「スリップサインの見方は?」
「他にタイヤの交換時期を判断する方法は?」
ディーラーや給油時に「スリップサインが出ているからタイヤ交換した方がいい」と言われたことがありませんか?
タイヤ交換時期の目安のひとつとして、スリップサインがあります。スリップサインはタイヤの溝の底にあるゴムが盛り上がった部分のことで、タイヤの摩耗状態を知らせてくれるサインです。
タイヤが摩耗し残りの溝が1,6mmをすぎると、トレッド面とゴムが盛り上がった部分が同じ高さになります。スリップサインが出た状態で走行すると、タイヤが滑ったり道路交通法違反になったりするため、早急に交換しましょう。
本記事では、スリップサイン以外で寿命を判断できる方法や、タイヤを長持ちさせる方法を紹介しています。
正確なタイヤの交換時期を把握し、安全な車で家族との快適なドライブを楽しみましょう。
- スリップサインはタイヤの寿命を知らせてくれる
- スリップサイン以外でタイヤの寿命を判断する方法
- スリップサインが出たタイヤは危険
- タイヤを長持ちさせる方法
- スタッドレスタイヤとサマータイヤは寿命が違う
- スリップサインが見えたタイヤは即交換しよう
スリップサインはタイヤの寿命を知らせてくれる
スリップサインはタイヤの摩耗状態を示すサインです。スリップサインが現れたら早急にタイヤを交換しましょう。
スリップサインが現れたタイヤで走行するのは危険です。タイヤの溝が浅くなると、排水能力が低くなるため、路面との間に水の膜が発生しタイヤが浮いてしまいます。これがハイドロプレーニング現象です。
ハイドロプレーニング現象が起こると、ブレーキやハンドルの操作が効かなくなり、車が制御不能になります。
スリップサインが現れたタイヤは、車をしっかり制御できる状態ではありません。そのため、スリップサインが見える前にタイヤを交換するのが理想です。
スリップサインの見方
スリップサインはタイヤの溝の底にあるゴムが盛り上がった部分のことで、トレッド全周の4〜9カ所に設置されています。タイヤ側面の三角マークの延長線上にあるため、すぐに見つけられるでしょう。
タイヤが摩耗し溝の深さが1.6mmをすぎると、盛り上がった部分がトレッド面と同じ高さになり、スリップサインが現れます。
スリップサインは1箇所でも見えたらすぐに交換しましょう。
スリップサイン以外でタイヤの寿命を判断する方法
タイヤ交換時期の目安はスリップサインだけではありません。他にも寿命を判断する方法が3つあるので紹介します。
● 約32,000キロ走行したか
● ひび割れや損傷がないか
上記のうち、ひとつでもあてはまるならタイヤの点検をおすすめします。適切なタイヤ交換時期を把握し、安全なタイヤで走行しましょう。
約4〜5年使用したか
タイヤのゴムは、車に乗っていなくても常に外的要因に晒されているので劣化していきます。そのため、走行距離が少ない場合でも、4〜5年が経過したタイヤは点検を受けましょう。
また、タイヤの側面には製造年が記載されています。ただ、製造番号はタイヤ片側のみに刻印されているため、車に装着した状態では外側から確認できない場合もあるかもしれません。
製造番号は、下4桁の数字で製造年週を表しており、最初の2桁の数字は週(1週)を、最後の2桁の数字は年を意味します。
例:製造番号の見方
3021 | 2021年の第30週 |
メーカーで販売しているタイヤは製造から3年以内の商品です。適正に保管されたタイヤは、製造から3年経過しても新品同様の性能を発揮できるため、安心して購入できます。
さらに、日本自動車タイヤ協会からは使用開始から約4〜5年を目安に専門店での点検を受けることが推奨されています。
使用開始後 5年以上経過したタイヤについては、継続使用に適しているかどうか、すみやかにタイヤ販売店等での点検を受けられることをお奨め致します。
安全に走行するためにも、使用開始から4〜5年経過したタイヤは専門店で点検してもらいましょう。
約32,000キロ走行したか
一般的なタイヤのゴムは、約5,000キロ走行すると1mm摩耗します。
新品のタイヤの溝は約8mmなので、約32,000キロ走行するとタイヤの溝は1,6mmになる計算です。そのため、新品タイヤを購入後、走行距離が約32,000キロに達するころにはスリップサインが現れるでしょう。
しかし、あくまでも目安に過ぎず、路面や荷物の積載状況によっても摩耗スピードは変わります。タイヤの摩耗状態は走行距離だけでなく、日々の点検もしておきましょう。
ひび割れや損傷がないか
タイヤはゴム製品なので、経年劣化により表面にひび割れや細かい亀裂が入ります。ひび割れはトレッド面やタイヤの側面に現れ、状態によってはパンクする恐れがあるので専門店で点検してもらいましょう。
タイヤのひび割れは、空気圧不足や車をあまり使用しないことが原因です。空気圧が不足しているとタイヤに過度な負担がかかり、異常に発熱してしまうためひび割れが起こります。
タイヤには紫外線から劣化を防ぐため、劣化防止剤という成分が含まれています。車を動かせばタイヤから少しずつ滲み出るようになっているため、劣化を防止するには定期的にドライブするといいでしょう。
車を放置すると劣化防止剤は出ないので、ひび割れが進行しやすくなります。
大きいひび割れや損傷はパンクの恐れがあります。今のタイヤにひび割れがある場合は、タイヤ専門店で点検してもらいましょう。
スリップサインが出たタイヤは危険
スリップサインが現れたタイヤで走行し続けるのは危険です。違反になるほか、ブレーキが効きにくくなるなど命にかかわる場合もあります。主なリスクは以下の通りです。
● 保安基準不適合になり車検に通らない
● 道路運送車両法違反になる
スリップサインが現れたタイヤで走り続けるメリットはないので、早急に交換しましょう。
雨天時に滑りやすくなる
スリップサインが出たタイヤは雨天時に滑りやすくなり、性能が発揮できません。
タイヤの溝が浅くなると排水性能が衰えます。そうすると、路面とタイヤの間に水の膜ができてしまい、ハンドル操作やブレーキが効かなくなります。(ハイドロプレーニング現象)
また「タイヤの摩耗のせいでブレーキが効きにくくなった」とは考えないでしょう。しかし、新しいタイヤに替えると「ブレーキがよく効くようになった」と錯覚するほど違いが現れます。
スリップサインが現れたタイヤは雨天時だけでなく、晴天時もブレーキが効きにくくなります。
保安基準不適合になり車検に通らない
グリップ性能が確保できていないタイヤは車検に通りません。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示でも、スリップサインが出たタイヤは保安基準を満たしていないと定義されています。
タイヤの接地部の全幅(中略)にわたり滑り止めのために施されて いる凹部(中略)のいずれの部分においても1.6mm(中略)以上の深さを有すること。
ブレーキが効きにくく、しっかり止まれない車が車検に通るはずがありません。スリップサインが出たタイヤは「車検に通らないほど危険なタイヤ」なので早急に交換しましょう。
道路運送車両法違反になる
スリップサインが出たままのタイヤで走っていると違反になります。
道路運送車両法では下記のように定められています。
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。(中略)第六十二条(整備不良車両の運転の禁止)の規定に違反して車両等(軽車両を除く。)を運転させ、又は運転したとき。
もし、タイヤ交換に行く途中、警察に捕まっても違反となり切符を切られてしまうのでタイヤはスリップサインが出る前に交換しましょう。
タイヤを長持ちさせる方法
タイヤを長持ちさせるためには定期的に点検するといいでしょう。主に以下の3つを実践してみてください。
● 空気圧をこまめに点検する
● タイヤローテーションをする
タイヤを点検する癖がつけば、常にタイヤを適正な状態に保てるので、使用できる期間が長くなります。また、異変にすぐ気づけるため、危険なタイヤを使い続けるリスクも減ります。
日常的に目視する
タイヤの外傷をチェックするため、日常的に目視しましょう。車を使う前にタイヤを見ておけば、ひび割れや外傷が増えたときすぐに気づけるからです。
たとえば「出先でパンクしてしまい、タイヤを見ると釘が刺さっていた」としましょう。実は「出発前からタイヤに釘が刺さっていて、目視していれば事前にお店で点検してもらえた」こともありえます。
日常的にタイヤを目視する癖をつければ、未然にトラブルを防止できます。
空気圧をこまめに点検する
空気圧はタイヤの乗り心地や燃費、寿命にも影響します。タイヤのトレッド面が均等に地面に設置するためにも、空気圧は重要です。
たとえば、適正な空気圧を下回った状態で走行していると、タイヤのショルダー部が摩耗しやすくなります。逆に、空気圧が適正より高い状態だとトレッド面のセンター部だけが摩耗してしまいます。
空気圧を適正に保っておかないと、空気圧はガソリンスタンドで見てもらえるので、給油と同時に見てもらうのがおすすめです。
タイヤローテーションをする
前後左右でタイヤを入れ替えて使えば(タイヤローテーション)、タイヤの偏摩耗を防止できます。
タイヤはハンドル操作や駆動輪の違いにより、前後左右で溝の減り方が違います。前後左右のタイヤを入れ替え、すべてのタイヤの溝を均等にするのがタイヤローテーションの目的です。
「リアタイヤの溝はあるのにフロントタイヤの溝は減っている」といったときに、タイヤをローテーションすればまた使用できるようになります。
駆動輪の違いによってローテーションの仕方が変わるため、詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
スタッドレスタイヤとサマータイヤは寿命が違う
スタッドレスタイヤとサマータイヤでは寿命が違います。サマータイヤは新品時、タイヤの溝が8mmに対してスタッドレスタイヤは10mmです。
当然スタッドレスタイヤのほうが長く使えると思いがちですが、実はサマータイヤのほうが長持ちします。
どれくらい寿命が違うのか以下の表を参考にしてください。
タイヤ種別 | 推奨使用期間 | 走行距離 |
---|---|---|
サマータイヤ | 約4年 | 約32,000キロ |
スタッドレスタイヤ | 約4年 | 約10,000キロ |
使用期間は同じですが、走行距離が短いのはスタッドレスタイヤです。
スタッドレスタイヤはサマータイヤに比べてゴムが柔らかく、低い気温でもしなやかさを損なわないのが特徴です。そのため、走行するときに設置面が増え、サマータイヤに比べるとタイヤの摩耗が早くなります。
スタッドレスタイヤは気温が高くなってくるとゴムが柔らかくなり過ぎてしまい、性能が低下します。逆に、サマータイヤは気温が低くなると性能が落ちるので、サマータイヤ・スタッドレスタイヤの交換時期は以下を参考にしてください。
交換するタイヤ | 交換時期 |
---|---|
サマータイヤ→スタッドレスタイヤ | 早い地域:10月中旬〜下旬 遅い地域:12月初旬〜下旬 |
スタッドレスタイヤ→サマータイヤ | 3月〜4月中旬くらいまで |
あくまで参考程度の表なので、住んでいる地域や雪の降るタイミングでタイヤを交換しましょう。
スタッドレスタイヤとサマータイヤは用途が違うので、それぞれの特徴を理解し、うまく使い分けてください。
スリップサインが見えたタイヤは即交換しよう
スリップサインが見えたタイヤは危険を伴い、車検にも通りません。また、道路車両法違反になり、整備不良として切符を切られます。
スリップサインが現れたタイヤはメリットがないので早急に交換しましょう。
また、タイヤを長持ちさせるためには以下の方法を試すのがおすすめです。
● 空気圧をこまめに点検する
● タイヤローテーションをする
タイヤを点検する癖をつければ、異変にもすぐ気づけるようになるので家族の安全にもつながるでしょう。
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