最終更新日 2025年12月24日
スタッドレスタイヤの時期になると「インチダウン」という言葉が多く飛び交います。その「インチダウン」とは何が良くて、何が違うのか。
今回はそんな疑問をシミュレーションと共にご紹介していきます!
インチダウンとは

よく耳にする「インチアップ」はタイヤホイールのサイズを上げることです。「インチダウン」とはその反対で、タイヤホイールサイズを下げることを指します。
インチダウンはタイヤの外径は変えず、ホイールのサイズだけを小さくします。
インチダウンのメリット

まずはインチダウンのメリットを見ていきましょう。インチダウンをすることで、様々なメリットが期待できます。
- コスト削減効果
- 乗り心地の向上
- 静粛性・燃費・ハンドリング性能の向上
1.コスト削減効果
経済性: インチダウンする場合、ホイールとタイヤのサイズが小さくなります。多くの場合、タイヤ・ホイールはサイズと価格は比例するため、購入費用を安く済ませることができます。
● 交換費用の削減
● タイヤ交換の頻度が減る場合もある
ホイールサイズが小さくなることで、タイヤやホイールの価格が抑えられます。特にタイヤは、サイズが大きくなると価格が大幅に上昇するため、インチダウンによるコスト削減効果は大きいです。
また、タイヤ交換の頻度が減る場合もあります。タイヤの摩耗は、サイズや走行条件によって異なりますが、一般的にインチダウンすることでタイヤの寿命が延びる可能性があります。
2.乗り心地の向上
インチダウンをすると扁平率が高くなるため、路面の衝撃を吸収しやすく、ソフトな乗り心地になります。
● 快適性の向上
扁平率が上がることで、タイヤのクッション性が増します。これにより、路面の段差や小さな振動を吸収しやすくなり、乗り心地が向上します。
また、長距離運転や悪路での走行でも、快適性を維持することができます。
3.静粛性・燃費・ハンドリング性能の向上
その他にも、以下のメリットも期待できます。
● 燃費の向上
● ハンドリングの軽快化
扁平率が高くなることで、タイヤと路面の接触面積が小さくなり、ロードノイズが減少します。車内が静かになるため、長距離運転時の疲労軽減にもつながります。
また、タイヤの回転抵抗が減ることで、燃費が向上する可能性があります。(車両や走行条件によって効果は異なります。)
さらに、タイヤが軽くなることで、ハンドリングが軽快になる場合もあるでしょう。
インチダウンのデメリット

インチダウンはタイヤの価格を抑えたり、乗り心地を向上させたりといったメリットが期待できますが、一方でデメリットも存在します。
メリットと合わせて考慮し、ご自身のカーライフに合った選択をしてくださいね。
- 見た目が変わる
- 性能が低下する場合がある
- 運転感覚の変化・スピードメーターの誤差・車検不適合の可能性がある
1.見た目が変わる
インチダウンでまず挙がるデメリットは、外観の変化です。
● ホイールのデザインが目立たなくなる
インチダウンはホイールが小さくなり、タイヤのゴム部分が厚くなるため、スポーティな印象が薄れてしまいます。
また、ホイールが小さくなるので、ホイールデザインを楽しみたい方にとっては、インチダウンによってホイールが目立たなくなることがデメリットとなるでしょう。
2.性能が低下する場合がある
インチダウンは、タイヤと路面の接地面積が減るということです。そのため、様々な性能低下が起こる可能性があります。
● コーナリング性能の低下
● ハンドリングの悪化
● 高速安定性の低下
タイヤと路面の接地面積が減るため、とくにウェット路面やドライ路面でのグリップ力が低下する可能性があります。これにより、加速時や減速時の安定性が損なわれ、急な操作に対応しにくくなる場合があります。
また、タイヤの横剛性が低下するため、コーナリング時の安定性が損なわれ、ふらつきやすくなる可能性があります。
インチダウンではタイヤの断面形状が扁平率が高くなり、側壁が厚くなります。側壁が厚いタイヤは、変形しにくいため、タイヤの応答性が鈍くなり、ステアリング操作に対する車の反応が遅れることがあります。
3.その他のデメリット
その他のデメリットとして、以下のことが考えられます。
● スピードメーターの誤差
● 車検不適合の可能性
インチダウンでは扁平率が高くなるので、扁平率が低いタイヤと比較して、突き上げ感が強くなる場合があります。
また、タイヤの外径を変えるということなので、インチアップの際と同様に、スピードメーターの誤差が発生し、実際の速度と表示速度が異なる場合があります。
さらに、外径が大幅に変えると車検に通らない可能性があるため、不安な方やプロにご相談することをおすすめします。
設定サイズ内でインチダウンするのがおすすめ

インチダウンの話をすると、サマータイヤは大きめだけど、スタッドレスタイヤはサイズ設定内でインチダウンしたい‥というパターンを検討される方が多いと思います。
大抵の車には、グレードに応じた2~3サイズのタイヤサイズの設定があり、その中で一番小さいサイズを選択し、インチダウンをすることがおすすめです。
例えば、トヨタのアクアの主要諸元表・装備一覧をみてみると、15〜17インチの3サイズあります。

グレードが高い車を購入した場合、大きいタイヤが純正でセットされていることが多いので、アクアの場合は15インチにするのがおすすめです。
ですが、それ以下のサイズダウンももちろん可能な場合もありますので、大幅なインチダウンをご希望の方は、念のためディーラーか購入店で確認するのが安心です。
実際のインチダウン時の金額シュミレーション(4代目ヴォクシー)
メリットとデメリットがわかったところで、実際にどのようにサイズと金額が変わるのかトヨタのヴォクシーを例に見ていきましょう!
4代目ヴォクシーは16インチと17インチ装着車があります。

| 17インチの場合 | |
|---|---|
| 純正サイズ | 205/55R17 |
| タイヤホイールセット例 | ウィンタートランパスTX+ホットスタッフGスピードG-08 |
| 参考金額(当社オンラインショップ) |
122,660円(2025年12月現在) |
| 最新価格へ | ホイールセットはこちら |
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インチダウン可能!
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| 16インチの場合 | |
|---|---|
| 純正サイズ | 205/60R16 |
| タイヤホイールセット例 | ウィンタートランパスTX+ホットスタッフGスピードG-08 |
| 参考金額(当社オンラインショップ) |
102,720円(2025年12月現在) |
| 最新価格へ | ホイールセットはこちら |
金額の差が結構ありますね。
タイヤサイズとタイヤ価格の関係は、サイズが下がるから安くなるとは一概には言えず、タイヤの流通量にも左右されるので、注意が必要です。
なお、90系ヴォクシーは15インチへのインチダウンはできませんので、ご注意ください。
インチダウンでよくある質問

ここからはインチダウン時によくある質問についてお答えしていきます。
- インチダウンの成功・失敗例を教えて
- ホイールのインセット・オフセットはインチダウンで変えるべき?
- インチダウンしても見た目を維持する方法はある?
1.インチダウンの成功・失敗例を教えて
タイヤのインチダウンは乗り心地やコスト面でメリットがある反面、サイズ選びや外径管理を誤ると思わぬトラブルにつながることもあります。実際の成功例と失敗例の代表をみていきましょう。
インチダウン成功例
● 扁平率が高くなることでロードノイズが減り、静粛性が上がった。
● 燃費が改善したという声もあります。
● 冬場のスタッドレス用途で、細めのタイヤが雪面に喰いつきやすくなった。
● インチダウンすることでタイヤ単価が安く、年間トータルコストが下がった。
インチダウン失敗例
● タイヤ幅が狭くなることでコーナリング安定性が落ち、走行フィーリングに不満足。
● 外径を計算せずに小さめサイズにしたことでサスペンションやショックと接触してしまった。
● 外径差でスピードメーター表示が実際とズレ、GPS等と数値が合わず違和感が出た。
成功例は 外径誤差を抑え、用途に合ったサイズを選択したケースが多く、失敗例は 外径管理不足や走行特性・干渉まで考慮しなかったケースに起きがちです。インチダウンは外径を純正に近づけることが重要です。
2.ホイールのインセット・オフセットはインチダウンで変えるべき?
インチダウンだからというわけではありませんが、ホイール交換時は純正インセットと大きく違わない値を選ぶことが重要です。
インセットとはホイール中心線から取付面までの距離で、数値が変わるとホイール/タイヤの位置が車体内外に動きます。インセットが純正値と大きく異なると、フェンダーやサスペンション部品との干渉、車検でのはみ出し不適合、走行時の挙動変化 のリスクが高まります。
具体的にはホイールが外側に出たり内側に入りすぎることで干渉やはみ出しが起き、車検で不合格となるケースもあります。そのため、インチダウンでサイズを変える場合でも純正値から大きく離れないインセット範囲で選定・干渉チェックを行いましょう。
専門店や実車計測で確認するのが安心です。
3.インチダウンしても見た目を維持する方法はある?
デザインでタイヤを大きく見せるためには、ホイールのデザインを工夫する方法があります。以下のホイールのデザインの違いで同じ15インチサイズホイールをご覧ください。
| 同サイズ15インチのホイール | ||||
| LCZ010 15インチ | JP110 15インチ | |||
![]() |
![]() |
|||
同じサイズのホイールですが、左のホイールの方が大きく見えませんか?
このように、ホイールの種類、『スポークがリムまで伸びている』などで、デザイン的にホイールが大きく見えるものもありますので、見た目にこだわる方はこの辺りを注意してホイールを選択されることをオススメします。
もっと色々なホイールを見てみたい!という方は、当社オンラインショップ【シミュレーション】を使用してみてください!
また、ベスト各店では、ホイール実物をご自身の車へ仮当てすることもできます!
店舗で直接商品を見て、スタッフと会話をすることで、ぜひイメージを膨らませてください。
インチダウン時の注意点

インチダウンをする際の最注意点は「タイヤの外径を変えないこと」です。
その他の注意点も順に見ていきましょう。
● ブレーキキャリパーの干渉に注意
● ロードインデックスを下回らない
メーターの誤差に注意する
タイヤの外径を変えると、タイヤの円周の長さが変わってしまい、スピードメーターの誤差が出てしまいます。
車検で合格するメーター誤差の許容範囲は+6%~-22.5%です。
| 対象車両 | スピードメーター表示 40km/h 時の実速度許容範囲 |
|---|---|
| 平成19年1月1日以降製造の車 | 30.9km/h 〜 42.55km/h |
| 平成18年12月31日以前製造の車 | 30.9km/h 〜 44.4km/h |
ブレーキキャリパーの干渉に注意
車種によってはブレーキキャリパーが干渉してしまい、インチダウンができないこともありますので、ご注意ください。

ロードインデックスを下回らない
タイヤにはロードインデックスという、荷重制限があります。車によってロードインデックスが定められており、これを下回るものは車検に通らない可能性があります。
荷重指数は車のドア部分のシールから、確認できます。

運転席のドアを開けた左側に白いステッカーがあります。(左側のボディ部分を上から下まで確認すると見つかります。)
まとめ
インチダウンをご検討される場合はご自身の乗っている車の詳細を調べておくことが大切です。
不安、お困りの際はタイヤの専門スタッフへご相談ください!
型式や年式、グレードを教えて頂けるとスムーズにご提案できます♪
スタッドレスタイヤのシーズンも目前、スタッドレスタイヤでインチダウンをご検討はいかがですか?
上記で説明させていただいたメリット・デメリット・注意点を参考にご自分に合ったタイヤを選んでくださいね。

趣味:ドライブ旅行
モットー:一期一会
特技:スノーボード
物腰柔らかな接客で安心して買い物が出来ると定評あり。



















