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columns インチアップ 基礎知識

インチアップ時の空気圧とメーター誤差について

最終更新日 2024年1月30日

こんにちは!タイヤワールド館ベストです。
今回は特に反響の大きい「インチアップ」の中から、「空気圧」、「メーター誤差」にポイントを置いて書いていきたいと思います。
目指せ、車検に通るインチアップ!

タイヤサイズを変更するときの4つのルール

まず初めにタイヤサイズを変更するときの4つのルールを確認したいと思います。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.はみ出し禁止!

タイヤ、ホイールは車体からはみ出してはいけません。
解決策→ホイールのサイズをタイヤと車種にあわせてマッチングする

ホイールにもタイヤ同様サイズがあります。分かりやすい所でいうと、ナットで取り付ける穴数(4穴~6穴、マルチなど)、リム径(これはタイヤサイズに合わせます。例えば、タイヤサイズが195/65R15→リム径は15、215/45R17→リム径は17)、ホイールの取り付け面(インセット、ゼロセット、アウトセット)などなど‥これらはプロにおまかせした方が無難です。大手のネットタイヤショップは、購入時に車種情報から適合ホイールしか買えないようになっていたり、車種情報からマッチング(タイヤ外径、ホイール径、リム幅、タイヤハウス内での干渉などの条件をクリアして車に適合させること)済の商品を配送してくれる所もあります。
当店では専門のスタッフがマッチングしてお送りしていますのでご安心ください。

2.負荷能力(ロードインデックス・LI)の確保!

タイヤの変更では、変更後のタイヤが純正タイヤの負荷能力を下回ってはいけません。
解決策→負荷能力(ロードインデックス・空気圧)をチェックする

準備編(愛車のタイヤサイズ確認)

まずは純正タイヤでの負荷指数を調べましょう。
車のドア部分のシールから、確認します。
空気圧シール1
運転席のドアを開けた左側に白いステッカーがあります。
(左側のボディ部分を上から下まで確認すると見つかります。)

タイヤサイズの部分をみると、このような感じで表記されていると思います。

この場合、91が荷重指数(ロードインデックス。LIとも省略されます)となります。

各サイズの代表的な荷重指数を表にしたので、こちらでインチアップ先のLIが純正LIを下回らないかどうか確認してください。(タイヤのパターンにより異なる場合があります。正確な指数はメーカーHPまたは当店までお電話ください。)
()内がLIです。

荷重指数表

13インチ 14インチ 15インチ
155/65R13(73) 155/55R14(69)
165/55R14(72)
165/50R15(73)
145/80R13(75) 155/65R14(75) 165/55R15(75)
165/50R15(73)
155/80R13(79) 165/70R14(81) 175/60R15(81)
185/60R15(84)
185/55R15(82)
155/80R13(79) 175/65R14(82) 185/55R15(82)
175/65R15(84)
185/65R15(88)
195/65R15(91)
195/65R15(91)
16インチ 17インチ 18インチ
165/45R16(74)
165/40R16(70)
165/40R17(73)
165/50R16(75)
165/45R16(74)
165/40R17(73)
195/50R16(84)
195/45R16(80)
195/40R17(81)
205/40R17(80)
205/40R17(84XL)
195/45R16(80)
195/50R16(84)
195/40R17(81)
205/40R17(84)
175/60R16(82)
185/55R16(83)
205/45R17(84)
195/55R16(87)
205/50R16(87)
205/45R17(84)
215/45R17(83)
215/45R17(87XL)
195/60R16(89)
205/55R16(89)
205/55R16(91)
205/50R17(89)
205/50R17(93XL)
215/50R17(91)
215/45R17(87)
215/45R17(91XL)
215/45R18(89)
215/45R18(93XL)
215/40R18(85)
225/40R18(88)
225/40R18(92XL)
195/60R16(89)
205/55R16(89)
205/55R16(91)
205/50R17(89)
205/50R17(93XL)
215/50R17(91)
215/45R17(87)
215/45R17(91XL)
215/45R18(89)
215/45R18(93XL)
215/40R18(85)
225/40R18(88)
225/40R18(92XL)
215/65R16(98) 215/60R17(96) 215/55R18(95)
235/50R18(97)
225/50R18(95)
215/60R16(95) 215/55R17(94) 225/45R18(91)
225/50R18(95XL)
19インチ 20インチ
215/35R19(85)
225/35R19(84)
225/35R19(88XL)
245/40R19(94)
245/40R19(98XL)
245/35R20(91)
245/35R20(95XL)
225/40R19(89)
225/40R19(93XL)
235/35R19(87)
235/35R19(91XL)
225/35R20(88)
225/35R20(90XL)
235/30R20(88XL)

上記195/65R15の場合、LIは91。
205/55R16へのインチアップの場合はLIは同じく91で問題なし。
205/50R17へのインチアップの場合はLIは89。91を下回ってしまうため不可です。
205/50R17の場合、同じサイズでエクストラロード規格(XL)があり、LIは93。91を上回るのでOKです。
インチアップで荷重指数が下がってしまう場合は、XL・RFタイヤを選びましょう。

ここで気をつけなければいけないのが空気圧。XL・RFタイヤは290kPaまで(JATMA規格は240kPa、ETRTO規格のスタンダードは250kPaまで)空気を入れることができます。正しい空気圧にしなければ、本来持つ負荷能力を発揮することができません。
適正な空気圧を決めるために、次に愛車の負荷能力を調べましょう。

JATMA規格とは?

国内メーカーの場合、純正タイヤはJATMA規格に準じているので、JATMA規格・負荷能力表から負荷能力を調べます。

JATMA規格・負荷能力表

LIと空気圧の交差する所の数字が負荷能力です。例えば、タイヤの純正LIが91で空気圧が220kPaだった車の場合、負荷能力は585kgになります。
(負荷能力は一輪あたりでその重さに耐える必要があるということです。)

規格いろいろ(JATMA・ETRTO・RF/XL)

1.JATMA規格

一般社団法人 日本自動車タイヤ協会のこと。国産メーカーのブリヂストン、ダンロップ、ヨコハマ、トーヨータイヤ、ミシュランはこの規格です。
空気圧の最大は、240kPa。

2.ETRTO(スタンダード)規格

ヨーロッパタイヤはこの規格です。タイヤの側面に「E」マークがあります。
空気圧の最大は、250kPa。

3.ETRTO(レインフォースド(RF)・エクストラロード(XL))規格

耐荷重性能を強化したタイヤです。RFもXLも意味は同じです。
※国産メーカータイヤでもRF・XLであればETRTO(XL・RF)規格で見ます
空気圧の最大は、290kPa。

次にXL・RFタイヤの負荷能力表を見てみましょう。
大事なので繰り返しますが、国産メーカータイヤでもRF・XLであればETRTO(XL・RF)規格で見ます。

ETRTO(XL・RL)規格負荷能力表はこちら

Xl規格でLIが93の場合、負荷能力585kgを確保するには空気圧は260kPaにする必要があることが表から分かります。
正しいLIと空気圧で、負荷能力を確保しましょう。

3.干渉注意!

タイヤの変更では、変更後のタイヤが操作時、走行時にフェンダー等と干渉してはいけません。

解決策→ホイールのサイズをタイヤと車種にあわせてマッチングする

こちらも、「1.はみ出し禁止!」の所で説明したとおり、購入時の車種情報から適合ホイールしか買えないorマッチング済の商品が届く場合が多いです。
当店では専門のスタッフがマッチングしてお送りしていますのでご安心ください。

4.メーター誤差の注意!

実速度とメーター速度との誤差は規定内にしなければなりません。

解決策→タイヤの外径がなるべく変わらないようなインチアップをする

タイヤ名称

メーター誤差が許容範囲内かの確認

車検で合格する誤差の許容範囲は+6%~-22.5%です。
平成19年1月1日以降製造の車→
スピードメーターが40km/hの時点で、実速度が30.9km/h~42.55km/hの範囲内に収まっていること。
平成18年12月31日以前製造の車→
スピードメーターが40km/hの時点で、実速度が30.9km/h~44.4km/hの範囲内に収まっていること。

ポイント
タイヤ外径が大きいと、実速度が速くなり、許容範囲が狭い。
タイヤ外径が少さいと、実速度が遅くなり、許容範囲が広い。
→迷ったら外径が小さくなる方を購入した方が無難です!

メーターの誤差は、タイヤの外径と密接に関わっています。さっそく先程のサイズを例に外径を計算して、メーター誤差が許容範囲内かどうか確認してみしましょう。

タイヤサイズの見方

~タイヤ外径の計算方法~
195/65R15の場合

タイヤの厚み=タイヤの外径×偏平率
195×0.65=126.75mm
タイヤの厚み=126.75mm

リム径(15インチ)=25.4×インチ
※1インチ=25.4ミリ
25.4×15=381mm
リム径=381mm

タイヤ外径=タイヤの厚み×2+リム径
126.75×2+381mm=634.5mm

※タイヤの厚みは上下があるので×2

195/65R15の外径=634.5mm

※タイヤによって誤差はあります

もちろん個人の好みはありますが、外径は+-10mm以内に収められるのがベターです。

主なサイズの一般的なインチアップについて

詳しく紹介してきましたが、これらの条件をクリアした一般的なインチアップのサイズというものがあります。インチアップ初心者はこちらの表から選びましょう!

コンパクトカー ミニバン ミニバン(大)
14インチ 155/65R14 165/70R14
15インチ 165/55R15 175/65R15 195/65R15
16インチ 165/45R16 195/50R16 205/55R16 215/65R16
165/50R16
17インチ 195/45R17 215/45R17 215/60R17
205/50R17
18インチ 215/40R18 235/50R18
215/45R18
19インチ 225/30R19 245/45R19
225/35R19
20インチ 245/40R20

緑を純正サイズとして、+1インチアップはベター、+2以上のインチアップは自己判断でお願いします。

まとめ

インチアップをしようとネットで情報検索をすると、P.C.Dやインセット、フランジ形状といった難しい用語が並んでいますが、大抵の場合、お客様自身が決めなければならないことは「タイヤのサイズ」だけです。
その中でも「負荷能力(ロードインデックス・LI)の確保」「メーター誤差」については、選択するタイヤの影響を受けるので、そのポイントを注意してもらい、最適なタイヤ選びの参考になればと思います。

ベストライターチーム

作成者: ベストライターチーム

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