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スタッドレス交換すべき?プラットフォームとは?サインの見方や判断基準について徹底解説

スタッドレスを探していると必ず耳にするプラットフォームですが、「なんのために存在する?」「見方や判断基準は?」など、専門用語がよく分からずお困りの方も多いはず。

タイヤメーカーであるブリジストンが実施した一般ドライバー1000人に対する調査でも、約8割の方が知らないと答えています。

そこで今回は、スタッドレスに設置されているプラットフォームの内容や見方について詳しく解説していきます。

合わせて、スタッドレスの交換するべきタイミングもプロ目線で紹介していきますので、いつ交換すればいいか分からない方もぜひ参考にしてください。

プラットフォームってなに?

プラットフォームってなに?

プラットフォームとは、スタッドレスの残溝がどれくらいの状態になっているかを示すサインです。

冬タイヤとしての使用限度を表示しているため、プラットフォームの露出度によって「早急に交換しなければ危険」ということが分かるようになっています。

特に、今使用しているスタッドレスを使い始めてから年数が経っているのであれば、プラットフォームを確認し、スタッドレスの買い直しが早急に必要かどうか判断する必要があるでしょう。

冬タイヤの残溝基準を示すサイン

スタッドレスを探す上では、プラットフォームの内容をしっかりと理解しておくことが大切です。

スタッドレスの溝の深さは、各メーカー10mm前後のタイヤが多い傾向です。プラットフォームの露出は溝の深さが5mm程度に近づくと現れはじめ、50%摩耗した時点で表示される設定になっていますので覚えておきましょう。

プラスの情報として、本来タイヤの溝には明確な保安基準が設定され、溝の深さが1.6mm以下のタイヤを使用すると道路交通違反になります。

ということは、プラットフォームが露出したからといってすぐに法令違反になるわけではありません。

よって、「プラットフォームが見えても法令違反じゃないから大丈夫」という方もいますが、冬道の路面を走るのに適していない、冬タイヤとしての使用限度を迎えている危険なタイヤになりますので、早急に交換が必要と認識するようにしてください。

※注意すべきは、雪国など県によってはスタッドレスの残溝が50%以下は条例違反というケースもあります。

使用する地域の条例内容も念のため、チェックが必要です。

夏タイヤにプラットフォームはない

プラットフォームはスタッドレス限定のサインになり、夏タイヤには存在しません。

夏タイヤには、「スリップサイン」と呼ばれるものが搭載されています。このスリップサインが夏タイヤの残溝を示すサインです。

ちなみに、スタッドレスにもスリップサインは搭載されています。
とても紛らわしいのですが、「タイヤの使用限度を示すスリップサイン」「冬タイヤの使用限度を示すプラットフォーム」といった形で意味合いが変わる形です。

「プラットフォーム」と「スリップサイン」の違いはタイヤの知識として覚えておいてください。

詳しくは「プラットフォームとスリップサインの違い」で解説しています。

プラットフォームはどこにある?

プラットフォームはどこにある?

プラットフォームは、スタッドレスのサイドウォール(側面)を見ると設置してある場所が分かるようになっています。
側面に「矢印」が記載され、その延長線上を辿っていくとプラットフォームが溝の間に設定されているでしょう。

形は四角のような突起物になっていて、表面には細かな溝が複数入っているものがプラットフォームです。

基本的に1本のスタッドレスに4カ所のプラットフォームがあります。

チェックする際は、必ず全ての場所を確認し、4カ所共に露出がないか確認が必要です。

1ヶ所だけ摩耗している場合も、冬タイヤの使用限度を超えていることになりますので、注意して確認してください。

メーカーによっては、プラットフォームを示す矢印だけでなくアイコン表示(雪だるまなど)も付いている場合もあります。場所が分からない場合は、購入店に確認するのがベストです。

プラットフォームの見方と判断基準

プラットフォームの見方と判断基準

知識が少ない方は、自分のチェック方法や判断が正しいか不安になるかと思います。ここでは、プラットフォームの見方や簡単なチェック方法、判断基準について詳しく見ていきます。

安全に冬シーズンを過ごすためには定期的にチェックが必要なので、正しい見方は覚えておきましょう。

プラットフォームの露出度をチェック

見方はいたって簡単で、プラットフォームがどれだけ見えているか(露出しているか)をチェックします。

プラットフォームが溝と同じラインまで露出していれば、「溝を50%摩耗している」状態です。

この状態であれば使用限度を超えていますので、早急に交換の判断をしてください。

ただし、なんとなくプラットフォームの見方に自信が持てない方もいると思います。

そんな時は「タイヤ溝測定ゲージ」と呼ばれる専用機を使用すれば、正確な状態が分かるので、もし細かく計測したい方は購入するのがベストでしょう。

タイヤ溝測定ゲージ

参考:Amazon

また、「100円硬貨」を使って簡易的なチェックも可能です。

方法としては、「100」が刻印されている面を手前にし、「1」が書いてある方向から溝に入れていきます。

「1」は硬貨の縁から5mmの位置に刻印されているため、溝に入れた際に「1」がすっぽり隠れてしまえば、使用限度の5mmよりも溝が残っているといえます。

反対に「1」が露出してしまうのであれば、溝の深さが5mm以下になっている形です。

「100円硬貨」を使った簡易的な残溝チェック

簡単にできる方法なので、ぜひ試してみてください。

スタッドレスのプラットフォームは何ミリで交換すべき?

プラットフォームが完全に露出していれば交換の判断をしやすいですが、「プラットフォームの露出まで数ミリ残っている時」は判断に困ってしまう方も多いと思います。

「プラットフォームまで○○ミリで交換」とする明確な基準はなく、使用する環境・頻度・商品・車両の種類によって溝の減るスピードに差がでてしまうため、一概には基準を設けられない形です。

ただし、整備工場やタイヤショップによっては「プラットフォームまで残り2mm」で交換を推奨しているケースがあります。

プラットフォームまで残り2mmの状態は、大体30%程度摩耗していることになり、この段階から冬用タイヤとしての性能が低下してくると言われています。

一つの交換目安として覚えておくとよいでしょう。

プラットフォームとスリップサインの違い

プラットフォームとスリップサインの違い

上記写真がスリップサインです。プラットフォームとスリップサインは非常に紛らわしい項目なので、ここで整理しておきます。

項目 プラットフォーム スリップサイン
設置 スタッドレスのみ スタッドレスと夏タイヤの両方
サインの内容 冬用タイヤとしての使用限度 タイヤ自体の使用限度
条例 基本的には5mm以下(50%の摩耗)のタイヤは条例違反にはならない 1.6mm以下のタイヤは条例違反になる
場所を示す表示方法 タイヤの側面に矢印表示(アイコン付きも有) タイヤの側面に印表示(△表示など)
形状 溝の間にある突起物で細かな溝が表面に入っている 溝の奥にある突起物

混同しないようにそれぞれのポイントを抑えておき、車の点検時は履いているタイヤの種類に合わせて、プラットフォームとスリップサインを確認してください。

スタッドレスタイヤを交換すべきタイミング

スタッドレスタイヤを交換すべきタイミング

スタッドレスの交換が必要なのか判断するには、プラットフォーム以外にもチェックすべき項目があります。

下記の項目は全て点検すべき箇所になりますので、合わせて覚えておきましょう。

スタッドレスの使用年数と製造年数

スタッドレスタイヤの平均寿命は、3年〜4年の設定になっています。
注意すべきは使用をスタートしてからの年数ではなく、製造してからの年数になる点です。

スタッドレスはゴムで作られた製品になるため、使用していなくても経年劣化が進んでいきます。年数のカウントを間違えてしまえば、本来の性能を発揮せず使用中のトラブルに繋がり、思わぬ事故になる可能性もあるので注意してください。

したがって、購入するときはスタッドレスの製造年月日の確認が大切です。
確認方法は、タイヤの側面に必ず「2412」といった四桁の数字が書かれていますので、チェックしてください。

最初に書かれている2つの数字が製造された週、後ろの2つの数字が製造年になっています。

タイヤの製造年月日の確認方法

参考:ブリヂストン

上記の「2412」を例にすると、2012年の24週目に製造された形です。重要な表示になりますので覚えておきましょう。

スタッドレスの走行距離

スタッドレスの走行距離の限度は、1万〜1.5万kmが目安とされています。当然、走行すればするほどタイヤは摩耗していきますので、使用年数や劣化よりも先に、走行距離次第で交換の判断が必要になるケースもあるでしょう。

使用してからどれくらいの距離を走っているかが分かるように、記録を残しておくのがベストです。

もし中古のスタッドレスを検討している場合、製造年月日や溝の状態は確認できても走行距離までは確認できないケースがほとんどです。

中古はどうしても見た目だけではわからないリスクがあるので、信頼できるお店で購入するようにしてくださいね。

スタッドレスのひび割れや硬さなど劣化具合

スタッドレスの劣化具合のチェックも欠かせません。

劣化が進んでいる場合、タイヤの表面にヒビ割れがある・タイヤが硬化しているなどの現象が発生しています。
それぞれの現象が出てしまうと、以下の危険性が考えられます。

● 走行中にバーストする可能性がある
● 柔軟性がなくなり、冬道で本来の性能を発揮しなくなる

ひび割れは目視で確認しやすいですが、硬化については専門家でなければ判断しにくい項目です。
硬度計を置いている整備工場やショップであれば、スタッドレスの硬さをチェックできます。

よくある質問

よくある質問

最後に、プラットフォームに関するよくある質問にお答えしていきます。

  1. スタッドレスタイヤのプラットフォームがギリギリになっても使える?
  2. スタッドレスのプラットフォーム露出まで残り2mmでも使える?
  3. プラットフォームが露出したスタッドレスは夏タイヤとして使える?

1.スタッドレスタイヤのプラットフォームがギリギリになっても使える?

スタッドレスのプラットフォームが露出するギリギリのラインになっている場合は、早急にタイヤ交換をした方がよいでしょう。

基本的に、プラットフォームが露出する(50%程度摩耗している)状態は早急に交換が必要になります。
また、プラットフォームの露出まで2mm程度の状態も交換を推奨するラインです。

したがって、ギリギリの状態であればスタッドレスが冬道を走行するのに適していないタイヤといえますので、交換をするようにしてください。

2.スタッドレスのプラットフォーム露出まで残り2mmでも使える?

スタッドレスのプラットフォームが露出するまで残り2mm(30%摩耗している)は、交換が推奨される一つの目安になります。

一般的に、スタッドレスの摩耗が30%程度進むと冬道を安全に走る性能が低下すると言われていますので、交換しておくのが最も安全な判断です。

すぐに交換が難しくても、近い時期に交換する予定を決めて、新しいスタッドレス探しをするなど行動しておくようにしてください。

3.プラットフォームが露出したスタッドレスは夏タイヤとして使える?

プラットフォームが露出しているスタッドレスは、「冬タイヤとして使用限度を超えた」タイヤです。
したがって、タイヤ自体の使用限度を超えているわけではないため、原則的には夏タイヤとして使用できることになります。

ただし、ドライ路面やウェット路面の走行に適しているかは別問題です。

本来、スタッドレスは硬くなりにくい、柔軟性のあるゴムで作られています。
雪や氷の上で密着してグリップ力を強化する構造としては最適ですが、通常の路面では柔らかすぎることでグリップ力の低下を引き起こします。

さらに、排水性が弱いスタッドレスでウェット路面を走行した場合、制動性能が落ちて止まれず、事故につながるケースもあります。

プラットフォームが露出したスタッドレスを夏タイヤとして使うのは止めておきましょう。

まとめ:スタッドレスタイヤは冬が来る前に買っておこう

スタッドレスタイヤは冬が来る前に買っておこう

プラットフォームについて、まとめると以下のとおりです。

●プラットフォームはスタッドレスの残溝がどれくらいの状態になっているかを示すサイン
●スタッドレスの溝の深さはだいたい10mm前後で、50%(5mm程度)摩耗した時点で現れる
●プラットフォームが出ても法令違反ではないが(法令違反は溝の深さが1.6mm以下)、スタッドレス機能としては限界
●ノーマルタイヤにはない

スタッドレスは、いざ雪が降ってから交換しようと思っても欲しい商品の在庫がなく、すぐに装着できないケースがあります。
本格的な冬が到来する前に、早めの冬支度をしておきましょう。

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