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タイヤチェーンとスタッドレスタイヤはどちらが良いの?チェーンの選び方も紹介!

最終更新日 2023年10月4日

タイヤチェーンとスタッドレスタイヤはどちらが良いの?チェーンの選び方も紹介!

「タイヤチェーンとスタッドレスタイヤはどちらが良いの?」
「スタッドレスタイヤとタイヤチェーンの違いはなんだろう?」

上記のようにお悩みの方もいるのではないでしょうか?

本記事では、タイヤチェーンとスタッドレスタイヤの違いや特徴、タイヤチェーンの選び方を紹介します。

タイヤチェーンとスタッドレスタイヤの違い

タイヤチェーンとスタッドレスタイヤの違い

タイヤチェーンとスタッドレスタイヤは冬シーズンで活躍する商品ですが、それぞれ特徴があります。タイヤチェーンは雪道や凍結路に加え、チェーン規制が発令されている区間で使用可能です。

スタッドレスタイヤは雪道や凍結路はもちろん、冬シーズンは常時装着するため一般道や高速道路での走行が可能です。タイヤチェーンとスタッドレスタイヤの違いを、以下の表にまとめました。

比較項目 タイヤチェーン スタッドレスタイヤ
価格帯 安価な商品が多い × 数十万以上費用がかかる
路上着脱 必要時に着脱できる × 着脱時には道具が必須
利便性 × 着脱が必要 シーズン中は履き替え不要
乗り心地 × 音や振動が発生する 夏用タイヤと遜色なし
グリップ性能 雪道でも安定した走行が可能 タイヤチェーンより劣る
走行スピード 約30km~60km程度 時速100km以上可
持ち運びやすさ 車に積み込みやすい × 持ち運びに負担がかかる
耐久性 × ちぎれる、ホイールを傷つける可能性がある 3,000km走行で約1mm摩耗
保管 省スペースで保管可能 × 保管スペースが必須

タイヤチェーンの特徴

タイヤチェーンの一番の特徴は、雪上で発揮するグリップ性能です。タイヤチェーンをタイヤ本体に取り付けることで、雪道や凍結路など滑りやすい路面で安定した走行を可能にします。

またタイヤチェーンには金属製品や非金属製品、布製品などさまざまな種類のタイヤチェーンが存在し、種類によって装着方法や走行性能が異なります。

ただし雪道途中のトンネル内やチェーン規制が発令されていない場所など、雪のない路面では使用できません。
「タイヤチェーンの脱着が面倒だからこのままトンネルを抜けよう」
「ゆっくり走ればタイヤチェーンをつけたままでも大丈夫」

このような考えでタイヤチェーンを付けたまま雪道や凍結路を走行した場合、以下の危険があるため注意しましょう!

● タイヤチェーンが切れる
● ホイールが傷つく
● チェーンが使用できなくなる

雪道や凍結路など冬の滑りやすい路面を安全に走行するために、タイヤチェーンの特徴を把握しておきましょう。タイヤチェーンのメリットデメリットを、以下の表にまとめました。

メリット デメリット
低価格で手に入る ホイールに傷がつきやすい
雪上でのグリップ性能が抜群 速度が上げられない
タイヤの溝の深さ 脱着に手間がかかる

スタッドレスタイヤの特徴

スタッドレスタイヤはタイヤチェーンと異なり、日常生活で普段使いとして使用できます。スタッドレスタイヤは夏タイヤと比較してゴム素材がやわらかいため、雪道や凍結路でも強い摩擦力を発揮し安定して走行することが可能です。

スタッドレスタイヤは溝の深さが5mmになると、プラットホームという印が出現します。プラットホームが出現した場合、冬用のタイヤとして使用や、雪道や凍結路の走行ができないため注意しましょう。

またタイヤ表面が摩耗しやすいため、スタッドレスタイヤの寿命は約3年といわれています。

【スタッドレスタイヤの特徴】

タイヤの寿命 約3年
タイヤの使用期間 11月~4月(積雪地域の場合)
タイヤの柔軟性 やわらかい
タイヤの溝の深さ 10mm
路面摩擦抵抗 高い

スタッドレスタイヤのメリットデメリットを、以下の表にまとめました。

メリット デメリット
ノーマルタイヤと変わらない使用感 コストがかかる
一度の装着で手間いらず タイヤの保管場所が必要

スタッドレスタイヤとタイヤチェーンは併用がおすすめ

スタッドレスタイヤとタイヤチェーンは併用がおすすめ

タイヤチェーンとスタッドレスタイヤは併用することをおすすめします。

理由はスタッドレスタイヤを履いて走行していても、「全車両チェーン装着規制」が発令される道路があるからです。

後述しますが「全車両チェーン装着規制」が発令された区間では、スタッドレスタイヤ装着車でもチェーンを装着して走行しなければいけません。

また積雪地域では「全車両チェーン装着規制」が発令される道路が多いため、タイヤチェーンの準備をしていない場合、通行できず立ち往生する可能性も考えられます。

チェーン規制が発令しても安全に走行するためには、タイヤチェーンを事前に備えることが重要です。

積雪地域にお出かけの際は、安全に走行するためにもタイヤチェーンとスタッドレスタイヤを併用できる状態にしておきましょう!

スタッドレスでもチェーン装着が義務付けられるチェーン規制

チェーン規制とは大雪に対する緊急発表や大雪特別警報が出た場合など、異例の降雪がある場合に実施する規制のことです。

タイヤチェーンを装着することで大雪による大規模な立ち往生を防止し、従来なら全面通行止めにしていた時間帯でも通行可能にすることを目的にしています。

チェーン規制道路ではスタッドレスタイヤを装着していても、チェーン規制対象区間はタイヤチェーンを装着することが義務付けられているため、タイヤチェーン未装着車は通行できません。

タイヤチェーン規制がある区間手前には、以下の標識が存在します。

タイヤチェーン規制標識

参照:国土交通省【タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め】

タイヤチェーン規制が発令しても安全に走行できるように、積雪地域方面にお出かけを予定している方は事前にタイヤチェーンを準備しておきましょう!

スタッドレスにチェーンを取り付けるタイミング

スタッドレスにチェーンを取り付けるタイミング

スタッドレスにチェーンを取り付けるタイミングは、一般的にタイヤチェーン規制エリア前のチェーン着脱場です。

NEXCO中日本の管軸エリアでは、以下のチェーン着脱場が各所に存在します。

チェーン着脱場

参照:NEXCO中日本ドライバーズサイト

「一度付けたタイヤチェーンはいつ取り外せばよいの?」
「取り付けた後は目的地までチェーンが付いた状態で走行するの?」

タイヤチェーンは雪道や凍結路以外で走行した場合、切れる可能性があるため状況に応じてこまめに着脱しなければいけません。

金属製品のタイヤチェーンは雪道や凍結路では高いグリップ性能を発揮する一方で、雪のない道路では摩擦抵抗により切れてしまいます。

また群馬県と新潟県の県境に長い関越トンネルは、金属製のタイヤチェーンを装着したままの走行は禁止されているため注意が必要です。

金属製のタイヤチェーンを付けたまま雪のない道路を走行した場合、タイヤチェーンが破損して切れるだけでなく、最悪事故につながるため危険です。

チェーン規制区間の前後にはチェーン着脱場があるため、安全な走行を継続するためにタイヤのチェーンはこまめに着脱しましょう!

【要確認】スタッドレス装着済みでもチェーンが必要な規制区間

本章では、スタッドレス装着済みでもチェーンが必要な規制区間を紹介します。

直轄国道のチェーン規制区間

都道府県 路線番号 箇所名 区間 延長(km)
山形県 112 月山道路 西川町月山沢~鶴岡市田麦俣 15.2
山梨県・静岡県 138 山中湖・須走 山梨県山中湖村平野~静岡県小山町須走字御登口 8.2
新潟県 7 大須戸~上大鳥 村上市大須戸~村上市上大鳥 15.3
福井県 8 石川県境~坂井市 あわら市熊坂~あわら市笹岡 3.2
広島県・島根県 54 赤名峠 広島県三次市布野町横谷~島根県飯南町上赤名 2.5
愛媛県 56 鳥坂峠 西予市宇和町~大洲市北只 7.0

高速道路のチェーン規制区間

都道府県 路線番号 箇所名 区間 延長(km)
新潟県・長野県 E18 上信越道 信濃町IC~新井PA(上り線) 24.5
山梨県 E20 中央道 須玉IC~長坂IC 8.7
長野県 E19 中央道 飯田山本IC~園原IC 9.6
石川県・福井県 E8 北陸道 丸岡IC~加賀IC 17.8
福井県・滋賀県 E8 北陸道 木之本IC~今庄IC 44.7
岡山県・鳥取県 E73 米子同 湯原IC~江府IC 33.3
広島県・鳥取県 E74 浜田道 大朝IC~旭IC 26.6

転載:国土交通省

【例外】スタッドレスのみでタイヤチェーンがいらない地域もある

スタッドレスタイヤとタイヤチェーンの併用をおすすめする一方で、スタッドレスのみでタイヤチェーンがいらない地域もあります。
たとえば以下のような地域です。

● 雪の降る可能性が低い地域
● 凍結や積雪の心配がない地域

具体的には東京都や千葉県、神奈川県など年間を通して雪量が少ない地域は、スタッドレスタイヤのみで問題ありません。

ただしあくまであなたが在住している地域の話であることを忘れてはいけません。

冬シーズン中に旅行や仕事で積雪地域に行く場合、タイヤチェーンは必要です。雪量が少ない地域でも大雪になる可能性があるため、万が一大雪警報が発令されても対処できるように、タイヤチェーンは事前に準備したほうがよいでしょう。

スタッドレスタイヤのみでタイヤチェーンがいらない可能性がある方も、万が一に備えるためにタイヤチェーンは車に積んでおき、路面の状況に応じて使い分けすることをおすすめします!

タイヤチェーンの選び方

タイヤチェーンの選び方

「タイヤチェーンを選ぶ基準が知りたい」
「タイヤチェーンを取り付けられる自信がない」

タイヤチェーンは多くの種類が存在するため、購入前に悩むかもしれません。本章では、タイヤチェーンの選び方を紹介します。

● 素材で選ぶ
● 形状で選ぶ
● 脱着の手間で選ぶ

素材で選ぶ

タイヤチェーンの選び方1つ目は「素材で選ぶ」です。タイヤチェーンの素材によって、雪道や凍結路で走行するときのグリップ性能が異なります。
一般的にタイヤチェーンの素材は、以下の通りです。

● 金属製
● 非金属製
● 布製

各素材の特徴は、以下の通りです。

素材 メリット デメリット
金属製 ●素材の中で一番グリップ性能が高い
●比較的安価
● ホイールが傷つく可能性がある
● 乾燥した路面で走行できない
非金属製 ● 走行中の振動が少なく走行性がよい
● 乾燥した路面でも走行できる商品がある
● グリップ性能は金属より劣る
● 金属製と比較して本体価格が高い
布製 ● 着脱が簡単
● 軽量で取り扱いしやすい
● 耐久性は金属や非金属と比較して劣る

タイヤチェーンは上記のように素材によってグリップ性能や耐久性、取り外しのしやすさなど、特徴が異なります。

素材で選ぶときは上記のメリット・デメリットを参考に、あなたに合ったタイヤチェーンを購入しましょう!

形状で選ぶ

タイヤチェーンの選び方2つ目は「形状で選ぶ」です。以下のタイヤチェーンの形状と特徴は以下の通りです。

形状 特徴
はしご型(ラダー型) ● 前後のグリップ性能が高い
● グリップ性能は亀甲型と比較して横滑りしやすい
● 価格帯も金属製品のなかでは比較的安価で手に入る
亀甲型 ● 凍結路や雪道でもグリップ性能が高い
● 金属製品でも走行中の振動が少ない
● タイヤチェーン切れると修理が困難
分離型 ● 複数のパーツで構成される非金属性のタイヤチェーン
● 金属製のタイヤチェーンと比較するとグリップ性能は劣る
● 振動が少ないため乗り心地良好
● 脱着や本体の収納がしやすい
ネット型 ● タイヤ全体を覆うタイヤチェーン
● 金属製や非金属製、布製の商品がある

上記タイヤチェーンの形状と特徴を把握することで、あなたがお出かけする積雪地域に合ったタイヤチェーンを選ぶことが可能です。

後述しますがタイヤチェーンの形状によっては、脱着しにくい商品もあります。

雪が降っている過酷な環境でタイヤチェーンの脱着作業をする可能性もあるため、タイヤチェーンの形状と脱着のしやすさは確認しておくことをおすすめします!

脱着の手間で選ぶ

タイヤチェーンの選び方3つ目は「脱着の手間で選ぶ」です。
「脱着に時間がかかるのは嫌」「大雪の過酷な環境でタイヤチェーンを脱着した」
このようなお悩みや経験をした方もいるのではないでしょうか。
先述のとおり、タイヤチェーンは素材や形状によって脱着方法が異なります。
具体的にタイヤチェーン脱着時にかかる手間は、以下のとおりです。

手間の種類 タイヤチェーン脱着時の手間の詳細
車移動の有無 タイヤチェーンの脱着に車移動が必要
増し締めの有無 取り付け後に数百メートル走行後、タイヤチェーンのバンドを再度締め直す

上記のようにタイヤチェーンの種類によって、車移動や増し締めを必要とする商品があります。

取り付け方を誤った場合、タイヤチェーンが走行中に外れたりタイヤチェーンが外れて車体やホイールが損傷したりと、タイヤチェーン以外の問題が発生する危険もあります。

タイヤチェーンを選ぶときは、タイヤチェーンの脱着の手間や脱着方法を必ず確認してから購入しましょう!

スタッドレスタイヤ用チェーンでおすすめの商品

スタッドレスタイヤ用チェーンでおすすめの商品

本章では、スタッドレスタイヤ用チェーンのおすすめ商品を3つ紹介します。

● 【亀甲型】NEWRAYTON(ニューレイトン)アイスバーン
● 【分離型】バイアスロン クイックイージー QE
● 【はしご型】エフ・イー・シー (FCE)

【亀甲型】NEWRAYTON(ニューレイトン)アイスバーン

【亀甲型】NEWRAYTON(ニューレイトン)アイスバーン

参照:Amazon

「金属製のチェーンを検討している」「収納スペースが気になる」「グリップ性能が高い商品を購入したい」このような方におすすめしたい商品が、エマーソンのNEWRAYTON(ニューレイトン)アイスバーンです。雪上道や凍結路でグリップ性能を発揮する金属製の本商品は、ジャッキアップ不要で取り付けしやすく、チェーン形状もタイヤの縦方向と横方向の両方向の力に強い亀甲型になっています。

また収納ケースもコンパクトであるため、車に積んでもスペースをとらないためおすすめです。

メーカー エマーソン(Emerson)
商品名 NEWRAYTON(ニューレイトン)アイスバーン
素材 金属
形状 亀甲型
JASAA認定有無
取り付けのしやすさ
価格 4,675円(税込)~
販売ページ Amazon

【分離型】バイアスロン クイックイージーQE

wm03イメージ

参照:Amazon

「非金属製のタイヤチェーンを検討している」「非金属製でも走行が安定する商品を購入したい」「脱着の手間をなるべく避けたい」このようなタイヤチェーンをお探しのあなたにおすすめの商品は、JASAA認定品のカーメイトのバイアスロンクイックイージーです。

JASAA認定品とは、日本自動車交通安全用品協会による試験を受けた製品を指します。JASAA認定品のタイヤチェーンは、以下のような走行性能が期待できるため、雪道や凍結路でも安定した走行性能を発揮します。

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参考:日本自動車交通安全用品協会

ジャッキアップ不要で脱着できることはもちろん、本商品を装着したまま関越トンネルを走行することが可能です。

非金属であるためグリップ性能は金属製のタイヤチェーンと比較して劣りますが、108本のスパイクピンにより凍結路やアイスバーンでも安定した走行を可能にします。非金属性でも安定した走行性能を求める方におすすめの商品です。

メーカー カーメイト(Carmate)
商品名 バイアスロンクイックイージーQE
素材 非金属(高性能ポリウレタンエラストマー)
形状 分離型
JASAA認定有無
取り付けのしやすさ
価格 16,632円(税込)~
販売ページ 参照:Amazon

【はしご型】エフ・イー・シー (FEC)雪道楽α1

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Amazon

最後におすすめする商品はエフ・イー・シーの雪道楽α1です。

本商品のチェーン形状は、はしご(ラダー)型でありタイヤの前後方向のグリップ性能が高いため、雪道や凍結路で高い走行性能を発揮します。一方横方向のグリップ性能は劣るため、亀甲型と比較して横滑りしやすいデメリットがあります。

年に限られた回数しか使用しない方や、お手頃の価格でタイヤチェーンを用意しておきたい方におすすめの商品です。

メーカー エフ・イー・シー(FEC)
商品名 雪道楽α1
素材 金属
形状 はしご型
JASAA認定有無
取り付けのしやすさ
価格 6,635円(税込)~
販売ページ Amazon

【注意】スタッドレスにスプレーはおすすめできない

【注意】スタッドレスにスプレーはおすすめできない

スタッドレスタイヤに滑り止め効果の高いスプレーを使用するのはおすすめできません。滑り止めの薬剤を吹きかけて滑り止めの効果を高めても、チェーン規制が発令された道路では通行できないからです。

タイヤチェーンの規制が発令された道路では、必ずタイヤチェーンを取り付けなければいけません。タイヤチェーン規制区間で走行できるチェーンの種類や製品素材詳細は、以下の3種類です。

タイヤチェーンタイプ(素材) 製品素材の詳細
金属 金属製のチェーンやワイヤーの製品
ウレタン&ゴム ゴムなどの樹脂製の製品
布カバー アラミドなどの特殊繊維製の製品

参考:国土交通省

タイヤの販売店で購入するタイヤチェーンであれば、基本的に問題ありません。事前に準備するならスプレータイプでなく、チェーン規制に対応したタイヤチェーンの購入をおすすめします!

【走行注意】雪道や凍結した路面を安全に走行するポイント

【走行注意】雪道や凍結した路面を安全に走行するポイント

雪道や凍結路では、スタッドレスタイヤやチェーンを装着してもスリップやハンドルが効かなくなるなど、走行中に予測できないトラブルが発生するかもしれません。本章では、雪道や凍結した道路を安全に走行するポイントを紹介します。

● ノーマルタイヤで走行しない
● 車間距離を普段の2倍は確保する
● 「急」のつく運転操作を避け事故を未然に防ぐ

ノーマルタイヤで走行しない

「雪も多くないからこのまま走行できる」「大雪になったらチェーンだけ使用すれば大丈夫」「ゆっくり走行すればノーマルタイヤでも問題ない」
上記のような考えの方は、走行中にスリップする可能性が高いため危険です。
ノーマルタイヤは気温が7度以下になると走行性能が低下します。
気温が極端に低い場合、雪が降っていなくても路面が凍結している可能性があるためスリップの原因にもつながります。

凍結路面で夏タイヤとスタッドレスタイヤの制動距離を比較したJATMAの実験データは、以下のとおりです。

夏タイヤとスタッドレスタイヤの制動距離を比較したJATMAの実験データ

参考:JATMA

上記データでわかるように、夏用タイヤはスタッドレスタイヤの約1.5倍も制動距離が伸びています。雪道や凍結路、気温が低い環境をノーマルタイヤで走行は危険しかありません。

なお沖縄県を除く各都道府県の積雪路や凍結路で冬用タイヤを装着等せずに運転した場合、法令違反で以下の反則金を課せられます。

車種 料金
大型 7,000円
普通 6,000円
二輪 6,000円
原付 5,000円

事故や違反のリスクを回避するために、スタッドレスタイヤは必ず装着しましょう!

車間距離を普段の2倍は確保する

普段走行している乾燥道路の2倍を目安に車間距離をあけることで、雪道や凍結路を安全に走行できます。

雪道や凍結した路面は制動距離が伸びるため、普段と同じ車間距離ではブレーキが間に合わず追突やスリップにつながるため危険です。最悪の場合、前方の車両や歩行者、走行中の自転車に追突して負傷者が出てしまうかもしれません。

雪道を安全に走行するためには、車間距離を十分に確保することが重要なのです。

実際積雪地域である新潟県では令和3年12月~令和4年3月の4ヵ月間で、雪道の事故が114件も発生しています。

また、114件中64件(56.1%)と全体の半分以上が追突事故であり、追突事故の原因のほとんどがブレーキの不適切な操作です。

【車両相互の発生件数のみ抽出し作成】

事故発生区分 正面衝突 追突 出会い頭 追越・追抜すれ違い時 右左折時 その他 合計
発生件数 26 64 3 12 85

参考:新潟県警察本部交通部交通企画課(冬道の安全走行)

【安全運転義務違反のみ抽出し作成】

項目 ハンドル操作不適 ブレーキ操作不適 前方不注意 安全速度 安全府確認 安全運転義務/その他 合計
発生件数 19 81 2 6 1 3 112

参考:新潟県警察本部交通部交通企画課(冬道の安全走行)

上記の表でわかるように追突事故の原因の多くがブレーキ操作不適です。
「なんとなくカンで車間距離をあけている」「雪が降っていない道路と同じくらいの車間距離で大丈夫」

このような走行方法は事故の危険性が高くなるため危険です。必ず十分な車間距離を確保して、雪道を安全に走行しましょう!

「急」のつく運転操作を避け事故を未然に防ぐ

「急」のつく運転操作を避けることで、雪道や凍結した道路で事故を未然に防ぐことが可能です。
「急」のつく運転操作は3つあり、「急」のつく運転操作をすると走行中に、以下の危険性を高めてしまいます。

急な運転操作 起こりうる危険
急ハンドル 車体をコントロールできなくなる
急ブレーキ タイヤがスリップする
急発進 タイヤが空回りしてタイヤが雪に埋もれて発進できない

上記の運転操作は、最悪の場合事故につながります。またタイヤの劣化を早める運転操作でもあるため、「急」のつく運転操作はデメリットしかありません。
「スタッドレスタイヤを履いているから大丈夫」「タイヤにチェーンをつければ絶対に滑らない」上記のように思ったあなたは注意が必要です。

栃木県では、2022年1月10日〜2022年1月11日まで降り続いた雪の影響でスリップ事故が37件も発生しました。スリップ事故37件の事故に関係した8割の車が、冬用タイヤを着用していたことがわかっています。

参考:下野新聞

つまりスタッドレスタイヤを装着していても、事故につながる可能性は十分にあるのです。
事故を未然に防ぐためにも「急」な運転操作は避け、気持ちに余裕をもってゆっくり運転することを心がけましょう!
雪道を安全に走行するポイントについては「ポイントをおさえて冬の道を安全に走行しましょう!」の記事も参考にしてください。

【事前確認】雪道を安全に走行する前にタイヤ点検がおすすめ

【事前確認】雪道を安全に走行する前にタイヤ点検がおすすめ

スタッドレスタイヤを装着して積雪地に出かける前に、雪道を安全に走行するためにタイヤ点検を実施しておきましょう!

スタッドレスタイヤの状態が悪い場合グリップ性能を発揮できない可能性があるため、雪道や凍結路の運転は大変危険です。

「スタッドレスタイヤなら雪道でも安心」「定期的に点検していない」このようなスタッドレスタイヤの使用方法では、雪道でトラブルに巻き込まれるかもしれません。
たとえばタイヤの点検不足によりタイヤの空気圧が低い状態で走行した場合、以下のリスクが高くなります。

● 燃費が悪くなる
● グリップ性能が低下してブレーキが効きにくくなる
● スタンディングウェーブ現象が発生しタイヤがバーストする

上記は夏用タイヤとスタッドレスタイヤで同じことがいえ、制動距離が長くなる雪道ではとくに注意が必要です。

タイヤの空気圧をメーカーが指定した数値にすることで、タイヤ本来の走行性能を発揮し安全に走行することが可能です。

タイヤのトラブルが原因で車体にまで悪影響を及ぼす可能性もあるため、スタッドレスタイヤを装着しても雪道に行くときは、事前にタイヤ点検を実施して安全に走行できる状態にしておきましょう!

スタッドレスタイヤ点検については「スタッドレスタイヤ点検」の記事も参考にしてください。

タイヤ点検や交換はタイヤワールド館ベストにお任せください!

タイヤ点検や交換はタイヤワールド館ベストにお任せください!

あらためて、本記事では以下の内容を解説しました。

● タイヤチェーンとスタッドレスタイヤの違い
● タイヤチェーンとスタッドレスタイヤは併用がおすすめ
● スタッドレスにチェーンを取り付けるタイミング
● タイヤチェーンの選び方
● スタッドレスタイヤ用チェーンでおすすめの商品
● 【注意】スタッドレスにスプレーはおすすめできない
● 【走行注意】雪道や凍結した路面を安全に走行するポイント
● 【事前確認】雪道を安全に走行する前にタイヤ点検がおすすめ

スタッドレスタイヤとタイヤチェーンを併用することで、積雪地域でチェーン規制が発令されても対処可能です。

ただしタイヤの空気圧不足や摩耗が多い場合、タイヤ本体の走行性能低下により安全に走行できない可能性があることを忘れてはいけません。

積雪地域にお出かけの際は、一度タイヤ点検の実施をしておきましょう!

タイヤワールド館ベストでは、タイヤ点検やスタッドレスタイヤへの交換も実施しております!
ぜひ一度お越しください!

タイヤワールド館ベスト店舗一覧

作成者: 佐々木 健人

趣味:ドライブ旅行
モットー:一期一会
特技:スノーボード
物腰柔らかな接客で安心して買い物が出来ると定評あり。