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スタッドレスはアイスバーンに効かない?特徴や対処法、おすすめのタイヤも紹介

冬のドライブでもっとも怖いのは「アイスバーン」によるスリップではないでしょうか。

特に雪が多い地域では、毎年のようにアイスバーンによる事故が発生しています。だからこそ、多くの人が「スタッドレスタイヤを履いているから大丈夫」と思いがちですが、実はアイスバーンはスタッドレスタイヤでも滑ることがあります。

この事実を知らないと、思わぬ事故につながる可能性があるため、正しい対処法を理解することが大切です。

この記事では、まずアイスバーンとはどのような状態かを詳しく説明し、スタッドレスタイヤの効果や限界について触れながら滑りやすい状況での具体的な対策もご紹介します。

さらに、アイスバーンに強いおすすめのスタッドレスタイヤもピックアップしているのでこれから冬を迎える前にスタッドレスタイヤを選びたい方も必見です。

アイスバーンとは?

アイスバーンとは?

冬の路面で多くのドライバーが最も警戒する「アイスバーン」。これは雪道の中でも特に危険度が高く、注意が必要な路面状態です。

安全運転のために、まずはアイスバーンがどのようなものかを理解していきましょう。

路面上の水分が凍結した状態

アイスバーンとは路面上の水分が凍結して氷の層を作り、その上を車が走行する状態を指します。

日中に融けた雪や雨が夜間の気温低下によって凍りつき、ツルツルとした氷の路面が形成されます。

見た目は普通の道路と大差ないことも多く、気づかずに走行してしまうこともあります。

凍った路面は乾いたアスファルトと比べて摩擦が大幅に低下するため、タイヤがしっかりと路面を捉えることが難しくなり、スリップ事故の原因になりやすいです。

路面がツルツルして滑りやすい

アイスバーンの最大の特徴は、滑りやすさです。氷が張った路面はタイヤとの摩擦がほぼなく、スタッドレスタイヤを装着していても十分なグリップ力を発揮するのが難しくなります。

特にスピードを出しすぎたり、急ブレーキや急ハンドルといった操作を行うと、簡単に車がコントロールを失い、事故を引き起こしてしまう危険があります。

さらに見た目では路面の状況が分かりにくいため、突然アイスバーンに差しかかることもあり、とても危険です。

アイスバーンには3種類ある

アイスバーンには大きく分けて3種類あります。

● ミラーバーン
● ブラックアイスバーン
● 圧雪アイスバーン

ミラーバーン

1つ目はミラーバーンと呼ばれるもので、氷が鏡のようにツルツルと光り輝いている状態です。このタイプは最も滑りやすい特徴があります。

ブラックアイスバーン

2つ目はブラックアイスバーンです。これは一見すると濡れたアスファルトのように見えるため、ドライバーがアイスバーンに気づかないこともあります。見た目の違いがほとんどなく、突然滑り出すため特に注意が必要です。

圧雪アイスバーン

3つ目は圧雪アイスバーンです。このタイプは雪が踏み固められ、表面が凍結している状態になります。シャーベット状のため滑りやすさはやや抑えられていますが、油断するとスリップしてしまいます。

スタッドレスはアイスバーンに効かないって本当?

スタッドレスはアイスバーンに効かないって本当?

スタッドレスタイヤは雪道や凍結路での走行に適したタイヤですが、アイスバーンのような滑りやすい路面では効果が薄いとも言われているのをご存じですか?

では、本当にスタッドレスタイヤはアイスバーンには効かないのでしょうか?ここでは、スタッドレスタイヤがアイスバーンでどの程度効果を発揮するかを解説します。

一定の効果はあるが完全に滑らないわけではない

まず前提として、スタッドレスタイヤはアイスバーンに対して一定の効果は発揮します。

通常のタイヤに比べ、スタッドレスタイヤはゴムが柔らかく、低温でも硬くならずに路面を捉えやすいのが特徴です。

また、トレッドパターン(タイヤの溝)にも特別な設計が施されており、氷の上でもグリップ力を保つようになっています。

しかしそれでもアイスバーンのような極端に滑りやすい状況では、完全に滑らないわけではありません。

スタッドレスタイヤが持つ限界を理解し、過信せず慎重な運転を心がける必要があります。

スピードを出しすぎると滑る可能性がある

スタッドレスタイヤは、あくまでも滑りやすい路面でも通常のタイヤよりは安全に走行できるものです。

スピードを出しすぎると、どんなに優れたスタッドレスタイヤでもアイスバーンの上では滑りやすくなります。

アイスバーンではタイヤのグリップ力が低下し、急な動作にタイヤが追いつかず、車が制御を失うリスクが高まります。

スタッドレスを装着しているからといって安心せず、特にスピードには十分に注意を払いましょう。

スタッドレスが摩耗しているとより滑りやすい

スタッドレスタイヤの性能は、タイヤが新品の状態であれば最大限に発揮されますが、使用を重ねてゴムが摩耗してくると性能が低下します。

特にトレッドパターンがすり減ると、アイスバーンでのグリップ力が著しく低くなり、滑りやすくなるので注意しましょう。

摩耗が進んだタイヤは見た目ではまだ使えそうに見えても、実際には性能が大きく劣化していることが多いため適切なタイミングでの交換が必要です。

目安として、スタッドレスタイヤの溝が50%以下になるとアイスバーンでの安全性が大幅に低下するので、早めの交換を心がけましょう。

スタッドレスがアイスバーンで滑るときの対処法

スタッドレスがアイスバーンで滑るときの対処法

スタッドレスタイヤを装着していても、アイスバーンで完全に滑らないわけではありません。

特に運転中に予期せぬスリップが起こった場合、冷静に適切な対処をすることが事故を防ぐ鍵になります。ここでは、アイスバーンで滑ったときに取るべき対処法について説明します。

● スピードを出さずに慎重に走る
● チェーンを併用する
● 滑っても慌ててハンドルやペダルで立て直そうとしない

スピードを出さずに慎重に走る

最も重要な対処法は、そもそも滑らないためにスピードを抑えて慎重に走ることです。

アイスバーンでは路面のグリップ力が極端に低下するため、普段の感覚で走ると危険です。

特にカーブや下り坂では、スピードが出すぎているといざというときにブレーキを踏んでも止まりきれず、滑ってしまうことがあります。

アイスバーンでは常に低速で運転し、急な動作を避けることが重要です。

チェーンを併用する

アイスバーンでのグリップ力をさらに高める手段として、タイヤチェーンを併用することが有効です。
スタッドレスタイヤだけでは心許ない場合、チェーンを使うことで路面への食いつきが向上し、滑りにくくなります。

特に急な坂道や凍結がひどい場所では、チェーンが非常に有効です。ただし、チェーンの装着には時間と手間がかかるため、あらかじめ装着する場所やタイミングを考えておくようにしましょう。

また、チェーンは速度を出しすぎると切れたり劣化が進むため、装着時は特に低速で走行する必要があります。

滑っても慌ててハンドルやペダルで立て直そうとしない

もしアイスバーンで滑ってしまった場合、最も大切なのは慌てずに冷静に対処することです。

滑り始めた瞬間、反射的にハンドルを急に切ったりブレーキやアクセルを強く踏んで立て直そうとしたりするのは逆効果です。

急な操作はさらに車を不安定にし、制御が効かなくなる原因となります。滑ったときには、まず足をペダルから軽く離し、ハンドルはまっすぐに保つように心がけましょう。

滑りが収まるまで、ゆっくりとした操作で車を安定させることが大切です。特に、ブレーキは慎重に踏み込み、急激な減速を避けるようにしましょう。

アイスバーンに強いスタッドレスタイヤ3選

アイスバーンに強いスタッドレスタイヤ3選

ここからは、アイスバーンに強いスタッドレスタイヤを3つ厳選してご紹介します。冬場に滑りにくいタイヤをお探しの方は確認してみてください。

  1. ヨコハマタイヤ|アイスガード7 IG70
  2. ブリヂストン|BLIZZAK (ブリザック) VRX3
  3. ミシュラン|X-ICE SNOW

1. ヨコハマタイヤ|アイスガード7(IG70)

アイスガード7

ヨコハマ公式サイトへ

ヨコハマタイヤの「アイスガード7 IG70」は、氷上性能を大幅に向上させたスタッドレスタイヤです。

前モデルと比べて氷上性能が15%アップし、凍結路面でも優れたグリップ力を発揮します。

特に、進化した非対称パターンと「クワトロピラミッドディンプルサイプ」により、タイヤの接地性とブロック剛性が強化されています。

さらに、新開発のプレミアム吸水ゴムが路面の水膜を吸収し、氷上での密着性を高めます。

アイスガード7は経年劣化が少なく、長期間にわたって安定した性能を維持できるのも特徴です。

2. ブリヂストン|BLIZZAK (ブリザック) VRX3

ブリザックVRX3

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ブリヂストンの「BLIZZAK VRX3」は、氷上性能に優れた高性能スタッドレスタイヤです。

特に、前モデルであるVRX2と比べて氷上ブレーキ性能が20%向上しており、凍結路面での安全性を大幅に高めています。

これは、新開発の「フレキシブル発泡ゴム」と改良されたタイヤパターンによるものです。

さらに、ゴムの劣化を抑える新素材の採用により、長期間にわたって高い性能を維持できるのも特徴です。

耐摩耗性にも優れ、タイヤの摩耗ライフが17%向上しており、経済性も抜群。

氷上だけでなく、雪上、ドライ、ウェットといった幅広い路面状況に対応できるため、冬のドライブで安心して使用できる信頼性の高いタイヤです。

3. ミシュラン|X-ICE SNOW

X-ICE SNOW

ミシュラン公式サイトへ

ミシュランの「X-ICE SNOW」は、氷上性能と雪上性能を高次元で両立させた革新的なスタッドレスタイヤです。

前モデル「X-ICE 3+」に比べて、氷上ブレーキング性能が9%向上し、新開発の「EverWinterGrip」コンパウンドにより、氷上グリップ力がさらに強化されています。

加えて、雪上でのブレーキング性能も4%向上し、一体感のある走りとステアリング応答性が高められています。

さらに溝のデザインが最適化され、ハイドロプレーニングやシャーベット雪にも優れた対応力を発揮するのが特徴です。

新しいコンパウンドにより、タイヤの摩耗後でも高い性能が長く維持されます。

アイスや雪上はもちろん、ドライやウェット路面でも安定したグリップ力と静粛性を提供する、高性能なスタッドレスタイヤとして評価されています。

アイスバーンを走行する際の注意点

アイスバーンを走行する際の注意点

アイスバーンでの運転は非常に危険を伴いますが、いくつかの基本的な注意点を守ることで、事故のリスクを大幅に減らすことができます。

ここでは、アイスバーンを安全に走行するための重要なポイントを3つご紹介します。

  1. 「急」がつく操作をしない
  2. 十分な車間距離をとって走行する
  3. 事前に路面状況を確認しておく

1. 「急」がつく操作をしない

アイスバーンで最も危険なのは、「急ハンドル」「急ブレーキ」「急加速」など、急がつく操作です。

アイスバーンは非常に滑りやすく、突然の動作に対してタイヤが路面をしっかりと捉えられなくなります。

急にハンドルを切ったり、ブレーキを強く踏み込むと、車がコントロールを失いスリップしてしまう可能性が高くなります。

そのため、走行中はすべての操作をゆっくり、滑らかに行うことが重要です。

特にカーブでは、あらかじめスピードを十分に落とし、ハンドル操作もゆるやかに行うことで、安定した走行を心がけましょう。

2. 十分な車間距離をとって走行する

アイスバーンでは、通常の道路以上に十分な車間距離をとることが不可欠です。

凍結した路面ではタイヤの制動距離が大幅に伸びるため、前の車が急に減速したり止まったりした場合、近すぎるとブレーキをかけても間に合わず、衝突してしまうリスクが高くなります。

通常時の2〜3倍の車間距離を確保することで、いざというときに安全に停止するための余裕が生まれます。

また前方の車の動きを常に注視し、先を見据えた運転を心がけることで、いざというときに安定した走行が可能になります。

3. 事前に路面状況を確認しておく

アイスバーンに直面しないための最善策は、事前に路面状況を確認することです。

特に冬場は天気予報や交通情報をチェックして、凍結が予想される道路や、すでに危険が報告されているエリアを避けるようにしましょう。

また、目的地までの道中で凍結が予想される時間帯(早朝や夕方以降)には特に注意が必要です。

さらに車を走らせる前に道路の温度や表面の状態を目視で確認し、危険そうな場合は無理をせず、時間をずらしたり別のルートを選ぶといった柔軟な対応が求められます。

アイスバーンに強いスタッドレスはタイヤワールド館ベストへ

アイスバーンに強いスタッドレスはタイヤワールド館ベストへ

今回は、アイスバーンにスタッドレスは効かないのかということや、アイスバーンを走行する際の注意点について詳しく解説しました。

アイスバーンに強いスタッドレスタイヤはありますが、過信して通常走行してしまうと滑ってしまうので注意してください。

タイヤワールド館ベストでは、スタッドレスに効果があるタイヤをたくさんご用意しております。店舗一覧からお近くの店舗を探してお越しくださいね。

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また近くに店舗がない方は、タイヤワールド館ベストのオンラインショップをチェックしてみてはいかがでしょうか?冬が来る前に、スタッドレスタイヤを準備しておいてくださいね。

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作成者: ベストライターチーム

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