「深雪でもしっかり走れるタイヤがほしい」「新雪や圧雪路でも安心して運転したい」「雪上性能を重視しつつ、静かで乗り心地の良いスタッドレスを選びたい」
そのような考えを持つドライバーにとって重要になってくるのが、スタッドレスタイヤの雪上性能でしょう。
雪上性能に優れたスタッドレスタイヤは、発進力やコーナリング安定性、制動距離が優れており、冬の道路の運転の安全性に大きく関わってきます。
本記事では、主要メーカーのスタッドレスタイヤを「雪上性能」の観点から徹底比較しました。
それぞれの特徴・性能差・おすすめ車種まで、最新情報をわかりやすく解説しているので、冬のドライブをより安全に、より快適にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
雪上性能の重要性


スタッドレスタイヤ選びでは「氷上性能」に目がいきがちですが、実は「雪上性能」も同じくらい重要です。とくに降雪量が多い地域や山道を走る方にとっては、雪上性能が冬の安全運転を左右します。
雪上性能が高いタイヤは、新雪・圧雪・シャーベットなどさまざまな雪道で安定した走りを実現することが可能です。発進時のトラクション、カーブでの安定感、ブレーキの効きまで、雪道での基本動作はこの性能に大きく影響されます。
雪上性能で注目すべきポイント


雪上性能を正しく評価するためには、タイヤのどこを見るべきかを理解することが大切です。ここでは、雪上性能を左右する4つの重要なポイントについて詳しく解説します。
- 深い溝と細かいサイプによる雪のグリップ力
- 柔らかいゴムが生む圧雪・新雪での密着性能
- ショルダー剛性とトレッド設計による発進・制動の安定性
- 雪道で「走る・曲がる・止まる」を安定させる総合バランス
1.深い溝と細かいサイプによる雪のグリップ力
雪上性能を支えるのが、トレッドパターンの溝深さとサイプ(細かな切れ込み)の配置です。
深い溝は雪をしっかり噛んで「スノートラクション」を発生させ、タイヤが雪面を力強く捉えます。
さらに、ブロックに刻まれたサイプは雪の結晶に引っかかるエッジ効果を生み、発進やブレーキ時のグリップ力を向上させます。特に3Dサイプや高密度サイプを採用したタイヤは、ブロックの剛性を保ちつつエッジ量を増やせるため、雪道での安定感が高いのが強みです。
溝形状やサイプ配置はメーカーごとに工夫されており、最新モデルほど雪上グリップ性能が向上している傾向があります。
2.柔らかいゴムが生む圧雪・新雪での密着性能
雪上性能ではコンパウンド(ゴム)の柔らかさも大きな役割を果たします。
低温でも硬くなりにくいゴムは圧雪や新雪の細かな凹凸にしなやかにフィットし、しっかり接地してグリップ力を高めるのが特徴です。
特に「液状ファルネセンゴム」「吸水ゴム」「超密着ゴム」など最新コンパウンドは、氷点下20℃以下でも柔軟性を保つため、雪面との密着性が向上します。発進時のホイールスピンを抑え、ブレーキ時の制動距離短縮にもつながるでしょう。
柔軟性の高いゴムは雪粒をしっかり捉えられるため、シャーベット状の滑りやすい路面でも安定した走行が可能となります。
3.ショルダー剛性とトレッド設計による発進・制動の安定性
雪道で安定して発進・制動するためにはショルダー部(タイヤの肩)の剛性と、トレッド全体の設計バランスが欠かせません。ショルダー剛性が高いタイヤほど、アクセルやブレーキ操作時の横ブレが抑えられ、直進安定性が向上します。
また、トレッドパターンの役割分担も重要でセンターの縦溝は排雪性を高めて、ショルダーの横溝は雪を掻き出すことで、常にフレッシュな接地面を確保します。特にSUVやミニバンなど重量のある車では、剛性の高いショルダーを持つタイヤが雪道でのふらつきを効果的に軽減するでしょう。
4.雪道で「走る・曲がる・止まる」を安定させる総合バランス
雪上性能で最も大切なのは、「走る・曲がる・止まる」をどれだけ高い次元でバランスさせているかです。発進だけ良くても、カーブで滑ったりブレーキが効かないタイヤでは安心して走れません。
雪上性能に優れたタイヤはトラクション・コーナリング・制動力のすべてを均等に引き上げています。センター部で直進安定性を確保しつつ、ショルダー部でコーナリング性能を強化し、全体の接地圧を最適化することで、さまざまな雪道環境に対応できるのが可能です。
ブリヂストンブリザックシリーズの雪上性能比較


ブリヂストンの主要商品の雪上性能に関する特徴や、各商品の比較について詳しく解説していきます。
| タイヤモデル | 従来品との比較(雪上関連性能) |
|---|---|
| BLIZZAK WZ-1 | 「圧雪からシャーベットまで幅広い路面に対応」し、 「あらゆる路面で高いパフォーマンスを実現」 |
| BLIZZAK VRX3 | 従来品VRX2比で「摩耗ライフ17%向上」、総合的な冬道性能が向上 |
| BLIZZAK VRX2 | 従来品VRX比で「氷上・雪上ブレーキ性能」を含む総合的な冬道性能が向上 |
BLIZZAK WZ-1


ブリザックWZ-1はブリヂストンの最新技術を取り入れ、軽量化と高剛性の両立を目指したスタッドレスタイヤです。雪上性能においては軽量化による接地圧の最適化と、高剛性化による発進・制動時の安定性向上が大きな特徴となっています。
新開発のWZ Motionラインと呼ばれるトレッドパターンは、センター部の太いストレートリブが直進安定性を確保することで、優れた雪上トラクションを実現しているのが特徴です。
BLIZZAK VRX3


ブリザックVRX3は氷上性能で高い評価を得ているモデルですが、雪上性能も非常に優れています。左右非対称トレッドパターンの採用により内側で氷上性能を、外側で雪上性能を強化した設計が特徴です。
外側ショルダー部に配置された大型ブロックと横溝が、雪をしっかり掴んで発進時のトラクションを向上させます。また、アクティブ・トレッドデザインにより接地圧を均一化することで、コーナリング時の安定性も確保することが可能です。
BLIZZAK VRX2


ブリザックVRX2は、長年の実績を持つ定番モデルで、雪上性能においても信頼性の高いパフォーマンスを提供します。非対称パタン採用により、雪道でのふらつきを抑えた直進安定性が特徴です。
トレッド全体に配置された細かいサイプが雪の結晶をしっかり捉えて、発進・制動時のグリップを確保するでしょう。また、センター部の縦溝が排雪性を高めることで、連続走行でも性能が低下しにくい設計となっています。
ダンロップウィンターマックスシリーズの雪上性能比較


ダンロップの主要商品の雪上性能に関する特徴や、各商品の比較について詳しく解説していきます。
| タイヤモデル | 従来品との比較(雪上関連性能) |
|---|---|
| WINTER MAXX 03 | 従来品比で「除雪性能、圧雪性能、スノーキャッチ性能を強化」し、雪上走行性能を総合的に向上 |
| WINTER MAXX 02 | 従来品比で「氷上ブレーキ12%向上、氷上コーナリング3%向上」し、雪上性能も総合的に改善 |
| WINTER MAXX SJ8+ | 「中央の2本溝+横溝で雪を効果的に掻き出す」構造により、従来品比で雪上トラクション性能が向上 |
WINTER MAXX 03


WINTER MAXX 03はナノ凹凸ゴム技術により雪上性能を大幅に向上させた最新モデルです。ゴム表面の微細な凹凸が雪の結晶に引っかかることで、強力な雪上グリップを生み出しています。
トレッドパターンは、V字型のメインラインが排雪性を高めつつ、多方向サイプがあらゆる角度からのトラクションを確保する設計です。特に、発進時のホイールスピンを抑える性能に優れており、信号待ちからのスムーズな発進が可能でしょう。
さらに、液状ファルネセンゴムとの組み合わせにより、極寒環境でも柔軟性を維持するため、深雪や新雪でも高い走破性を発揮します。雪国での日常使用から、スキー場へのアクセスまで、雪上性能を重視する方に最適な一本です。
WINTER MAXX 02


WINTER MAXX 02は雪上性能と氷上性能のバランスに優れたスタンダードモデルです。MAXXグリップパターンにより、エッジ成分を増やすことで雪上トラクションを向上させています。
トレッド全体に配置された多方向サイプが、発進・制動・旋回のすべてのシーンで雪をしっかり掴み、安定した走行を実現することが可能です。また、ナノフィットゴムの柔軟性により、圧雪路でも路面に密着してスムーズな走りを提供してくれるでしょう。
WINTER MAXX SJ8+


WINTER MAXX SJ8+は、SUV・4WD専用設計により、重量車の雪上性能を最適化したモデルです。高い車重とトルクに対応するため、ショルダー剛性を強化したメガブロック構造を採用しています。
中央の2本太溝が深雪での排雪性を高めつつ、横溝が雪を左右に掻き出すことで、常にフレッシュな接地面を維持できます。これにより、連続した雪道走行でもグリップ性能が持続するのが特徴です。
また、ナノ凹凸ゴムがSUV特有の高い接地圧でも雪をしっかり掴むため、急な上り坂や深雪からの脱出性能も優れています。雪山へのアクセスや、除雪の行き届いていない道路を頻繁に走るSUVオーナーにおすすめのモデルでしょう。
ヨコハマタイヤアイスガードシリーズの雪上性能比較


ヨコハマタイヤの主要商品の雪上性能に関する特徴や、各商品の比較について詳しく解説していきます。
| タイヤモデル | 従来品との比較(雪上関連性能) |
|---|---|
| iceGUARD 8 | 従来品iG7比で「雪上制動4%短く止まる」性能を実現 |
| iceGUARD 7 | 従来品iG6比で「雪上性能3%向上」を達成 |
| iceGUARD SUV G075 | 従来品GEOLANDAR I/T-S比で「氷上制動23%向上」し、SUV向けの雪上走行性能も大幅に改善 |
iceGUARD 8


iceGUARD 8は最新の冬ピタ吸水ゴムを採用することで、雪上性能も大幅に向上させた新世代モデルです。吸水ゴムが雪面の微細な水分を除去して、ゴムと雪の密着性を高めることで、強力なトラクションを生み出します。
新開発のマイクロエッジ構造により、細かいサイプが雪の結晶に引っかかるエッジ効果を最大化しているのが特徴です。また、非対称パターンの採用で、外側ショルダー部が雪上でのコーナリング性能を強化しています。
iceGUARD 7


iceGUARD 7はトリプル吸水ゴムにより、雪上性能を確保した実績あるモデルです。吸水・密着・エッジの3つの効果が雪道での安定した走行をサポートします。
トレッドパターンはセンター部の縦溝が直進安定性を確保しつつ、ショルダー部のブロックが雪を掻き出すことで、発進時のトラクションを向上させています。また、マイクロバルーン技術によるゴムのしなやかさが、圧雪路での密着性を高めているのが特徴です。
深雪走破性は最新モデルに一歩譲りますが、一般的な雪道であれば十分な性能を発揮してくれるでしょう。
iceGUARD SUV G075


iceGUARD SUV G075は、SUV専用設計により雪上性能を最適化したモデルです。「ワイドトレッド設計」と、高剛性ボディが重量車特有の接地圧の高さを活かして、深雪でも強力なトラクションを発揮します。
大型ブロックと太い溝が雪をしっかり掴み、排雪性も優れているため、連続した雪道走行でも性能が低下しにくいのが特徴です。また、ショルダー剛性の強化により、コーナリング時のふらつきを抑えて、SUVでも安定した旋回が可能となっています。
トーヨータイヤの雪上性能比較


トーヨータイヤの主要商品の雪上性能に関する特徴や、各商品の比較について詳しく解説していきます。
| タイヤモデル | 従来品との比較(雪上関連性能) |
|---|---|
| OBSERVE GIZ3 | 従来品比で「発進時のトラクション性能も大幅に向上」し、雪上での駆動力が改善 |
| OBSERVE GSi-6 | 従来品比で「圧雪路でのブレーキング性能向上」を実現 |
| ウィンタートランパスTX | 従来品MK4α比で「40km/hからの制動距離を6.1m短縮、約12%の性能向上」を達成 |
OBSERVE GIZ3


OBSERVE GIZ3はナノバランス・テクノロジー・コンパウンドと、高密度3Dマルチウェーブサイプにより、雪上性能を大幅に向上させた最新モデルです。
3Dマルチウェーブサイプはブロック剛性を保ちながらエッジ成分を増やす設計で、発進・制動時のトラクションを強化しています。波状のサイプがブロック同士を支え合うことで、深雪でもブロックが倒れ込まず、安定したグリップを維持するのが特徴です。
さらに、バイオ由来素材を配合した環境配慮型設計により、性能と環境性能を両立した次世代スタッドレスとなっています。
OBSERVE GSi-6


OBSERVE GSi-6は、SUVやスポーツセダン向けに設計されたハイパフォーマンスモデルです。V型トレッドパターンが排雪性と排水性を同時に高め、雪道でも安定した走行を実現します。
V字の溝が雪を中央から外側へ効率的に掻き出すことで、常にフレッシュな接地面を維持するのが特徴です。また、ハイパフォーマンス・マルチセルコンパウンドが低温下でも柔軟性を保つため、圧雪路でもしっかりとグリップしてくれるでしょう。
ウィンタートランパスTX


ウィンタートランパスTXは、ミニバン専用に設計されたスタッドレスタイヤで、雪上性能もミニバンの特性に最適化されています。スーパーハイターンアップ構造により、ふらつきを抑えた安定した雪上走行が可能です。
センター部の剛性を高めることで直進安定性を確保しつつ、ショルダー部の柔軟性で雪上グリップを向上させた設計が特徴となっています。また、吸水バルーン配合ゴムが雪面の微細な水分を除去し、密着性を高めることで、発進・制動性能を向上させています。
ミシュランX-ICEシリーズの雪上性能比較


ミシュランの主要商品の雪上性能に関する特徴や、各商品の比較について詳しく解説していきます。
| タイヤモデル | 従来品との比較(雪上関連性能) |
|---|---|
| X-ICE SNOW | 従来品X-ICE3+比で「雪上ブレーキング約4%向上」を実現 |
| X-ICE SNOW SUV | 従来品比で「雪上ブレーキング約4%向上」し、SUV向けの雪上制動性能が改善 |
| X-ICE 3+ | 前世代モデルとして、後継モデルX-ICE SNOWの基準となる雪上性能を提供 |
X-ICE SNOW


X-ICE SNOWは次世代Vシェイプトレッドパターンにより、優れた雪上性能を実現したグローバルスタンダードモデルです。V字型の深い溝が雪を中央から外側へ効率的に排出し、常にクリーンな接地面を維持します。
また、フルデプス3-Dサイプが溝底まで刻まれているため、摩耗が進んでも雪上グリップが維持されるのが大きな特徴です。さらに、EverWinterGripコンパウンドが極寒環境でも柔軟性を保つため、新雪や深雪でも高いトラクションを発揮してくれるでしょう。
X-ICE 3+


X-ICE 3+はミシュランの定番スタッドレスタイヤとして長年愛されてきたモデルで、雪上性能も信頼性が高いのが特徴です。フレックスアイス2.0コンパウンドが低温下でも硬化しにくく、雪面との密着性を維持します。
トレッドパターンは細かいサイプとブロック配置により、発進・制動時のトラクションを確保しつつ、直進安定性も両立しています。深雪走破性は最新モデルに一歩譲りますが、一般的な雪道であれば十分な性能を発揮してくれるでしょう。
X-ICE SNOW SUV


X-ICE SNOW SUVはSUV・4WD専用設計により、重量車の雪上性能を最大化したプレミアムモデルです。乗用車用X-ICE SNOWの基本性能に加えて、強化ケーシング構造を採用することで、高い車重とトルクに対応しています。
拡大VTSサイプと、クロスZサイプの組み合わせが、SUVの高い接地圧を活かして深雪でも強力なトラクションを生み出すのが特徴です。また、V字型トレッドパターンの排雪性により、連続した雪道走行でもグリップ性能が持続します。
まとめ


スタッドレスタイヤの雪上性能は深い溝とサイプ、柔軟なコンパウンド、最適化されたトレッド設計の組み合わせによって決まります。各メーカーがそれぞれ独自技術を投入しており、走行環境や車種によって最適なモデルは異なるでしょう。
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