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    ホイールの知識 栗生店 インチアップ

    インチアップによるメリット・デメリットを把握をしよう‼

    最終更新日 2024年7月18日

    今回は愛車をカッコよくドレスアップする手法の1つであるタインチアップによる、メリットとデメリットをご紹介します。

    履かせるタイヤとホイールによって、車の顔は大きく変化します!ぜひお好みの車に仕上げてくださいね!

    インチアップとは

    インチアップは外径を変えない

    インチアップ

    インチアップとは、タイヤの外径を変えずにホイール(リム)を大径化し、タイヤの扁平率を下げることを指します。つまり、タイヤを薄くした分ホイールを大きくするということです。

    扁平率はタイヤの高さ(サイドウォール)をタイヤの幅で割った数字を%表示にしたもので、低い%のタイヤほど車を横から見た時のタイヤの厚みが薄くなり、タイヤの幅は広くなります。

    インチアップはタイヤの厚みが薄くなり、タイヤの幅は広くなる

    セイムリム偏平化

    ホイール径は変えずにタイヤの幅を広げる・セイムリム偏平化

    インチアップの他に、ホイール径は変えずにタイヤの幅を広げることで相対的に扁平率を下げる、「セイムリム偏平化」という手法も存在します。

    ホイールの買い替えが不要なのでコストは少なくて済みますが、タイヤ幅が広くなるのでホイールハウス内のスペース的な制限からセイムリム化出来る車種は限られています。

    インチアップのメリット

    インチアップのメリット

    インチアップをする主なメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

    1. 外観がカッコ良くなる
    2. ハンドリングが向上する
    3. グリップ・ブレーキング性能が上がる

    1.外観がカッコ良くなる

    これは言うまでもないメリットですが、インチアップをすることでホイールが大きくなり、見た目がカッコよくなります。インチアップする理由として最も多いのが、このメリットではないでしょうか?

    単にホイールが大きく見えるだけでなく、ホイールのデザインも好みのものに変えることで、さらにカッコよく仕上がり、足元が締まって見えます。

    2.ハンドリングが向上する

    インチアップを行うとタイヤのサイドウォールが薄くなり幅も広がります。その結果タイヤがヨレにくくなるため、操舵に対するレスポンスが良くなります。クイックなハンドリングが好みの人にとってはメリットになるでしょう。

    ただし、人によってはクイックすぎて逆にシビアに感じられることもあります。ルーズなハンドリングが好みの人はあまり極端なインチアップは行わない方が良いでしょう。

    3.グリップ・ブレーキング性能が上がる

    タイヤの扁平率が下がるとタイヤが薄くなり幅が広くなります。タイヤの幅が広くなるとグリップ力が上がり、与えた荷重に対してのステアリング反応が良くなります。

    また、タイヤの厚みが薄くなるとたわみが少なくなるので、コーナリングやブレーキング、発進時のトラクション性能が向上します。

    さらに、ホイールが大きくなるため、走行中にホイール内に空気が送り込まれ、ブレーキ自体が適度に冷やされ、熱による制動力の低下などを防ぐことも出来ます。

    制動力の向上は、安全な運転にも大きく貢献致します。

    インチアップのデメリット

    インチアップのデメリット

    見た目以外にもメリットの多いインチアップですが、全くデメリットがない訳ではありません。
    よく言われるデメリットは以下の3つです。

    1. 乗り心地が少し悪くなる
    2. 燃費が悪くなる
    3. タイヤが高価
    4. タイヤとフェンダーの隙間が気になる

    1.乗り心地が少し悪くなる

    まず1つめのデメリットとして、乗り心地の悪化が挙げられます。インチアップに伴いタイヤのサイドウォールが薄くなるため、タイヤのたわみが少なくなり路面から受けるショックが大きくなってしまうからです。また、タイヤの幅が広くなることで次の点のデメリットも発生します。

    ・ロードノイズ(騒音)が大きくなる
    ・ハンドルが重くなる
    ・わだちでハンドルが取られやすくなる

    操作面での不安がある方は、過度なインチアップは控えたほうがよいでしょう。

    2.燃費が悪くなる

    タイヤが幅広くなり接地面積が増えると転がり抵抗が増加するため、燃費が悪化します。タイヤ自体も転がり抵抗が大きい銘柄であった場合、よりその傾向は強くなるでしょう。

    さらに、ホイールの大径化で重量が増すため、エネルギーのロスによっても燃費が悪化します。単純に車の車重が増加するだけでなく、回転物が重くなると回りだすまでに大きなエネルギーを消費するので二重にパワーロスが発生します。

    インチアップ時は、目安として1Lあたり5~20%くらい燃費が悪化すると考えておきましょう。

    3.タイヤ代が高価

    インチアップすると必然的に扁平率の低いタイヤになるので、高くなる場合が多いです。ましてや幅広となると尚更です。

    4.タイヤとフェンダーの隙間が気になる

    タイヤの外径(直径寸法)は変わりませんので車高を下げないと隙間が少なくなりません。その際は、社外ダウンサスや車高調などで車高を下げる必要があります。

    すると、一般的なサスペンションではキャンバー角が自動的についてしまうので、タイヤが片減りすることになり、交換頻度も上がります。

    キャンバー調整可能な車高調や純正で調整機構があれば片減りしないよう調整するか、アライメント調整を行う事をおすすめします。

    インチアップ時の注意点

    メリットとデメリットがわかったところで、実際にインチアップをする際の注意点を見ていきましょう。主な注意点は4つです。

    ・外径を変えない
    ・荷重指数が下がらないようにする
    ・車体に干渉しないようにする
    ・正しい空気圧で使用する

    それぞれ詳しく見ていきましょう。

    外径が変わると車検が通らなくなる

    外径が変わると車検が通らない

    インチアップをする際は、「外径が変わらないように」と必ず言われます。では、なぜ外径を変えてはいけないのでしょうか?

    簡単に言ってしまうと、車検が通らなくなってしまうからです。

    車検での数多くの検査の中に、「スピードメーター検査」があります。スピードメーター検査は、実際に出ている速度とメーターの数字が合っているか否かを確認する検査です。

    外径が変わってしまうと、タイヤが一回転したときの距離も変化するので、メーターの指す速度と検査メーターに誤差が出てしまうのです。
    そうなると一発アウトで車検は通りません!

    また、正確な速度が分からずに運転すると、本人が気づかないまま速度違反となり切符を切られてしまう、という可能性も。以上のことから、インチアップの際は、外径を変えないことが重要です。

    荷重指数が下がらないように

    荷重指数は下がらないようにする

    荷重指数(ロードインデックス)とは、タイヤ1本で支えられる最大の負荷能力を示す数字のことです。
    タイヤサイズの部分をみると、このような感じで表記されていると思います。

    タイヤサイズ

    この場合、91が荷重指数(ロードインデックス。LIとも省略されます)で、負荷能力は以下となります。

    タイヤの負荷能力表

    また、各サイズの代表的な荷重指数を表にしたので、こちらでインチアップ先のLIが純正LIを下回らないかどうか確認してください。
    ※タイヤのパターンにより異なる場合があります。正確な指数はメーカーHPまたは当店までお問い合わせください。()内がLIです。

    13インチ 14インチ 15インチ
    155/65R13(73) 155/55R14(69)
    165/55R14(72)
    165/50R15(73)
    145/80R13(75) 155/65R14(75) 165/55R15(75)
    165/50R15(73)
    155/80R13(79) 165/70R14(81) 175/60R15(81)
    185/60R15(84)
    185/55R15(82)
    155/80R13(79) 175/65R14(82) 185/55R15(82)
    175/65R15(84)
    185/65R15(88)
    195/65R15(91)
    195/65R15(91)
    16インチ 17インチ 18インチ
    165/45R16(74)
    165/40R16(70)
    165/40R17(73)
    165/50R16(75)
    165/45R16(74)
    165/40R17(73)
    195/50R16(84)
    195/45R16(80)
    195/40R17(81)
    205/40R17(80)
    205/40R17(84XL)
    195/45R16(80)
    195/50R16(84)
    195/40R17(81)
    205/40R17(84)
    175/60R16(82)
    185/55R16(83)
    205/45R17(84)
    195/55R16(87)
    205/50R16(87)
    205/45R17(84)
    215/45R17(83)
    215/45R17(87XL)
    195/60R16(89)
    205/55R16(89)
    205/55R16(91)
    205/50R17(89)
    205/50R17(93XL)
    215/50R17(91)
    215/45R17(87)
    215/45R17(91XL)
    215/45R18(89)
    215/45R18(93XL)
    215/40R18(85)
    225/40R18(88)
    225/40R18(92XL)
    195/60R16(89)
    205/55R16(89)
    205/55R16(91)
    205/50R17(89)
    205/50R17(93XL)
    215/50R17(91)
    215/45R17(87)
    215/45R17(91XL)
    215/45R18(89)
    215/45R18(93XL)
    215/40R18(85)
    225/40R18(88)
    225/40R18(92XL)
    215/65R16(98) 215/60R17(96) 215/55R18(95)
    235/50R18(97)
    225/50R18(95)
    215/60R16(95) 215/55R17(94) 225/45R18(91)
    225/50R18(95XL)
    19インチ 20インチ
    215/35R19(85)
    225/35R19(84)
    225/35R19(88XL)
    245/40R19(94)
    245/40R19(98XL)
    245/35R20(91)
    245/35R20(95XL)
    225/40R19(89)
    225/40R19(93XL)
    235/35R19(87)
    235/35R19(91XL)
    225/35R20(88)
    225/35R20(90XL)
    235/30R20(88XL)

    では実際に、195/65R15をインチアップする場合を見てみましょう。

    サイズ LI 可否
    標準 195/65R15 91
    1インチ
    アップ
    205/55R16 91 問題なし○
    2インチ
    アップ
    205/50R17 89 91を下回るため×

    205/50R17の場合、同じサイズでエクストラロード規格(XL)があり、LIは93。91を上回るのでOKです。
    インチアップで荷重指数が下がってしまう場合は、XL・RFタイヤを選びましょう。

    ロードインデックスは、タイヤサイズが同じであれば特殊なタイヤを除き、タイヤサイズが同じであれば同じです。

    インチアップの際にこの荷重指数を無視して標準指数の下回るタイヤを装着してしまうと、支えられる力が足りないため、タイヤの損傷や、最悪の場合は走行中のバーストへ繋がってしまう可能性があります。

    荷重指数は同等数または同等数以上にし、下がらないようにしましょう。

    車体に干渉しないように

    車体に干渉しないように注意

    インチアップをしたタイヤホイールは、タイヤの幅が変わっているので車体の各部へ当たってしまう可能性があります。そうなると運転中、ハンドルをきった際にタイヤを削ってしまい、大変危険です。

    車体に干渉していないかどうか、しっかりと確認することが大切です。

    空気圧を確認

    空気圧を確認

    インチアップをするとタイヤの厚みが薄くなる(低偏平タイヤ)ので、その分タイヤ内部の空気も少なくなります。

    低偏平タイヤ比較

    低偏平タイヤは、タイヤのたわみが少ない分、見た目での空気圧の変化がわかりにくいので、必ずエアゲージを使って数値で確認してください。
    インチアップ後のタイヤ内部の空気量は通常タイヤより少ないため、指定空気圧より高い空気圧に調整することでバランスを取る必要があります。

    空気圧が低いままだと、タイヤが車を支えられる耐久力(耐荷重)がなくなってしまっているということです。
    これはバースト・偏摩耗・操縦安定性の低下に繋がる危険な状態です。

    荷重指数を無視せず、きちんと表記通りの空気を入れて、定期的に空気圧点検を行ってください。

    インチダウンについて

    インチダウン図

    ここまで「インチアップ」のお話をしてきましたが、スタッドレスシーズンには「インチダウン」という言葉もよく聞かれます。
    「インチダウン」とはその名の通り、インチアップとは反対に、タイヤホイールサイズを下げることを指します。
    インチダウンはタイヤの外径は変えず、ホイールのサイズだけを小さくします。

    見た目がかっこ悪くなる(?)インチダウンは何のためにするのか‥?
    インチダウンにのメリット・デメリットを見ていきましょう。

    インチダウンのメリット

    ・タイヤもホイールもサイズが小さくなるため、価格が安くなる
    ・扁平率が高くなるため、乗り心地が良くなる

    インチダウンのデメリット

    ・ホイールが小さくタイヤが厚くなるので、人によってはかっこ悪く感じる
    ・扁平率が高くなるため、運転感覚が変わる(フラつくと感じる)場合がある

    インチダウンのコツ

    大抵の車には、グレードに応じた2~3サイズのタイヤサイズの設定があります。
    グレードが高い車を購入した場合、大きいタイヤが純正でセットされていることが多いです。この場合、その車種のサイズ設定内でインチダウンできる可能性が高いです。

    インチダウンに興味のある方は、ぜひご検討されて、実施する際には一度ディーラーか購入店で確認してみてください。

    まとめ

    いかがでしたか?インチアップはホイールを変えるだけのお手軽カスタムだと考えがちですが、意外と奥が深いものです。ただ大径ホイールを取り付ければいい訳ではなく、注意すべき点はしっかり確認しましょう。

    メリットやデメリットを理解した上で、自分好みのインチアップホイールを装着し、「ドレスアップは足元から!!」と良く言われますので愛車をカッコよく仕上げて下さい!

    また、タイヤとホイールのインチアップは車検対応の範囲内で行うよう、よろしくお願いします。以上、ベスト栗生店でした!

    作成者: 鎌田 翼

    タイヤワールド館ベスト栗生店 店長

    趣味:車を整備する事。
    特技:手指の関節をポキポキ鳴らせる事。
    モットー:お客様から感謝される接客を心がける事。