タイヤ交換を自分でしようと思っても、「どうやってやればいいのだろう?」と、手順がわからず困っていませんか?
自分でタイヤ交換ができれば工賃を節約できますが、本当にひとりでできるのか不安になってしまいますよね。
今回は、自分でタイヤ交換をするための詳しい手順や注意点を紹介します。
自分でタイヤ交換をしてみたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
タイヤ交換は自分でできる?
タイヤ交換は、手順を覚えれば自分でできます。
一見、難しそうに感じるかもしれませんが、慣れてしまえば意外と簡単に作業できるようになります。
ただし、正しい工程で行わないと脱輪などの事故につながる可能性があるので注意が必要です。タイヤ交換の手順は、インターネットや動画サイトなどに数多く掲載されているので、参考にしながら行うとよいでしょう。
お店でタイヤ交換をすると数万円かかることもあるので、自分でできるようになると節約できますよ。
自分でタイヤを交換するために必要な工具
自分でタイヤ交換をする際に必要な主な工具は、以下の6点です。
● ジャッキ
● ジャッキハンドル
● ボックスレンチ
● トルクレンチ
● 軍手
● 輪止め
それぞれの工具の値段は以下のとおりです。
アイテム |
価格 |
油圧式ジャッキ |
約3,000~6,000円 |
ジャッキスタンド |
約1,500~2,500円 |
ボックスレンチ |
約1,000~2,000円 |
トルクレンチ |
約2,500~4,000円 |
軍手 |
約100~500円 |
輪止め |
約1,000~3,000円 |
必要な工具を持っていない場合は、カー用品店で購入しておきましょう。
自分でタイヤ交換する際に必要なものについては、下記記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
車のタイヤ交換を自分でする手順
車のタイヤ交換を自分でする際の手順を紹介します。
- 新しいタイヤを用意する
- タイヤ交換を行う場所を確保する
- 車が動かないよう輪止めを設置する
- ホイールナットを少し緩める
- 車体をジャッキアップする
- ナットをすべて外し古いタイヤを取り外す
- 新しいタイヤを取り付ける
以下でそれぞれを詳しく解説します。
1.新しいタイヤを用意する
タイヤ交換の作業をはじめる前に、まずは新しいタイヤを取り寄せておきましょう。
タイヤの側面には、「175/65R14 82S」や「165/55R15 75H」といった数字が書いてあります。
これがタイヤのサイズなので、基本的には同じものを購入すれば問題ありません。新しいタイヤはカーショップやタイヤ専門店などの実店舗や、インターネット通販で購入できます。
タイヤのサイズの見方については、下記の記事で詳しく解説しています。
2.タイヤ交換を行う場所を確保する
新しいタイヤと工具が準備できたら、作業を行うスペースを確保します。
ガレージや駐車スペースなど、平らで安全な場所で行ってください。
車のタイヤ交換にはある程度、広いスペースが必要です。自宅にスペースがない場合は友人や親戚などに相談して場所を借りるのも方法のひとつです。
公道やお店の駐車場など、ほかの人の迷惑になる場所ではタイヤ交換を行なわないよう注意しましょう。
もしどうしても場所が確保できないときは、無理せずお店で取り付けてもらうことが得策です。
3.車が動かないよう輪止めを設置する
作業場所が決まったら、車が動かないように輪止めを設置します。軍手も忘れずに着用しましょう。
自分でタイヤ交換している最中に車が動いてしまうと、作業が満足に行えません。最悪の場合車が勝手に動き出し、重大な事故につながる危険性もあります。
安全にタイヤ交換を行うためにも、必ず輪止めを設置しましょう。
4.ホイールナットを少し緩める
ジャッキアップする前に、現在ついているタイヤのナットを少し緩めておきましょう。車体を持ち上げてからでは、ナットを回すための力を入れにくくなるためです。
その後の作業をスムーズに行うためにも、あらかじめ半分くらいまでナットを緩めておくとよいでしょう。
5.車体をジャッキアップする
準備ができたら車体を持ち上げますが、その際は車のサイドブレーキをかけて、ドライブレンジを「P(パーキング)」にいれておきます。
自動車には「ジャッキアップポイント」という、ジャッキを設置するための場所が設けられています。
車体の下部分になるので確認しにくいのですが、どの車にも必ずあるので探してみてください。
ジャッキアップポイントにあわせて機械を設置して、車体を少しずつ持ち上げます。
ジャッキは棒を手で回して持ち上げるタイプもありますが、力に自信のない人は電動ジャッキがオススメです。
ジャッキアップした際に車体の下にもぐりこむと、万が一機械が外れてしまった際に大けがをしてしまうので注意してください。
6.ナットをすべて外し古いタイヤを取り外す
タイヤが地面から約5cmほど浮いたら、事前に緩めておいたナットをさらにまわして、古いタイヤを完全に外します。
ナットを取ればタイヤが動くようになるので、慎重に手前に引き出します。
取り外した古いタイヤは、一時的に車体の下に挟んでおきましょう。
こうすることで、万が一ジャッキが外れた際にもタイヤが車体を支えてくれます。
7.新しいタイヤを取り付ける
古いタイヤを取り出したら、ボルトの位置を確認して新しいタイヤを取り付けます。
新しいタイヤのナットを締めていきますが、この時点ではきつく締めずに仮止め程度にしておいてください。
すべてのナットの仮締めが終わり、適切なタイヤの位置が調整できたら本締めを行います。
本締めの際は時計回りではなく、対角線上のナットを交互に締めていきます。
たとえば、上→下→右→左といった順番で、四方から少しずつ力を加えていくことが重要です。
時計回りに力を加えていくと力のバランスが取りにくく、正しくナットが締まらない可能性があります。
ナットを本締めする際は、かならず順番を守って行ってください。
自分でタイヤ交換する際のトラブルを防ぐために気をつける7つのこと
タイヤ交換を自分でする際には、注意すべきポイントがあります。
作業の前と後でチェックする箇所が異なるので、それぞれの段階の注意点を把握しておきましょう。
● タイヤ交換の作業中の注意点
● タイヤ交換の作業後の注意点
以下でそれぞれを詳しく解説します。
タイヤ交換の作業中の注意点
注意すべき7つのポイントのうち、以下の4つは作業中に確認しておきましょう。
- ホイールや部品の破損
- 作業中の怪我や事故
- ナットの締め方
- タイヤのバランス調整<
詳しく見ていきましょう。
1.ホイールや部品の破損
タイヤ交換作業中に多く発生するトラブルのひとつは、ホイールやホイールカバーの破損です。
ホイールは薄いアルミ製なので、落下したり工具がぶつかったりするとへこみます。タイヤ交換の作業に気を取られて、うっかりホイールを傷つけないように注意しましょう。
3.作業中の怪我や事故
はじめてタイヤ交換をする人は、怪我や事故にくれぐれも注意してください。
とくにジャッキアップしている車の下にもぐりこむことは、必ず避けましょう。ジャッキアップしていても、器具がズレると車体が落下する恐れがあります。
使い慣れない工具で手を怪我することもあるので、落ち着いて作業することが大切です。
3.ナットの締め方
タイヤを安全に取り付けるためにも、ナットは真っすぐに締めるように注意してください。
ナットが斜めに入り込んだまま無理やり締めていくと、途中で回らなくなります。また最後まで回せたとしても、実際には斜めに入っているので、ネジ山が変に噛み込みを起こすケースも多いです。
真っすぐにナットが締まっていないと、次にタイヤ交換をする際に歪んでいて外せなくなります。無理やり外そうとするとネジ山がダメになり、新調しなくてはならなくなります。
なお、ナットの締め方については、下記の記事で詳しく解説しています。
4.タイヤのバランス調整
夏タイヤからスタッドレスへの切り替えや、前後のタイヤのローテションだけなら、バランスが大きく崩れることは少ないですが、新品のタイヤをつける際に一旦ホイールを外すと再調整が必要な場合が多いです。
タイヤのバランス調整は「ホイールバランサー」という機械を使って行います。市販でも販売されている機械ですが、タイヤ交換初心者が正しく調整するのは少し難しいかもしれません。
タイヤをホイールから外してのタイヤの交換をしたい場合は、自分で行うのが少し難しいので、お店でタイヤ交換をお願いしたほうがよいでしょう。(厳密にいうと、「タイヤ入れ替え」や「タイヤ組み換え」という作業です)
なお、タイヤ交換後のバランス調整については、下記の記事で詳しく解説しています。
タイヤ交換の作業後の注意点
以下の3つのポイントはタイヤ交換の作業後に、確認しておきましょう。
- 空気圧のチェック
- ハンドリングの違和感チェック
- 脱輪しないか確認
詳しくみていきましょう。
1.空気圧のチェック
近年車の事故で増えているのが、空気圧不足でのバーストやパンクです。
「自分でタイヤ交換したけど、空気圧を測るのを忘れていた……。」という確認不足が原因です。
空気圧が不足すると段差の乗り上げ時などに、コード(タイヤ内部のワイヤー)が切れることがあります。
タイヤ交換の最後は、空気圧のチェックも忘れずに行うようにしましょう。
タイヤの空気圧については、下記の記事で詳しく解説しています。
2.ハンドリングの違和感チェック
タイヤ交換が終わったあとは、試運転を行ってください。交通量の多くない道を選び、ハンドリングの具合を確かめます。タイヤ交換をしていきなり遠出をすると、途中で不具合が発生する可能性があるため危険です。
目視ではしっかり装着できていても、実際に運転してみると違和感を覚えるケースも多いので、ハンドリングに問題がないかチェックしましょう。
3.脱輪の危険がないか確認
自分でタイヤ交換をした際に、もっとも怖いトラブルが脱輪です。脱輪によって自分の車がバランスを崩すだけでなく、重大な事故を引き起こす可能性があります。
タイヤ交換の工程でホイールナット(ボルト)を締める際は、緩みがないかをよく確認するようにしましょう。
車種ごとに規定トルクが定められているため、ただ単に締めればいいわけではなく、緩すぎても締め過ぎてもよくありません。取り付け後、締め付けの専用の道具であるトルクレンチ(適正な力で締め付ける道具)で規定通りに締め付けましょう。
またゆるみ防止のために、タイヤ交換した約1週間後にナットを締め直すのもオススメです。
交換後の古いタイヤはどうする?
取り外した古いタイヤは、自治体の家庭ごみ(粗大ごみ)としては処分できないケースが多いです。古いタイヤを処分したい場合は、以下の方法を検討してみてください。
● 不用品回収業者に回収してもらう
● カーショップで引き取ってもらう
それぞれを詳しく解説します。
不用品回収業者に回収してもらう
取り外したタイヤを早急に片づけたい場合は、不用品回収業者に依頼するとスムーズです。各地域の不用品回収業者は、電話1本で回収に来てくれます。
タイヤの処分代金の目安は、出張や運搬費用なども含めて1本4,000~8,000円程度です。
カーショップで引き取ってもらう
カーショップ・ディーラー・ガソリンスタンドなどの店舗では、古いタイヤの引き取りを行っています。これらの店舗では1本あたり約300~500円程度で、タイヤを処分してくれます。
不用品回収業者に比べると格段に安いですが、自分で店舗まで運ばなくてはなりません。手間がかかりますが、できるだけタイヤ交換を安く済ませたい人はぜひ利用してみてください。
なお、タイヤを処分する方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
シーズンオフのタイヤは保管サービスという選択も
タイヤ交換をしたけれど、外したタイヤを置く場所がない‥そんな時は「タイヤ保管サービス」がオススメです。
タイヤは保管状態によって、寿命が大きく変わります。
直射日光や雨水が当たらない、通気性の良いところで保管しましょう。
カー用品店やタイヤショップでは、タイヤを一時的に保管してくれるサービスを行っている店舗が多くあります。
ただ保管するだけでなく、タイヤのバランス調整や空気圧チェックなども行ってもらえます。
当店でもタイヤ保管サービスを行っておりますので、ぜひご検討ください。
タイヤ交換を自分で行う際のよくある質問
最後に、タイヤ交換を自分で行う際のよくある質問に回答します。
- タイヤ交換は自分でしないほうがいい?
- タイヤ交換を自分でする人の割合は?
疑問を解消してから、タイヤ交換を自分で行うようにしましょう。
タイヤ交換は自分でしないほうがいい?
タイヤ交換は正しい手順を踏めば自分で行うことは可能です。ただし、方法を誤るとタイヤ交換が完了しないばかりか、重大な事故につながる可能性があります。
自分でタイヤ交換を行うのが不安な方は、店舗で交換してもらいましょう。
タイヤ交換を自分でする人の割合は?
オートックワンが行ったアンケートでは、「タイヤ交換を自分でする?」という質問に、『自分で交換する』と答えた人は59%、『お店に頼む』と答えた人は41%という結果が出たそうです。
オートックワンでの調査をもとに自社で作成
また別のアンケートでは、「自家用車を維持していくなかで、あなたが面倒に思う作業は何ですか?」という質問に対して、約53%の人が『タイヤ交換』と回答しています。
参照:日本グッドイヤー株式会社
そのほかは、車検が64.5%、洗車が55.8%、オイル交換が40.3%という回答でした。
これらの結果から、約半数の人がタイヤ交換を面倒と感じながらも、自分で行う人が多いことがわかります。とくに雪が降る地域の場合は、毎年スタッドレスタイヤに履き替えなくてはならないため、タイヤ交換の料金は大きな出費です。
自分でタイヤ交換をできる技術を身につけておくと、パンクや破損などいざという時にも安心ですね。
慣れればタイヤ交換は自分で簡単にできる
はじめてタイヤ交換を自分で行うときは、とても難しく感じるかもしれません。しかし、慣れてしまえば1~2時間程度でタイヤ交換作業は完了します。タイヤ交換がスムーズにできるようになれば、時間もお金も節約できますよ。
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