ協会(JATMA)のラベリング制度では、タイヤのウェットグリップ性能をaからdの4段階で評価しています。

    とくに「a」等級は最高のウェット性能を示し、雨天時の安全性が高いことを意味します。この等級は、タイヤの制動距離やグリップ力に直結するため、雨の日の走行が多い方は「a」等級のタイヤを選ぶと安心です。

    雨の日に感じるストレスや不安、疲労を軽減することができるので、タイヤを選ぶ際のポイントにしてみてください。

    トレッドパターンの排水性

    タイヤのトレッドパターン(溝のデザイン)は、排水性能に大きく影響します。
    深くて幅広い溝や、適切に配置されたサイプ(細かな切れ込み)は、効果的に水を排出し、ハイドロプレーニング現象のリスクを低減します。

    とくに、縦方向の溝がしっかりと設計されているタイヤは、直進時の排水性が高く、雨天時の安定性が向上します。

    タイヤの排水性

    排水性とは

    排水性とはタイヤの進行方向に水を弾き飛ばす性能と、接地部分の水を後方に流し出す性能です。

    1. タイヤの駆動力、制動力、およびけん引力の増加
    2. 操縦性、および安定性の向上
    3. タイヤの放熱性の向上
    4. 排水効果

    コンパウンドに含まれるシリカの配合

    タイヤのゴム素材(コンパウンド)にシリカを配合することで、路面との密着性が向上し、ウェット路面でのグリップ力が高まります。シリカはゴムの柔軟性を保ちつつ、低温時や湿潤路面での性能を向上させる効果があります。

    ただし、シリカの配合量が多すぎると発熱性が高まり、転がり抵抗が増加するため、各メーカーは最適なバランスを追求しています。

    タイヤの残溝と劣化状態

    タイヤの溝が浅くなると、排水性能が低下し、滑りやすくなります。とくに、溝の深さが1.6mm未満になると、法的にも使用が禁止されており、安全性が著しく損なわれます。
    また、経年劣化によりゴムが硬化すると、ウェットグリップ性能が低下します。
    製造から5年以上経過したタイヤは、たとえ溝が残っていても交換を検討するのがおすすめです。

    ブリヂストンではタイヤの溝の深さ別で、以下のような実験データが記載されています。

    【雨の日に高速走行したタイヤの接地面積の比較】

    【雨の日に高速走行したタイヤの接地面積の比較】

    参考:ブリヂストン

    上記の実験データでわかるように、タイヤの溝の深さが4mm以下になるとタイヤと地面の設置面積が減少し、ハイドロプレーニング現象が発生する危険性が高まります。

    タイヤのスリップサインが1.6mmより浅い場合でも、制動距離が伸び始める4mm以下になったらタイヤ交換を検討しましょう。

    雨に強い!排水性・グリップが優れているタイヤ6選

    雨に強い!排水性・グリップが優れているタイヤ6選

    雨の日の安全なドライブをサポートするため、プロが選ぶ雨天時に強いタイヤ6選とその特徴をご紹介します。

    【ヨコハマタイヤ】ブルーアース-GT AE51

    ブルーアースGT

    ヨコハマ公式サイトへ

    ヨコハマタイヤのブルーアース-GT AE51は、高い操縦安定性と低燃費性能を融合したグランドツーリングタイヤです。レーンチェンジ時のふらつきを低減し、快適な乗り心地を実現しています。

    新開発の高剛性・非対称パターンにより、力強い走りを提供し、全サイズで最高グレードのウェット性能「a」を獲得しています。

    ブルーアースシリーズは他にもミニバン専用の「BluEarth-RV RV03」
    (全サイズでウェット性能「a」)」、
    「BluEarth-A(全サイズでウェット性能「a」11サイズ、「b」6サイズ)」
    も「雨の日にもさらにしっかり走れる低燃費タイヤ」としておすすめです。

    メーカー ヨコハマタイヤ
    商品名 ブルーアース-GT AE51
    推奨車種 セダン・コンパクト・軽自動車
    ウェット性能 ウェット性能「a」全サイズ
    価格 7,700円〜/1本(単品)〜
    54,900円〜/4本(ホイール付き)

    【ダンロップ】ビューロ VE304

    ビューロ VE304

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    ダンロップのビューロ VE304は、静粛性はもちろんのこと、快適性、最高のウェット性能を求める方におすすめのタイヤです。

    『VEURO VE304』に刻まれた「3D波型グルーブ」は特殊な溝の掘りかたをすることで摩耗後でも排水性が悪化しません。

    タイヤの中にスポンジが入っているので走行中の『ゴー』という音を吸収してくれ、乗り心地もいい優れたタイヤになっています。

    メーカー ダンロップ
    商品名 ビューロ VE304
    推奨車種 セダン・ハッチバック・ミニバン・コンパクト・SUV
    ウェット性能 ウェット性能「a」69サイズ、「b」1サイズ
    価格 18,800円〜/1本(単品)
    98,800円〜/4本(ホイール付き)

    【ダンロップ】ルマン5+

    ルマン5+

    ダンロップ公式サイトへ

    ダンロップの「ル・マン V+(LE MANS V+)」は、従来モデル「ル・マン V」からウェット性能が向上しています。天然由来の「サステナブルシリカ分散剤」を採用することでシリカの配合量が増加。ウェットブレーキ性能が従来品より2%向上し、雨天時の安全性が高まっています。

    ゴムもしなやかで、路面の凹凸に柔軟にフィットすることで、乗り心地も改善されています。

    メーカー ダンロップ
    商品名 ルマン5+
    推奨車種 セダン・コンパクト・軽自動車
    ウェット性能 ウェット性能「b」全67サイズ
    価格 7,700円〜/1本(単品)〜
    52,700円〜/4本(ホイール付き)

    【ブリヂストン】プレイズ PX-RV II

    プレイズ

    ブリヂストン公式サイトへ

    ブリヂストンのプレイズ PX-RV IIは、接地形状の適正化とシリカ配合のウェット重視ゴムで高いウェット性能を発揮します。

    濡れた路面でもしっかり曲がり、しっかり止まる性能を追求しています。専用設計とシリカ配合ゴムによりライフ性能を向上させ、全サイズでウェット性能「a」を獲得しています。

    メーカー ブリヂストン
    商品名 プレイズ PX-RV II
    推奨車種 ミニバン・コンパクトSUV
    ウェット性能 ウェット性能「a」30サイズ、「b」6サイズ
    価格 7,700円〜/1本(単品)〜
    52,700円〜/4本(ホイール付き)

    【ブリヂストン】エコピアNH200

    エコピアNH200

    ブリヂストン公式サイトへ

    ブリヂストンのエコピアNH200は、低燃費性と安全性を兼ね備えたタイヤで、摩耗してもウェット性能が低下しにくい設計が特徴です。

    エコピアは新車装着タイヤで装着されることも多いのですが、NH200はタイヤが摩耗してもウェット性能が低下しにくく作られています。

    エコテクノロジー構造により、転がり抵抗を低減し、ウェット性能とライフ性能を両立しています。

    メーカー ブリヂストン
    商品名 エコピアNH200
    推奨車種 セダン・スポーツ・ミニバン
    ウェット性能 ウェット性能「b」全サイズ
    価格 11,550円〜/1本(単品)〜

    【トーヨータイヤ】ナノエナジー3PLUS

    ナノエナジー3PLUS

    トーヨータイヤ公式サイトへ

    トーヨータイヤのナノエナジー 3PLUSは、ウェット性能にさらなる磨きをかけたスタンダード低燃費タイヤです。

    エコタイヤとして一番重要な転がり性能で「NANOENERGY 3」従来モデルの「A」を維持したまま、ウェット性能もcランクからbランクまで上がっており、燃費とウェット性能を両立したエコタイヤです。

    メーカー トーヨータイヤ
    商品名 ナノエナジー3PLUS
    推奨車種 セダン・コンパクト・スポーツカー
    ウェット性能 ウェット性能「b」全サイズ
    価格 4,870円〜/1本(単品)〜
    46,400円〜/4本(ホイール付き)

    滑らないためにできるタイヤ点検方法

    滑らないためにできるタイヤ点検方法

    ● 空気圧をチェックする
    ● タイヤの残溝をチェックする
    ● 偏摩耗していないかチェックする

    空気圧をチェックする

    空気圧不足のまま走行した場合、燃費の悪化や走行性能の低下偏摩耗(タイヤの両肩部が摩耗しやすい)
    が発生する可能性があります。

    空気圧を見るときは、運転席側のドア表示を見ればどのくらい入れるのか分かります。

    空気圧は運転席側のドア表示を見ればよい

    タイヤの残溝をチェックする

    走行の前にはタイヤの残り溝をチェックしましょう。
    とくに雨の日の高速道路等では、タイヤと路面の間の水をかき出す力(排水性能)が低くなり、タイヤが浮く状態になることで、ハンドルやブレーキが効かなくなるハイドロプレーニング現象が発生しやすくなるので、注意してくださいね。

    偏摩耗していないかチェックする

    タイヤの接地面が極端すり減っている箇所がないかを点検しましょう。

    タイヤの偏った摩耗(偏摩耗・片べり)は、空気圧が適正でなかったり、タイヤローテーションをせずに使用していた場合に起こりやすくなります。

    タイヤの異常を見つけ寿命を長くするためにもローテ―ションをおすすめします。

    雨の日に強いタイヤはタイヤワールド館ベストにおまかせ

    雨の日に強いタイヤはタイヤワールド館ベストにおまかせ

    今回は雨に強いタイヤを詳しくご紹介させていただきました。

    夏タイヤも種類がたくさんありどれを選べばいいのか悩みますよね。ベストでは安全にお車に乗って頂く為にもお客様の用途に合ったタイヤを選ばせていただきます。

    みなさまのご来店スタッフ一同心よりお待ちしております!

    作成者: 鎌田 翼

    タイヤワールド館ベスト栗生店 店長

    趣味:車を整備する事。
    特技:手指の関節をポキポキ鳴らせる事。
    モットー:お客様から感謝される接客を心がける事。