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スタッドレスタイヤ ⑦-交換時期と履き潰し編-

最終更新日 2022年10月12日

▼スタッドレスタイヤの交換時期

スタッドレスタイヤは冬道を走る車には必需品です。

購入を検討する人の多くは10月頃から検討しているようです。

履き替えるタイミングは天気予報と相談しながら雪が降り始める前に交換しておきましょう。

タイヤがすり減らないようにギリギリに交換するという話をよく耳にします。

すり減っていないタイヤの方がいいと思いがちですが必ずしもそうとは限りません。

なぜなら、スタッドレスタイヤはおろしたての状態よりも少しすり減っていた方が性能がアップするのです。

タイヤは製造過程で成型し金型から抜いた際にタイヤ表面に生じる薄いゴムの皮があり、スタッドレスタイヤの性能の吸水・ひっかき・密着は

この薄皮が剥けることで本来の性能を発揮します。

スタッドレスタイヤ本来の性能をフルで発揮させるために雪道走行に備えて雪が降る前に慣らし運転をしましょう。

慣らし運転に必要な走行距離はドライ路面で約100kmほど。高速道路のような平滑な路面では約200kmが目安となっています。

また、雪が降り始めてからや雪が降る直前の交換はタイヤショップ等が大変混雑し待ち時間も長くなります。

品薄状態で選択肢が少なくなったり、最悪の場合は売り切れや欠品で交換時期を逃してしまうなどのデメリットが生じてくるので、早めに交換し

雪が降った冬道を万全の状態で安全に走行しましょう。

 

▼スタッドレスタイヤの履き潰しについて

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夏にスタッドレスタイヤを履いている車を時々見かけます。

「スタッドレスとしては来シーズン使えないけどまだ溝もあるし履き潰してしまおう!!」という考えの方が多いようです。

ただ、それって本当に大丈夫なのでしょうか?

 

メリット

【直接的なコストが削減される】

【交換の手間が省ける】

デメリット

【制動距離が伸びる】

夏タイヤに比べゴム質が柔らかい素材でできておりブロックの倒れ込みが起こり制動距離が長くなります。

ゴムが柔らかくできているので夏場の高温の路面では柔らかくなりすぎてタイヤ自体が歪みカーブ等でふらつきを感じることもあります。

【ハイドロプレーニング現象が起きやすくなる】

夏タイヤと比較してスタッドレスタイヤの溝は深く、細かな切り込みがたくさん入っています。

これらの溝には吸水性能を持たせており、タイヤが氷を踏んだ時にできる薄い水の膜で滑らないようにする工夫ですが

雨の日など路面が濡れている時はスタッドレスが水を溜めこんでしまい排水性能が低下し、高速道路でハイドロプレーニング現象が起きやすくなるのです。

【燃費が悪くなる】

ノーマルタイヤに比べスタッドレスタイヤは吸水性能を上げるために溝に細かな切り込みが入っています。

そのため転がり抵抗が大きくなるのでノーマルタイヤよりも1~2割程度燃費が落ちると言われています。

【ロードノイズが大きくなる】

スタッドレスタイヤは転がり抵抗が大きいため、必然的にロードノイズも大きくなる傾向にあります。

 

個人的な見解になってしまいますが、履き潰しには直接的な経済メリットもあるので一概に悪いとも言い切れません。

ですが、履き潰しをする際にには上記のような多くのデメリットを伴うことも理解したうえで十分に注意し、いつも以上に安全運転を心掛ける必要があります。

ただし、デメリットの方が多いので安全性・性能・将来的なコストパフォーマンスを含め履き潰しよりも、

冬にはスタッドレスタイヤを、夏にはノーマルタイヤの装着をおすすめします。