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ホイールの知識 ライターチーム

ホイールのオフセットの計算方法とは?許容範囲や注意点もあわせて解説

最終更新日 2023年6月19日

ホイールのサイズを変更してツライチを目指すときに、必要なのが「オフセット」です。オフセットの数値によってホイールの取り付け位置が変わり、見栄えにも大きく影響します。

しかし、「オフセットの計算方法がよくわからない…」と思っている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、ホイールオフセットの計算方法をわかりやすく解説します。許容範囲や注意点もお伝えするので、見落としがちなミスを防げるでしょう。

ツライチは足回りのカスタマイズに欠かせない要素です。ホイールを交換してドレスアップを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

オフセットとは?インセットもあわせて解説

オフセットとは?インセットもあわせて解説

オフセットとは、ホイールを横から(車に取り付けた状態からだと真上から)見たときのリム幅の中心位置から、ホイールを車体に取り付ける面までの距離を表した数値のことです。

オフセットは、2008年7月11日以降、JATMA(日本自動車タイヤ協会)が国際基準に合わせようという呼びかけがあり「インセット」に変更されました。

※しかし、現在でもオフセットと呼ぶ人が多くいることから、本記事では「オフセット」と表記いたします。

オフセットは、ホイールの取り付け面がリム幅の中心に位置していれば「ゼロセット(0)」、中心より内側にあれば「アウトセット(-)」、外側にあれば「インセット(+)」と表示されます。

ホイールの取り付け面が…

リム幅の中心 中心より内側 中心より外側
ゼロセット(0) アウトセット(-) インセット(+)

ホイールサイズの一番後ろに表記してある数字がオフセットで、たとえば「15×61/2 J 5 114.3 50」だと、「インセット50」という意味合いです。

つまり、ホイールの中心から車体に取り付ける面が50mm外側にあると表記されています。

オフセットの数字が大きいほどホイールは内側に、逆に数字が小さいほど外側に出ることから、ツライチにするときはオフセットの数値を下げていくようにします。

オフセットの計算方法

オフセットの計算方法

実際にオフセットを計算するときの方法を解説します。手順は以下の3点です。

  1. ホイールのサイズを確認する
  2. フェンダーとホイールの距離を測る
  3. 数値からオフセットを計算する

オフセットを計算するときには、基準となる数値を出すことが肝心です。まずは現状を把握してから、数値を計算するようにしましょう。

詳しく解説します。

1.ホイールのサイズを確認する

ホイールのサイズを確認する

まず、現在はいているホイールのサイズを調べます。サイズがわからなければ正確な数値が出せないので、間違いのないようにしっかり確認しておきましょう。

ホイールのサイズは、主に以下の3つの場所に表記してあることが多いです。

・ホイールの外側(側面に記載)
・ホイールの内側(リム幅に記載)
・ホイール内側のスポーク(中心から放射線状に伸びる棒状の部品に記載)

ホイールの表面に見当たらないときは、裏面に記載がある可能性が高いです。その場合はタイヤを取り外して確認してください。

2.フェンダーとホイールの距離を測る

ホイールのサイズを確認したら、フェンダーからホイールの距離を測ります。

用意するものは以下の3つです。

・糸
・おもり
・ものさし(端に余白がないもの)

まず、糸におもりをくっつけます。タコ糸などを使うと良いでしょう。おもりにはホイールに当たっても傷がつかないように布やウエスなどを巻くと安心です。

おもりをホイールのセンターキャップの中心にあわせ、フェンダーから糸を垂らし、ホイールのリムから糸の位置までの距離をものさしで測ります。

ホイールがどれくらいフェンダーの内側にあるのかを測ることで、あと何mmホイールを外に出せるのかがわかります。

3.数値からオフセットを計算する

ホイールのサイズとフェンダーまでの距離が測れて基準値がわかったら、いよいよオフセットを計算していきます。

今回は、ホイールのサイズが「16x7J 5 114.3 40」、フェンダーまでの距離が「42mm」、16インチから19インチにサイズアップすると仮定して計算してみましょう。

※車は1台1台異なります。仮定した数値と同じでも、同じサイズのホイールがはけるとは限りません。必ず自分の車で確認し、自己責任で行うようにしてください。

オフセットの計算で重要になるのが、リム幅を表す「7J」オフセットを表す「40」です。(1J=25.4mm、オフセットの1=1mm)

ホイールのオフセットが「+40」なので、現状のホイールはリム幅の中心から取り付け面が40mm外側にあります。

フェンダーまでの距離が42mmなので、計算上はあと42mmホイールを外側に出せることになります。(オフセットの数値を下げられる)

いまのホイールのオフセットからフェンダーまでの距離を引くと

40-42=-2

つまり、16インチのホイールであれば、理論上は「7J -2」でツライチになる計算になります。

ですが実際には、オフセットの数値を下げる前にタイヤのJ数(横幅)を上げて再計算します。

ホイールのJ数が大きくなればホイールの横幅が長くなり、その分ホイールを外に出すことができるからです。

タイヤのJ数(横幅)を上げて再計算

今回は、7Jを9Jに大きくした場合で計算します。

1J=25.4mmなので、2J大きくするとホイールの横幅は50.8mm大きくなります。ですが、外側と内側に半分ずつ大きくなるので、外側に大きくなるのは25.4mmです。

※1J数値が上がるとリム幅が内側に12.7mm、外側に12.7mm(合計25.4mm)大きくなります。

7Jのホイールでは、オフセットが-2でツライチになるので、-2に25.4を足した数字が9Jのホイールでツライチになるオフセットの数値です。

つまり、

-2+25.4=23.4 

「9J 23.4」でツライチになる計算になります。

許容範囲と注意点

許容範囲と注意点

ホイールを外に出すときに知っておくべき許容範囲と注意点を3つ解説します。

  1. フェンダーからはみ出さない
  2. ブレーキやサスペンションに干渉させない
  3. 数値は車によって変わる

オフセットの計算ばかりに気を取られがちですが、ドレスアップを楽しみながら安全に走行するためにも、必ず把握しておきましょう。

それぞれ順番に解説します。

フェンダーからはみ出さない

フェンダーからホイールがはみ出してしまうと、車検に通らない可能性があります。

正確には、タイヤ側面のラベリングと、ホイールリムを保護するためのリムガードは10mm未満であればはみ出しても良いとされています。(道路運送車両の保安基準 第178条(車枠及び車体))

しかし、ホイールやホイールナットなど、そのほかの部分は認められていません。

車検に通らないだけでなく、はみ出した部分が接触して事故を起こしたり、小石などの異物をはねやすくなったりと危険をともないます。

ルールを守って安全に走行するためにも、必ずフェンダーからはみ出さないようにカスタマイズしてください。

ブレーキやサスペンションに干渉させない

ツライチは外側にホイールをどれだけ出せるのかを重視されがちですが、内側(車体側)にある部品とホイールとの距離が変わることも忘れてはいけません。

同じ大きさのホイールでオフセットの数値だけが小さくなるのなら、ホイールと内側の部品とのすき間は広くなります。

しかし、J数(ホイールの横幅)が上がると、ホイールが外に出ると同時に内側にも太くなり、すき間がせまくなります。

車のホイール付近には、走行に直結する重要な部品が多いです。回転するホイールがブレーキやサスペンションに干渉してしまうと、非常に危険です。

部品の破損だけでなく、事故を起こす可能性もあります。

ナックル(タイヤを支えハンドル操作を伝える部品)、ロアアーム(タイヤとサスペンションを車体につなぐ部品)、ブレーキなどの部品とホイールとの距離がどれくらいあるのかをあらかじめ測っておきましょう。

数値は車によって変わる

車種やホイールのサイズが同じでも、数値はその車によって変わります。同じ車種でも、個体差は必ずあるからです。

また、車は左右対称に見えても、実際には異なります。

例をあげると、エンジンルームには重さも大きさもちがうエンジンやミッションがあります。バッテリーなどの部品も、左右両方についているわけではありません。

車の車高によっても変わりますし、タイヤの種類やカスタマイズの有り無しによっても大きく変わります。

車種やホイール、タイヤの種類などが同じでも、1台1台数値は異なることを心にとめておきましょう。

仮にあわせられるホイールをはいて、数値を測ることができればベストです。

オフセットの調整だけでツライチにならないときの対処法

オフセットの調整だけでツライチにならないときの対処法

ホイールのオフセット調整だけでツライチにならないときは、ホイールスペーサーを使う方法があります。

ホイールスペーサーとは、車体(ハブ)とホイールの間にはさむ円状の金属です。厚さの種類も豊富で、1mmから選ぶことができ、微妙な調整をするのに役立ちます。

ちょうどいいサイズのホイールがないときや、ギリギリまでホイールを外に出したいときは、ホイールスペーサーを装着するのも1つの方法です。

しかし、メリットもあればデメリットもあります。

ホイールナットがゆるむ可能性があったり、厚みによってはハブボルト(ホイールナットを取り付けるボルト)の交換が必要になったりするケースもあります。

悪い面や注意点をよく理解したうえで、使用するようにしましょう。

ホイールの交換を依頼できる場所

ホイールの交換を依頼できる場所

ホイールの交換を依頼できるお店は、主に以下の3つです。

・カー用品店
・カスタマイズ専門店
・タイヤ専門店

それぞれ解説します。

カー用品店

カー用品店は入りやすく依頼がしやすいお店で、その場で気軽に相談できるのがメリットです。展示してある実物を見て選ぶことができ、交換したときのイメージがつかみやすいでしょう。

ホイールだけでなくカー用品の取り扱いも多いので、メンテナンスやその他のカスタマイズを同時に行うことができます。

持ち込み交換を実施している店舗も多く、幅広い作業に対応してくれます。料金設定が明確で作業工賃が安い傾向にあるのも特徴です。

事前にネット予約できる場合も多いので、時間を効率よく使いたい人にオススメです。

カスタマイズ専門店

カスタマイズ専門店では、ホイールの交換はもちろん、車全体のドレスアップを総合的に考えてくれます。

イメージする姿に近づけるように、1つの方法にこだわらず適切な方法を提案してくれるのがメリットです。

ドレスアップに関して知識も豊富で、さまざまな車種やあらゆるパターンを経験している技術者も多く、多方面からのアドバイスが期待できます。

ホイールオフセットの計算もしっかりと測ってくれる店舗が多いので、はきたいホイールのデザインや形などから最適なサイズを選んでくれるでしょう。

ホイールだけでなく、ほかの部分もカスタマイズして全体的にドレスアップを楽しみたい人にオススメです。

タイヤ専門店

タイヤ専門店は、タイヤとホイールに特化したお店です。タイヤやホイールに関する知識が豊富で、ホイールの種類が多いのがメリットです。

数あるデザインや形の中からを選ぶことができるので、お気に入りのホイールが見つかりやすいでしょう。

さまざまなサイズのホイールがあり、オフセット調整だけでなくインチアップ、インチダウンなどあらゆる相談もプロの視点からアドバイスがもらえます。

整備工場を併設している店舗も多く、国産車だけでなく輸入車も対応してくれます。

ホイールの交換はホイールのプロに任せたい、こだわりのホイールを見つけたい人はタイヤ専門店がオススメです。

ホイールの交換はタイヤワールド館ベストがオススメ!

ホイールの交換はタイヤワールド館ベストがオススメ!

オフセットの計算は、ホイールを交換してツライチにするときに欠かせないものです。正確な数値が出せないと、せっかく選んだお気に入りのホイールをはくことはできません。

許容範囲や注意点を把握しておくことも大切です。安全に走行しながら足回りのカスタマイズができるように、しっかり確認しておきましょう。

ホイールの交換は、タイヤワールド館ベストがオススメです。さまざまな種類のホイールを数多く取り揃えているので、あなたにぴったりのホイールが見つかりますよ。

足回りのデザインにこだわりたい人は、ぜひご相談ください。

作成者: ベストライターチーム

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