最終更新日 2026年9月21日
車が水没し始めたら、車内にとどまらず、ドアや窓が開くうちにできるだけ早く車外へ脱出することが重要です。
大雨や台風によって道路が冠水すると、わずかな時間で水位が上がり、車が動かなくなることがあります。車外の水位が高くなると水圧でドアを開けにくくなり、浸水によって電気系統が故障するとパワーウインドーも操作できなくなるおそれがあります。
万が一に備え、脱出の手順や割ることのできる窓ガラスの位置、水没後にしてはいけないことを確認しておきましょう。
- ● 水没時はシートベルトを外し、ドアまたは窓から早めに脱出する
- ● 窓を割る場合は、脱出用ハンマーで破砕できる強化ガラスを狙う
- ● フロントガラスや合わせガラスは、一般的な脱出用ハンマーでは破砕できない
- ● 水没した車は、自分でエンジンをかけずにロードサービスへ連絡する
この記事では、車が水没したときの脱出方法から、避難後の対応、修理・保険の考え方まで詳しく解説します。
車が水没したときの脱出方法
車内への浸水が始まったら、シートベルトを外し、ドア、窓、脱出用ハンマーの順に脱出を試みます。
水位が上がってからでは、ドアや窓を使えなくなる可能性があります。慌てずに行動しつつも、脱出を先延ばしにしないことが大切です。
- シートベルトを外して周囲を確認する
- ドアが開くうちに車外へ脱出する
- ドアが開かなければ窓を開ける
- ドアも窓も開かなければ脱出用ハンマーで窓を割る
- 窓を割れない場合は、水圧差が小さくなったタイミングでドアを開ける
1.シートベルトを外して周囲を確認する
まずは落ち着いて車を停止させ、シートベルトを外します。同乗者がいる場合は、声をかけながらベルトを外し、子どもや自力での脱出が難しい人の安全を確保しましょう。
シートベルトがロックして外れない場合は、脱出用ハンマーに付属したシートベルトカッターを使用します。車が傾いたり転倒したりすると、体重がベルトにかかって解除しにくくなる可能性があるため、早めの行動が必要です。
2.ドアが開くうちに車外へ脱出する
車外の水位がまだ低く、ドアを開けられる場合は、すぐに車外へ脱出します。スマートフォンや財布などを探すために車内へとどまらず、人命を最優先にしてください。
ドアを開けた際に水が勢いよく入ってくることがあります。足元を取られないよう注意し、車外へ出たあとは車から離れて、安全で高い場所へ避難しましょう。流れのある水の中を無理に歩くことも危険です。
3.ドアが開かなければ窓を開ける
ドアが開かない場合は、電気系統が作動しているうちに窓を開けて脱出します。
車外の水位が上がると、車内外の水位差によってドアに強い水圧がかかり、内側から押しても開けにくくなります。ドアを無理に押し続けるのではなく、パワーウインドーを操作してください。
窓が十分に開いたら、頭から飛び込むように出るのではなく、窓枠をつかみながら慎重に車外へ移動します。同乗者がいる場合は、状況に応じて脱出を手助けしましょう。
4.ドアも窓も開かなければ脱出用ハンマーで割る
パワーウインドーが作動しない場合は、脱出用ハンマーを使って強化ガラスでできた側面の窓を割ります。
フロントガラスは合わせガラスであり、一般的な脱出用ハンマーでは破砕できません。また、近年は側面の窓にも合わせガラスを採用している車種があるため、あらかじめ自分の車で割ることのできる窓を確認しておく必要があります。
割る窓やハンマーの使い方については、次章で詳しく解説します。
5.ドアも窓も使えない場合の対処法
窓を開けることも割ることもできない場合は、車内外の水位差が小さくなり、ドアを開けやすくなるタイミングで脱出を試みます。
これは、ドアや窓から早期に脱出できなかった場合の最終手段です。車内への浸水を待つことになるため、冷静な判断が求められます。大きく息を吸い、ドアロックを解除したうえで、車内外の水位が近づいたタイミングにドアを強く押して脱出します。
ただし、車が転倒する、流される、急激に沈むなど、状況が変化する可能性があります。可能な限り、ドアや窓が使える初期段階で脱出してください。
車の窓はどこを割る?脱出用ハンマーの正しい使い方

脱出用ハンマーで割るのは、フロントガラスではなく、強化ガラスでできた側面の窓です。
自動車の窓には、大きく分けて「強化ガラス」と「合わせガラス」があります。両者は構造が異なり、脱出用ハンマーで破砕できるかどうかも異なります。
| ガラスの種類 | 主に使われる場所 | 特徴 | 脱出用ハンマー |
|---|---|---|---|
| 強化ガラス | ドアガラス・サイドガラス・リアガラスなど | 破損すると細かな粒状になりやすい | 破砕できる |
| 合わせガラス | フロントガラス、一部車種のドア・サイド・リアガラス | 複数のガラスの間に中間膜があり、割れても貫通しにくい | 一般的な製品では破砕できない |
フロントガラスではなく側面の窓を狙う
フロントガラスには、すべての車で合わせガラスが使用されています。ハンマーでひびが入っても中間膜が残るため、脱出口を作ることは困難です。
窓を割って脱出するときは、運転席・助手席・後席ドアなどに使われている強化ガラスを選びます。ただし、側面の窓にも合わせガラスを使っている車種があるため、「側面なら必ず割れる」とは限りません。
窓ガラスの中央ではなく端を狙う
金づちタイプやピックタイプの脱出用ハンマーは、一般的に窓ガラスの中央ではなく、端や角に近い部分を狙うと力を集中させやすくなります。ポンチタイプは、指定された位置へ先端を押し当てて使用します。
ただし、製品によって使い方が異なります。購入後はパッケージや取扱説明書を確認し、緊急時に迷わず使えるようにしておきましょう。
合わせガラスは脱出用ハンマーでも割れにくい
合わせガラスは、ガラスが破損しても樹脂製の中間膜が残り、容易に貫通しない構造です。国民生活センターは、一般的な緊急脱出ハンマーでは合わせガラスを破砕できないと案内しています。
合わせガラスを何度もたたくことに時間を使うと、車内への浸水が進んでしまいます。自分の車で強化ガラスが使われている場所を事前に確認し、そこから脱出できるように備えてください。
自分の車のガラスの種類を確認しておく
ガラスの種類は、車の取扱説明書や自動車メーカー・販売店への問い合わせで確認できます。JISマークのある自動車用ガラスでは、マーク付近の表示も判断材料になります。
- ● 「T」または「TP」:強化ガラスを示す表示
- ● 「L」または「LP」:合わせガラスを示す表示
表示方法が異なる場合もあるため、不明なときは販売店などへ確認するのが確実です。家族で同じ車を使用している場合は、割ることのできる窓を全員で共有しておきましょう。
脱出用ハンマーは運転席から手の届く場所に設置する
脱出用ハンマーをトランクや工具箱に保管していても、緊急時には取り出せません。運転席に座ってシートベルトを着用した状態でも手が届くよう、専用ホルダーなどを使って確実に固定してください。
急ブレーキや事故の際に飛び出さない場所であることも重要です。JIS規格などの表示がある信頼できる商品を選び、シートベルトカッターの有無も確認しましょう。
参考:国民生活センター「自動車用緊急脱出ハンマーによるガラスの破砕」
脱出用ハンマーがない場合はどうする?
ヘッドレストや傘、鍵などで窓を割る方法は、どの車でも成功するとは限りません。確実な代用品と考えないでください。
インターネット上では身近なものを使った脱出方法が紹介されることがありますが、車種や窓ガラスの種類によっては使用できず、脱出が遅れるおそれがあります。
ヘッドレストで窓を割る方法は確実ではない
ヘッドレストの金属部分を窓とドアの隙間に差し込んで割る方法が知られていますが、すべての車で実行できる方法ではありません。
ヘッドレストを取り外せない車種があるほか、窓との隙間に差し込めない構造や、合わせガラスを採用している車もあります。緊急時の主要な脱出方法として頼るのは避けましょう。
傘や鍵など身近なものに頼るのは危険
傘、鍵、スマートフォンなどは、窓ガラスを破砕するために設計されたものではありません。窓を割れないだけでなく、破損した物やガラスでけがをする可能性もあります。
水没時は限られた時間のなかで行動しなければならないため、不確実な方法を何度も試すのは危険です。
万一に備えて脱出用ハンマーを車載しておく
水没事故への備えとして、強化ガラスの破砕性能が確認された脱出用ハンマーを用意しておきましょう。
| タイプ | 使用方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 金づちタイプ | グリップを握って先端でたたく | 一般的なハンマーに近い形状 |
| ピックタイプ | 握った状態で窓へ突きつける | 比較的コンパクトな製品が多い |
| ポンチタイプ | 先端を窓に押し当てる | ばねの力などで先端が作動する |
どのタイプでも、対象となるガラスや操作方法を事前に確認することが必要です。
参考:国民生活センター「自動車用緊急脱出ハンマーによるガラスの破砕」
車が水没する主な原因

車の水没は、台風や集中豪雨による道路の冠水、アンダーパスへの進入、河川の氾濫や津波などによって発生します。
特に局地的な大雨では、短時間で道路状況が変化します。普段通っている道でも、安全とは限りません。
水没車・冠水車とは?
一般に、水害などによって車体や車内が水に浸かった車を「水没車」や「冠水車」と呼びます。ただし、「タイヤの何割まで浸かったら水没車」といった統一的な判断基準があるわけではありません。
浸水の程度が浅く見えても、吸気口や排気系、ブレーキ、各種センサー、配線などに水が入り、故障や安全上の問題が生じる可能性があります。
大雨や台風による道路の冠水
排水能力を上回る大雨が降ると、道路に水がたまり、冠水することがあります。夜間や強い雨のなかでは水深や道路の境界が見えにくく、危険を判断しづらくなります。
前の車が進んでいるからといって、自分の車も通行できるとは限りません。車高や吸気口の位置が異なるほか、前走車が作る波によって一時的に水位が変化することもあります。
アンダーパスや立体交差への進入
道路や線路の下を通るアンダーパスは周囲より低く、雨水が集中しやすい場所です。入口では浅く見えても、中央部に向かって急に深くなる場合があります。
冠水を示す看板、通行止め、道路管理者の案内がある場合は必ず従ってください。水がたまっているのを確認したら進入せず、引き返すか安全な経路へ迂回しましょう。
河川の氾濫や津波による浸水
河川の氾濫や堤防の決壊、高潮、津波によって、駐車中または走行中の車が浸水することもあります。流れのある水は車を押し流す力が強く、水深が浅く見えても危険です。
避難情報や津波警報などが発表されたときは、車を移動させることに固執せず、地域の避難計画や警察・消防・自治体の指示に従ってください。
車は水深何センチで走行できなくなる?

「水深○cmまでなら安全」と一律に判断することはできません。水が車の床面を超える状況は、すでに危険と考えてください。
車が走行できるかどうかは、水深だけでなく、車高、速度、水の流れ、路面状態、波、車両構造などによって変わります。冠水道路を目の前にした時点で、進入しない判断が基本です。
水深だけで安全性を判断するのは危険
国土交通省は、実車を使った冠水路走行試験を踏まえ、水深が車の床面を超えると、さまざまな不具合が発生する危険があると注意喚起しています。
同じ水深でも、速度が上がると車の前方に大きな波ができ、吸気口などへ水が入りやすくなります。水深が分からない道路へ「ゆっくりなら通れる」と考えて進入するのは避けましょう。
冠水した道路を走行すると起こること
- ● 吸気口から水を吸い込み、エンジンが停止・損傷する
- ● マフラーから排気できず、エンジンが停止する
- ● 電気系統や各種センサーが故障する
- ● ブレーキの効きが低下する
- ● 車内へ浸水し、ドアや窓からの脱出が難しくなる
一度水が引いても、車の内部では腐食やショートが進む可能性があります。外観だけで走行可能と判断しないでください。
車体が浮いたり流されたりする危険がある
水位が高くなるとタイヤの接地力が失われ、車体が浮いたり、流れに押されたりする危険があります。ハンドルやブレーキが効かず、自力で移動できなくなる可能性もあります。
流れの速さや道路の傾斜によって危険性が大きく変わるため、水深だけを見て通行できるか判断してはいけません。
冠水道路や深い水たまりには進入しない
冠水している道路を見つけたら、進入せずに引き返すことが最も確実な対策です。
すでに進入してしまった場合でも、異音、警告灯、エンジンの不調などが発生したら無理に走行を続けないでください。安全に脱出できる段階で車外へ出て、警察や消防、ロードサービスへ連絡しましょう。
水没した車から避難したあとの注意点

水が引いても、自分でエンジンをかけたり、むやみに車両へ触れたりしないでください。
水没した車には、電気系統のショート、火災、燃料漏れ、感電などの危険があります。見た目に異常がなくても、専門家による点検が必要です。
安全な場所へ移動して警察や消防へ連絡する
車外へ脱出したら、冠水区域や車の近くにとどまらず、安全で高い場所へ移動します。負傷者がいる、車内に人が取り残されている、車が流されているなど、緊急性が高い場合は119番または110番へ連絡してください。
増水中の道路へ戻ったり、流された荷物を取りに行ったりしてはいけません。自治体から避難情報が出ている場合は、指定された避難場所へ移動しましょう。
水が引いても自分でエンジンをかけない
エンジンや吸気系に水が入った状態で始動すると、エンジン内部を大きく損傷させる可能性があります。また、配線や電子部品が濡れていると、ショートや火災につながるおそれもあります。
自走できそうに見えてもエンジンを始動せず、ロードサービスや販売店、整備工場へ相談してください。
車両火災や電気系統のショートに注意する
浸水した車では、時間が経ってから電気系統がショートし、発熱や発火が起こる可能性があります。焦げたようなにおい、煙、異音などがある場合は車に近づかず、消防へ連絡してください。
海水や泥水に浸かった場合は、塩分や汚れによって金属部品の腐食が進みやすくなります。一度乾燥したように見えても、安全が確認されたことにはなりません。
ハイブリッド車・電気自動車にはむやみに触れない
ハイブリッド車や電気自動車には、高電圧バッテリーや高電圧配線が搭載されています。車両には感電防止の安全対策が施されていますが、事故や浸水で損傷している可能性があります。
オレンジ色の高電圧ケーブルやバッテリー周辺、露出した配線には触れず、車種情報をロードサービスや救援担当者へ伝えて対応を任せましょう。
水没した車の修理費用と修理・買い替えの判断基準

水没車の修理費用は、浸水した高さ、エンジンの状態、電装部品への影響、海水か淡水かなどによって大きく異なります。
「タイヤの半分までなら修理できる」など、外から見える水位だけで修理の可否を判断することはできません。販売店や整備工場で点検を受け、車の時価額や保険金額も含めて検討しましょう。
浸水した高さによって被害範囲が異なる
| 主な浸水箇所 | 想定される影響 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 車体下部・足回り | ブレーキ、ハブ、ベアリング、排気系などへの浸水 | 走行機能と腐食の有無 |
| フロア・車内 | 内装、配線、センサー、制御装置への浸水 | 電装部品、汚水、カビ・異臭への対応 |
| エンジン・吸気系 | エンジン内部への浸水や重大な損傷 | 始動させず専門的な診断を受ける |
| 高電圧部品 | 駆動用バッテリーや高電圧系統への影響 | メーカー指定の手順による点検 |
フロアまで浸水した場合に考えられる故障
車内の床まで水が入ると、カーペットや吸音材だけでなく、床下やシート下に配置された配線、コネクター、センサー、制御装置などが影響を受ける可能性があります。
乾燥や清掃だけでは対応できず、内装の取り外し、電装部品の点検・交換、除菌・消臭などが必要になる場合があります。汚水に浸かった場合は衛生面にも注意が必要です。
エンジンや電気系統まで浸水した場合の影響
エンジン内部へ水が入った場合は、分解修理や交換が必要になる可能性があります。また、現在の車は多数の電子制御装置を搭載しているため、複数の部品に不具合が及ぶと修理範囲が広がります。
その場でエンジンをかけると被害を拡大させるおそれがあるため、専門家が確認するまでは始動しないでください。
修理か買い替えかは専門業者の点検後に判断する
修理か買い替えかは、見積金額だけでなく、次の点を含めて総合的に判断します。
- ● 車の年式・走行距離・現在の時価額
- ● 浸水した範囲と水の種類
- ● エンジン・電装部品・高電圧部品の損傷状況
- ● 修理後に想定される腐食や故障のリスク
- ● 車両保険の保険金額と免責金額
修理費が車の価値や車両保険金額を上回る場合は、全損と判断されることがあります。見積もりを確認する前に廃車や修理を進めず、保険会社にも相談しましょう。
車の水没被害に車両保険は適用される?

台風、集中豪雨、洪水、高潮などによる水没は、一般に車両保険の補償対象となる可能性があります。ただし、契約内容によって異なります。
車両保険に加入していない場合や、免責事項に該当する場合は補償されません。保険証券や契約者ページを確認し、不明な点は保険会社または代理店へ問い合わせてください。
台風や豪雨による水没は補償される可能性がある
一般的な車両保険では、台風、豪雨、洪水、高潮などによって車が水没した場合、補償の対象になることがあります。
ただし、支払われる保険金は、損害額、契約した車両保険金額、免責金額などによって決まります。全損と判断される基準も契約によって確認が必要です。
津波による被害は一般的な車両保険の対象外
地震・噴火またはこれらによる津波の被害は、一般的な車両保険では補償対象外となります。
保険会社によっては、地震・噴火・津波によって車が全損した際に一時金を支払う特約を用意している場合があります。名称や支払条件は保険会社ごとに異なるため、契約内容を確認してください。
車両保険を使用すると等級が下がる場合がある
台風や洪水などの水害で車両保険を使用した場合、一般に1等級ダウン事故として扱われ、翌年の等級が1つ下がります。事故有係数適用期間が1年加算され、翌年以降の保険料が高くなる可能性もあります。
損害額が比較的小さい場合は、保険金を請求した場合と自費で修理した場合の負担を比較し、保険会社や代理店へ相談しましょう。
契約内容と免責金額を確認する
車両保険には、損害が発生した際に契約者が負担する免責金額が設定されている場合があります。また、補償範囲や特約の内容も契約によって異なります。
- ● 車両保険が付帯されているか
- ● 洪水・高潮などの水災が補償範囲に含まれるか
- ● 車両保険金額はいくらか
- ● 免責金額はいくらか
- ● 地震・噴火・津波に関する特約があるか
避難後に行うロードサービス・保険会社への連絡手順
安全を確保したら、水没車を自分で動かさず、警察・消防、ロードサービス、保険会社の順に必要な連絡を行います。
- 緊急性がある場合は警察や消防へ連絡する
- ロードサービスへ救援を依頼する
- 安全な範囲で被害状況を記録する
- 保険会社へ事故状況を連絡する
- 販売店や整備工場で点検を受ける
1.警察や消防へ連絡する
けが人や取り残された人がいる場合は119番、道路上で車が停止して交通の危険がある場合などは110番へ連絡します。現在地が分からない場合は、周囲の建物、道路標識、電柱番号、スマートフォンの位置情報などを確認してください。
2.ロードサービスへ救援を依頼する
JAFや加入している自動車保険のロードサービスへ連絡し、水没したこと、車種、現在地、車の状態を伝えます。
水没車は自走できるように見えても、エンジンや電装部品が損傷している可能性があります。自分でエンジンをかけず、レッカー車や積載車による移動を依頼してください。
3.水没した車の状態を写真や動画で記録する
周囲の安全が確保されている場合に限り、車と周辺の状況を写真や動画で記録します。
- ● 車全体とナンバープレート
- ● 水位や泥の跡が分かる車体・車内
- ● 冠水している道路や周辺状況
- ● 損傷した箇所や警告灯
- ● 被害が発生した日時と場所
危険な場所へ戻ってまで撮影する必要はありません。安全を最優先にしてください。
4.保険会社へ事故状況を連絡する
保険会社または代理店へ、被害の日時・場所・原因、浸水状況、車の保管場所などを伝えます。修理工場やレッカーの指定がある場合もあるため、修理や処分を決める前に相談しましょう。
5.販売店や整備工場で車を点検してもらう
車両を安全な場所へ移動したら、販売店や整備工場で点検を受けます。外観だけでなく、エンジン、吸気系、ブレーキ、電装部品、配線、内装、高電圧部品などを確認してもらいましょう。
点検結果と修理見積もりを保険会社へ共有し、修理・買い替え・廃車の判断を進めます。
車の水没に備えて用意しておきたい防災用品
脱出用ハンマーは、実際に水没してから用意することはできません。平常時に準備し、使い方と保管場所を確認しておきましょう。
| 防災用品 | 用途 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 脱出用ハンマー | 強化ガラスを破砕する | 運転席から手の届く場所へ固定する |
| シートベルトカッター | 外れないシートベルトを切断する | ハンマー一体型または単体で用意する |
| 防水ライト | 夜間や停電時の視界を確保する | 定期的に電池・点灯を確認する |
| モバイルバッテリー | スマートフォンの電源を確保する | 充電状態を定期的に確認する |
| 非常用持ち出し袋 | 避難後に必要な物を持ち出す | 車内に閉じ込められない位置へ保管する |
非常用品を用意していても、脱出が遅れる状況では持ち出そうとしないでください。緊急時は命を守るための脱出を最優先にします。
参考:国民生活センター「自動車用緊急脱出ハンマーによるガラスの破砕」
車の水没に関するよくある質問

車が水没したらすぐに窓を開けるべき?
まずドアから脱出できるか確認し、ドアが開かなければ、電気系統が作動しているうちに窓を開けて脱出してください。水位が上がるとドアに水圧がかかり、さらに浸水が進むとパワーウインドーが動かなくなる可能性があります。
電動式の窓は水没すると開かなくなる?
浸水した瞬間に必ず動かなくなるわけではありませんが、電気系統の故障によって操作できなくなるおそれがあります。ドアが開かないときは早めに窓のスイッチを操作し、開かない場合は脱出用ハンマーを使用します。
フロントガラスは脱出用ハンマーで割れる?
フロントガラスは合わせガラスのため、一般的な脱出用ハンマーで脱出口を作ることはできません。強化ガラスでできた側面の窓などを狙ってください。
ヘッドレストで窓ガラスを割れる?
ヘッドレストを利用する方法は、どの車でも成功するとは限りません。取り外せない車種や、金属部分を差し込めない構造、側面に合わせガラスを採用した車もあります。確実な脱出手段として頼らず、専用の脱出用ハンマーを準備しましょう。
水没した車は乾燥させれば再び乗れる?
乾燥したように見えても、エンジン、電装部品、配線、ブレーキなどに水分や汚れが残っている可能性があります。時間が経ってから腐食やショートが発生することもあるため、専門業者の点検を受けるまでは運転しないでください。
水没した車を自分で動かしてもよい?
自分でエンジンをかけたり、自走させたりするのは避けてください。ロードサービスへ連絡し、レッカー車や積載車で販売店・整備工場などへ移動してもらいましょう。
まとめ|冠水道路には進入せず、車が水没したら早めに脱出しよう

車の水没事故では、ドアや窓が使えるうちに早めに脱出することが命を守るポイントです。
車が水没し始めたときは、次の順番で行動しましょう。
- シートベルトを外す
- ドアを開けて脱出する
- ドアが開かなければ窓を開ける
- 窓が開かなければ、強化ガラスを脱出用ハンマーで割る
- 窓を割れない場合は、水圧差が小さくなったタイミングでドアを開ける
フロントガラスや合わせガラスは、一般的な脱出用ハンマーでは破砕できません。自分の車で強化ガラスが使われている場所を確認し、運転席から手の届く場所に脱出用ハンマーを固定しておきましょう。
また、冠水道路には進入しないことが最大の予防策です。水没した車は自分でエンジンをかけず、警察・消防、ロードサービス、保険会社、販売店や整備工場へ相談してください。

この記事について
- 執筆・監修:タイヤワールド館ベスト
(タイヤ・ホイール交換および車両点検の実務経験を持つ専門スタッフ) - 記事の内容:車が水没した際の脱出方法、冠水道路の危険性、水没後の対応、修理・保険の考え方を解説
- 記事の根拠:国土交通省、国民生活センター、JAFおよび損害保険会社の公開情報をもとに作成
- 補足:窓ガラスの種類や緊急時の操作方法は、車種・年式・グレードによって異なります
- 注意:実際の災害時は車や荷物より人命を優先し、警察・消防などの指示に従ってください
- 記事更新日:2026年6月(最新情報に基づき内容を更新)

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