発表当時からタイヤ業界で注目を集めているダンロップの【シンクロウェザー】。オールシーズンタイヤの概念を大きく変えたこのタイヤは、一体何が画期的なのでしょうか?
今回は、シンクロウェザーの特徴やメリット・デメリットを徹底解説し、その魅力に迫りたいと思います。
- シンクロウェザーとは?
- シンクロウェザーの特徴
- ┗晴(ドライ性能)
- ┗雨(ウェット性能)
- ┗雪(スノウ性能)
- ┗氷(アイス性能)
- ┗【総合比較】サマータイヤ/スタッドレタイヤとの性能比較
- シンクロウェザーのメリット
- シンクロウェザーのデメリット
- シンクロウェザーがおすすめの人・不向きな人
- シンクロウェザーに関するよくある質問
- ┗シンクロウェザーはどのくらいの期間使える?寿命は?
- ┗シンクロウェザーはどんな車に合うの?
- ┗シンクロウェザーはスタッドレスタイヤの代わりになる?
- ┗シンクロウェザーはどこで買えるの?
- シンクロウェザーはタイヤワールド館ベストにおまかせ
シンクロウェザーとは?
シンクロウェザーは、ダンロップが開発した画期的なオールシーズンタイヤです。
従来のオールシーズンタイヤが、夏タイヤと冬タイヤの中間的な性能を持つのに対し、シンクロウェザーは路面状況に合わせてタイヤ自身が最適な性能に変化するという点が最大の特徴です。
シンクロウェザーの画期的な技術「アクティブトレッド」
シンクロウェザーの革新的な性能を支えているのが、「アクティブトレッド」と呼ばれる技術です。この技術により、タイヤの表面にあるゴムの性質が、水や温度に反応して変化します。
水スイッチ | 水に触れるとゴムが柔らかくなり、ウェット路面でのグリップ力が向上 |
---|---|
温度スイッチ | 低温下ではゴムが硬くなりすぎず、雪上や氷上でもグリップ力を維持 |
これらのスイッチが働き、路面状況に応じてタイヤが最適な状態に変化することで、高いグリップ力と安定性を確保しています。
シンクロウェザーの特徴
シンクロウェザーの最大の特徴は、路面状態に合わせてタイヤが自ら適した性能に変化するという点です。路面状態にあわせて、どのようにシンクロするのか。4パターンで見ていきましょう。
- 晴(ドライ性能)
- 雨(ウェット性能)
- 雪(スノウ性能)
- 氷(アイス性能)
1. 晴れ(ドライ性能)の特徴
路面状況が晴れの場合、サマータイヤ同等以上の「静粛性能」と「ライフ性能」を実現します。
低ノイズデザイン
ドライ路面では、新パターン/プロファイルでノイズが低減され、夏タイヤ同等の静粛性を実現します。
パターン剛性最適化
ドライ路面では、サイプ配置の最適化でショルダーの剛性を確保。夏タイヤ同等のロングライフ性能です。
2. 雨(ウェット性能)の特徴
路面状況が雨の場合、路面の変化に合わせてゴムの性質の切り替えを行い、高い排水性の確保で高い密着性能を発揮します。
【水スイッチ】天候による路面の変化に合わせてゴムの性質を切り替える
ウェット路面では、水スイッチがオンになり、ウェット路面にグリップするゴムへ。水に触れた時だけゴムが柔らかくなることで、濡れた路面にもしっかりと密着します。
高い排水性を確保
ウェット路面では、V字溝設計+周方向溝で、高い排水性を確保します。
3. 雪(スノウ性能)の特徴
路面状況が雪の場合、SNOW方向性パターンで排雪性を確保します。
SNOW方向性パターンで排雪性を確保
スノウ路面では、V字溝設計+周方向溝で、排雪性を確保します。
4. 氷(アイス性能)の特徴
路面状況が氷の場合、路面の変化に合わせてゴムの性質を切り替えを行い、サイピング増加でアイス性能に必要なエッジ成分を確保します。
【温度スイッチ】温度スイッチ搭載ポリマーで低温でも柔軟性を維持
シンクロウェザーは温度スイッチ搭載ポリマーが使用されています。このことで低温でも柔らかさを維持することができ、凍った路面でもしっかりと密着します。
サイピング増加
アイス路面では、ICE性能に必要なエッジ成分を確保します。
【総合比較】サマータイヤ/スタッドレタイヤとの性能比較
ダンロップ公式より公開されている比較グラフは以下の通りです。シンクロウェザーは夏タイヤ・冬タイヤのいいとこ取りだと言えるでしょう。
シンクロウェザーのメリット
画期的なオールシーズンタイヤであるシンクロウェザー。そのメリットを見ていきましょう。
● 新技術による高い安全性
● 環境に優しい
● コスト削減になる
【メリット.1】オールシーズン対応でタイヤ交換の手間が省ける
なんといっても最大のメリットは、夏タイヤと冬タイヤの交換が不要だということでしょう。季節の変わり目にタイヤ交換をする必要がなく、手間と時間が大幅に削減でき、保管場所の確保も不要です。
また、タイヤ交換の回数が減ることで、廃タイヤの発生量を減らし、環境への負荷も低減できます。
【メリット.2】新技術による高い安全性
シンクロウェザーは、ドライ路面・ウェット路面・雪上・氷上など、さまざまな路面状況で高いグリップ力を発揮し、安定した走行をサポートします。
従来のオールシーズンタイヤでは少し心配だった方は、あらゆる路面に対応する「アクティブトレッド技術」搭載のシンクロウェザーをを試してみる価値はあるでしょう。
シンクロウェザーのデメリット
シンクロウェザーは画期的なオールシーズンタイヤですが、万能ではありません。メリットと同様に、デメリットも確認しておきましょう。
● 極寒地や積雪量が多い地域では対応できない
● 猛暑では、夏タイヤに比べると性能が落ちる
● サイズ展開が限定
● 画期的なタイヤであるため走行実績データが少ない
価格は、従来のオールシーズンタイヤと比較してやや高めです。また、サイズ展開も限定的で、 すべての車種、サイズに対応しているわけではありません。
【デメリット】猛暑&極寒といった極端な気候条件下での性能は専用タイヤよりも劣る
シンクロウェザーはスタッドレスタイヤではなく、あくまでオールシーズンタイヤなので、専用のスタッドレスタイヤに比べると、グリップ力や制動距離で劣る場合があります。
極寒地や積雪地域にお住まいの方は、冬はやはりスタッドレスタイヤを装着しましょう。
また、猛暑地でも、夏タイヤに比べるとグリップ力や燃費性能で劣る可能性があることも、注意しておきましょう。
シンクロウェザーがおすすめの人・不向きな人
シンクロウェザーはとても画期的なタイヤですが、すべての人に最適というわけではありません。ここではシンクロウェザーがおすすめの人・不向きな人を解説してきます。
シンクロウェザーが不向きな人
シンクロウェザーはあくまでサマータイヤをベースにしたオールシーズンタイヤであるため、雪が多く降る地域に住んでいる場合は、従来どおりスタッドレスタイヤに交換する必要があるでしょう。
以下に当てはまる方は、別のタイヤをお選びすることをおすすめします。
● スポーツ走行を楽しむ人
● コストを極限まで抑えたい人
● タイヤの性能にこだわりたい人
シンクロウェザーが不向きな人①極寒地や積雪量が多い地域に住んでいる人
シンクロウェザーはオールシーズンタイヤのため、氷上でのグリップ力や深い雪上での走破性は、専用のスタッドレスタイヤに劣ります。とくに、凍結路面や新雪が積もった路面では、スタッドレスタイヤの方が圧倒的に安全です。
シンクロウェザーが不向きな人②スポーツ走行を楽しむ人
スポーツ走行では、高いグリップ力が求められます。シンクロウェザーは、オールシーズンでの安定性を重視した設計のため、スポーツカーなどで求められる高いグリップ力や操縦安定性を実現するためには、専用の高性能タイヤを選ぶ方が適しています。
また、スポーツ走行ではタイヤの摩耗が激しくなり、寿命が短くなる可能性があります。シンクロウェザーは、長寿命を重視した設計になっているため、スポーツ走行には不向きです。
シンクロウェザーが不向きな人③コストを極限まで抑えたい人
シンクロウェザーは、従来のオールシーズンタイヤと比較して高価な製品です。また、夏タイヤや冬タイヤと比べて交換頻度が低いですが、それでも摩耗によって交換が必要になるので、コスト重視の方は別のタイヤを選択したほうがよいでしょう。
シンクロウェザーが不向きな人④タイヤの性能にこだわりたい人
夏タイヤはドライ路面でのグリップ力に優れ、冬タイヤは雪上でのグリップ力に優れています。タイヤの性能にこだわる方は、季節ごとに最適なタイヤを選ぶことで、より高い性能を発揮できます。
とくに夏タイヤでは、「静寂性重視」「走行性能重視」「燃費性能重視」など、タイヤの種類が豊富です。タイヤの性能にこだわりたい方は、それぞれの目的に特化したタイヤを選ぶのがおすすめです。
シンクロウェザーがおすすめな人
シンクロウェザーは、雪の降らない地域に住んでいて、「シンクロウェザーが不向きな人 」に当てはまらない人におすすめできます。
とくに、
● オールシーズンを通して安定した性能を求める人
にはぜひ検討してもらいたいタイヤです。
シンクロウェザーに関するよくある質問
- シンクロウェザーはどのくらいの期間使える?寿命は?
- シンクロウェザーはどんな車に合うの?
- シンクロウェザーはスタッドレスタイヤの代わりになる?
- シンクロウェザーはどこで買えるの?
1. シンクロウェザーはどのくらいの期間使える?寿命は?
タイヤの寿命は、走行条件や運転の仕方によって異なりますが、一般的なオールシーズンタイヤと同様の寿命が期待できます。
ダンロップ公式サイトでも、「夏タイヤ同等のロングライフ」と謳っています。
2. シンクロウェザーはどんな車に合うの?
シンクロウェザーは、乗用車からSUVまで、幅広い車種に装着可能です。現在の展開サイズは以下の通りです。
インチ | タイヤサイズ | ||
---|---|---|---|
19インチ | 195/50R19 88H | 225/55R19 103V XL | 235/55R19 105H XL |
18インチ | 225/40R18 92V XL | 245/40R18 97V XL | 215/45R18 89W |
225/45R18 95V XL | 235/45R18 98V XL | 215/50R18 92V | |
225/50R18 99V XL | 235/50R18 101V XL | 225/55R18 102V XL | |
235/55R18 104V XL | 225/60R18 104V XL | 235/60R18 107V XL | |
17インチ | 205/45R17 88V XL | 215/45R17 91W XL | 225/45R17 94V XL |
215/50R17 95V XL | 225/50R17 98V XL | 205/55R17 95V XL | |
215/55R17 94V | 225/55R17 101V XL | 195/60R17 90H | |
215/60R17 96H | 225/60R17 99V | 225/65R17 106H XL | |
16インチ | 195/55R16 91H XL | 205/55R16 94H XL | 195/60R16 89H |
205/60R16 96H XL | 215/60R16 95H | 195/65R16 92H | |
205/65R16 95H | – | – | |
15インチ | 165/55R15 75H | 165/60R15 77H | 185/60R15 84H |
175/65R15 88H XL | 185/65R15 92H XL | 195/65R15 91H |
各サイズの詳しいラベリング等は公式サイトにありますので、参考にしてみてください。
3. シンクロウェザーはスタッドレスタイヤの代わりになる?
極寒地や積雪量の多い地域など、厳しい冬の条件下では、スタッドレスタイヤの方が安全です。
繰り返しになりますが、シンクロウェザーはあくまでサマータイヤをベースにしたオールシーズンタイヤであるため、スタッドレスタイヤの代わりになるものではありません。
積雪量は少ないが夏タイヤでは心配‥という関東・北関東エリアのお客さまにご検討いただきたいタイヤです。
4. シンクロウェザーはどこで買えるの?
シンクロウェザーの販売にはメーカーの講習を受ける必要があり、現状すべてのタイヤ取り扱い店で購入することができる、というわけではありません。
当店では宮城県内の直営店舗・オンラインショップスタッフ含め講習を受講済なので、取り扱いがございます。
店頭では入荷サイズが限られておりますので、一部お取り寄せになる可能性がありますので、ご興味のある方は一度ご相談ください。
シンクロウェザーはタイヤワールド館ベストにおまかせ
シンクロウェザーは、従来のオールシーズンタイヤの概念を覆す画期的な製品です。高い技術力と革新的な発想によって生まれたシンクロウェザーは、最新技術を体感したい高感度なドライバーにとてもおすすめです。
また、ダンロップの講習を受けていないと販売できないということもあり、すべてのお店で購入できるわけではありません。
オンラインショップで取り扱いがあるお店はまだ多くはありませんので、ご興味のある方はぜひタイヤワールド館ベストの特設サイトをご覧ください!