最終更新日 2026年9月21日
タイヤのはみ出しは、一定の条件を満たすタイヤ側面のゴム部分に限り、外側方向への突出量が10mm未満であれば基準内として扱われます。一方、ホイールやナットなどの硬い部分のはみ出しは認められません。
また、車検では、はみ出しだけでなく、タイヤの溝や損傷、荷重能力なども確認されます。この記事では、タイヤ・ホイールのはみ出しに関する車検基準を中心に、車検に通らない可能性があるタイヤの特徴と日頃の管理方法を解説します。
タイヤのはみ出しは車検に通る?

車体からタイヤやホイールが基準を超えてはみ出している場合、車検には通りません。ただし、タイヤ側面のゴム部分については、条件付きで10mm未満の突出が認められる場合があります。
いわゆる「はみ出しタイヤ(ハミタイ)」は、フェンダーからタイヤやホイールが外側へ突出している状態です。歩行者や自転車などとの接触時に危険を及ぼす可能性があるため、車体からの突出には基準が設けられています。
タイヤのみ10mm未満なら認められる場合がある
「10mm未満なら何がはみ出してもよい」という意味ではありません。基準上、タイヤ側面の文字・記号やリムガードなど、外側へ突出する柔軟なゴム部分については、突出量が10mm未満であれば最外側として扱われない場合があります。
| はみ出している部分 | 車検上の考え方 |
|---|---|
| タイヤ側面の文字・記号、リムガードなどのゴム部分 | 所定の条件を満たし、突出量が10mm未満であれば認められる場合がある |
| ホイールのリム・ディスク | タイヤの例外規定の対象外。はみ出しは不可 |
| ホイールナット・センターキャップなど | タイヤの例外規定の対象外。はみ出しは不可 |
| タイヤ側面が10mm以上突出している | 基準に適合しない可能性が高い |
たとえば、タイヤの膨らみだけがわずかに出ていても、ホイールリムがフェンダー内に収まっていれば基準内となる場合があります。一方、タイヤより外側にあるホイールやナットが少しでも突出している場合は注意が必要です。
タイヤのはみ出しを確認する範囲
はみ出しの確認は、タイヤの真上だけを見るものではありません。一般的には、車軸中心を通る鉛直線を基準として、前方30度・後方50度の範囲で、タイヤやホイールがフェンダーなどの車体部分から突出していないか確認します。
- ● 前側:車軸中心から前方30度の範囲
- ● 後ろ側:車軸中心から後方50度の範囲
- ● 左右:それぞれのタイヤについて確認
目視で「ツライチ」に見えても、見る角度や車体の個体差によって判断が変わります。糸や定規による簡易確認だけでは正確に判断できないため、ギリギリのサイズを装着している場合は専門店で測定してもらいましょう。
ホイールやナットのはみ出しは10mm未満でもNG
10mm未満の例外は、一定の条件を満たすタイヤ側面のゴム部分に関するものです。ホイールリム、ホイールディスク、ナット、センターキャップなどには適用されません。
ドレスアップを目的としてホイールの出面をフェンダーぎりぎりに調整すると、タイヤは収まっていてもホイールやナットが突出することがあります。とくに、社外ホイールやロングナット、ワイドトレッドスペーサーを装着している車は注意が必要です。
タイヤやホイールがはみ出す主な原因

タイヤのはみ出しは、タイヤ幅だけでなく、ホイール幅・インセット・スペーサー・車高・アライメントなど複数の条件で変わります。
タイヤやホイールのサイズが車に合っていない
純正より幅の広いタイヤやホイールを選ぶと、外側へ張り出しやすくなります。また、同じ表記サイズのタイヤでも、メーカーや商品によって総幅やサイドウォール形状が異なる場合があります。
ホイールのインセットが小さい
インセットは、ホイールの中心線と取付面の位置関係を示す数値です。一般的に、純正よりインセットの数値が小さくなるほどホイールは外側へ移動し、はみ出しやすくなります。
ただし、装着可否はインセットだけでは決まりません。リム幅、タイヤ幅、ブレーキや足回りとの干渉、車体の個体差も含めて確認する必要があります。
スペーサーを装着している
ホイールスペーサーやワイドトレッドスペーサーを装着すると、その厚みの分だけタイヤ・ホイールが外側へ移動します。装着前は基準内でも、スペーサーの追加によって突出する可能性があります。
ローダウンやアライメント変更の影響
車高やキャンバー角が変わると、タイヤ上部の位置も変化します。ただし、タイヤ上部だけがフェンダー内に収まっていても、確認範囲全体で適合するとは限りません。過度な角度調整は偏摩耗や走行安定性の低下にもつながるため、見た目だけで判断しないことが大切です。
はみ出しタイヤを改善する方法

はみ出しを改善するときは、フェンダー側を安易に加工するのではなく、まずタイヤ・ホイールサイズと取付部品を見直しましょう。
- 車種に適合するタイヤ・ホイールサイズへ戻す
- 適切なリム幅・インセットのホイールへ変更する
- スペーサーや突出するナットを取り外す
- 車高やアライメントを適正な状態に調整する
- 専門店で実車測定を受ける
フェンダーモールで対応できるケースもありますが、部品の形状や取付状態、車幅変更の扱いなどを確認する必要があります。自己判断で取り付けず、車検を依頼する整備工場や専門店へ事前に相談しましょう。
車検に通らないタイヤの特徴5つ

「車検はお店の人に任せている」「普段からタイヤの点検をしていない」という方は、知らないうちに車検の基準を満たさない状態になっているかもしれません。
車検では、タイヤの溝の深さや損傷、偏摩耗、車体からのはみ出し、車両を支えるための負荷能力などが確認されます。
車検に通らない状態のタイヤを使い続けることは、安全面からもおすすめできません。車検前だけでなく、普段からタイヤの状態を確認しましょう。
- タイヤにスリップサインが出ている
- タイヤに深いひび割れや著しい損傷がある
- タイヤが偏摩耗している
- タイヤやホイールが基準を超えてはみ出している
- タイヤのロードインデックスが不足している
| 確認項目 | 注意したい状態 |
|---|---|
| 溝の深さ | いずれかの主溝で深さが1.6mm未満、またはスリップサインが露出している |
| 損傷・ひび割れ | コード層に達する深い亀裂、コードの露出、著しい損傷や膨らみがある |
| 偏摩耗 | 一部の溝が1.6mm未満になっている、内部構造が露出している |
| 荷重能力 | 車両に必要な負荷能力を満たさないタイヤを装着している |
| サイズ・干渉 | 走行や操舵により車体・足回りへ干渉する |
スリップサインが露出している

主溝の深さが1.6mm未満のタイヤや、スリップサインが露出したタイヤは、保安基準を満たさず車検に通りません。
スリップサインとは、タイヤの残り溝が使用限度である1.6mmに達したことを知らせる目印です。タイヤ側面にある三角マークの延長線上の溝で確認できます。
1か所でもスリップサインが露出していれば交換が必要です。また、残り溝が1.6mmを上回っていても、濡れた路面での排水性は摩耗とともに低下するため、限界まで使い続けることはおすすめできません。
タイヤの溝が浅いと危険な理由
タイヤの溝には、タイヤと路面の間に入った水を排出する役割があります。溝が浅くなるほど排水性能が低下し、濡れた路面で滑りやすくなります。
ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水膜が入り込み、タイヤが路面との接地を失う現象です。発生するとハンドルやブレーキが効きにくくなり、車両を制御できなくなるおそれがあります。
- ● 濡れた路面で制動距離が長くなるおそれがある
- ● ハイドロプレーニング現象が起こりやすくなる
- ● スリップや走行安定性低下のリスクが高まる
タイヤの溝を自分で確認するのが難しい場合は、タイヤ専門店へ相談しましょう。
深いひび割れや著しい損傷がある

タイヤ表面に細かなひび割れがあるだけで、直ちに車検に通らないとは限りません。ただし、亀裂がタイヤ内部のコード層に達している、コードが露出している、サイドウォールに膨らみや著しい損傷がある場合は、不適合となる可能性があります。
ひび割れの危険性は、見た目の段階だけで一律に判断できません。ひび割れの深さや発生箇所、タイヤの使用年数、空気圧、保管環境などを含めて確認する必要があります。
JATMA(日本自動車タイヤ協会)のひび割れ例は状態を確認する際の参考になりますが、軽微に見えるひび割れでも「そのまま継続使用できる」と自己判断するのは避けましょう。
車検に通るかどうかにかかわらず、深い亀裂や膨らみ、変形が見られる場合は走行を控え、早めに専門店へ相談してください。
タイヤのひび割れを放置するリスク
- ● ゴムの柔軟性が低下し、路面を捉える力が弱くなる
- ● 乗り心地や走行安定性が低下する
- ● 亀裂が進行するとコード層へ達する可能性がある
- ● 空気漏れやバーストにつながるおそれがある
偏摩耗している

タイヤの内側・外側・中央など、一部分だけが極端に減る状態を偏摩耗といいます。偏摩耗しているだけで直ちに車検に通らないわけではありませんが、一部の溝が1.6mm未満になっている場合や、コード層が露出している場合は、不適合となる可能性があります。
見える外側に溝が残っていても、確認しづらい内側でスリップサインが出ていることがあります。ハンドルを切るなどして、トレッド面全体を確認することが大切です。
偏摩耗は、空気圧の過不足、アライメントのずれ、足回り部品の劣化などによって起こります。タイヤ交換だけでなく、原因の点検と調整も行いましょう。
- ● 振動や走行安定性の低下
- ● 濡れた路面で滑りやすくなる
- ● 一部の溝だけが早く使用限度に達する
- ● コード露出やタイヤの損傷につながる
- ● タイヤの寿命が短くなる
タイヤやホイールが基準を超えてはみ出している
タイヤやホイールが車体から基準を超えてはみ出している場合は、車検に通りません。一定の条件を満たすタイヤ側面の文字・記号やリムガードなど、柔軟なゴム部分は10mm未満の突出が認められる場合がありますが、ホイールやナットは対象外です。
詳しい測定範囲や10mm未満の取扱いについては、本記事前半の「タイヤのはみ出しは車検に通る?」で解説しています。
基準を超えてタイヤやホイールが突出している場合、車検に通らないだけでなく、不正改造車として整備命令などの対象になる可能性があります。公道を走行する前に、基準へ適合する状態に戻しましょう。
ロードインデックスが不足している
ロードインデックス(LI)は、規定の条件下でタイヤ1本が支えられる最大負荷能力を示す指数です。インチアップやタイヤサイズ変更を行う場合は、外径や幅だけでなく、車両に必要な負荷能力を満たしているかも確認しなければなりません。
一般的に、同じインチ数のタイヤでもタイヤの規格が変わると、以下のように荷重能力が変化します。

ロードインデックスが不足したタイヤを使用すると、操縦安定性の低下や偏摩耗、タイヤの損傷につながり、最悪の場合はバーストするおそれがあります。
物理的に装着できるサイズであっても、車両に必要な負荷能力を満たすとは限りません。とくに以下のような場合は注意が必要です。
- ● インチアップやインチダウンをする
- ● 純正とは異なるタイヤサイズへ変更する
- ● 同じサイズで異なる規格のタイヤへ変更する
- ● 以前乗っていた車のタイヤ・ホイールを流用する
純正と同じタイヤサイズへ交換する場合も、車両指定のロードインデックスやタイヤ規格を満たしているか確認しましょう。タイヤの規格やサイズによって適正空気圧が変わる場合もあるため、不明な場合は専門店へご相談ください。
車検前に確認したいタイヤのチェックポイント

車検直前だけでなく、月に1回程度を目安に空気圧や外観を確認すると、異常を早期に発見しやすくなります。
- ● タイヤ・ホイール・ナットがフェンダーから突出していないか
- ● スリップサインが露出していないか
- ● 内側を含めて偏摩耗していないか
- ● 深いひび割れ、傷、膨らみ、異物の刺さりがないか
- ● 空気圧が車両指定値に調整されているか
- ● サイズとロードインデックスが車両に適合しているか
とくに、インチアップ・ローダウン・社外ホイール・スペーサーなどを使用している場合は、通常より確認項目が増えます。購入時や車検直前ではなく、仕様変更を行う前に適合を確認しましょう。
タイヤのはみ出しと車検に関するよくある質問

タイヤは1cmまでならはみ出しても車検に通りますか?
一律に「1cmまでなら通る」とは言えません。一定の条件を満たすタイヤ側面のゴム部分について、突出量が10mm未満であれば認められる場合があります。10mmちょうどではなく「10mm未満」であり、ホイールやナットは対象外です。
ホイールが数mmだけはみ出していても車検に通りますか?
ホイールは、タイヤ側面のゴム部分に設けられた例外の対象ではありません。数mmであっても、測定範囲内でフェンダーから突出していれば不適合となる可能性があります。
タイヤの膨らみとリムガードは同じ扱いですか?
いずれもタイヤ側面の柔軟なゴム部分として扱われる場合がありますが、形状や突出量などの条件を確認する必要があります。実車の状態によって判断されるため、ぎりぎりの場合は事前に測定してもらいましょう。
ツライチなら車検に通りますか?
「ツライチ」は見た目を表す通称であり、車検への適合を保証する言葉ではありません。タイヤ上部が収まっていても、前方30度・後方50度の確認範囲内でホイールなどが突出している可能性があります。
ひび割れがあるタイヤは必ず車検に通りませんか?
細かな表面上のひび割れだけで、直ちに不適合となるとは限りません。ただし、コード層に達する亀裂やコードの露出、膨らみなどがある場合は危険です。車検の合否だけを基準にせず、専門店で状態を確認してください。
まとめ|タイヤのはみ出しは10mmの数字だけで判断しない

タイヤ側面の柔軟なゴム部分は、条件付きで10mm未満の突出が認められる場合がありますが、ホイールやナットのはみ出しは認められません。
また、車検ではタイヤの溝、損傷、偏摩耗、負荷能力なども確認されます。社外ホイールへの交換やインチアップ、スペーサーの装着を検討している場合は、見た目や計算値だけで判断せず、車種ごとの適合と実車の状態を確認することが大切です。
タイヤ・ホイールの出面やサイズ選びに不安がある方は、タイヤワールド館ベストへお気軽にご相談ください。

この記事について
- 執筆・監修:タイヤワールド館ベスト
(タイヤ・ホイール交換および足回り点検の実務経験を持つ専門スタッフ) - 記事の内容:タイヤ・ホイールのはみ出しに関する車検基準と、車検前に確認したいタイヤの状態について解説
- 記事の根拠:道路運送車両の保安基準およびタイヤ・ホイール交換の実務知見をもとに作成
- 補足:同じ車種でも、年式・型式・グレード・車高・個体差・装着部品によって測定結果が異なる場合があります
- 注意:最終的な適合可否は、実車の状態と検査時点の基準に基づいて判断されます。不安な場合は、車検を受ける整備工場や運輸支局などへ事前にご確認ください
- 記事更新日:2026年9月(最新情報に基づき内容を更新)

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