最終更新日 2026年9月25日
タイヤ交換が面倒で、スタッドレスタイヤの履きつぶしをしていませんか。
「冬用として使えなくなったスタッドレスは夏用として使ってもいい」といった情報もありますが、安全性を考慮するのであれば、履きつぶしはNGと考えるべきです。
今回は、なぜスタッドレスタイヤの履きつぶしがダメなのか、具体的な理由と共に分かりやすく解説していきます。
間違った知識で車に乗ってしまうと大きな事故につながる可能性もありますので、ぜひチェックしてみてください。
スタッドレスタイヤの履きつぶしとは

スタッドレスタイヤの履きつぶしとは、冬用として使えなくなったスタッドレスタイヤを、そのまま夏用タイヤとして履き続ける行為です。
実は、「冬用」として使えなくなっただけのスタッドレスタイヤは、夏用として使うこと自体は違反になりません。
なかなか詳しく知らない方も多いと思いますので、まずは基本的なことについて解説していきます。
なぜスタッドレスタイヤの履きつぶしをしてしまうのか
そもそも、なぜ履きつぶしをしてしまうのでしょうか。
多くの場合、下記を理由にしているケースがほとんどです。
● 夏用タイヤが寿命で車検が取れないため、そのまま履いている
● タイヤ交換が面倒、交換工賃がもったいない
特に、夏用タイヤが寿命を迎えていることで、履きつぶしを行うケースが多いといえます。
たしかに最近はタイヤの価格も上がっているため、気持ちは分からなくはないのですが、危険度が増加することを考えれば避けるべきです。
スタッドレスタイヤの履きつぶしは法律違反?車検は?
スタッドレスタイヤの履きつぶしは、現状、道路交通法に定めがなく、法律違反にはなりません。
したがって車検においても、履きつぶしをしているスタッドレスタイヤのままでも問題にはなりません。(残り溝(スリップサイン)が車検基準値以上は大前提になります。)
タイヤの危険性を考えれば履きつぶしは避けるべきですが、法律的にはOKとなっているため、どうしても一定数の人が履きつぶしをしている状況です。
スタッドレスタイヤの履きつぶしが危険な4つの理由

では、具体的に履きつぶしが危険とされる理由はなんでしょうか。
主に4つの危険があるとされています。
- ドライ・ウェット路面における制動力が下がる
- 安定性・操作性の低下
- 劣化・摩耗の進行スピードが早い
- 燃費性能の悪化
1. ドライ・ウェット路面における制動力が下がる
スタッドレスは氷上・雪上で最大限の効果を高めるために、地面に密着しやすい柔らかいゴムが使用されています。
通常、ゴムは気温が低下すると硬くなってしまう性質があります。
ドライ・ウェット路面では、タイヤにある程度の硬さがなければグリップ力が発揮できないので、制動力が下がる形です。
制動力が下がれば、自動車がブレーキを踏んでから止まるまでの距離は伸びてしまうので、危険が増してしまいます。
また、スタッドレスは細かい溝が無数に入っていることで、雪や氷とタイヤの間に発生する水分を排出する構造です。
この構造は冬道では良い効果を生み出すものの、雨水量が多い時期など多量の水を排出するには不向きな構造で、むしろ水分を溜め込む可能性があります。
いわゆるハイドロプレーニング現象(タイヤと路面の間に水膜が発生し、ハンドル操作が効かなくなる現象)を起こす要因になるため、スタッドレスの履きつぶしは避けるべきです。
私も過去、梅雨時期にスタッドレス走行した経験はありますが、夏タイヤと同じ感覚で運転すると「止まるまでの距離が遅い」「雨でハンドルが横に取られる」等を経験しております。
2. 安定性・操作性の低下
スタッドレスは剛性が低く、路面に密着しやすい特性があることで、夏タイヤよりも安定性に欠ける傾向があります。
合わせて、柔らかいゴムで設計されていることもあり、走行している時にタイヤがたわみやすく、安定性や操作性が夏用タイヤよりも劣るのがデメリットです。
柔らかい分、硬い夏タイヤよりも凹凸などの衝撃を吸収しやすいというメリットもありますが、安定性や操作性が低いと事故につながる可能性は高くなるので、スタッドレスの履きつぶしは避けるべきでしょう。
感覚的には、走行時に夏タイヤよりも「車体がぐらつく」「ハンドル操作をしてから車の動作まで若干のラグがある」といった現象を感じることになります。
3. 劣化・摩耗の進行スピードが早い
スタッドレスは、冬の気温が低い時期を想定して作られています。したがって、気温が高い時期・路面の温度が高い状況で使用すると、タイヤの摩耗・劣化スピードが非常に早く進みます。
もし、冬のシーズンを終えた時点で劣化が進んでいるタイヤをそのまま使用していると、気づかない内に使用限度を超えていたという事態にもなりかねません。
特に近年は、異常に暑い日が続く傾向もあり、タイヤに大きなダメージを与え、バースト(破裂)につながるケースも多発していますので注意が必要です。
「昔はスタッドレスを一年中使っていても大丈夫だった」と考える方もいますが、気候がここ数年で大きく変わっていますので、その点も忘れないようにしてください。
4. 燃費性能の悪化
スタッドレスは柔軟性があるので、その分夏タイヤよりも転がり抵抗が多いとされています。
したがって燃料の消費は多く、夏タイヤ装着時よりも燃費性能は悪化する形です。
安全面に直結するわけではありませんが、これだけガソリンが高くなりつつある状況を考えれば無視できない問題だと思います。
スタッドレスタイヤの寿命を見極めるポイント

スタッドレスの履きつぶしをしないためにも、寿命を見極める明確なポイントをここで理解しておきましょう。
車に詳しくない方であれば、よく分からない領域だと思いますので、プロがしっかりと解説させていただきます。
- プラットホームの露出(残り溝50%未満)
- スリップサインの露出(残り溝1.6mm未満)
- ひび割れ(硬化度合い)
- 製造年数
1. プラットホームの露出(残り溝50%未満)
プラットホームとは、スタッドレスだけに記されている目印で、残り溝が50%未満になった時点で露出するように作られています。
これは、スタッドレスが冬用タイヤとして性能を発揮できる限界を超えたサインになるため、プラットホームが露出した時点で、氷上や雪上では使用できない形です。
一見、溝が残っているように見えるので、「まだまだ使える」と考える方もいますが、溝が50%未満で冬道の走行することは、夏用タイヤで走っているのと変わらないことになります。
非常に危険ですので、寿命と捉えて必ず買い替えをしてください。
2. スリップサインの露出(残り溝1.6mm未満)
スリップサインとは、残り溝が1.6mmになった時点で露出する目印になります。
これはタイヤとしての寿命を超えているサインで、即交換が必須の状態です。
タイヤとして使える状態ではないため、危険性は最高レベルになっていると考えてください。
道路交通法でも、「残り溝1.6mm未満は使用禁止」と定められていますので、スリップサインが露出しているタイヤを使用すれば、法律違反になります。
スリップサインは、先ほど解説したプラットホームよりも奥に設置された目印なので、プラットホームが露出した時点で交換したユーザーであれば、さほど気にする必要はないでしょう。
もし、あまり気にせずタイヤを使用している方であれば、すぐにチェックして、自分のタイヤがどの状態にあるのかチェックしてください。
3. ひび割れやゴムの硬化
スタッドレスタイヤは、溝が残っていても、使用や保管によってゴムの劣化が進みます。タイヤの側面や接地面にひび割れがないか確認しましょう。
ひび割れが見つかったからといって、すべてのタイヤを直ちに交換する必要があるわけではありません。ただし、深いひび割れやタイヤ内部に達する損傷がある場合は、交換が必要です。見た目だけでは深さを判断しにくいため、ひび割れが広範囲にある場合や状態に迷う場合は、タイヤ専門店で点検を受けてください。
また、スタッドレスタイヤはゴムの硬さも冬道での性能に関わります。ひび割れの有無だけで寿命を決めず、溝の深さやゴムの状態をあわせて確認しましょう。
参考:ブリヂストン「タイヤの寿命は何年?交換目安の年数や交換時期のサイン」
4. 使用年数と製造年週
スタッドレスタイヤの交換を考える際は、使用を始めてからの年数と、タイヤの状態をあわせて確認することが大切です。冬季だけ使用している場合、使用開始から3〜4年を点検・交換検討の目安とすることがあります。ただし、使用頻度や走行距離、保管状況によって劣化の進み方は異なるため、年数だけで寿命は判断できません。
たとえば、使用年数が短くても、プラットホームの露出やゴムの硬化、ひび割れなどがあれば、冬用タイヤとしての性能を十分に発揮できない可能性があります。反対に、製造から3〜4年が経ったという理由だけで、必ず交換が必要になるわけでもありません。
製造年数の調べ方は、タイヤのサイドウォール(側面)をチェックします。メーカーによって若干表記は異なるものの、大抵「4桁の数字」が記載されていますので、そちらを見れば見分けが可能です。
数字の見方としては、「0120」とあった場合、最初の2桁「01」が製造週、後の2桁「20」が製造年となります。
つまり、「01=1週目」「20=2020年」であり、2020年の1週目に製造されたと判断できる形です。
尚、数字は表側に書いてあることが多いものの、たまに裏側のみに表記されているケースもあり、その場合は車体からタイヤ+ホイールを取り外す必要があるでしょう。
また、製造年週は使用開始日とは異なるため、いつから使い始めたかもあわせて確認しましょう。
交換するべきか迷った場合は、残り溝だけでなく、ゴムの硬さや傷の状態もタイヤ専門店で確認してもらうと安心です。
JAFのテストで見るスタッドレスタイヤの履きつぶしの危険性

スタッドレスタイヤを夏に履きつぶすと、ブレーキ性能にどのような影響があるのでしょうか。JAFは2015年に、タイヤの種類や摩耗状態、路面状況による制動距離の違いを調べるテストを行いました。
テストでは、溝の深さが異なる夏タイヤとプラットホームが出現したスタッドレスタイヤを使い、乾いた路面と濡れた路面でブレーキをかけた際の制動距離を比較しています。結果は以下のとおりです。
直線ブレーキテスト(乾いた路面)
| タイヤの溝 | 時速60km(m) | 時速100km(m) |
|---|---|---|
| タイヤの溝 | 平均 | 平均 |
| 夏用タイヤ(10分山) | 17.0 | 47.5 |
| 夏用タイヤ(5分山) | 16.3 | 44.1 |
| 夏用タイヤ(2分山) | 15.8 | 42.6 |
| スタッドレスタイヤ(プラットホーム出現) | 18.8 | 51.1 |
直線ブレーキテスト(ウェット)
| タイヤの溝 | 時速60km(m) | 時速100km(m) |
|---|---|---|
| タイヤの溝 | 平均 | 平均 |
| 夏用タイヤ(10分山) | 16.7 | 47.6 |
| 夏用タイヤ(5分山) | 16.7 | 50.8 |
| 夏用タイヤ(2分山) | 18.0 | 70.5 |
| スタッドレスタイヤ(プラットホーム出現) | 20.3 | 72.2 |
旋回ブレーキテスト(ドライ)
| タイヤの溝 | 時速60km(m) | ||
|---|---|---|---|
| 制動距離(m) | 円中心からの距離 | ||
| 平均 | 平均(前輪) | 平均(後輪) | |
| 夏用タイヤ(10分山) | 19.2 | 1.4 | 1.2 |
| 夏用タイヤ(5分山) | 18.4 | 2.0 | 1.6 |
| 夏用タイヤ(2分山) | 18.6 | 2.2 | 1.9 |
| スタッドレスタイヤ(プラットホーム出現) | 20.8 | 2.5 | 2.0 |
旋回ブレーキテスト(ウェット)
| タイヤの溝 | 時速60km(m) | ||
|---|---|---|---|
| 制動距離(m) | 円中心からの距離 | ||
| 平均 | 平均(前輪) | 平均(後輪) | |
| 夏用タイヤ(10分山) | 19.4 | 1.3 | 1.1 |
| 夏用タイヤ(5分山) | 19.5 | 2.2 | 1.9 |
| 夏用タイヤ(2分山) | 20.6 | 2.6 | 2.2 |
| スタッドレスタイヤ(プラットホーム出現) | 26.7 | 4.8 | 4.1 |
テスト結果を見ても分かる通り、スタッドレスタイヤでドライ・ウェット路面を走行した時の制動距離は明らかに伸びているのが分かると思います。
テストで使用しているスタッドレスタイヤは、プラットホームが出現している(冬用タイヤとして使えない)ものになるため、履きつぶしの危険性が十分に分かる結果といえます。
スタッドレスタイヤの交換が面倒ならオールシーズンタイヤもおすすめ

スタッドレスタイヤの履きつぶしをしてしまう方の中には、「毎シーズンにスタッドレスタイヤに交換するのが面倒」と感じているケースも多いと思います。
そんな方にはおすすめなのが、各メーカーからでているオールシーズンタイヤがおすすめです。
通年で履けるタイヤ構造になっており、ドライ・ウェット路面、氷上・雪上などオールラウンドに対応できる性能が搭載されています。
近年はタイヤ性能も格段に進化しており、オールシーズンタイヤの万能性には驚きを隠せません。
「本当に冬道が走行できる?」と疑問の声もありますが、都市部等における積雪量であれば、なんら問題なく、安全走行が可能です。
ただし、積雪量の多い地域やアイスバーン(路面凍結)を走行する環境では、安全面を最大限に確保するためにも、スタッドレスタイヤは必要とお考えください。
おすすめのオールシーズンタイヤも2つ載せておきますので、気になる方はチェックしてください。
● ダンロップ:オールシーズンマックス AS1
● トーヨータイヤ:セルシアス
ダンロップ:シンクロウェザー

| メーカー | ダンロップ |
|---|---|
| 商品名 | シンクロウェザー |
| サイズ | 15〜19インチ |
| 価格 | ¥19,140円〜 |
| 特徴 |
・路面状況に合わせてタイヤ自身が最適な性能に変化す画期的なオールシーズンタイヤ ・「水スイッチ」水に触れるとゴムが柔らかくなり、ウェット路面でのグリップ力が向上 ・「温度スイッチ」低温下ではゴムが硬くなりすぎず、雪上や氷上でもグリップ力を維持 |
ダンロップ:オールシーズンマックス AS1

| メーカー | ダンロップ |
|---|---|
| 商品名 | ALL SEASON MAXX AS1 |
| サイズ | 13〜20インチ |
| 価格 | ¥10,200円〜 |
| 特徴 |
・雪上ブレーキ性能、静粛性能、ウェット性能、ロングライフ性能の4つを高次元で実現している ・排水性が高い構造で、スタッドレスが苦手とするウェット路面にも強い |
トーヨータイヤ:セルシアス

| メーカー | トーヨータイヤ |
|---|---|
| 商品名 | CELSIUS(セルシアス) |
| サイズ | 14〜18インチ |
| 価格 | 準備中 |
| 特徴 | ・スノー性能とドライ・ウェット性能を最大限に発揮する非対称パターンを採用 |
寿命がきたら専門店で交換!タイヤならタイヤワールド館ベストへおまかせ

今回は、スタッドレスタイヤの履きつぶしについて解説してきました。
一見、冬用タイヤとして使えなくなったスタッドレスタイヤは、夏用として使えると考えがちですが、ドライ・ウェット路面に必要な性能が備わっていないため、使用するのは止めてください。
東北エリアにお住まいであれば、タイヤワールド館ベストにぜひお越しください。お車に最適なタイヤを予算内で、しっかりとお探しいたします。
タイヤの専門スタッフが常駐しているため、不明点はなんでも相談が可能です。
【タイヤワールド館ベストの強み・特徴】
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- ● タイヤ販売本数は年間約70万本の豊富な実績
- ● トーヨータイヤの販売本数は東北・宮城エリアNo.1
- ● 楽天・Yahooなどで10年以上の販売実績
- ● 宮城県・北海道で10店舗を展開し、現場での対応実績も豊富
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スタッドレスタイヤは寿命がきたら、即交換がおすすめです。ぜひ楽しいドライブを楽しんでくださいね。

この記事について
- 執筆・監修:タイヤワールド館ベスト
(タイヤ・ホイール交換および足回り点検の実務経験を持つ専門スタッフ) - 記事の内容:スタッドレスタイヤを夏に履きつぶすリスクや車検に通る条件、プラットホーム・スリップサインの見方と交換時期について解説
- 記事の根拠:タイヤの点検・交換で得られた実務知見に加え、JAFの制動距離テストやタイヤメーカーの公開情報をもとに作成
- 補足:プラットホームの露出は冬用タイヤとしての使用限界を示します。車検に通るかどうかは、スリップサインの露出など、タイヤの状態によって判断されます
- 注意事項:タイヤの使用可否は、残り溝だけでなく、ひび割れ・損傷・ゴムの状態も含めて判断してください。状態に迷う場合はタイヤ専門店にご相談ください
- 記事更新日:2026年9月













